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    「灸(きゅう)」について。

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    本日は「灸(きゅう)」についてまとめていきます。

    灸は古来より行われている治療法で、様々な効果

    (冷え性の改善、食欲不振の改善、腰痛など慢性病の改善など)

    が期待できます。

     

    (1)灸の材料

    灸は艾(もぐさ)に火をつけて行いますが

    もぐさは蓬(ヨモギ)の葉から作られます。

    ヨモギは草餅に使うあの植物です。

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    ・・・古来より種々試みたと思われますが

    ヨモギの葉から作られる艾は他の材料と比較して

    人体の皮膚や組織に対する損傷が少ないうえに

    爽快感があり適度な熱刺激を組織に浸透させることができるため

    今日まで利用され続けています。

     

    (2)灸術の種類

    種類は有痕灸(ゆうこんきゅう)、無痕灸(むこんきゅう)に大別されます。

    身体にやけどの痕を残すのが有痕灸

    残さないのが無痕灸です。

     

    ・ 有痕灸(ゆうこんきゅう)

    透熱灸(とうねつきゅう)、焦灼灸(しょうしゃくきゅう)、打膿灸(だのうきゅう)

    に大別されます。

     

    透熱灸は一般的に広く行われている灸法で

    圧痛点や経穴(ツボ)に小さな艾をひねり

    皮膚上の一定点に適量施灸します。

     

    焦灼灸は皮膚や組織の破壊を目的に行われ

    いぼや魚の目などに行っていきます。

     

    打膿灸は皮膚上にやけどを作り

    わざと化膿させることで(白血球の数が上昇します。)

    生体の防衛機能を高めます。

    が現在はあまり盛んにおこなわれないようです。

     

    ・ 無痕灸(むこんきゅう)

    無痕灸とは灸痕を残さないように、

    また強い熱感を半減させることを目的とする灸法で

    やけどが起こらず柔らかな温熱刺激を伝達させ

    効果的な生体反応を期待することができます。

    無痕灸は以下の2つに分類されます。

     

    隔物灸は艾を直接皮膚の上で燃焼させないで

    艾の柱と皮膚の間にモノを置いて施術する方法です。

    生姜灸やびわの葉灸などがあります。

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    温灸は艾そのものや

    あるいは温灸器を用いて行います。

     

    (3)有痕灸(透熱灸)と無痕灸(温灸)の違い

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    皮膚に直接やけどの痕を作らないということから

    近年は温灸の人気が高まっていますが

    透熱灸と温灸の違いについて言及したものはあまり多くないです。

     

    ただ、研究によると温灸は最高温度が低く(50度程度)

    温度の持続時間が長いことから

    透熱灸は神経系に作用し遠隔的に血管を拡張するが

    温灸は直接局所の血管拡張をするなどの差があるといわれています。