「予測が立たない時代の治りづらい疾患」に鍼灸院が提供できること。
慢性腰痛や、鬱状態、自律神経失調症、コロナ後遺症など原因が複雑で、予測が立ちづらく、治りづらい疾患が増え続けています。鍼灸院ではタッチセラピーで安心感を与え、またその人の個別性にフォーカスし問題を整理したり、問題解決のためのお手伝いが出来ます。そのためどこへ行っても良くならない人を良くする事が出来ます。
不確実性や複雑性を表す言葉、VUCA(ブーカ)とは?
90年代に軍事用語として生まれビジネス領域で広がって、2016年のダポス会議で使われひろくひられるようになった言葉です。以下の4つのキーワードの頭文字をつなげた言葉です。
Volatility(変動制):テクノロジーがかつてないスピードで進化していて急速な変化が社会に生じている状況。便利な一方情報共有におけるリスクのバランスなどが十分にわかっていない。
Uncertainty(不確実性):数か月後や数年後にどうなっているかわからない状況。組織の統廃合が進み、盤石な組織が今後も続くかどうかが分からない。
Complexity(複雑性):問題に対処しようとしても様座な要因がありすぐに解決できない。あるいはこれまでの方法では解決できない。因果関係でシンプルに解決できない問題が多い。
Ambiguity(曖昧性):物事の因果関係がはっきりせず前例がない中で先に進んでいかなければならない状況。これまでは前例があったり正解がはっきりしていたが多様な価値観の中で柔軟に取り組むことが求められている。(参考1)
元々は医療に特化した用語ではないのですが「医療におけるVUCA」も語られるようになってきました。
増え続ける治りづらい疾患、保健医療のパラダイムシフト
不確実性や複雑性、曖昧性が高い疾患は予測が立ちづらいため「治りづらい」といった特徴があります。鍼灸院でよく見かける疾患ですと鬱状態、コロナ後遺症、慢性疼痛(腰痛などの痛み)、老人退行性疾患、慢性疾患などが挙げられます。これらの疾患は体質やストレスも関係するために原因を一つに特定することが困難で「これをやれば必ず良くなる」とはなかなか言えないことが多いです。こうした疾患は現在でも多く、時代背景などからこれから考えても増えることはあっても減ることはないはずです。
厚生労働省は保健医療2035という提言書でこれからの社会と経済の変化に対応するために医療分野でも以下のような変化が必要であることを訴えています。(以下・写真参照)特に「患者の価値中心」や「キュア(治すこと)中心からケア(身体を労わること)中心」という考え方は重要です。今までの保険医療の考え方やバイオメディカルモデル(原因を特定して対処する医療のこと)では対応できないことが増えるからです。
鍼灸院だから出来ること
現在でも疾病構造の変化により治りづらい疾患は増え続けているため「病院にいったけど痛みが良くならなかった」、「病院では問題解決できなかった」という相談が鍼灸院にも数多く寄せられます。しかしこれは病院の先生や医療スタッフが悪いというよりも、今までのような保険医療制度や薬物療法だけでは解決できなかったというパターンが非常に多いのです。鍼灸院ではそのような方の不満や不安を解消し、通常医療の補完をすることが出来ます。
また現在においても「まずは病院へ」というのがオーソドックスな医療のかかり方でしょうがインターネットで病気や症状を検索する事で余計に迷ってしまいどうしたら良いか?誰に相談すれば良いか?わからない方は少なくないはずです。その方の個別性にフォーカスし、鍼灸治療をしながら鍼灸師とお話し、時間をかけてじっくり問題整理をすることも可能です。
医学的な診断がつかないのに不調が取れない場合(自律神経失調症や不定愁訴のような状態など)や、痛みや精神疾患など薬物療法ではあまり改善しない場合にも鍼灸治療がお役に立てることは多いのです。医学的な検査をした方がいいと判断される場合は病院に行くようアドバイスしたりもできます。
鍼灸治療はタッチセラピーであり、触れることで安心感を与えたりできます。また薬でないため相互作用を及ぼさない、薬が増えないなどのメリットがあるため補完医療としても優れています。ほとんどの場合で病院の治療やセルフケアなどとも併用出来ますので、何かあればお気軽にご相談ください。
参考
1:これからの倫理と看護(日本看護協会出版)