パーキンソン病と鍼灸治療に関して。
明治国際医科大学の研究でパーキンソン病に対する鍼灸治療で
・ 日常生活動作
・ 精神症状
において有意義な改善が認められました。(詳しくは上記リンク)
・・・たまに誤解されている方がいますが鍼灸施術を行うとパーキンソン症状がぴたりと治る、という意味ではなくQOL(生活の質)が著しく向上するということに意義があると考えます。詳しくは以下にもまとめていきます。
<1>パーキンソン病とは?
人間の脳は、大きく分け大脳、小脳、脳幹(のうかん)に分類されます。パーキンソン病では、脳幹に属する中脳の「黒質(こくしつ)」という部分と、大脳の大脳基底核(だいのうきていかく)にある「線条体(せんじょうたい)」という部分に異常が起こっています。私たちが体を動かそうとすると、脳の「大脳皮質」から全身の筋肉に指令が伝わりますが私たちの意図どおり動くように運動の調節を指令しているのが神経伝達物質「ドパミン」です。ドパミンは、脳の奥の「黒質」にある「ドパミン神経」でつくられています。
パーキンソン病になると、このドパミン神経が減少し、十分につくられなくなります。結果、運動の調節がうまくいかず、体の動きに障害があらわれます。
<2>パーキンソン病の症状
運動症状・非運動症状がともに生じます。
(1)運動症状
手足がふるえる(振戦)動きが遅くなる(無動)筋肉が硬くなる(固縮)体のバランスが悪くなる(姿勢反射障害)
(2)非運動症状
自律神経系症状:便秘、排尿障害(頻尿)、起立性低血圧睡眠障害:不眠、むずむず脚症候群、REM睡眠行動障害
精神症状:抑うつ、不安、無関心、(幻覚、妄想)など
<3>パーキンソン病の段階
ゆっくりと時間をかけて進行します。現在は効果的な治療薬もあり進行を遅らせることもできるようになっています。早い段階から治療をすることが大切です。
ヤール重度分類 : 数字が大きくなるほど重度
(1)症状は片側の手足のみ。
日常生活への影響はごく軽度。
(2)症状が両側の手足に。
多少の不便はあっても、従来どおりの日常生活を送ることができる。
(3)歩行障害や姿勢反射障害があらわれる。活動が少し制限されますが、日常生活は自立している。
(4)両側の手足に強い症状あり。自力での生活は困難。介助が必要なことが多くなる。
(5)一人で立つことができなくなる。車椅子での生活や寝たきりになる。全面的介助が必要。
<5>パーキンソン病に対する鍼灸治療について
前述しましたが鍼灸を行うとパーキンソン患者のQOLを向上させることができます。
・ 肩こり・腰痛など痛みや運動器疾患の改善
・ 便秘や起立性低血圧など自律神経症状の改善
・ 知覚過敏など感覚障害の改善
・ 不眠症や不安感などの精神障害の改善
に鍼灸は効果があります。また事前によくヒアリングをし「どの段階まで進行しているのか?」「日常生活でどんなことに困ってるか?」「どんなことを改善したいか?」など詳しく伺っていきます。ご自宅に伺い出張施術なども可能です。まずはお電話などでご相談ください。