カテゴリー: しびれ(坐骨神経痛・椎間板症・頚椎ヘルニア・腰椎ヘルニアなど)

脳梗塞を発症した方が鍼灸治療を受けることのメリット

脳梗塞を発症してしまうと身体の麻痺や言語障害などが発生してしまうことがあります。発生した部位や障害の程度によって差はありますが代表的な症状を以下にあげ、鍼灸治療を行うことノメリットも併せて紹介していきます。リハビリテーションは医師や専門家と相談しながら行うことが大切ですが鍼灸治療もお役に立てます。リハビリが終わってしまったけど症状が残っていてつらい、という方からの相談も多いです。お困りの方は一度ご相談ください。在宅や保険診療で施術を行える場合もあります。

脳梗塞後の症状

1. 運動障害(麻痺)

片麻痺: 脳梗塞によって、体の片側に麻痺が生じることが一般的です。右半球に脳梗塞が起きた場合は左側の手足に、左半球の場合は右側の手足に麻痺が現れます。

運動失調: 筋肉の協調が取れず、動作がぎこちなくなることがあります。これは、小脳が影響を受けた場合に特に顕著です。

2. 感覚障害

感覚鈍麻: 触覚、痛覚、温度感覚が鈍くなることがあります。これにより、手足の感覚が不明瞭になり、物を持ったり操作したりするのが難しくなることがあります。

3. 言語障害(失語症)

運動性失語(ブローカ失語): 言葉を理解する能力は比較的保たれるものの、自分の考えを言葉にして発音するのが難しくなることがあります。

感覚性失語(ウェルニッケ失語): 流暢に話すことはできるものの、言葉の意味を理解するのが難しく、会話が成り立たないことがあります。

4. 認知障害

注意障害: 集中力が続かない、注意を持続するのが難しいといった症状が現れることがあります。

記憶障害: 新しい情報を覚えるのが難しくなることや、過去の記憶が曖昧になることがあります。

実行機能障害: 計画を立てたり、物事を順序立てて進めたりする能力が低下することがあります。

5. 視覚障害

視野欠損: 視野の一部が見えなくなることがあります。例えば、両目の右半分または左半分が見えない「同名半盲」などが見られます。

複視: 両目で物を見る際に、物が二重に見えることがあります。

6. 嚥下障害

食べ物や飲み物を飲み込むのが難しくなることがあります。これにより、誤嚥(食べ物や液体が気管に入ること)が増え、肺炎のリスクが高まることがあります。

7. 精神的・情緒的な問題

うつ病: 脳梗塞後の障害に対する心理的な反応や脳のダメージにより、うつ状態に陥ることがあります。

感情失禁: 感情のコントロールが難しくなり、些細なことで泣いたり笑ったりしてしまうことがあります。

8. 排尿・排便障害

膀胱や腸のコントロールが難しくなることがあります。これにより、尿失禁や便秘などの問題が発生することがあります。
これらの後遺症は、患者の個別の状況によって異なりますが、リハビリテーションや適切な治療により、多くの場合で症状の改善が期待できます。適切な医療チームと連携して治療計画を立てることが重要です。

鍼灸治療を行うメリット

脳梗塞後のリハビリで鍼灸治療を取り入れることには、患者にとって以下のようなメリットがあり回復を早めることが出来ます。弊所では必要に応じて主治医に手紙で報告書等も作成します。

1. 自然治癒力の向上

鍼灸治療は身体の自然治癒力を高める効果があります。これにより、脳梗塞後の回復を促進し、患者の全体的な健康状態を向上させることが期待できます。

2. 副作用の少ない治療

鍼灸は薬物療法と比べて副作用が少なく、薬の服用に制限がある患者にも安全に利用できる治療法です。特に、多くの薬を服用している高齢者や薬に敏感な患者にとって、大きなメリットとなります。

3. 個別対応の治療

鍼灸治療は患者の症状や体質に合わせて治療方針を柔軟に調整できます。これにより、患者一人ひとりに最適な治療が可能になり、より効果的なリハビリが期待できます。

4. 痛みと不快感・自律神経症状の軽減

鍼灸治療は痛みを軽減する効果があり、脳梗塞後のリハビリで生じる筋肉のこわばりや痛みを和らげることができます。これにより、患者がリハビリを継続しやすくなります。薬で効果を出しずらい不眠や不安感、胃の痛みや下痢などの自律神経症状にも対応することが可能です。

5. 血行促進と機能回復の支援

鍼灸は血行を促進し、脳への酸素や栄養供給を改善することで、神経機能の回復を助けます。これにより、麻痺や筋力低下の改善が期待できます。

6. 精神的・感情的なサポート

脳梗塞後の患者は、ストレスや不安、うつ状態を抱えることが多いです。鍼灸治療はリラクゼーション効果があり、精神的・感情的なサポートを提供することで、心理的な負担を軽減します。

7. 総合的なリハビリ効果の向上

鍼灸は、物理療法や作業療法などの他のリハビリ療法と併用することで、総合的なリハビリ効果を高めることができます。鍼灸がもたらすリラックス効果や痛みの軽減により、他のリハビリ治療をより効果的に受けることができます。

8. 継続的なケアが可能

鍼灸は長期的に行える治療法であり、脳梗塞後のリハビリ期間が長引く場合でも継続的なサポートを提供できます。これにより、患者のモチベーションを維持し、リハビリの効果を持続させることができます。

これらのメリットにより、鍼灸治療は脳梗塞後のリハビリにおいて、患者の身体的および精神的な健康を支える重要な手段となり得ます。

腰痛と足のしびれを伴う腰痛(脊柱管狭窄症)と鍼灸の効果

腰痛症状で来所される方は多いです。腰痛の原因は様々ですが鍼灸でよくなる根拠や効果をまとめていきます。また、例えば椎間板ヘルニアになっている状態が鍼をすることで灸をすることで「元通り正常にになる」ということではなく症状が改善されて痛みやしびれを感じずらくなるということが多いです。*鍼灸は補助療法的な手段である場合もあるため初回に詳しく説明させていただきます。病院への通院や通常医療へのアクセスを否定することもないです。必要に応じて病院の紹介も行います。

(1)腰痛とは?足のしびれとは?

腰痛とは腰部あるいは腰臀部に痛みがある状態で腰下肢症状とは腰部症状とともに足にも症状が出ている状態のことを言います。これらの状態は内臓疾患や心理的要因によっても出現することもありますが筋肉や神経などの組織の問題から起こる腰痛が多いです。腰痛と足のしびれを伴う疾患は様々なものが考えられますがここでは一例として「腰部脊柱管狭窄症」という疾患について考えていきましょう。

(2)鍼灸の主な効果

鍼灸の主な効果としては以下のようなことがあげられます。・ 痛みの抑制

鍼灸の施術を行うと脳内から鎮痛に作用する物質などが出ることもわかっています。

・ 循環の改善

筋肉・神経周辺の血流が改善されます。

・ 自律神経の安定

胃腸の働きなどもよくなります。

・ 過緊張の弛緩(筋緊張緩和)

実はこの作用の効果が大きいかもしれません。筋弛緩作用があるので過緊張がなくなります。筋緊張が改善すると循環も改善され、痛みも抑制され、血流も促進され、自律神経の安定作用もあるのです。

 

(3)腰部脊柱管狭窄症の鍼灸臨床研究

様々な論文や臨床研究が存在しますがここでは粕谷大智先生 らの腰部脊柱管狭窄症に対する鍼灸治療の臨床的研究という論文をもとに考察していきます。

対象

対象患者は間欠性跛行を主症状としMRI.CTなどの画像所見からLCSと診断された62例であり,男性36例,女性26例で,年齢は平均67.3歳。

鍼治療

自覚症状や理学的検査、画像所見より判断した責任高位とされる狭窄部周囲の筋緊張や循環状態に変化を与えることを主に目的に行った。具体的には,椎間関節部(椎骨棘突起後縁部より外方2センチを刺入点とする。その際に臀部または下肢に放散痛を感じることがある)や椎間孔に近い部位(椎骨棘突起部より下方3センチを刺入点とする。その際に自覚症状のある部に放散痛や痺れ感を伴う)を、馬尾型に対して腰椎の棘突起間や椎間関節部周囲,第2仙骨孔の位置にある次膠穴を中心に症例に応じて置鍼(15分間)・雀啄などの普通鍼や低周波通電〔1 HZ・15分間)を行った。治療間隔は週1回で,3ヶ月時に治療効果の判定を行った。

結果

62例の治療成績は著効14例、有効17例、やや有効19例、無効12例

無効なものも多いものもよくなっているケースが多い印象である。

(4)まとめると・・・

筋緊張が改善されると、痛みが抑制される血流が促進され循環が改善されます。良い循環になることが多いです。また例えば下肢の痺れや冷えで悩む方に灸施術を行うと最初は感覚が鈍くなってるために熱さを感じない方も多くいますが「熱さを感じる(知覚神経刺激)→血流が促進→循環が促進」という反応が起こり、好循環に導くこともできます。その結果痺れや痛みなどの症状が改善されることも多いのです。お悩みの方はまずは一度ご相談ください。

「ストレートネックが原因ですか?」というご質問に対して。と、その対策。

ここ最近、弊所のクライアントさんから「整形外科でストレートネックだと指摘された。首や肩が痛い、自律神経の不調などはそれが原因ですか?」と質問されることが多いです。結論から言いますと答えは「よくわからない。ただストレートネックは不調の原因になりうる。」とお答えすることが多いです。ストレートネックについてまとめていきます。

ストレートネックとは何か?

まずは定義を探すことが重要です。日本整形外科学会のページを検索してもストレートネックという言葉は見つかりませんでした。アメリカ医師会の権威ある雑誌JAMA(ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション)の論文を参照します。(参考1)そこでは以下のように表現されていました。

生理的な頸部の前彎曲線の喪失による、異常な脊椎アライメントに関連する一般的な変性疾患。

→病名というよりは概念・状態を表す言葉だと思うといいかもしれません。湾曲がまっすぐだとストレートネックだと呼ばれ、逆に湾曲がきつすぎるとスワンネックと呼ばれます。どちらもあまりよい状態ではないとされています。

なぜ整形外科医の先生は「ストレートネック」という言葉をよく使うのか?

整形外科学会のHPにはストレートネックという言葉は定義されていないのですが、整形外科医の先生はよくストレートネックだという説明をする印象があります。(統計ではなくあくまでも私の印象論です。)なぜそう説明するか?以下考察してみたいと思います。

・医師は「骨盤矯正」や「免疫力」という言葉は医学用語でないため使うのを嫌がる。しかしストレートネックは医学的な根拠がある。(そのためJAMAなどにも取り上げられる。)

・レントゲン所見から説明しやすい。「頸椎がまっすぐだから痛みが出ている。」→ 説明としてわかりやすいため患者の理解や納得も得られやすい。それだけが原因でないことは医師も分かっているがわかりやすく説明している。

上記のような理由からではないでしょうか?実際にJAMAの論文(参考1)でも2006年から2018年に男女ともにストレートネックとスワンネックの割合が増加している。ストレートネックに関しては12年で10%程度割合が増加している。その原因はパソコンやスマホのやり過ぎなど生活習慣の変化が疑われる。などが指摘されています。つまり、ストレートネックだから、という理由は説明しやすいのです。しかし一つの疑問が浮かびます。

ストレートネックだから痛み・不調が出るとは限らない

ストレートネックやスワンネックだったとしても不調が出るとは限りません。ヘルニアや脊柱管狭窄症も同じです。筋肉が柔らかい状態で可動域が正常であるならば不調は出ないケースも多く、それらが原因で症状が出るかどうかは、よくわからないのです。実際、厚生労働省も85%の腰痛は原因不明だと明言しています。(参考2)私自身も腰部MRIを撮影したところヘルニアの可能性を医師から指摘されたことがあります。それらがあれば将来的な腰痛や不調につながる可能性がありますが、すぐに痛みなどの症状が出ることはないです。普通に生活できています。ヘルニアがあっても腰痛が出ない人はいます。同じようにストレートネックやスワンネックでも首の不調が出ない人はたくさんいます。しかし皆さんお医者さんにストレートネックだと指摘されるとずいぶんと気にしてしまう方もいるようです。症状が出ていなければそこまで心配しなくても大丈夫なのですが。

ストレートネックを改善するために何をすべきか?

まずは必ず医師や専門家に相談し、個別のアドバイスを受けるようにしましょう。そのうえで以下の方法が役立つかもしれません。

1:適切な姿勢の維持: 頭が前に出たり、肩が丸まったりしないように、正しい姿勢を保つことが重要です。デスクワークをする際には、モニターの高さや椅子の高さを調整し、背中をしっかりと支えるクッションを使うことが役立ちます。

2:ストレッチとエクササイズ  首と肩の筋肉を強化し、柔軟性を改善するために、医師や理学療法士が勧めるストレッチとエクササイズを行いましょう。特に、首、肩、背中の筋肉を鍛えることが大切です。首そのものをどうにかするよりも首に負担をかけない方法例えば、ぶら下がり健康法や水泳などをお勧めします。

3:リラクセーション法: ストレスがストレートネックの原因になることがあるため、リラクセーション法を実践することが重要です。瞑想、深呼吸、ヨガ、プログレッシブ・マッスル・リラクセーション、鍼治療などが役立つでしょう。

4:体重管理 過体重は首の負担を増加させる要因となります。健康的な体重を維持し、適切な運動を行うことがストレートネックの予防と治療に役立ちます。

5:ポストラルトレーニング: 専門家が指導するポストラルトレーニングプログラムを受けることで、正しい姿勢を維持しやすくなります。(参考3)

6:痛み管理 ストレートネックが痛みを伴う場合、医師の指導の下で適切な痛み管理方法を採用することが大切です。場合によっては薬物療法もありうるでしょう。痛みが軽減されると、運動やストレッチが行いやすくなります。

7:医師の診断とアドバイス ストレートネックの症状が慢性的で重度の場合、医師の診察と治療を受けることが不可欠です。医師は適切な治療法や必要な検査を指示し、症状を管理します。

 

田無北口鍼灸院でも緊張の改善や痛みの管理、運動指導などを通してストレートネックの改善をお手伝いできます。仕事や生活習慣などを細かくお聞きし適切なアドバイスも行います。お困りの方は一度ご相談ください。

 

参考1:Temporal Trends in Cervical Spine Curvature of South Korean Adults Assessed by Deep Learning System Segmentation, 2006-2018

参考2:厚生労働省 腰痛対策

What Can the History and Physical Examination Tell Us About Low Back Pain?

参考3:ポストラルトレーニングは、姿勢を改善するために行われるトレーニングや運動のことを指します。

胸郭出口症候群と鍼灸治療について

胸郭出口症候群(Thoracic Outlet Syndrome、TOS)は、首から肩にかけての領域で起こる神経や血管の圧迫によって引き起こされる症状を指します。この疾患で悩み鍼灸院を来所される方はすでに病院を訪れ医師から診断されている方が多いのですが、以下に一般的な症状や注意点をまとめます。個人によって症状やその重症度が異なることにも注意してください。

胸郭出口症候群の症状

  1. 痛み: 肩、首、腕、手にかけての痛みが主な症状です。痛みは鈍痛や鋭い痛みとして現れることがあり、特に腕の上部や指先に放散することがあります。
  2. しびれ・痺れ: 神経の圧迫によって、腕や手のしびれや痺れが生じることがあります。特に夜間や特定の姿勢で症状が悪化することがあります。
  3. 力の低下: 腕や手の筋力が低下することがあり、物を持つ、握る、持ち上げるなどの動作が難しくなることがあります。
  4. 血行障害: 血管の圧迫によって、腕や手の血流が低下し、冷感や皮膚の色が変化することがあります。
  5. 肩甲骨周囲の症状: 肩甲骨周囲での痛みや緊張感、筋肉のこわばりが現れることがあります。
  6. 首や肩の症状: 頸部や肩部の筋肉の緊張、痛み、頭痛が現れることがあります。

これらの症状はTOSの一般的な症状であり、患者によってはいくつかの症状が同時に出現することもあります。ただし、これらの症状は他の疾患や問題とも重なる可能性があるため、正確な診断と適切な治療を受けるためには、専門家の判断を聞くことが重要です。

 

胸郭出口症候群の治療方法

TOSの治療方法は、症状の重症度、原因、患者の健康状態によって異なる場合があります。

以下に一般的な治療アプローチをいくつか説明しますが、診断や最適な治療方法は、医師との相談を通じて決定されるべきでありまずは病院での診察をお勧めします。

  1. 保存的療法(非手術的治療): 軽度から中等度の症状の場合、次の方法が試されることがあります。
    • 物理療法: 専門家の指導のもとで、筋力トレーニング、姿勢改善、ストレッチングなどの方法を用いて、筋肉のバランスと動きを改善することが考えられます。
    • 薬物療法: 痛みや炎症を軽減するために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や筋肉弛緩剤が処方されることがあります。
  2. 手術療法: 重度の症状や保存的療法が効果的でない場合、手術が検討されることがあります。手術の種類は以下の通りです。
    • 第1肋骨切除術(First Rib Resection): 神経や血管の圧迫を軽減するために、第1肋骨を切除する手術です。
    • 腋窩出口拡大術(Axillary Outlet Decompression): 腋窩部の組織を切除して圧迫を緩和する手術です。
    • 血管再建手術: 血管の狭窄や閉塞を改善するための手術です。

症状の状態や原因によって適切な治療方法が異なるため、医師等に相談して専門的なアドバイスを受けることが重要です。また、病状の進行を早期に察知し、適切な治療を受けることが合併症を避ける上で重要です。

 

胸郭出口症候群と診断されたらどんなことに注意して生活すればよい?

適切な治療とともに生活や過ごし方にも注意が必要です。以下にいくつかのポイントを挙げてみましょう。

  1. 医師の指導に従う: まず、診断を受けた医師の指導に従って治療計画を進めることが大切です。医師のアドバイスを受けつつ、症状の軽減や緩和に向けた努力を行いましょう。
  2. 姿勢の改善: 良い姿勢を保つことは重要です。特に長時間同じ姿勢で作業する場合は、適切な椅子やデスクを使用し、頭・首・肩の位置を適切に保つよう心がけましょう。
  3. 適切なエクササイズ: 物理療法士や専門家の指導のもとで、筋力トレーニングやストレッチングを行うことで、筋肉のバランスを整えることができます。
  4. 運動と活動: 運動は血流や筋肉の健康に役立ちますが、患部に過度な負担をかけないように注意しましょう。医師と相談して適切な運動や活動レベルを設定しましょう。
  5. ストレス管理: ストレスは筋肉の緊張を増加させることがあります。リラクゼーション法や深呼吸などのストレス管理技術を取り入れることで、症状の軽減に役立つかもしれません。
  6. 作業環境の見直し: もし仕事や日常生活で特定の姿勢や動作が症状を悪化させる場合、できるだけ改善を図るよう努力しましょう。必要であれば職場の調整を検討することも重要です。
  7. 予防と注意: 重い荷物を持つ際は、適切な姿勢で持ち、肩や首に余計な圧力がかからないように注意しましょう。キャリーバックを持つなど余計な負担をかけないこともよいかもしれません。また、冷えや血行不良を避けるために適切に服装することも大切です。
  8. 定期的なフォローアップ: 医師との定期的なフォローアップを行い、治療の進行状況や調子の良し悪しを報告し、適切な調整を行うことが重要です。

自身の状態に合わせて、生活習慣や過ごし方を調整することで、症状の軽減や予防に役立つでしょう。専門家のアドバイスを常に受けながら、最適なケアを行ってください。

 

胸郭出口症候群に鍼灸治療は有効か?

胸郭出口症候群に対する鍼灸治療の効果については、研究結果が一様ではありません。改善したという報告は多数あり一部の患者にとっては鍼灸が症状の緩和に役立つ可能性がありますが、効果は個人差が大きく、確実な治療法とは言えません。以下に、鍼灸治療に関するいくつかのポイントをまとめてみましょう。

  1. 個人差がある: 鍼灸治療の効果は個人差が大きいです。同じ症状でも、患者の体質や病状によって反応が異なる可能性があります。
  2. 症状の緩和: 一部の患者は、鍼灸によって筋肉の緊張が緩和され、血流が改善されることにより、症状の軽減を感じることがあるかもしれません。
  3. 科学的なエビデンスの限界: 現時点では、鍼灸治療の胸郭出口症候群への具体的な効果に関する科学的なエビデンスは限られています。より確実な結果を得るためには、大規模かつ厳密な臨床試験が必要です。
  4. 総合的な治療アプローチ: 鍼灸治療が有効であるかどうかを判断する前に、他の保存的な治療法や手術療法との組み合わせを検討することが重要です。医師との協議を通じて、最適な治療計画を立てることが大切です。

最終的な判断は、鍼灸師や医師との詳細な相談に基づいて行うべきです。鍼灸治療を検討する場合は、専門家のアドバイスを受けながら進めることがおすすめです。

 

田無北口鍼灸院・白石の意見・見解

・筋緊張を改善するとしびれや痛みに効果的なので鍼灸治療は有効である。

・しかしまずは整形外科等医師の診断を受け標準的な治療からするのが費用の面から見ても望ましいのではないか?(できれば鍼灸治療と並行しながら行うことが理想)

 

YouTube動画:手のしびれ、首の痛みで悩む方へ。「胸郭出口症候群と鍼灸治療について解説」

参考

明治鍼灸大学「胸郭出口症候群の鍼灸治療」

膝裏の痛み:ベーカー嚢腫(のうしゅ)、ベーカー嚢胞(のうほう)について 

膝の裏に痛みが出ることは様々な原因で起こりますが「ベーカー嚢腫」または「ベーカー嚢胞」と呼ばれる病気があります。膝窩嚢胞(しつかのうほう)と呼ばれることもあり英語ではBaker’s cystと言います。

膝関節の後ろの組織が腫れて炎症を起こすことが原因で起こります。腫れや炎症は以下の原因となる可能性があります。

症状

場合によっては、ベーカー嚢胞は痛みを引き起こさず、気づかないことがあります。症状がある場合は、次のような症状が考えられます。

・ 膝の後ろ、時には脚の腫れ

・ 膝の痛み

・ 膝が硬くて完全に曲げられない

活動した後や長時間立っていた場合、症状が悪化することがあります。

原因

滑液 (sih-NO-vee-ul) と呼ばれる潤滑液は、脚のスムーズな振りを助け、膝の可動部分間の摩擦を軽減します。しかし、場合によっては、基礎疾患が原因で膝から関節液が過剰に生成されることがあります。これが起こると、膝の後ろに体液がたまり、ベーカー嚢腫を引き起こす可能性があります。これは次のことが原因で発生する可能性があります。

・ 膝関節の炎症。さまざまな種類の関節炎で発生する可能性があります。

・ 軟骨損傷などの膝の怪我

ただし、ベーカー嚢胞が膝の後ろに液体で満たされた腫れ以外の症状を引き起こさない場合もあります。

疑わしい場合や原因が良くわからない場合には専門医を受診しましょう。

ベーカー嚢腫と鍼灸治療

この疾患に鍼治療が効果的かどうか?の高いエビデンスは存在しません。しかし海外では補完代替的な治療として中国伝統医学の鍼治療を選択する人がいるようです。まずは通常医療のステロイド投薬治療などを受けることがオーソドックスや形でしょうがそれにプラスしての鍼治療は症状緩和に役立つ可能性が多いにあります。

まずはご相談ください。

 

参考

NHS ベーカー嚢胞

 

腰椎椎間板ヘルニアの痛み・痺れ改善。田無北口鍼灸院での施術・30代男性の例。

症状と改善例についてまとめていきます。・・・全員が同じように改善するわけではないと思いますが参考になれば幸いです。プライバシーに配慮するため個人情報等、多少脚色してあります。弊所は痺れや痛み症状で悩む方も多く来所されます。しびれ症状は時間もかかりまた施術でよくなる方もいればあまり改善が進まないこともある厄介な症状の一つです。整形外科に行ってもなかなか改善しないと訴える方もいます。鍼灸を行うと改善することも多く今回もうまくいきました。(しかしながら、同時に病院の治療方針を否定しないことや、患者と医師の信頼関係構築をお手伝いすることも大事です)詳しくは以下・・・

 

お名前 

白川健太さま(仮名)

36歳(施術当時)

主な訴え 

・ 右大腿部の痛み・しびれ

・ 腰の痛み・しびれ

・ 整形外科で過去に腰椎椎間板ヘルニアの診断

・ 仕事で重いものを持つのでつらい。何とかしたい。(ご本人談)

施術開始時期

平成29年06月13日

改善時期

平成29年07月10日(週に1.2度程度。全5回の施術。)

経過・状況など

整形外科に行っていたが改善しなかった。あまり説明もしてもらえず不安・不満。(ご本人談)→医師とのコミュニケーション不足。整形外科での治療やメリットなども説明しました。必要があればこちらからも整形外科へ手紙を書いて施術報告するので、病院での治療も継続するよう説明した。納得してもらう。が、まずは弊所で鍼灸の施術を受けたいとのこと。

 

(1)思い当たる原因

元々腰が悪かった。3年くらい前に腰椎椎間板ヘルニアの診断をされた。仕事で重いものを持つ。(ご本人談)

(2)弊所での施術・見解

下肢の血流があまりよくない。股関節の動きも悪く腰への負担も強い。まずは鍼灸の施術効果などについて説明する。鍼灸をすると

・ 筋肉の緊張をとる

・ 血流の促進(下肢のお灸)

・ バランスの改善

などの効果がある。その結果、症状が改善されるという例は何回もあった。しかしながらしびれ症状は難しいとも説明。受け入れてもらう。症状が強いため最初は週1・2度ほど通院してもらい様子を見てもらう。

(3)経過・施術など

第一回 平成29年06月13日

腰周辺も緊張を確かめつつ下肢の血流促進に重点を置く。お灸で知覚神経を刺激。また足全体の緊張を取る目的で

・ 鍼灸

・ 吸玉療法

など行った。腰への負担軽減もさせる。痛みがあるうちは禁酒指導。

 

第二回 平成29年06月19日

第三回 平成29年06月22日

改善傾向。痛みは引いてきたが痺れがまだ気になる。引き続き緊張緩和とバランスを取る施術。

 

第四回 平成29年06月29日

改善傾向。まだ症状はあるものの仕事が少し楽になってきた。

 

第五回 平成29年07月10日

改善傾向。症状が強かったため引き続き体調メンテナンス目的の施術を勧める

 

(4)総括

股関節が硬いことや運動不足など様々な要因が重なり症状が悪化していた。喫煙や飲酒も好き。それらは痺れや痛みに対しあまりいい影響は与えないが症状を安定させることはできます。足の血行が改善したらずいぶんと良くなりました。今後もご自身の体調に気を配りながらお身体をお大事にしてください。ヘルニアそのものが治ったわけでないため体調管理がとても大事になってきます。また病院でできる事、鍼灸院でできる事には違いがあるのでそれらの説明もし、上手に医療機関と付き合うこともお勧めしました。ご本人に書いてもらった施術感想も以下に書き起こして載せておきます。

Q1、施術前つらいと感じていたことを教えてください。

2か月程度腰痛が続き痛み止めを服用し痛みをごまかし治るのを待ってましたが治らなかったことと痛みに気がめいってしまったことがつらかったです。

Q2,施術後どうなりましたか?

痛みがかなりの部分でなくなり以前と同じように体が動く用になりました。

Q3,施術を受けるまでに不安なことはありましたか?

鍼灸は初めてでしたので施術を受けるまでは不安がありましたが実際はそこまで気にする必要が有りませんでした。

Q4,改善してほしいところがあれば、お願いいたします。

とくになし。

腰椎・頸椎椎間板ヘルニアに対しての施術~はり、各種調整

(1)椎間板ヘルニアとは?

椎間板、とは椎体(背中の骨)と椎体との間に存在し脊椎にかかる衝撃を和らげるクッションの役割をしています。椎間板は中央に位置するゼリー状の組織と繊維製の硬い外層で構成されています。外層に亀裂が生じ中心部にあるゼリー状の組織が飛び出すと突出部位周辺の神経根を圧迫することがあります。

 

(2)症状

首で起これば頸椎椎間板ヘルニアと呼ばれ手や肩などにも痺れや痛みを生じることがあります。腰で起これば腰椎椎間板ヘルニアと呼ばれ腰周辺や下肢に痛みやしびれを生じることがあります。

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(3)田無北口鍼灸院ではどのような施術を行うか?

ヘルニアそのものは手術をしなければ治りません。ただ病院でも手術を勧められるケースとは

・ 両下肢に常時のしびれや痛みがあり日常生活を送るのも困難

・ 排尿排便障害がある

・ ヘルニアにより筋力が低下してしまっている

など症状が重い場合が多いようです。手術にはリスクも伴うことから、まずは保存療法で様子を見る、という選択をする方も少なくありません。(手術はせず温めたり筋肉をほぐすことで痛みを減らすこと)弊所ではこの保存療法を選択される方へ以下のような施術を行っています。

 

鍼灸(はりきゅう)

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鍼灸(はりきゅう)により緊張している筋肉がゆるみ患部への負担が減ります。また痛みそのものにも効果があるといわれています。

 

ストレッチ

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患部への負担を減らすためのストレッチや各種調整を行っていきます。無理やり引っ張ったり伸ばしたりする無理な施術は行いません。

 

吸玉療法

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吸玉(すいだま)療法は毛細血管の拡張を促すため痛みやしびれ感の改善に効果があるといわれています。

 

(4)自己判断でなく不安があれば、まずは病院を受診しましょう。

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MRIの画像診断などによりヘルニアかどうか診断できるのは医師だけです。自己判断でやみくもにマッサージしたり、はり治療を行ってもあまりいい結果が出ないことも多いです。もしも不安があれば一度病院(整形外科)でヘルニアかどうかの診断をしてもらいましょう。弊所でも一定期間施術を行い症状が改善しない場合や不安がある方には病院への受診をオススメしております。紹介状なども書きますのでお気軽にご相談ください。

「気持ち」や「心」が痛みに与える影響について。

以前も「ストレスが痛みに与える影響」について書きましたが本日も「痛みの感情面が痛覚に与える影響」について論文を参考にしながら書いていこうと思います。

 

上記リンクからも見れますが日本ペインクリニック学会も感情面が痛覚の「認知」に与える影響について書いています。どういうことなのでしょうか?痛みは脳で認識します。そして痛みは単なる感覚でなく恐怖・嫌悪・怒りなどと同じようにネガティブな感情体験でもあるのです。我々人間は「共感能力」が備わってます。そのため配偶者や自分の子供などに痛みが与えられた時自分も痛みを共感することができるのです。

痛みの侵害受容回路は2つあることがわかっていて

(1)内側系

痛みの感情面、自律神経系

(2)外側系

痛みの判別的側面(強さ・場所)

に関与すると考えられています。上記論文で行われた実験では実際に痛みの刺激は与えずに

・ 痛そうな、怖そうな画像

・ 落ち着いた画像

を見せたら実際に痛みを与えた時と同じように脳が活動しました。これらのことからもわかるように近年痛みの感情を伴う可能活動は患者の鬱状態や彼らの訴える主観的な痛みの程度と創刊していることが明らかになってきました。うつや社会疎外感、ストレスは痛みを増強させます。逆に暗示や瞑想が痛みを抑制させることもわかってきています。医師や看護師が注射をする前に「痛くないから大丈夫ですよ」「少しチクッとしますよ」というのは暗示をかけて痛みを抑制させる効果があります。ヨガの達人の脳をMRIで調べると瞑想中には何らかの脳活動が起こっていてこれが痛みを抑制する効果などがあることもわかっているのです。田無北口鍼灸院では鍼灸治療を中心にプラセボや心理効果などあらゆるものを使いながらあなたの身体を良くしていきます。「どこへ行ってもよくならない」そんなことでお悩みの方は一度ご相談ください。

足のしびれ・股関節の痛み改善例

症状と改善例についてまとめていきます。・・・全員が同じように改善するわけではないと思いますが参考になれば幸いです。*プライバシーに配慮するため個人情報等、多少脚色してあります。弊所は痺れや痛み症状で悩む方も多く来所されます。整形外科に行ってもなかなか改善しないと訴える方もいます。(*医師とコミュニケーション不足であることが原因で治りづらくなっている場合もあります。弊所ではコミュニケーションのサポートもします。)痺れや痛み症状が強くても鍼灸を行うと改善することも多いです。

 

お名前 

中山弘道さま(仮名)

 

58歳(施術当時)

主な訴え 

・ 右股関節の痛み

・ 整形外科で腰椎椎間板ヘルニアの診断

・ 歩くと痛みが出るため

やすみながら出ないと歩けない。

→ 杖をついて来所。

(ご本人談)

 

施術開始時期

平成28年06月09日

改善時期

平成28年08月13日

(週に1.2度程度。全10回の施術。)

経過・状況など

整形外科に行っていたが改善しなかった。痛みが強く辛かったのでペインクリニックにも行った。(ご本人談)

医師とのコミュニケーション不足。整形外科での治療やメリットなども説明し整形外科への通院も続けるよう説明。納得してもらうが弊所で鍼灸の施術を受けたいとのこと。医師にお手紙にて状況報告し施術開始。

 

(1)思い当たる原因

自分でも身体のバランスが悪いことは感じている。仕事で出張など移動も多い。運動不足。(ご本人談)

 

(2)弊所での施術・見解

肥満傾向、運動不足。股関節の動きも悪く腰への負担も強い。まずは鍼灸の施術効果などについて説明する。鍼灸をするとヘルニアの部分がへこみ症状が緩和されるわけではない。

・ 筋肉の緊張をとる

・ 血流の促進

・ バランスの改善

などの効果がありその結果、症状が改善される。緊張を取る方向で施術すると症状が緩和された例も多いと伝え腰の負担を減らしながら血流などを改善させる施術方針提案。受け入れてもらう。症状が強いため最初は週1・2度ほど通院してもらい様子を見てもらう。

 

(3)経過・施術など

第一回 平成28年06月09日

腰周辺はあまり触らない。骨盤ベルトで股関節動きサポート。足全体の緊張を取る目的で

・ 鍼灸

・ 吸玉療法

など行った。腰への負担軽減させる。また東洋医学的なバランスも考え手・足にもお灸を行った。冷やさないよう指導。痛みがあるうちは禁酒指導。

第二回 平成28年06月13日

第三回 平成28年06月18日

あまり変化なし。引き続き緊張緩和とバランスを取る施術。

第四回 平成28年06月23日

第五回 平成28年06月30日

改善傾向。まだ症状はあるものの歩くのも少し楽になってきた。

第五回 平成28年07月05日

第六回 平成28年07月12日

第七回 平成28年07月20日

第八回 平成28年07月29日

改善傾向。やはり緊張を取っていきながら温める施術がイイみたい。冷房で足腰を冷やさないよう指導。睡眠の質も上がった。

第九回 平成28年08月04日

第十回 平成28年08月13日

改善傾向のため施術中止。今後は体調メンテナンス目的の施術を勧める。自宅で股関節運動やストレッチも勧めた。

 

(4)総括

股関節が硬いことや運動不足など様々な要因が重なり症状が悪化していた。痛みやしびれが強いと生活に支障をきたしてしまいます。今後は悪くさせないように体調管理をしっかりと行いお身体をお大事にしてください。*ヘルニアそのものが治ったわけでないため体調管理がとても大事になってきます。

 

今すぐ良くしたいなら手順が大切

体調をよくするには「手順」が大切になります。そして「自己判断」は禁物です。本日はそのことについてまとめていきます。

・・・

弊所で治療相談を行っていると不安やストレスを感じやすく自己判断傾向が強い方がまれにいらっしゃいます。そのような方は自分の感覚を一番先に信じますので「まだこれだけ痛みや症状が残っている」という思考や「すぐにこの不快感を取り除いてほしい」という思考に陥りやすいのです。

そのことでどんなデメリットがあるのか?と申しますとそれは症状のみに気を取られている状態ですので何をやっても治療が続かなかったり自己判断で治療をやめてしまうので治療をしても解決しないことが多いのです。そのため結局は余計な費用や時間がかかることも多くなります。アスリートやスポーツ選手など今すぐ動きたい、動かなくてはいけない、という理由があるためこのような思考に陥りやすいことも多いです。また性格的に不安感が強かったり几帳面・完璧主義といわれる方もこのような思考に陥ることが多いです。

しかしながら

「今すぐ楽に」

という自分の感覚を主にした判断は治療や医療とはまた違ったアプローチを求めていることにもなりかねません。おまじないやニセ医学に騙される危険性も出てきてしまいます。体調を良くしたかったら手順が大切となります。まずは自己判断ではなく病院で検査を受けて原因をハッキリさせることです。腰痛やしびれの問題でしたら整形外科などに行き場合によってはMRIなどの精密検査を受けることも必要になるかもしれません。検査の結果特に異常がないだけどもまだ症状が続いている、医師からは

「病気などではなくストレスの問題」

「筋緊張や神経絞扼(締め付け)の問題」

といわれている場合などは鍼灸治療がお役に立てる場合が多いです。もちろん当院でも徒手検査といって(SLRテストなど)精密検査を受けなくても動きの中からある程度、痺れの原因を推測することはできます。結局のところ現在の状態ををハッキリさせないことには鍼灸でアプローチする際にも治療方針を立てられません。それからストレスや筋緊張、神経絞扼の問題ならば1回で痛みが取れることはありませんしどこで治療をしても何度か、何か月か期間がかかることがほとんどでしょう。良くならない方というのは自己判断で損をしてしまっていることが非常に多いのです。そこに至るまでにはもしかしたら病院で誤診をされたのかもしれないしなにか傷つくようなことを言われたのかもしれない。しかしながら良くならないでこれ以上損をするのは私でなくあなたです。自己判断は得策でないのですしやめたほうが良いです。医療従事者の話は信じてほしいと思います。また前述したようになかなか良くならない方や長い間痛みや苦しい症状でお悩みの方は自己判断を中心とした「認知の歪み」があることも多いです。

どうせよくならない、

信じても無駄だ、

と思っていることもあるのです。そのような場合でも信頼関係が築けるよう最善はつくします。弊所ではまずはお話をよく伺いまた症状を把握し病院への通院歴や現在服用中のお薬など伺ったうえで改善までの計画を立てていきます。そして初回カウンセリング終了時に信頼関係が築けていない場合は施術をお断りすることもあります。納得してから治療を受けていただきます。ご不明な点や不安な点は遠慮なくお尋ねください。

中高年の方のしびれ症状ご相談

田無北口鍼灸院では「手や足にしびれが続いている。鍼灸をやれば治るか?」という相談も多いです。結論から言いますと絞扼障害・神経根圧迫などは鍼灸治療で改善することが多いです。ただ一口にしびれ(痺れ)といってもいろいろな原因で起こりますし緊急性がある場合もありえますので細かく解説してまいります。お困りの方の参考になれば幸いです。

(1)末梢神経が原因で起こるしびれか?中枢神経が原因で起こるしびれか?

わかりやすく説明するためにカンタンに分類します。ご了承ください

中枢神経が原因で起こるもの:脳・脳幹・脊髄の障害が原因のものです。

脳血管障害(脳梗塞,脳出血),脳腫瘍,多発性硬化症(脳,脊髄),脊髄腫瘍,脊髄空洞症,脊髄梗塞など脳や脊髄の障害される多くの疾患により.痺れがおこります。これらは緊急性があるものも多いので注意が必要です。

末梢神経が原因で起こるもの:手足や大観の神経が原因のものです。

少し詳しく見ていきましょう。まず神経線維の太さ・機能など。神経線維は以下のように分類されます。

Gasserの分類
直径(μm)
伝導速度(m/S)
主な機能
有髄
12 ~ 21
70 ~ 100
運動,筋固有知覚
6 ~ 12
40 ~ 70
触覚,運動覚
4 ~ 8
15 ~ 40
触覚,圧覚,筋紡錘円神経
1 ~ 6
5 ~ 15
触覚,温覚,冷覚,圧覚
B
1 ~ 3
3 ~ 14
有髄節前,自律神経
無髄
C
0.2 ~ 0.3
0.2 ~ 2
痛覚,温冷覚,節後自律
・・・

Aαが運動神経線維,Aβが触覚神経線維,AδとC線維が痛覚神経線維,B線維は自律神経系の節前線維,Aδはチクチクした痛み,C線維はジーンとした痛みに関わり、触覚神経線維であるAβは,痛覚神経線維であるAδとCの活動性を抑制する機能があるといわれています。さらに細かく末梢神経障害を分類します。

・ 単神経障害

手根管症候群(正中神経の障害)肘部管症候群(尺骨神経の障害)橈骨神経麻痺 など

・ 多発単神経障害

血管炎症のニューロパチーが代表的。糖尿病でも見られます。局所の末梢神経栄養血管の血流障害によるもの。

・ ポリニューロパチ

糖尿病性神経障害、自己免疫性の末梢神経障害など

・ ★ 神経根症

椎間板ヘルニアや頚椎症など。鍼灸院でも多く見られる疾患です。

 

(2)部位別に見た痺れをきたす疾患

実際に鍼灸院に問い合わせされる方は「手がしびれている」「足がしびれて痛みがある」などという表現をされる方が多いです。

・ 片手がしびれるのか?

・ 両足がしびれるのか?

・ 手足がしびれるのか?

でも推測される疾患は違います。どのような状態が考えられるか?まとめていきたいと思います。

 

<1>片側・手のしびれ(一側上肢)

・ 手根管症候群

・ 肘部管症候群

・ 胸郭出口症候群

・ 頚椎症

・ 脳梗塞

 

<2>下肢(足)の痺れ

・ 腰椎症 :

椎間板の膨隆、骨棘の形成など。

椎間板ヘルニアと同様に神経根圧迫によりおこる。

・ 絞扼性神経障害:

腓骨神経麻痺,外側大腿皮神経障害,

足根管症候群など

・ 腰部脊柱管狭窄症

・ 下肢閉塞性動脈硬化症

・ 脊髄動脈奇形 ほか

 

<3>四肢(手足)の痺れ

・ 自己免疫性ニューロパチー

・ 糖尿病性抹消神経障害

・ 血管炎症末梢神経障害

・ 傍腫瘍性ニューロパチー(がんなど)ほか

 

<4>鍼灸治療に関して

緊急性があるものを除き絞扼障害・神経根障害などは鍼灸院で対応可能です。なかなか改善されない痺れが上記のように筋緊張からくる圧迫の場合鍼灸治療がとても有効になります。必要な場合や緊急性がある場合は病院への受診も勧めます。なかなか改善しないしびれでお悩みの方は是非一度ご相談ください。

★ 参考 日本内科学会雑誌103号より

痛みの原因とその種類・分類

本日は痛みの種類について解説していきます。「痛み」はその原因から3つの種類に大別されます。原因によって対処方法も違ってきますので参考にしてみてください。

(1)侵害受容性疼痛 しんがいじゅようせいとうつう

原因と結果が目に見えている痛み。怪我をした際やモノが体に刺さった時など組織が損傷された際に起こる痛みのこと。このような痛みがおこった際は「冷やす」ことがです。

例 捻挫などのケガ 皮膚をカッターで切ってしまった など

(2)神経因性疼痛 しんけいいんせいとうつう

神経や筋肉などがその他の組織で圧迫されたり絞扼(しめつけられること)されたり神経線維そのものや脳や脊髄に何らかの問題が起こって出現する痛み。ケガなどをしていないのに起こる。血行が改善されると痛みが緩和されるために「温める」と楽になることが多い。

例 頸椎ヘルニアの痛み 坐骨神経痛 帯状疱疹後の神経痛 など

(3)心因性疼痛 しんいんせいとうつう

不安やストレスなどで起こる痛み。単体で起こることもあるが先にあげた二つの種類の痛みと混在して悪化することもある。

例 うつ病に伴う痛み など

温めるか?冷やすか?安静にするか?動かすか?など・・・。それぞれの痛みで、方針が変わってきます。こちらにも症状別の施術方法を掲載してあります。)詳しくはご相談ください。鍼灸はどの痛みに対しても有効であることが多いですが、鍼灸を行うと「ぱっと」痛みが消えてしまうことはあまり多くないです。即効性でいえばブロック注射やロキソニンなどの薬剤の方が有効な場合もあります。痛みは慢性化すると生活に支障をきたすため、その後の生活や痛みとの付き合い方が重要なことも多いです。弊所はいきなり鍼をすることはせず、まずは症状や生活の状況などしっかりとお話を伺い、方針を説明したうえで施術を行います。

また痛みは社会的、心理的(仕事やストレス)などの影響を受けることが多いです。鍼灸は痛みに対して効果がある、という論文も多いのですがその改善についてはケースバイケースです。最大の特徴としては「薬以外の選択肢になれる」という点ではないかと考えています。ご年配の方はすでにたくさんの薬を飲んでいたり、また妊娠中、産後はできる限り薬を飲みたくないので鍼灸という選択肢を検討される方も多いです。まずは一度ご相談ください。