カテゴリー: パーキンソン病・がん・難病など

    パーキンソン病やがんなどの難病施術に関して記事まとめです。痛みを緩和しQOL(生活の質)をあげるお手伝いをします。鍼灸はがん細胞そのものを
    攻撃する働きがありますがそれよりもQOLをあげる目的で施術が行われることが多いです。

    何が期待できてどんな効果があるのか?

    事前にしっかりと説明し補完代替医療との付き合い方などもお伝えします。まずはご相談ください。

薬で改善しない、しつこい痛み(慢性疼痛)に鍼灸治療を加える事をオススメします。

腰痛などを「身体の部位がとにかくずっと痛い。という方がいらっしゃいます。これらは慢性疼痛と呼ばれ薬だけではなかなか改善せずに困っている方も多いです。すべてではありませんがこれらのしつこい痛みに鍼灸が有効なことが多いためその理由を含めてまとめていきます。

痛みの分類

痛みは大きく以下の3つに分かれます。その際に使われる薬剤も様々でその症状に合わせて医師が判断し痛み止めだけではなく抗うつ薬や抗てんかん薬などが処方されます。

1、侵害受容器性疼痛

炎症成分・発痛物質の増加で起こります。組織の損傷を感知して起こる痛みです。切り傷・骨折・肉離れなど・・・ほとんどの痛みはこれに当たります。変形性質関節症、がん、偏頭痛、緊張型頭痛などもこれに当たります。痛み止めの薬が有効とされています。痛み止め(NSAIDsのセルコックスやロキソンニンなど)や外用薬(バップ)などが処方されます。

2、神経障害性疼痛

神経線維が傷害されると起こります。例えば神経根の圧迫=手根管症候群 神経の損傷=糖尿病など また幻肢痛といって切断した手が痛むことなどもありますし帯状疱疹後の神経痛もこれに当たります。神経系が痛みに敏感な構造になってしまうため痛みの原因がなくなった後も痛みが続くことがあります。

神経ブロック注射や内服薬ではリリカやトラムセットなどが処方されることもあります。

3、中枢機能障害性疼痛

脳の疼痛記憶やストレス、鬱により痛みが増します。サインバルタやリーゼなどの抗うつ剤が処方されることもあります。

慢性疼痛とは?

数か月から数年にわたり持続や再発を繰り返す痛みのことです。通常以下のいずれかに当てはまる痛みは慢性疼痛とみなされます。

・ 痛みの元の原因になったケガや病気がなくなった後も3か月以上の痛みが続く

・ 数か月から数年にわたり再発したり消えたりする

・ 慢性疾患(がん・関節炎・糖尿病・線維筋痛症など)が原因で起こるものや治らないけがに伴うもの

慢性疼痛があると痛みに対する神経系の感度が非常に高くなってしまうことがあります。少しの刺激でも敏感になってしまうのです。(以下イメージ図)またある場所から別の領域へ痛みが放散することもあり、この場所をトリガーポイントということもあります。鍼灸治療ではこのトリガーポイントを狙って治療することもあります。

薬では治りづらい

病院ではリハビリなども行われますが薬物療法が主体となります。ケガや感染症による痛みは除き、薬だけでは痛みがなかなか改善しない場合もあります。以下に理由を列挙します。改善しない場合は病院や薬などに加えて鍼灸治療なども視野に入れていいかもしれません。

・そもそも発生原因が複雑で多岐に渡るため。

・上記の図のように繰り返し脳で痛みを認識することで、ちょっとしたことでぶり返し続けているため。

・冷え性や筋力低下など体質が関係しているため。

→鍼治療に加え疎経活血湯(そけいかっけつとう)などの漢方薬を使い体質改善を図りながら、痛み症状改善を提案することがあります。その際は漢方専門クリニック等をご紹介します。

・職場での姿勢や人間関係など環境が関係しており、そこが改善されていないため。

・筋肉の緊張が強いため。

・痛みに対し不安や恐怖を感じていることが大きなストレスとなっているため。ほか

病院とも良い関係を

とは言え誤解してほしくないのは「薬が悪い、役に立たない」という話ではありません。中にはなかなかよくならず精神的に参ってしまい薬そのものを嫌悪するようになってしまった方もいらっしゃるかもしれません。薬物療法による痛みのコントロールによりQOLを上げる事はとても意味があることです。が、同時に「薬だけで解決することが難しいこともある」と考えるとよいかと思います。慢性疼痛は特にそのようなケースに当たることが多いのです。

医療機関とも上手に付き合うとよいでしょう。例えばですが「原因不明の慢性的な腰痛だと思っていたら実は癌だった、自己判断で民間療法を行ううちに悪化してしまった。」という最悪のケースも考えられます。痛みや不調がある場合まずは原因を確かめることが良いでしょう。もちろん調べても、医師に相談しても分からないことはありますが「自己判断で原因が分からない」と「血液検査や精密検査をした上でよくわからない」ということの間にはリスクに大きな違いがあります。上手に医師や病院を頼りましょう。

鍼灸治療のメリット

以下のような理由から鍼灸治療をオススメします。

・比較的安全でエビデンス多。(参考1)

・筋肉を緊張緩和し血行をよくする。

→緊張が関係し痛みが生じている場合、鍼灸治療が非常に効果的です。

・鍼を刺すと脳内からモルヒネ用物質という鎮痛作用がある物質が出る。(参考2)薬を使わないためすでに沢山薬を飲んでいる人の選択肢に加えやすい。

・自律神経、ホルモンバランスの安定作用がある。

 

分からないことがあればまずは一度ご相談ください。


参考

1:慢性疼痛患者に対する鍼刺激が脳循環に及ぼす影響

2:明治鍼灸大学の研究

田無北口鍼灸院は難病・持病をお持ちの方も多数来所されています。→痛みや症状を改善します。

田無北口鍼灸院には様々な持病を持った方も来所されます。持病そのものを良くしたい、というパターンもありますし持病そのものもそうだがほかの症状を良くしてほしい(痛みなどを減らし生活の質を上げてほしい)というご要望もあります。:例えば自己免疫疾患の方が腰痛を良くしてほしいというご要望など。

いずれにせよ持病をお持ちの方でも事前によくヒアリングするのでご安心ください。現在どんなことで悩んでいるのか?お話をよく伺い解決策を提案します。

持病をお持ちの方の場合はとくにいきなり揉まれたりするとかえって悪化することもあります。リラクゼーションサロンなどでは病気に対する知識などもないのでそのような対応をされてしまうこともあるでしょう。飲んでいる薬の情報やどのような治療を受けているのかという情報まで聞けないことがほとんどではないでしょうか?弊所では最初に細かくお話をし持病、飲んでいる薬の情報なども詳しく伺いますのでご安心ください。また鍼灸には様々な効果があります。しかしながらツボをつけば何でも治してしまうという意味ではありません。

なぜ効くのか?も含めじっくり説明させていただきます。いつまでに?どうしたいか?も事前によくヒアリングをしますのでじっくりお話ください。

 

<田無北口鍼灸院に来ている方の持病例>

・ 重症筋無力症

・ 線維筋痛症

・ うつ病

・ フィッシャー症候群

・ IgG4関連疾患

・ 抗リン脂質抗体症候群

・ がん

・ パーキンソン病

・ メニエール病

・ クローン病

ほか

パーキンソン病と鍼灸治療に関して。

明治国際医科大学の研究でパーキンソン病に対する鍼灸治療で

・ 日常生活動作

・ 精神症状

において有意義な改善が認められました。(詳しくは上記リンク)

・・・たまに誤解されている方がいますが鍼灸施術を行うとパーキンソン症状がぴたりと治る、という意味ではなくQOL(生活の質)が著しく向上するということに意義があると考えます。詳しくは以下にもまとめていきます。

<1>パーキンソン病とは?

人間の脳は、大きく分け大脳、小脳、脳幹(のうかん)に分類されます。パーキンソン病では、脳幹に属する中脳の「黒質(こくしつ)」という部分と、大脳の大脳基底核(だいのうきていかく)にある「線条体(せんじょうたい)」という部分に異常が起こっています。私たちが体を動かそうとすると、脳の「大脳皮質」から全身の筋肉に指令が伝わりますが私たちの意図どおり動くように運動の調節を指令しているのが神経伝達物質「ドパミン」です。ドパミンは、脳の奥の「黒質」にある「ドパミン神経」でつくられています。

パーキンソン病になると、このドパミン神経が減少し、十分につくられなくなります。結果、運動の調節がうまくいかず、体の動きに障害があらわれます。

<2>パーキンソン病の症状

運動症状・非運動症状がともに生じます。

(1)運動症状

手足がふるえる(振戦)動きが遅くなる(無動)筋肉が硬くなる(固縮)体のバランスが悪くなる(姿勢反射障害)

(2)非運動症状

自律神経系症状:便秘、排尿障害(頻尿)、起立性低血圧睡眠障害:不眠、むずむず脚症候群、REM睡眠行動障害

精神症状:抑うつ、不安、無関心、(幻覚、妄想)など

<3>パーキンソン病の段階

ゆっくりと時間をかけて進行します。現在は効果的な治療薬もあり進行を遅らせることもできるようになっています。早い段階から治療をすることが大切です。
ヤール重度分類 : 数字が大きくなるほど重度

(1)症状は片側の手足のみ。

日常生活への影響はごく軽度。

(2)症状が両側の手足に。

多少の不便はあっても、従来どおりの日常生活を送ることができる。

(3)歩行障害や姿勢反射障害があらわれる。活動が少し制限されますが、日常生活は自立している。

(4)両側の手足に強い症状あり。自力での生活は困難。介助が必要なことが多くなる。

(5)一人で立つことができなくなる。車椅子での生活や寝たきりになる。全面的介助が必要。

<5>パーキンソン病に対する鍼灸治療について

前述しましたが鍼灸を行うとパーキンソン患者のQOLを向上させることができます。

・ 肩こり・腰痛など痛みや運動器疾患の改善

・ 便秘や起立性低血圧など自律神経症状の改善

・ 知覚過敏など感覚障害の改善

・ 不眠症や不安感などの精神障害の改善

に鍼灸は効果があります。また事前によくヒアリングをし「どの段階まで進行しているのか?」「日常生活でどんなことに困ってるか?」「どんなことを改善したいか?」など詳しく伺っていきます。ご自宅に伺い出張施術なども可能です。まずはお電話などでご相談ください。

「アトピー性皮膚炎は鍼灸でよくなりますか?」というご質問に関して。

結論から申し上げますとしっかり集中すればほとんどの場合で状態は改善します。ただし時間がかかることもありますし、あくまで補完的な施術となります。鍼灸をしていれば何をしなくてもいいという意味ではありません。極端な治療をお勧めすることはありません。現代医学的な治療を否定することもありません。

鍼灸とアトピー性皮膚炎の論文はたくさん出ているのですが一例をあげますとこちらの論文には抗ヒスタミン作用があることや脳に働きかけかゆみや痛みを鎮めることなどが書かれています。東洋医学的には筋肉を柔らかくし血の巡りをよくすることで症状が安定すると考える方が多いです。時間さえかけて鍼灸治療すればほとんどの場合で症状は安定します。

現代医学的には・・・現段階ではアトピーの根本的な治療法は確立されていません。ステロイド外用薬が治療の中心となります。これは症状を抑えるための対症療法です。しかしステロイドや対症療法がダメという意味ではないです。症状を抑えることが非常に良いこともあるのです。かゆくて寝れないときなどはQOL(生活の質)を考えて上手に使うことも大事です。「脱ステロイド」のようにあまり極端な治療はお勧めしません。もちろん、マイナス面もあります。ステロイドとは、副腎皮質から自然に分泌されるホルモンの一種で、免疫を高める作用があります。そのホルモンを外用薬として一時、人工的に補うことで皮膚症状を楽にしますがステロイドを長期間大量に使用すると、逆に副腎皮質が機能低下を起こしてしまいます。その結果、皮膚がちりめん状に縮んだり、色素沈着を起こしたりします。

鍼灸では何ができるか??鍼灸医学に「アトピー」という考え方はありません。赤い湿疹や痒みを体質の変化や臓器の失調、環境からの影響として捉えます。長年アトピーに悩んでこられた患者さんには肩こり、便秘、顔のほてりと足の冷えなど様々な随伴症状が見られます。とくにアレルギーと便秘などおなかの状態を関連付けて考えることが多いです。こうした症状を同時に治すこともアトピー性皮膚炎の治療には欠かせません。自律神経や免疫系を安定させる目的でも鍼灸を行います。得に筋肉が固い方には念入りに鍼灸施術をします。柔らかくし気血水の流れをよくすることが早期改善につながると考えます。最初は週に1,2回の施術をし治療に集中することをお勧めします。またたくさん鍼灸をすれば必ず良くなるという性質のものでもありません。合わない方もいますし、無理なく続けていけるかどうかも肝要です。まずはご相談ください。

<鍼灸とアトピー性皮膚炎解説動画>

★重要★通常医療を否定しない。代替医療ではなく「補完代替医療」という考え方。

(1)補完代替医療とは何か?

一般的に日本の病院では「通常医療」、「西洋医学」、「現代医学」と呼ばれる医療が行われます。医学は科学技術の発展とともに様々な病因の分析や治療法の開発がなされ今日までに進歩してきました。一方で生活習慣やストレスなどに起因する精神疾患、アレルギー疾患、がんなどについては必ずしも容易に克服できない状況が続いています。医学にも得意・不得意がありそのような背景からも健康食品やマッサージ、鍼灸など通常医療に組み込まれないいわゆる「補完代替医療」が広く国民に利用されているという現状があります。

(2)補完代替医療の種類

例としては以下です。

国家資格・国の制度に組み込まれてるもの:

はり灸、あんまマッサージ指圧、
ほねつぎ、漢方医学の一部、
サプリメント(栄養機能食品など)

その他:

カイロプラクティック、整体、
ヨガ、音楽療法、アユルベーダ、
ホメオパシーなど

(3)統合医療、代替医療、補完代替医療

アメリカは国家的な取り組みとして1998年にNational Center for Complete mentary and Altanative Medicine(NCCAM)を設立しています。当初NCAAMは補完代替医療をComplementary and Altanative medicine=「一般的に通常医療とみなされない医療、ヘルスケアシステム、施術、生成物などの総称」と定義していました。Altanative medicineが代替医療の訳でこれは通常医療である西洋医学を否定する意味合いがあることから現在は「Complementary health approaches」すなわち「補完代替医療」という用語を用いるようになってきました。

*参考*
医歯薬出版
「補完代替医療とエビデンス」より

かつて代替医療

いま代替補完医療

と覚えておくとよいでしょう。

また統合医療というのは医師管理のもと通常医療・西洋医学に代替補完医療(鍼灸など)を統合し患者中心の医療を行うものです。

(4)鍼灸などを行う上で、大事な考え方

補完代替医療は素晴らしい面もたくさんありますが一方でがんなどの重病にかかった有名人が「怪しげな民間療法にハマリ通常医療を受ける機会を逃しかえって悪い結果になってしまった」というような残念なニュースをきくこともあります。大切なのは通常医療を否定しないという考え方です。以下、国立がんセンター「補完代替療法を考える」から大切な考え方を載せておきます。がんだけでなくすべての疾患に当てはまると思いますので代替補完医療と呼ばれるものを検討する際には参考にされるとよいでしょう。

(以下抜粋)

あなた自身に問いかけてみましょう

・ この補完代替医療は、自分に合っていると思えるか。

・ この補完代替医療は、心地よいものか。

・ この補完代替医療の施行時間は、長すぎないか。

・ この補完代替医療を行うのに、通院距離は遠くないか。

・ この補完代替医療を行うのに、予約は簡単に取れるか。

・ この補完代替医療を行うのに、お金がかかりすぎないか。

・  補完代替医療を受ける場所やスタッフに不快な気分を感じなかったか。

・  補完代替医療の専門家は、標準的ながんの治療をサポートしてくれるか。

また鍼灸や一部漢方などは国内海外ともに研究データが豊富で厚生労働省の管理する「統合医療情報発信サイト」にもたくさんエビデンスが掲載されています。民間療法・代替補完医療というと同じように聞こえる方もいるかもしれませんが千差万別です。よくチェックされることをお勧めします。

私自身の考えでは通常医療を理解していない人が発信する補完代替医療の情報は無意味です。それどころか害が大きいです。臨床試験のこと、薬のこと、医学用語など・・・理解していない人が勧める補完代替医療は疑ってかかることをオススメします。通常医療を理解していないと、どこからどこまでが補完代替医療の守備範囲か?わからずにクライアントに不利益を与えます。がんやアトピーが治らないのは製薬会社の陰謀、などと極端な話をする人もいます。通常医療を否定するような施術やサプリ、また簡単に、根拠なく「治る・良くなる」という方法ははお勧めしません。厚生労働省なども情報発信しています。よく検討しましょう。

がんの手術後の腰痛症・めまいなどの自律神経症状に鍼と漢方内科でフォローし改善した症例。


弊所は病院と連携しているということを一つのアピールにしてます。今回は連携しながら施術した症例報告をします。がんの手術後腰痛になった患者さんを取り上げました。

病院と連携することでそのような持病を持つ方も安心して見れるようになるのは大きな強みでしょう。動画でも説明していますが鍼灸は補完治療がメインです。極端な話はしませんが安心して施術を受けてくだされば幸いです。(以下・症例)

>>>>>>>>

本症例は胃がんの術後4か月後より腰部・背部の痛み、およびめまい不調が発生し鍼灸治療と医師による漢方処方により症状が改善した例である。週に1,2回の鍼灸施術11回程度で症状が改善した。鍼灸院だけでなく医師の診察や処方による治療の相乗効果が示唆された。

お名前:

桜井 花子さま(仮名)45歳女性 主婦

初診:

平成30年3月5日

主訴:

左腰痛・背部痛、めまい、自律神経症状

既往歴:

胃がん

現病歴:

平成29年12月 某F総合病院で胃がん手術。1/3摘出。術後からしばらくして主訴である腰痛・背部痛、自律神経症状が発生。

平成30年2月頃、近所のF総合病院にて診察。シップ薬処方のみで満足が得られなかったため弊所を受診した。鍼灸治療に期待している。発生時期・発生状況は不明だが術後しばらくたってから主訴が気になり始めたとのこと。

家族歴:

特筆することは特になし

所見・方針:

全身の筋緊張あり。頸部・左背部の緊張がとくに強い。腰痛のためSLRテスト実施。陰性。平成30年2月にF総合病院にて脳CT検査。異常なし。

筋緊張や心因性のものが原因であると推測。

術後からがんに効果があるとされる健康食品も服用。知人に勧められた。

既往歴や心因性の原因から鍼灸だけでなく漢方も併用したほうがいいと判断し漢方内科への受診も勧める。受諾してもらう。漢方内科クリニック紹介。

施術:

乳がんの告知後から体調が悪くなったようなので精神的な不安を取りのぞけるよう現在の通院や投薬状況など伺う。ある程度の治療計画を立て改善までの目安も伝えた。最初は集中的に施術を行い少しずつ間を開けていく。うつ伏せの状態で施術は胸が気になるのでバスタオルやマットで調整。不安感が出ないようにしながら施術。背部兪穴に鍼・温灸。特に肝兪・膈兪が硬い。風池・亜門・完骨など自律神経症状の改善目的で頚周辺の経穴にも刺鍼。

経過:

1回目 3/7時間をかけて問診を行う。自律神経症状や検査についても細かく記入してもらい、よくお話を伺った。施術計画についても説明。同意を得る。漢方内科も紹介できる旨伝える。

*必ず行かなければいけないわけではない。

2.3回目 3/11.3/14

引き続き緊張を取る目的の施術。施術レポートをお渡しし現状について理解を深めてもらう。

4・5回目 3/16.3/18

施術アンケート実施。現状感じている疑問や不安を吐き出してもらい施術にフィードバックさせる。やはり病気のことが気になるようでマインドフルネス(瞑想)のお話などもお伝えする。選択肢を多く持つことで不安感を減らしてもらう。また漢方内科への通院も希望したために紹介状渡す。

6回目 3/25

漢方内科受診。投薬開始。お手紙をもとに施術方針について再度説明。何かあれば医師にも相談するよう伝える。

7.8.9回目 4/1、4/9、/17

緊張緩和。疼痛改善傾向。

10回目 4/23

改善傾向のため今後は自宅でのセルフケア(お灸など)継続しつつ少し間を開けて施術しメンテナンスするよう説明。漢方内科・鍼灸院ともに月に1.2回程度は通院するよう指導。

生活指導:

自宅でセルフケアでできるお灸やマインドフルネス瞑想のことなどもお伝えしなるべく多くの選択肢を持ってもらうことで精神的なゆとりを持ってもらった。

考察:

がんの補完代替医療として健康食品や代替療法に費やすお金はなんと月平均57000円、年間で684000円という情報がある。*参考 国立がん研究センター「統合医療は信用できるか?」より 鍼灸師は鍼灸というタッチセラピーを通し患者の不安感を取り除いたうえで正しい情報を患者に与え漢方を処方できる医師とも協力しがん患者の施術・鍼灸治療に当たればこの費用を今より安く抑えなおかつ安全に治療効果も高めることができ患者満足度が高い治療を提供できるのではないか?と考えている。引き続き医師と連携しながらのがん患者の鍼灸治療にあたりたい。

現代医学のガイドラインに掲載されている鍼治療(線維筋痛症・腰痛・がんの痛み・片頭痛・偏頭痛など)

鍼灸治療は様々なことに効果があり、

様々な疾患に対応できるのですが

現代医学的な「診療ガイドライン」でも

推奨されているものがあります。

 

診療ガイドラインとは

「医療者と患者が特定の臨床状況で

適切な決断を下せるよう支援する目的で

体系的な方法に即して作成された文章」

のことで

エビデンスレベルと推奨度を

記載したものが一般的です。

 

鍼灸も様々な研究が多数行われており

論文も多数存在するために

国内の診療ガイドラインにも

いくつか記載があります。

 

もちろんこれに記載されたものが

正しく、記載されていない疾患は

効果がないというわけではありません。

 

しかしながら現代医学的な

ガイドラインに掲載されているということは

鍼灸の効果を証明する一つの根拠

になるのです。

 

ざっとですが以下のようなものがあります。

 

・腰痛診療ガイドライン2012:

科学的根拠があり行うよう勧められる

 

・線維筋痛症ガイドライン2011:

科学的根拠があり行うよう勧められる

 

・慢性頭痛診療ガイドライン(片頭痛):

強い科学的根拠があり行うよう強く勧められる

 

・・・ほか変形性膝関節症や

がんの疼痛なども強く推奨されています。

詳しくはこちらをご覧ください。

 

他にも科学的根拠がある、

エビデンスがある疾患は多数存在します。

まずはご相談くださいませ。

自己免疫疾患と鍼灸治療に関して。IgG4関連疾患の例。

日々鍼灸治療を行っていますと

様々なことでお悩みの方が来所されます。

 

弊所にいらっしゃる方は

持病をお持ちの方も多いのですが

いわゆる自己免疫疾患と呼ばれるような

持病をお持ちの方も数多く来所されます。

 

自己免疫疾患とは・・・

免疫細胞が自己の細胞を攻撃してしまい

おこる疾患の総称です。

「全身性自己免疫疾患」と

「臓器特異的自己免疫疾患」に大別されます。

 

発症機序や病態は不明のことも多いのですが

臓器や組織に慢性的な炎症が起こって

組織が破壊されます。

 

様々な疾患が例として挙げられますが

以下のような病名が有名です。

・ バセドウ病

・ 関節リュウマチ

・ 1型糖尿病

・ 全身性エリテマトーデス

・ 多くの糸球体腎炎

・ シェーグレン症候群

・ 強皮症

・    IgG4関連疾患 など

 

自己免疫疾患と鍼灸

自己免疫疾患といっても上記のように

沢山のものがあるので

一口には言えませんが

リウマチなどは鍼灸治療で効果があるという

論文が多数存在しますし

健康保険の適応疾患としても認められています。

 

鍼灸は免疫系に働きかけるため

自己免疫疾患に効果がある、

というのはやや乱暴な論理ですし

まだまだ分かっていないことも多いです。

 

IgG4関連疾患の例。

一例ですが自己免疫疾患の一つで

IgG4関連疾患という病気があります。

 

これにより

腎機能が低下、下肢むくみ

→ 腰痛が起こる

などということもあります。

 

もちろんご本人は腰痛を良くしたくて

鍼灸院に来るために

良くお話を聞かないとそのような

疾患をお持ちだということも

わからないこともあります。

 

弊所ではなるべくしっかりと

初回で話を伺い持病なども把握しながら

施術を進めていきます。

線維筋痛症と鍼灸に関して。ガイドラインから。

線維筋痛症学会が出している

線維筋痛症ガイドライン2013年版

を見ていました。

 

線維筋痛症は西洋医学ですと

難病として扱われることが多く

またなかなか改善しないケースもあるために

鍼灸やその他の治療法を

選択肢として考える方も少なくありません。

 

ガイドラインには鍼灸をはじめ

運動療法についてのエビデンスなども

書かれています。

 

何に対しても効く、というわけではない

でしょうがある一定の効果は

認められているということでしょう。

 

簡単に以下にご紹介いたします。

 

<鍼治療に関して>

・ 有効率は60%と比較的高い

 

・ 比較的安全である

 

・ 鍼治療は疼痛に対して効果がある

だけでなく頭痛・睡眠の改善・便通の改善

効果も報告されている。

 

・ 1997年にNIH(アメリカ国立衛生研究所)

が手術後の吐き気や嘔吐、抜歯後の疼痛と並び

線維筋痛症に対する科学的根拠は不十分であるが

有効であるとした。

 

・ 本邦では鍼治療は医師もしくは

国家資格を有する鍼灸師が行うために

患者に紹介しやすい特徴もある。

 

<運動療法について>

・ 西洋医学のカテゴリーでもあるが

運動を行うことで疼痛が完全に消失しなくても

改善が見られる。

 

・ 緩やかな動きが特徴の

太極拳が線維筋痛症に有効であることが

米国の検討で判明している。

 

ほか・・・

詳細は上記リンクよりご覧ください。

また線維筋痛症でお悩みの方は

是非一度ご相談ください。

しっかりお話を伺います。

 

弊所でも症例ががございますが

疼痛(痛み)緩和には効果が高いことが多いです。

がんの補完代替療法に対する選択肢に関して。鍼灸(はりきゅう)は2番目に多い選択肢。

がんの補完代替医療には

どのような選択肢がありどのような利用され方を

しているのか?

 

2001年に厚生労働省が

初めて全国規模の実態調査を行いました。

結果は以下です。

 

・ がん患者の約45%(1382人/3100人)が

1種類以上の補完代替医療を利用している。

・ 利用に当たって

平均して月57000円の出費をしている。

・ 内容は健康食品サプリメントが最も多い(96%)

鍼灸はそれに次いで多い(4%)

・ 補完代替療法を利用している57%は

十分な情報を得ていない。

・ 補完代替療法を利用している61%は

主治医に相談していない。

・ 主治医から補完代替療法の利用について

質問された患者は16%しかいない。

 

さらに補完代替療法を利用していない患者であっても

興味関心を持っている場合が多く

利用している患者と合わせると8割を超える。

がんの代替療法 クリニカルエビデンス

金原出版株式会社より)

 

こうやってみてみると

補完代替医療への関心の高さがうかがえますが

十分な説明責任や場合によっては

医師への報告などが必要になってくるのではないか?

と思われます。

 

弊所での施術は

それらも併せて十分に行いますので

まずはご相談ください。

がん患者さんへの鍼灸治療ガイドラインについて。生活の質向上、疼痛緩和ケアなど。

鍼治療をがん患者に提供するためのガイドライン

という論文を読んでいました。

 

このガイドラインは、

「役割と責任」

「鍼治療の基準」

「鍼治療の適応と考えられる患者」

「禁忌症と注意事項」

「鍼治療」

「検討と監査」

に分かれて記載されています。

 

このガイドラインは、

英国の臨床医師が鍼灸治療

(主に鍼治療) を推奨するため、

意思決定の根拠とともに、

エビデンスに基づきより

良い診療・施術が行えることを目的に

作成されています。

 

日本とは事情が少し違う部分があり

また治療者が読むための論文ですが

 

癌患者の鍼治療適応について

の部分を抜粋しご紹介させていただきます。

 

 (鍼治療の適応と考えられる患者、より)

3.1 一般的な適応は以下の通りである

3.1.1 一般的な鎮痛アプローチに反応せず、

疼痛が残存する患者

3.1.2 過剰な鎮静剤投与などのような、

通常処方に対して副作用を有する患者

3.1.3 既存の薬物の減量を望む患者

3.1.4 術創周辺(術創瘢痕)の疼痛のように

鍼治療に反応しそうな疼痛を有し、

それに対する薬物投与の中止を望む患者

3.1.5 従来の鎮痛処置を拒否する患者

自己による鍼治療、

単刺もしくは効果を維持するために必要な留置鍼による

いくつかの限られた部位への施術。

 

3.2 緩和できる可能性がある

特定の症状を以下に示す。

3.2.1 従来の治療に反応しない口内乾燥の患者

3.2.2 手術後や化学療法により2次的に生じる難
治性の悪心・嘔吐

3.2.3 進行癌による呼吸困難

3.2.4 乳癌、前立腺癌またはその他の癌に伴う
血管運動性の症状に対して、投薬に反応しない
か、副作用を回避するために薬剤の代わりに鍼
を選択する場合

3.2.5 腹部または骨盤内癌患者の治療による直
腸もしくは膣の出血を伴う放射線直腸炎

3.2.6 手術または放射線療法(放射線療法に起
因する潰瘍を含む)により治癒しない潰瘍

3.2.7 難治性の疲労

3.2.8 一般的な治療が無効であった

その他の症状(例えば不眠症)

(上記・リンク内論文より抜粋)

 

・・・また鍼治療は必ずしも

「最後の手段ではないこと」

も書かれています。

 

医師の行う標準医療を行うことに加えて

行えるようになれば

生活の質(QOL)向上につながります。

 

たとえば・・・

放射線治療後だるくなり寝ている

腰が痛くなる

鎮痛薬をたくさん飲んでしまう

(アセトアミノフェン 商品名カロナールなど)

という悪循環を

 

腰が痛くなる

鍼治療で腰痛を緩和させる

鎮痛薬飲む量が少なくなる

 

という好循環に変えることが期待できます。

 

*ただ一般的にがんの疼痛は

我慢しないほうがいいものもありますし

また鍼灸治療は断薬・減薬を

勧めるためのものではございません。

 

鍼治療を標準医療の中にうまく取り入れながら

行うことを勧めています。

薬の飲み方なども

必ず医師にも相談してください。

 

鍼治療を行うことで

生活の質が上がってくることが期待できます。

一度ご相談ください。

パーキンソン病・がんなどにも鍼灸が対応できる理由

パーキンソン病やがんの方に

鍼灸の施術を行う

という話をすると

誤解される方がいます。

 

マンガ

北斗の拳・奇跡の村のように

秘孔を鍼でつくと

すべて一発で治してしまう・・・。

そういうことではなく

QOL、生活の質をあげることに

とても大きな役割を果たせます。

 

鍼灸の施術を行い

血流を促進させ

筋肉の緊張を取ることで

痛みが緩和されたり

鬱っぽい症状が改善したり

寝つきが良くなったりします。

 

そういった間接的な効果により

生活の質が上がるのです。

 

一撃でそれらの難病を治す

という意味ではないので

ご理解ください。

意味があるものが提供できると思います。

 

ガンの痛みに対して

パーキンソンのうつ症状に関して

眠れないなどの症状に関して

胃腸の不調などの自律神経症状に関して

お困りの方はいつでもご相談ください。