月: 2017年12月

    「耳鳴り」で悩む方が、鍼灸治療を選択するときの注意点について。

    弊所で施術、

    および治療相談活動を行っていますと

    「耳鳴り」を中心とした

    耳鼻科領域の相談をいただくことが

    数多くあります。

     

    どのようなことに注意し

    相談に応じているかまとめていきます。

     

    (1)緊急性を要する・危険な兆候もある

    まず最初に病院に行ったか?

    またどんな検査を受けたか?

    どんな薬が処方されたか?

    どんな診断が出たか?

    ・・・

    などのお話は必ず詳しくお聞きします。

    なぜかといいますと

    危険な場合もあるためです。

     

    一例をあげますと

    拍動性の耳鳴り

    (ドクンドクンと血管のような音)

    は動脈瘤が疑われますし

    腫瘍などが原因で耳鳴りが生じている

    こともあるためです。

     

    すでに病院で診察を受けていて

    あまり改善しなくて

    鍼灸院に相談に来る場合などは

    問題ありませんが

    病院に行ったかどうか?は

    必ずしっかり聞くようにしています。

     

    (2)筋緊張(ストレス性)の

    耳鳴りには鍼灸が有効

     

    一通りの検査を行い

    医師から

    「自律神経の問題」

    「ストレスのせい」

    「筋緊張の原因」

    といわれている場合などは

    特に鍼灸が有効だと思います。

     

    100%改善するということではありませんが

    薬で改善しなかったものが

    良くなることも多いに考えられます。

     

    弊所ではカウンセリングを

    しっかり行い必要な場合には

    耳鼻科への受診も勧めます。

    「どうしていいかわからない場合」

    などはお気軽にご相談ください。

    「肩が上がらない」四十肩・五十肩かと思ったら・・・インピンジメント症候群について。

    弊所では肩の痛みで

    治療相談に訪れる方が数多く

    いらっしゃいます。

     

    肩が上がらず痛みを伴う症状があり

    ご自身でネットなどで検索し

    「四十肩・五十肩だ」

    (肩関節周囲炎の俗称)

    と訴える方がいます。

     

    そのような場合もありますが

    腱板損傷亜脱臼などにより

    肩が上がらなくなっている場合もあり

    注意が必要なケースもあります。

    やはり自己判断はあまり得策でないでしょう。

     

    本日は四十肩などと似ている

    「インピンジメント症候群」

    について詳しく書いていきます。

     

    (1)インピンジメント症候群とは?

    インピンジメントとは、

    「挟まる・衝突する」という意味です。

     

    肩関節は特に可動域が広いため

    肩を安定させるために

    筋肉や腱・靭帯、滑液包(肩峰下)

    などが多数存在します。

     

    肩のインピンジメント症候群は

    肩をあげたり動かす際に

    腱板や滑液包などが肩関節で衝突したり

    挟まることで痛みがでたり

    動かせなくなる症状を言います。

     

    ある角度で痛みや引っ掛かりを感じ

    それ以上あげることができません。

    60-120度の間であることが多く

    有痛弧徴候(ペインフルアークサイン)

    と呼ばれます。

     

    (2)インピンジメント症候群の原因

    インピンジメント症候群には2種類あります。

    それぞれの特徴と原因をまとめます。

     

    エクスターナルインピンジメント

    (肩峰下インピンジメント):

    肩関節で骨に腱板と滑液包が衝突すること。

     

    インターナルインピンジメント:

    関節唇(かんせつしん)が衝突すること

     

    原因は

    生まれつき骨が変形している場合

    骨に骨棘(こつきょく)ができている場合

    加齢による腱板の変性

    日々の姿勢や動作の積み重ねで起こる場合。

    などがあげられます。

    野球の等級などでも起こりやすいと

    いわれています。

     

    (3)治療

    整形外科では安静を指示され

    投薬・注射・手術などの治療が行われます。

     

    鍼灸では

    鍼治療で痛みそのものを抑えたり

    バランスを整えて負担をかけなくする施術など

    が行われます。

     

    運動療法としては

    インナーマッスルを鍛えることも

    大切です。

     

     

    肩の痛みで

    お悩みの場合は一度ご相談ください。

    O脚の原因など ~美容の観点からだけなく膝の痛みを引き起こすこともある。

    美容の観点から語られることの多い

    O脚ですが放置すると

    変形性膝関節症の原因になったり

    腰痛や肩こりの原因になったり

    油断できない部分があります。

    原因や対策についてまとめていきます。

    (1)O脚の原因

    O脚の原因について

    分けてまとめていきます。

    <1>遺伝的なもの 
    親から受け継いだ骨格

    生まれつきの骨格

    が原因でO脚を引き起こします。

    割合としてはさほど多く有りません。

    <2>生活習慣

    生活習慣により

    O脚になってしまうパターンで

    こちらが圧倒的に多いです。

    幼少期:
    早いうちからよちよち歩き
    (ガニマタで歩く)
    親のおんぶの姿勢など

    幼少期以降(普段の生活):
    デスクワークなどで
    猫背と姿勢により骨盤がゆがむ
    (足を組む・横座り・体育座り・
    ショルダーバックをいつも同じ姿勢でかける・
    ハイヒールをはく→足に余計な緊張
    ストレスや疲労でガニマタ気味になり
    骨盤が広がる)

    <3> 歩き方
    日本人にO脚が多いのは
    「歩き方が
    外側に体重がよる人が多いから」
    という説がある

    O脚だからこそ
    そのような歩き方になる
    という考え方もできる。

    <4>その他

    上記以外の原因で

    O脚になることもあります。

    (2)骨盤がゆがむとは・・・
    骨盤(坐骨)
    が広がりすぎている状態のこと
    (尾骨と坐骨の距離が大きすぎる)

    あぐらは骨盤が閉まるため
    骨盤には実はよい。

    骨盤がゆがんでいる時
    大腿の筋肉の余計な緊張がある
    そのために膝蓋の位置も
    ずれている。

    骨の異常ではなく

    筋肉の緊張の問題から生じる。

    (3)O脚になることのデメリット
    ・見た目的な問題
    (美容の面から)

    ・膝の痛みの原因になる
    中高年になった時筋肉が落ち
    痛みが生じてくる
    *女性は骨盤が広く筋力が弱いために
    膝の痛みを生じやすい

    ・腰痛の原因になる
    猫背や肩こりの原因になる
    股関節周辺の動き自体が下手になる

    ・ 疲れやすくなる
    筋力の使い方が下手な為

    (4)施術やセルフトレーニングでは
    何をするか?

    ・筋肉のバランスを変える

    骨をどうにかする、
    という話ではない

    筋肉の緊張やアンバランス
    が原因でO脚が起こっているため。

    ・ セルフトレーニング、
    ストレッチ

    ・ 食生活の改善

    甘いものは筋肉を弛緩させる
    (東洋医学的な考え方)

    甘いものの食べすぎが
    O脚なども
    筋肉のアンバランスを
    引き起こす・食生活の悪さも一つの原因

    *手術などは
    日常生活に支障ない限り
    選択されない。
    そのため手技療法などが最適。

    自分で筋力トレーニングや
    日常生活で気を付けることなども
    気にしたほうが良い。

    *弊所でも指導します。

    足の裏の痛み、踵の痛み(足底腱膜炎)・足の底のしこり・土踏まずのコブ(足底繊維腫)について

    (1)足底腱膜炎とは?

    弊所で施術を行っていますと

    「足の裏の痛み」を相談されることが

    数多くあります。

     

    ・ 立ち仕事をしている

    ・ 現場仕事などで安全靴をはいている

    ・ ランナー。良く走る

     

    ・・・このような方が訴えることが

    多いです。

     

    ほとんどが足底腱膜炎と言って

    足の裏の筋肉や腱に繰り返し

    負担がかかってしまい

    痛みが出ている状態です。

    土踏まずやかかとに痛みが出てしまいます。

     

    *負担のかかり方によっては

    つま先に痛みが出たり

    足の甲に痛みが出る方もいます。

    その場合は足底腱膜炎でなく

    呼び名が変わることもありますが

    基本的には

    負担のかかりすぎや使い過ぎが原因です。

     

    整形外科などですとシップや痛み止めを

    処方されることが多いようですが

    なかなか改善せずに鍼灸などを希望する方も

    多いです。

     

    シップは血流を抑制する働きがあり

    捻挫など急性期の炎症になら

    とても効果ありますが

    慢性期の炎症ですと

    あまり効果が見られない場合も

    多いようです。

     

    鍼灸では周辺の血行をよくしたり

    体重のかかり方やバランスを改善させることで

    痛みを軽減させることが可能です。

     

    体重がかかる部位なので

    改善までに時間がかかる方もいますが

    痛みへの効果は高いでしょう。

    *状態にもよりますが5回程度の施術で

    改善する方が多いです。

    その後も負荷はかかるのでメンテナンスは必要です。

     

    (2)足底繊維腫

    足の裏の土踏まずの部分に左右両方

    もしくは片方しこりができる方がいます。

     

    足底繊維腫といって

    原因不明の良性腫瘍であることが

    多いです。

     

    痛みが出る場合も出ない場合もありますが

    こちらも患部への負担を減らし

    痛みを和らげる鍼灸などが有効です。

     

    必要な場合はサポーターやテーピング

    を使用し

    ストレッチなども自分で行ってもらいます。

    *痛みの状態によっては病院への診察を勧めます。

     

    (3)セルフケアの方法(サポーターなど)

    土踏まずやかかとの負担を和らげる

    サポーターも数多く販売しています。

    クッションがついているものがいいでしょう。

     

    またセルフトレーニングができるものも

    ありますが痛みが強くなった場合などは

    医師等専門家に相談しましょう。

    *弊所でも一部販売していますのでご相談ください。

    東洋医学の話。脈診について。

    現代医学では病気になったり

    不調になったりするとレントゲンや血液検査など

    行います。

     

    一方・・・

    東洋医学ではどのように身体を見るのか?

    少しばかりこちらでも紹介させていただきます。

     

    (1)東洋医学では四診法が基本

    望診・聞診・問診・切診

    と呼ばれます。

     

    望診

    顔面の顔色や舌などを見て

    体の状態を判断していく手法です。

     

    聞診

    臭覚・聴覚を働かせて患者の声の調子やにおいを

    みる手法です。

    大便や小便を見て「寒・熱」、「虚・実」

    に分類する方法やにおいの性質を

    五臓に結び付けて考える(五臭)

    方法などがあります。

     

    問診

    いわゆる問診、

    カウンセリング的な手法です。

    現代医学的な質問はもちろん

    東洋医学的な証を立てるために必要な

    質問も必要となります。

     

    切診

    脈(脈診)やお腹(腹診)の状態を見て

    体の状態を判断していく手法です。

    実際に身体を触って状態を把握していきます。

     

    (2)脈診について

    脈診は以前ここでも紹介した

    中国の伝説の医師・

    扁鵲が考案したといわれています。

    脈診の方法は様々なのですが

    ここではある意味オーソドックスな

    「六部定位脈診」(ろくぶじょういみゃくしん)

    を中心に書いていきます。

     

    脈を見ることで

    経絡の異常を判断し経絡治療に必要とされる

    「証」を立てて難経69難、75難の

    治療原則を応用しツボを定めることができるのです。

     

    ・・・もう少し噛み砕いて説明します。

    脈の状態把握

    証(今の身体の状態)決定

    ツボ決定、鍼治療

     

    という流れです。

     

    お腹の状態を見ることもそうですが

    脈を見ることは体の状態を把握する

    一つの手がかりとなります。

     

    (3)脈診で何を見るか?

    脈を左右で

    寸・関・尺

    の部位に分けて状態を見ます。

     

     

    類経という古典医学書には

    浮・沈・虚・実・遅・数の

    分類があげられていますが

    脈診入門(医歯薬出版、山下詢先生著)

    ではもう少し詳しく

    以下のように説明されています。

     

    脈の構成要素

    1、深度:

    浮いているか?沈んでいるか?

    2、強度:

    強いか?弱いか?

    硬いか?軟らかいか?

    3、太さ:

    太いか?細いか?

    4、速度:

    速いか?遅いか?

    5、調子:

    リズムが正しいか?乱れているか?

    6、抵抗度:

    なめらかか?渋っているか?

    7、長さ

    伸びているか?縮んでいるか?

     

    脈(六部定位)の五行配当

    右の寸関尺:金・土・相火

    左の寸関尺:君火・木・水

     

    脈(六部定位)の経絡配当

    右の寸関尺:

    大腸・肺(浮沈)胃・脾(浮沈)三焦・心包(浮沈)

    左の寸関尺:

    省庁・心(浮沈)胆・肝(浮沈)膀胱・腎(浮沈)

     

    脈(六部定位)の手足配当

    右の寸関尺:

    手足手

    左の寸関尺:

    手足足

     

    …とここまで書きましたが

    読んでいて

    何のことかわからなくなってきた方も

    いるかもしれません。

     

    要するに

    脈の状態が体のツボや

    経絡(気の流れ)に配当している。

    と理解していただければよいと思います。

    産後の女性からのお悩み相談も多い ~X脚・O脚の調整に関して

    ・ 産後ガニ股になった気がする

    ・ O脚気味だ。気になる

    ・ お尻が大きい気がする

    ・ 猫背で肩コリがひどい

     

    ・・・

    骨盤や足の筋肉のバランスが悪いと

    X脚・O脚気味になり

    上記のようなお悩みを持つことも多いです。

     

    弊所では

    (1)股関節

    内旋か?外旋か?

    (2)膝関節

    内旋か?外方よりか?

    (3)足関節 足首

    内反か?内旋か?外旋か?

     

    などのバランスを見て調整していきます。

    また施術後は上記イラストのような

    状態説明や運動療法が書かれた

    シートも差し上げ

    自宅でのストレッチなども指導します。

     

    週1度くらいの施術で

    まずは5回ほどやっていただき

    様子を見ていきます。

     

    施術前の様子

     

    施術後

    足関節の調整も行う。

    その場で改善することも多いですが

    筋肉のバランスの問題のため

    戻ることも多いです。

    ですので自宅でのストレッチや

    サポーターなどもやっていただく方が

    良い場合が多いです。

     

    調整が初めての方、

    不安な方はカウンセリングをしっかり行い

    状態説明を行う

    トライアルコースもあります。

    お気軽にお問い合わせください。