Dear Editor
In resource-limited settings, culturally rooted embodied practices offer critical alternatives for health education and promotion. A randomized trial from Uganda demonstrated that adjunctive moxibustion improved tuberculosis outcomes without major adverse events【1】. Physical, hands-on interventions like moxibustion go beyond cognitive teaching: they activate relational, embodied communication essential for health behavior change, especially in underserved communities. As Whitehead【2】noted, effective health promotion must engage people socially and politically—not just inform them. Benner and Wrubel’s phenomenological analysis【3】further suggests that care emerges through embodied concern, not mere instruction. Moxibustion exemplifies how traditional embodied practices can address modern health challenges. Integrating culturally meaningful, body-based interventions could reshape global health education—making it not only effective, but profoundly human.
Kenjiro Shiraishi
301 Nozaki Bldg, 2-9-6 Tanashicho, Nishitokyo-shi, Tokyo, Japan ORCID: 0009-0003-2550-7385
References
1. Ibanda HA, Mubiru F, Musiba R, et al. Adjunctive moxibustion treatment for tuberculosis: A randomized clinical trial investigating potential efficacy and comparative safety. Complement Ther Med. 2020;52:102518.
2. Whitehead D. Health promotion and health education: advancing the concepts. J Adv Nurs. 2004;47(3):311-320.
3. Benner P, Wrubel J. The Primacy of Caring: Stress and Coping in Health and Illness. Addison-Wesley; 1989.
こちらの投稿を見て頂けるとわかりますが、一見特に問題はないように思います。では、なぜ採用されなかったのでしょう?あくまで予想にすぎませんが私の主張が「感染症予防にお灸を使うのはどうか?」というあまりにもニッチな話題で、また私自身が鍼灸師であるために「鍼灸の効果を過剰見てバイアスがある」と判断されたのかもしれません。はっきりとはわかりませんが今の話題はEBM再考、AIと医療、トランプ大統領のようなホットトピックの方がいいように思われます。BMJにしろNatureにしろ世界中の医療者が見ていることを考えると、やはりトレンドを読む必要があるかもしれないということです。またレター投稿にしろ論文投稿にしろ、基本は専門知よりもリベラルアーツ的ないわゆる教養が重要視されるでしょう。この2点(トレンドと教養)がないと欧米のトップジャーナルは相手にしてくれないかもしれません。これからもチャレンジしながら学んでいきたいと思います。
それから日本ではBMJはとても敷居が高い学術ジャーナルというイメージをお持ちの医療従事者も多いのですが半分正解で半分は間違いです。たしかにBMJのインパクトファクターは107で世界最高峰の学術ジャーナルであることは間違いないのですが同時にかなり広い間口で読者の意見を取り入れています。私のような人文社会学に興味ある鍼灸師の投稿を受け入れてくれたりもします。決して医学や薬だけの研究を載せているわけではありません。例えばWhat Your Patient Is Thinkingという患者さんが体験談を投稿するコーナーまで用意されています。こちらは査読論文ではありませんが医療現場の声を拾いあげ、より良い医療を世界に発信しようとしている懐が深いジャーナルなのです。BMJは記事の種類についても詳しく解説し情報を出しています。研究だけではなく、様々な記事を出してます。analysis(分析)という項目は以下のように書かれています。これはまさにクリティカルレビューのような手法がベースになるでしょう。掲載までに査読もあります。
分析論文は、医師、患者、そして医療政策立案者にとって重要な、臨床、科学、倫理、そして政策に関する時事的な問題を取り上げます。これらの論文は、明確な根拠に基づいた議論を提示し、エビデンスを公平に検証し、明確な主要メッセージを伝えています。仮説を提示する論文は、それを検証するための説得力のある試みが含まれていない限り、適切ではありません。
BMJはレター投稿にしても寛容です。私のようにrapid responsesの投稿ならば6/7採用、とかなり広く受け付けてくれます。しかし仕組みが秀逸でここから正式にレターになりDOIが付与されるのはなんとわずか7%だということです。この間口が広くそこから厳選させるというやり方はいかにもイギリス的だと感心してしまいます。*調べていたら、正式にレター論文として採用された例を分析した結果、人種の偏りがあったとする報告もありました。この辺がもしも差別的な事実であれば変わることを願います。しかしこれは単に語学の問題である気もしますし今はAIや翻訳サービスがここを補ってくれます。
またBMJはプレプリントの発信を昔から推奨しておりジャーナル自身もプレプリントサーバ運営に関わっています。このようにオープンサイエンスの時代をリードしまた新規研究者へのサポートも手厚いです。ここには
どうやってレター送るか
どうやってAnalysis書くか
プリプリント出してもいいよ
著作権の扱いはこうだよ
リジェクトされてもめげないで
編集者がどう考えてるか
などが親切丁寧に書かれています。なぜBMJはこのようなスタンスなのでしょうか?それはBMJが世界中から現場の声を集めたいからにほかなりません。上記のリンクを見るとわかりますが
みたいなことが、明言されてるのです。こんな医学ジャーナル、は世界でもBMJだけかもしれません。本当に素晴らしいジャーナルであると感じます。今回BMJに初めて論文投稿してみましたが1回でアクセプトされることはまずないでしょうし、手続きは大変でしたが学びが多かったです。自分で論文を出してみる、レター投稿してみるということを実際にやってみなければわからないことだらけでした。
ということで今後の私の動きは1,BMJ、Natureを毎日チェック。2,どうやってレターを送るか?考えながら読み世界のトレンドを読む力をつけつつ、3,NEJM AIを定期購読チェックして最新のAI医療研究を探ることに重点を置きます。こうすることで毎日が修行のようになるため力がつくでしょう。またプレプリントで出している研究も先へ進めます。
補足
1:編集部からお返事をいただき正式に載せられないという返事をもらいました。
2:医師の方ならば、海外に論文投稿しようとする場合普通は症例報告から書くでしょう。BMJの症例報告にチャレンジした医師の体験談も発見しました。鍼灸師単独ではなかなか価値のある症例報告書きづらいかもしれません。