YouTube動画:鍼灸院でお話をしっかり聞かせてもらうこと(傾聴)の重要性についてお話します。
YOUTUBE原稿など含めこちらに掲載しておきます。動画は↑よりご覧ください。
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<原稿>
皆様こんにちは。田無北口鍼灸院の白石です。動画をご視聴いただきありがとうございます。本日は私が鍼灸院で実践している傾聴、すなわちお話をしっかり聞かせてもらうことの重要性についてお話させてもらいます。
■傾聴とは?
傾聴とは何でしょうか?厚生労働省の監修する、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」でも積極的傾聴という言葉が紹介されています。
「積極的傾聴(Active Listening)」とは、米国の心理学者でカウンセリングの大家であるカール・ロジャーズ(Carl Rogers)によって提唱されました。ロジャーズは、自らがカウンセリングを行った多くの事例(クライエント)を分析し、カウンセリングが有効であった事例に共通していた、聴く側の3要素として「共感的理解」、「無条件の肯定的関心」、「自己一致」をあげ、これらの人間尊重の態度に基づくカウンセリングを提唱しました。
ロジャーズの3原則
1.共感的理解 (empathy, empathic understanding)
相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。
2.無条件の肯定的関心 (unconditional positive regard)
相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。そのことによって、話し手は安心して話ができる。
3.自己一致 (congruence)
聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する。分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反する。
1.2は家族に対して話を聞くような態度で臨むのが分かりやすいかもしれません。3,に関しては分からないことをわからないままにせず、しっかり深堀インタビューするようなイメージでしょうか?自分が新聞記者になったような感じで、かつ相手を攻めない姿勢で臨むのが良いでしょう?
■なぜ鍼灸院で傾聴することが重要か?
3つに分けてご説明します
1,医療機関ではあまり話を聞いてもらえないことがあるから
病院やクリニックの医療機関は重大な病気が隠れていないか?などを重視した診察になることが多いです。また抱えている患者さんも多く忙しすぎるため、一人ひとりにそこまで時間を割てないことがあるのです。ですので病院やクリニックでは話を聞いてもらえないことも多くあるのです。
2,病気が隠れていることもあるから
話を聞くことで大きな病気が隠れていないか?わかることがあります。今まで見逃されていた病気などの存在に気が付くことがあるのです。生活や趣味なども含めて話を聞くことでヒントになることもあります。たとえば、今までできていた編み物の作業が出来なくなった、などです。
3,コミュニケーションが患者の健康アウトカムや満足度にも影響することが指摘されているから(参考)
単純に自分の話を聞いてもらったら誰でもうれしいですよね。メモを取りながら話を聞くことで、何度も同じ話をきかないよう注意していますが、メモをとることに夢中になって相手の目を見ない、などの状況に陥らないようには注意しています。
参考文献
DEBLA L.ROTER&JUDITHA.HALL「患者と医師のコミュニケーション」(篠原出版新社)
山口創 皮膚感覚と脳 (日本東洋医学系物理療法学会誌 第 42 巻 2 号)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsop/42/2/42_9/_pdf