東洋医学の話。本治と標治、未病治療について。

東洋医学の話。本治と標治、未病治療について。

東洋医学、鍼灸治療の考え方には

「本治」と「標治」と言う言葉があります。

 

本とは、正気、病因、先病、内にある病を指し、

標とは、邪気、病状、後病、外にある病を指します。

 

簡単に言うと、本とは病の本質であり、

標とは病の現象です。

 

ですので東洋医学的な考えでいうと

「今、外に現れている症状」

は結果でしかありません。

 

本来の原因は他のところにあり

そちらに注目することが重要になってきます。

 

東洋医学的な本来の治療とは

簡単に言いますと

症状を取ることが目的でなく

 

脈の状態を見たり

筋肉の状態を見たり、

舌の状態を見たり、

お腹の状態を見たりしながら

身体の状態を整えていくことです。

 

硬い筋肉の緊張を取ったり

冷えている部分を温めたり

むくんでいる部分の循環を良くしたり・・・

そんな施術を行っていきます。

 

例えば・・・

腰痛の方がいたとしましょう。

 

腰が痛いのが症状ですね。

弊所ではまずは

腰の痛みを取る施術を行います。

(標治)

 

しかしながら症状が何度かの施術で

取れたとしてもやはり本質的な改善

(本治)

も提案していきます。

 

立ち仕事で足が冷えていて

下半身の血行が悪くなっていれば

腰とは関係ない(と思われる)

足のお灸も行います。

 

お腹に緊張があれば

お腹の緊張も和らげていきます。

 

「痛いところだけ」

を施術するわけではありません。

 

それから

生活習慣・元々の体の状態・

現在の体の状態・ストレスなど

考慮しながら施術を行います。

 

人によって身体の状態はそれぞれなので

それぞれの状態に合わせて施術を行うのです。

(オーダーメイドの施術です。)

 

これにより現代医学的にいえば

結果的に

・ 睡眠の質が上がったり

・ ホルモンバランスが良くなったり

・ 代謝が良くなったり

病気になりづらい体が作れます。

 

温泉療法と同じく

間接作用ですが様々な疾患に対しても

効果は高いです。

対処できる疾患・症状は

痛み系疾患や肩コリだけではありません。

 

一例をあげますと・・・

・ 神経症状

(しびれ・違和感など)

・ 自律神経症状

(耳鳴り・目まい・気分の落ち込みなど)

・ 消化器系症状

(良く下痢をする・胃が痛いなど)

・・・様々な疾患・症状に効果があり

対応できます。

 

また東洋医学では

「未病治療」

という考え方があります。

 

病気になる前に治してしまおう、

という考え方です。

その方が治療する側もされる側も楽です。

 

これには同意できる方も多いのではないでしょうか?

痺れや痛み・目まいや耳鳴りなどの不調は

一度体の外に症状として出てきてしまうと

改善させるまでに

なかなか時間がかかってしまうことも

多くあります。

 

ですので弊所では

次のようなステップで施術を行うことが多いです。

 

(1)まずはつらい症状をお聞きする

(2)症状を和らげるための施術を行う

*標治 5回から8回程度

(3)改善して来たら施術回数を減らし

今度は悪くしないための施術・

メンテナンスのための施術を行っていく

*本治 未病治療 月に1・2回程度

 

わからないことなどあれば

いつでもご質問ください。