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    妊娠中の「安定期」と鍼灸施術について。

    妊娠中に肩こりや腰痛などに悩まされる方は多いのですがマッサージや鍼灸などの施術は「安定期」に入ってから行う方が良いと言われています。本日は妊娠中の状態を初期・中期・後期に分け「安定期」について説明します。*分類方法はいろいろありますが、わかりやすくするため3段階に分けています。

    (1)妊娠の3段階

    <1>妊娠初期

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    期間

    1週~15週(1か月~4か月)くらいまで

    赤ちゃんの状態

    ・ 胎嚢(たいのう)が確認できる (5週)

    ・ 心音が確認できる (7週)

    ・ 基本的な体の構造ができ神経や血管ができる(10週)

    ・ 胎盤が完成する。内臓が完成する。手足の運動が始まる。

    胎盤からの栄養を受け成長が早くなる(15週)

    お母さんの状態

    ・ 股関節から下腹部、みぞおちからバスと周辺が緊張する。

    つわりが始まる。体がほてるなど(5週~)

    ・ つわりが強くなる。乳首などが黒ずみ始める。(9~12週)

    ・ 基礎体温が下がってくる。便秘がひどくなる。(13~15週)

     

    <2>妊娠中期

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    期間

    16週~27週(5か月~7か月)くらい

    赤ちゃんの状態

    ・ 23~26センチくらいまで大きくなる。胎盤が完成する。(20週)

    ・ 31~35センチまで大きくなる。目を開けるようになる。

    脳神経の発達がピークを迎える。性別がわかる子もいる(27週)

    お母さんの状態

    ・ つわりがほぼなくなる。お腹のふくらみが目立ち始める。

    貧血症状が強くなる。(16~22週)

    ・ 胎動を感じ始める。静脈瘤ができやすくなる。

    痔になりやすくなる。仰向けになるのがつらくなる。(23~27週)

     

    <3>妊娠後期

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    期間

    28週(8か月)以降

    赤ちゃんの状態

    ・ 36~40センチほどまで大きくなる。頭が下を向くようになる。

    胎動が激しくなってくる(31週)

    ・ 41~45センチ程まで大きくなる。お母さんの感情を受けて

    感情の変化が起き始める。(35週)

    ・ 46~50センチほどまで大きくなる。赤ちゃんとしての機能が

    ほぼ完成する。臨月期。(39週)

    お母さんの状態

    ・ 胎動を強く感じる。お腹が急に大きくなってくる。

    妊娠船が出始める。逆子の確認が必要になる(28~31週)

    ・ 息切れや動機症状が起こる。足元がおぼつかなくなる。

    股関節や恥骨の痛みを感じやすくなる。(32~35週)

    ・ お腹が張りやすくなる。トイレが近くなる。

    食欲旺盛になる。基礎体温が不安定になってくる。(36~40週)

     

    (2)安定期とは?

    一般的に胎盤が形成されるころを「安定期」と呼ぶことが多いようです。この時期になると流産などの可能性も格段と下がります。つまり16週目以降が鍼灸やマッサージを行ってもよいとされる期間になります。

    妊婦さんへの鍼灸施術について書かれた論文でも13週を一つの目安としています。16週以降ならば問題ない可能性は高いでしょう。・・・ただ安定期とは胎盤が安定し始める時期のことであり何をやっても安全というわけではありません。あくまで目安です。

    田無北口鍼灸院では手足のマッサージやはり灸を中心にお腹に負担をかけない安全な施術を心がけておりますが痛みや不安を少しでも感じる方にはオススメしません。お気軽にご相談ください。

    妊娠悪阻(つわり)に伴う唾液過多症状に関して。

    田無北口鍼灸院ではつわりで悩まれている方から相談をいただくことが多いです。「唾液過多」についての相談もいただくことがありますので少しまとめていきます。「唾液過多」とは唾が多く出てしまい困る状態のことを指します。現代医学的には、真性と仮性に分けて、真性では、反射性(生理的なもの、炎症性のものなど)、中枢性(脳炎、脳血管障害、神経毒物の蓄積、パーキンソン病等)、心因性原因。仮性では、口腔内の炎症や嚥下障害がある場合、妊娠悪阻に伴うものなどの原因を考えます。「妊娠悪阻に伴うもの」とはここで取り上げるつわりの一種、のことを指します。

    妊婦さんの唾液過多症状はなかなか改善する方法がとくになく唾を吐くためのペットボトルを持参しなくてはならないほど困る方もいらっしゃいます。東洋医学的には唾液の分泌異常は(妊娠に伴う)脾胃機能の失調、と考えることもできます。脈の状態や身体の状態などを診たうえで漢方薬で対処する方もいらっしゃいます。黄連解毒湯や、大柴胡湯、黄連湯などが処方されることが多いようです。鍼灸での改善も期待できます。鍼灸治療を行うと妊娠悪阻(つわり)に伴う唾液過多が改善するという明確なエビデンスや研究はありませんが症例報告改善報告は存在します。

    ですので、もしも妊婦さんが唾液過多症状で困ったらまずは医師(たいていは担当の産婦人科医)に相談し病的なものかどうか?確認が必要になります。病的なものでない、妊娠悪阻(つわり)に伴うもの、ストレス性といったものが鍼灸治療の対象になります。冷えや血行の改善、脾胃(消化器)、および自律神経の失調改善、緊張・ストレス緩和目的に施術を行います。鍼や灸をするとその場ですぐ改善するわけではないので田無北口鍼灸院で施術を行う場合はまずは5回ほど施術を行い、期限や目標を設定したうえで改善を目指していきます。

    鍼灸ではありませんがカイロプラクティック療法で妊娠悪阻(つわり症状)を改善させたという興味深いデータもあります施術を受けた115人のうち91人が改善。唾液の分泌過多症状も改善したようです。カイロプラクティックにより何らかの自律神経調整作用、緊張緩和作用などがあったため改善したのではないでしょうか。鍼灸でも似たようなアプローチをすることは可能です。以下詳細になります。興味があれば英語の論文もご覧ください。

    「妊娠症状に対する手動治療の有効性:妊娠症状の治療における手動治療の有用性」

    目的

    第1および第2トリメスター中の妊娠症状を軽減または排除する上での手動治療の有用性を判断すること。

    メソッド
    頸椎と胸椎の手動治療は、正常な妊娠中に妊娠症状を発症した115人の妊婦のグループで行われました。頸椎の​​回転牽引が適用された。治療が失敗した患者は、最低3日間の休止の後、2回目の治療を受けました。治療が最初は成功したが後に再発した患者も、全手順を繰り返した。この研究で分析された妊娠症状は、胸焼け、吐き気、嘔吐、めまい、頭痛、不眠症、首の痛み、嗅覚過敏、唾液分泌過多でした。

    結果
    手動治療は、91人(79.1%)の患者で妊娠症状の治療に成功し、22人(19.1%)で部分的に成功し、最初の治療後の2人の患者(1.7%)で失敗しました。2回目の治療後、合計56人の患者のうち、治療は40人(71.4%)で完全に成功し、14人(25%)で部分的に成功し、2人(3.6%)の患者で失敗しました。成功率が最も高かったのは、頭痛(97.3%)、嘔吐(95.9%)、めまい(94.5%)、悪心(92.9%)、首の痛み(92.9%)、不眠症(91.9%)、胸焼け(88.8%)、嗅覚過敏(78.5%)および唾液分泌過多(78%)。

    結論
    妊娠中の手技療法は、薬物を使用せず、病因があり、通常は非常に効果的な治療法です。これは、低コストで、迅速で、安全で、忍容性の高い妊娠症状の治療法であり、すぐに効果が得られることが多いため、妊娠症状の最適な治療法になります。