YouTube動画原稿:私が参加している勉強会「DAPA」、と田無北口鍼灸院の地域医療連携についてお話します。

YouTube動画原稿:私が参加している勉強会「DAPA」、と田無北口鍼灸院の地域医療連携についてお話します。

YOUTUBE動画撮影に使った原稿をこちらでも公開します。

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参加する勉強会と地域医療連携について
■タグ
鍼灸勉強会 東洋医学 医師 カンファレンス 地域医療連携 医療連携
<原稿>
皆様こんにちは。田無北口鍼灸院の白石です。動画をご視聴いただきありがとうございます。本日は私が参加している勉強会について、と弊所が行っている地域医療連携についてお伝えします。この動画は弊所に来所されることを検討されている方向けに撮影していますが、同業者の方も参考になるかもしれません。興味を持っていただけたら幸いです。まず勉強会のDAPAについてお話します。
■DAPAとは?
doctor(ドクター=医師),
acupuncturist(アキュパンクチュアリスト=鍼灸師),
pharmacist(ファーマシスト=薬剤師),
association(アソシエーション=協会)
の頭文字をとった略称になります。
いわゆる東洋医学や代替医療に興味がある医師・鍼灸師・薬剤師の勉強会・交流会で日本東方医学会という学術団体が母体となっています。なぜこのような活動をする勉強会があるかと言いますとそれぞれの職域で様々な役割があるのですが、なかなか本音で話をしたり、議論をしたり、相互理解をする機会がないのが現状です。そのためそれを補うような内容になっております。
■どんな活動をしているの?参加方法や詳細は?
この勉強会には私も5年ほど前から参加をしておりまして、これまでに様々な活動をしてきましたが、いまは毎月第2月曜日20時からオンラインで「DAPAカンファレンス」という医師と鍼灸師による症例検討会を開催しています。症例検討会・カンファレンスというのは、病院に勤務する方たちが良く行っています。多職種で症例について話し合う場です。理学療法士や医師、鍼灸師や薬剤師などがある患者さんの症例をもとに一堂に話し合うのです。
この会の進め方は鍼灸師が「こんな症例があった」、「地域の病院や介護施設、助産院とこういったやりとりをした」という例を挙げそれについてディスカッションするという内容になっています。
■具体的にどんな話をしたことがある?
例えば私は、勉強会でこんな事例を紹介したことがあります。もちろんプライバシーには最大限配慮しています。
・産後の腰痛→骨折の例
産後、腰痛で鍼灸院に来所された方がいらっしゃいました。整形外科に通院するも異常なしとの診断が出てから弊所に来所。しかし2回ほど施術を行いましたが痛みが強かったため整形外科へ再度通院し、医師の診察も継続して受けるようお伝えしたところ実は骨折をしていることが分かりました。このような対応でよかったか?例えば鍼灸の施術をする前に、もっと早い段階で整形外科を勧めたほうが良かったのではないか?など様々なことを話し合いました。
・機能性ディスペプシア→漢方内科を紹介したケース
胃の不調で近隣の総合病院に通ってらっしゃった方が、お薬ではあまり改善しないということで弊所に相談に来ました。この方は機能性ディスペプシアという診断名がついてました。胃の機能異常です。鍼治療も試したいということでした。鍼治療を開始したところ少しずつ改善が見られました。総合病院への通院も継続するよう勧めてはいたのですが患者さんの方から「漢方内科を紹介してほしい」と申し出があったためそちらを紹介しました。漢方内科の医師とお手紙で情報共有しながら施術を継続し半年ほど経過した時点で完全に症状が消失しました。会のディスカッションでは「紹介のタイミングは適切であったか?」などについて話し合ったり、医師から紹介状に記載すべき内容についての助言をもらうなどしました。
もしも興味があって参加したい医師や鍼灸師の方は東方医学会のHPに詳細が書いてあります。この動画の概要欄にリンクを貼ってあるんで興味がある方はご覧になってみてください。
■なぜこのようなカンファレンスに参加するようになったか?
それではなぜ私がこのような勉強会に参加するようになったのか?についてお伝えします。
鍼灸院という場所は独立した施術所で、自分の裁量で患者さんを診ることが出来ます。医師以外でこのようなことが出来る国家資格は「あんまマッサージ指圧師、はり師・きゅう師、柔道整復師」だけです。民間医療が国家資格で確立されているのはメリットもデメリットもあります。
メリットは、現代医学の診断カテゴリーに当てはまらないような方や、どこへ行ってもよくならなかった体調が悪い方を時間をかけてじっくり、見ることが出来る点です。先ほど例に挙げた「薬ではあまりよくならなかった胃の不調で悩む方」も鍼灸治療でなら良くなった、ということも実際にあるのです。
しかしながら一方でデメリットもあります。医師のいる医療機関、病院とは違いレントゲン検査や投薬ができないなどです。また東洋医学という独自の理論体系を扱っているため、他の医療者とコミュニケーションがとりづらく医療のシステムからはずれ孤立しやすいという点が挙げられます。
一般の患者さんは鍼灸院と病院でできる事の違いを細かくは理解していません。そのような情報をお伝えし、地域医療の入り口に立つ役割をするには多職種の考え方、医師の考え方を学ぶ必要があると考え、この勉強会DAPAで学んでいます。
■この勉強会に参加するようになってからやるようになったこと
1,カルテを正確につけるようになった
鍼灸師やマッサージ師の養成学校ではカルテを正確に書く方法は教わりません。しかしながらカルテを正確にかけなければ、データを正確に残せない為、ほかの医療者と情報共有出来ないのです。この勉強会でカルテの書き方や医師への紹介状の書き方を教わって正確な医療情報が残せるようになりました。
2,地域医療連携を積極的に行うようになった
この会に参加し学んだことで、弊所では以下のような説明を施術前に行うようになりました。必要があればいつでもクリニックや総合病院を紹介するというスタンスを最初に患者さんに明示し、安心して通院してもらうよう心がけています。
また同時に、「総合病院や大学病院へのかかり方」などは知らない方も多いため上手なかかり方も説明しています。総合病院や大学病院では専門的な治療や検査が受けられますが直接受診すると選定療養費がかかる可能性があることやかかりつけ医を持つメリットなども紹介しています。
またはがきサイズのメモ書きとしてこのようなメッセージを発信しています。鍼灸院だけではなく「必要に応じ病院への受信も促す」内容になっています。患者さんが医学的な不利益を被らないようにこのような試みを行っています。noteではどこへ行ってもよくならない方へ「上手な代替医療のかかり方」という読み物を公開し勉強したい方が読める内容になっています。
以上、弊所では患者さんの利益のため、また医療の安全を守るためにこのような勉強会に参加して日々、鍼灸院の提供するサービスの質向上に努めています。今日の動画を見て何かご質問あればお気軽にお声掛けください。最後までご視聴いただきありがとうございました。