カテゴリー: しびれ(坐骨神経痛・椎間板症・頚椎ヘルニア・腰椎ヘルニアなど)

腰椎椎間板ヘルニアの痛み・痺れ改善。田無北口鍼灸院での施術・30代男性の例。

症状と改善例についてまとめていきます。・・・全員が同じように改善するわけではないと思いますが参考になれば幸いです。プライバシーに配慮するため個人情報等、多少脚色してあります。弊所は痺れや痛み症状で悩む方も多く来所されます。しびれ症状は時間もかかりまた施術でよくなる方もいればあまり改善が進まないこともある厄介な症状の一つです。整形外科に行ってもなかなか改善しないと訴える方もいます。鍼灸を行うと改善することも多く今回もうまくいきました。(しかしながら、同時に病院の治療方針を否定しないことや、患者と医師の信頼関係構築をお手伝いすることも大事です)詳しくは以下・・・

 

お名前 

白川健太さま(仮名)

36歳(施術当時)

主な訴え 

・ 右大腿部の痛み・しびれ

・ 腰の痛み・しびれ

・ 整形外科で過去に腰椎椎間板ヘルニアの診断

・ 仕事で重いものを持つのでつらい。何とかしたい。(ご本人談)

施術開始時期

平成29年06月13日

改善時期

平成29年07月10日(週に1.2度程度。全5回の施術。)

経過・状況など

整形外科に行っていたが改善しなかった。あまり説明もしてもらえず不安・不満。(ご本人談)→医師とのコミュニケーション不足。整形外科での治療やメリットなども説明しました。必要があればこちらからも整形外科へ手紙を書いて施術報告するので、病院での治療も継続するよう説明した。納得してもらう。が、まずは弊所で鍼灸の施術を受けたいとのこと。

 

(1)思い当たる原因

元々腰が悪かった。3年くらい前に腰椎椎間板ヘルニアの診断をされた。仕事で重いものを持つ。(ご本人談)

(2)弊所での施術・見解

下肢の血流があまりよくない。股関節の動きも悪く腰への負担も強い。まずは鍼灸の施術効果などについて説明する。鍼灸をすると

・ 筋肉の緊張をとる

・ 血流の促進(下肢のお灸)

・ バランスの改善

などの効果がある。その結果、症状が改善されるという例は何回もあった。しかしながらしびれ症状は難しいとも説明。受け入れてもらう。症状が強いため最初は週1・2度ほど通院してもらい様子を見てもらう。

(3)経過・施術など

第一回 平成29年06月13日

腰周辺も緊張を確かめつつ下肢の血流促進に重点を置く。お灸で知覚神経を刺激。また足全体の緊張を取る目的で

・ 鍼灸

・ 吸玉療法

など行った。腰への負担軽減もさせる。痛みがあるうちは禁酒指導。

 

第二回 平成29年06月19日

第三回 平成29年06月22日

改善傾向。痛みは引いてきたが痺れがまだ気になる。引き続き緊張緩和とバランスを取る施術。

 

第四回 平成29年06月29日

改善傾向。まだ症状はあるものの仕事が少し楽になってきた。

 

第五回 平成29年07月10日

改善傾向。症状が強かったため引き続き体調メンテナンス目的の施術を勧める

 

(4)総括

股関節が硬いことや運動不足など様々な要因が重なり症状が悪化していた。喫煙や飲酒も好き。それらは痺れや痛みに対しあまりいい影響は与えないが症状を安定させることはできます。足の血行が改善したらずいぶんと良くなりました。今後もご自身の体調に気を配りながらお身体をお大事にしてください。ヘルニアそのものが治ったわけでないため体調管理がとても大事になってきます。また病院でできる事、鍼灸院でできる事には違いがあるのでそれらの説明もし、上手に医療機関と付き合うこともお勧めしました。ご本人に書いてもらった施術感想も以下に書き起こして載せておきます。

Q1、施術前つらいと感じていたことを教えてください。

2か月程度腰痛が続き痛み止めを服用し痛みをごまかし治るのを待ってましたが治らなかったことと痛みに気がめいってしまったことがつらかったです。

Q2,施術後どうなりましたか?

痛みがかなりの部分でなくなり以前と同じように体が動く用になりました。

Q3,施術を受けるまでに不安なことはありましたか?

鍼灸は初めてでしたので施術を受けるまでは不安がありましたが実際はそこまで気にする必要が有りませんでした。

Q4,改善してほしいところがあれば、お願いいたします。

とくになし。

腰椎・頸椎椎間板ヘルニアに対しての施術~はり、各種調整

(1)椎間板ヘルニアとは?

椎間板、とは椎体(背中の骨)と椎体との間に存在し脊椎にかかる衝撃を和らげるクッションの役割をしています。椎間板は中央に位置するゼリー状の組織と繊維製の硬い外層で構成されています。外層に亀裂が生じ中心部にあるゼリー状の組織が飛び出すと突出部位周辺の神経根を圧迫することがあります。

 

(2)症状

首で起これば頸椎椎間板ヘルニアと呼ばれ手や肩などにも痺れや痛みを生じることがあります。腰で起これば腰椎椎間板ヘルニアと呼ばれ腰周辺や下肢に痛みやしびれを生じることがあります。

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(3)田無北口鍼灸院ではどのような施術を行うか?

ヘルニアそのものは手術をしなければ治りません。ただ病院でも手術を勧められるケースとは

・ 両下肢に常時のしびれや痛みがあり日常生活を送るのも困難

・ 排尿排便障害がある

・ ヘルニアにより筋力が低下してしまっている

など症状が重い場合が多いようです。手術にはリスクも伴うことから、まずは保存療法で様子を見る、という選択をする方も少なくありません。(手術はせず温めたり筋肉をほぐすことで痛みを減らすこと)弊所ではこの保存療法を選択される方へ以下のような施術を行っています。

 

鍼灸(はりきゅう)

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鍼灸(はりきゅう)により緊張している筋肉がゆるみ患部への負担が減ります。また痛みそのものにも効果があるといわれています。

 

ストレッチ

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患部への負担を減らすためのストレッチや各種調整を行っていきます。無理やり引っ張ったり伸ばしたりする無理な施術は行いません。

 

吸玉療法

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吸玉(すいだま)療法は毛細血管の拡張を促すため痛みやしびれ感の改善に効果があるといわれています。

 

(4)自己判断でなく不安があれば、まずは病院を受診しましょう。

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MRIの画像診断などによりヘルニアかどうか診断できるのは医師だけです。自己判断でやみくもにマッサージしたり、はり治療を行ってもあまりいい結果が出ないことも多いです。もしも不安があれば一度病院(整形外科)でヘルニアかどうかの診断をしてもらいましょう。弊所でも一定期間施術を行い症状が改善しない場合や不安がある方には病院への受診をオススメしております。紹介状なども書きますのでお気軽にご相談ください。

「気持ち」や「心」が痛みに与える影響について。

以前も「ストレスが痛みに与える影響」について書きましたが本日も「痛みの感情面が痛覚に与える影響」について論文を参考にしながら書いていこうと思います。

 

上記リンクからも見れますが日本ペインクリニック学会も感情面が痛覚の「認知」に与える影響について書いています。どういうことなのでしょうか?痛みは脳で認識します。そして痛みは単なる感覚でなく恐怖・嫌悪・怒りなどと同じようにネガティブな感情体験でもあるのです。我々人間は「共感能力」が備わってます。そのため配偶者や自分の子供などに痛みが与えられた時自分も痛みを共感することができるのです。

痛みの侵害受容回路は2つあることがわかっていて

(1)内側系

痛みの感情面、自律神経系

(2)外側系

痛みの判別的側面(強さ・場所)

に関与すると考えられています。上記論文で行われた実験では実際に痛みの刺激は与えずに

・ 痛そうな、怖そうな画像

・ 落ち着いた画像

を見せたら実際に痛みを与えた時と同じように脳が活動しました。これらのことからもわかるように近年痛みの感情を伴う可能活動は患者の鬱状態や彼らの訴える主観的な痛みの程度と創刊していることが明らかになってきました。うつや社会疎外感、ストレスは痛みを増強させます。逆に暗示や瞑想が痛みを抑制させることもわかってきています。医師や看護師が注射をする前に「痛くないから大丈夫ですよ」「少しチクッとしますよ」というのは暗示をかけて痛みを抑制させる効果があります。ヨガの達人の脳をMRIで調べると瞑想中には何らかの脳活動が起こっていてこれが痛みを抑制する効果などがあることもわかっているのです。田無北口鍼灸院では鍼灸治療を中心にプラセボや心理効果などあらゆるものを使いながらあなたの身体を良くしていきます。「どこへ行ってもよくならない」そんなことでお悩みの方は一度ご相談ください。

腰痛と足のしびれを伴う腰痛(脊柱管狭窄症)と鍼灸の効果

腰痛症状で来所される方は多いです。腰痛の原因は様々ですが鍼灸でよくなる根拠や効果をまとめていきます。また、例えば椎間板ヘルニアになっている状態が鍼をすることで灸をすることで「元通り正常にになる」ということではなく症状が改善されて痛みやしびれを感じずらくなるということが多いです。*鍼灸はあくまでも補助療法的な手段であることも多いのでその辺も含めて初回に詳しく説明させていただきます。病院への通院や通常医療へのアクセスを否定することもないです。必要に応じて病院の紹介も行います。

(1)腰痛とは?足のしびれとは?

腰痛とは腰部あるいは腰臀部に痛みがある状態で腰下肢症状とは腰部症状とともに足にも症状が出ている状態のことを言います。これらの状態は内臓疾患や心理的要因によっても出現することもありますが筋肉や神経などの組織の問題から起こる腰痛が多いです。腰痛と足のしびれを伴う疾患は様々なものが考えられますがここでは一例として「腰部脊柱管狭窄症」という疾患について考えていきましょう。

(2)鍼灸の主な効果

鍼灸の主な効果としては以下のようなことがあげられます。・ 痛みの抑制

鍼灸の施術を行うと脳内から鎮痛に作用する物質などが出ることもわかっています。

・ 循環の改善

筋肉・神経周辺の血流が改善されます。

・ 自律神経の安定

胃腸の働きなどもよくなります。

・ 過緊張の弛緩(筋緊張緩和)

実はこの作用の効果が大きいかもしれません。筋弛緩作用があるので過緊張がなくなります。筋緊張が改善すると循環も改善され、痛みも抑制され、血流も促進され、自律神経の安定作用もあるのです。

 

(3)腰部脊柱管狭窄症の鍼灸臨床研究

様々な論文や臨床研究が存在しますがここでは粕谷大智先生 らの腰部脊柱管狭窄症に対する鍼灸治療の臨床的研究という論文をもとに考察していきます。

対象

対象患者は間欠性跛行を主症状としMRI.CTなどの画像所見からLCSと診断された62例であり,男性36例,女性26例で,年齢は平均67.3歳。

鍼治療

自覚症状や理学的検査、画像所見より判断した責任高位とされる狭窄部周囲の筋緊張や循環状態に変化を与えることを主に目的に行った。具体的には,椎間関節部(椎骨棘突起後縁部より外方2センチを刺入点とする。その際に臀部または下肢に放散痛を感じることがある)や椎間孔に近い部位(椎骨棘突起部より下方3センチを刺入点とする。その際に自覚症状のある部に放散痛や痺れ感を伴う)を、馬尾型に対して腰椎の棘突起間や椎間関節部周囲,第2仙骨孔の位置にある次膠穴を中心に症例に応じて置鍼(15分間)・雀啄などの普通鍼や低周波通電〔1 HZ・15分間)を行った。治療間隔は週1回で,3ヶ月時に治療効果の判定を行った。

結果

62例の治療成績は著効14例、有効17例、やや有効19例、無効12例

無効なものも多いものもよくなっているケースが多い印象である。

(4)まとめると・・・

筋緊張が改善されると、痛みが抑制される血流が促進され循環が改善されます。良い循環になることが多いです。また例えば下肢の痺れや冷えで悩む方に灸施術を行うと最初は感覚が鈍くなってるために熱さを感じない方も多くいますが「熱さを感じる(知覚神経刺激)→血流が促進→循環が促進」という反応が起こり、好循環に導くこともできます。その結果痺れや痛みなどの症状が改善されることも多いのです。お悩みの方はまずは一度ご相談ください。

足のしびれ・股関節の痛み改善例

症状と改善例についてまとめていきます。・・・全員が同じように改善するわけではないと思いますが参考になれば幸いです。*プライバシーに配慮するため個人情報等、多少脚色してあります。弊所は痺れや痛み症状で悩む方も多く来所されます。整形外科に行ってもなかなか改善しないと訴える方もいます。(*医師とコミュニケーション不足であることが原因で治りづらくなっている場合もあります。弊所ではコミュニケーションのサポートもします。)痺れや痛み症状が強くても鍼灸を行うと改善することも多いです。

 

お名前 

中山弘道さま(仮名)

 

58歳(施術当時)

主な訴え 

・ 右股関節の痛み

・ 整形外科で腰椎椎間板ヘルニアの診断

・ 歩くと痛みが出るため

やすみながら出ないと歩けない。

→ 杖をついて来所。

(ご本人談)

 

施術開始時期

平成28年06月09日

改善時期

平成28年08月13日

(週に1.2度程度。全10回の施術。)

経過・状況など

整形外科に行っていたが改善しなかった。痛みが強く辛かったのでペインクリニックにも行った。(ご本人談)

医師とのコミュニケーション不足。整形外科での治療やメリットなども説明し整形外科への通院も続けるよう説明。納得してもらうが弊所で鍼灸の施術を受けたいとのこと。医師にお手紙にて状況報告し施術開始。

 

(1)思い当たる原因

自分でも身体のバランスが悪いことは感じている。仕事で出張など移動も多い。運動不足。(ご本人談)

 

(2)弊所での施術・見解

肥満傾向、運動不足。股関節の動きも悪く腰への負担も強い。まずは鍼灸の施術効果などについて説明する。鍼灸をするとヘルニアの部分がへこみ症状が緩和されるわけではない。

・ 筋肉の緊張をとる

・ 血流の促進

・ バランスの改善

などの効果がありその結果、症状が改善される。緊張を取る方向で施術すると症状が緩和された例も多いと伝え腰の負担を減らしながら血流などを改善させる施術方針提案。受け入れてもらう。症状が強いため最初は週1・2度ほど通院してもらい様子を見てもらう。

 

(3)経過・施術など

第一回 平成28年06月09日

腰周辺はあまり触らない。骨盤ベルトで股関節動きサポート。足全体の緊張を取る目的で

・ 鍼灸

・ 吸玉療法

など行った。腰への負担軽減させる。また東洋医学的なバランスも考え手・足にもお灸を行った。冷やさないよう指導。痛みがあるうちは禁酒指導。

第二回 平成28年06月13日

第三回 平成28年06月18日

あまり変化なし。引き続き緊張緩和とバランスを取る施術。

第四回 平成28年06月23日

第五回 平成28年06月30日

改善傾向。まだ症状はあるものの歩くのも少し楽になってきた。

第五回 平成28年07月05日

第六回 平成28年07月12日

第七回 平成28年07月20日

第八回 平成28年07月29日

改善傾向。やはり緊張を取っていきながら温める施術がイイみたい。冷房で足腰を冷やさないよう指導。睡眠の質も上がった。

第九回 平成28年08月04日

第十回 平成28年08月13日

改善傾向のため施術中止。今後は体調メンテナンス目的の施術を勧める。自宅で股関節運動やストレッチも勧めた。

 

(4)総括

股関節が硬いことや運動不足など様々な要因が重なり症状が悪化していた。痛みやしびれが強いと生活に支障をきたしてしまいます。今後は悪くさせないように体調管理をしっかりと行いお身体をお大事にしてください。*ヘルニアそのものが治ったわけでないため体調管理がとても大事になってきます。

 

今すぐ良くしたいなら手順が大切

体調をよくするには「手順」が大切になります。そして「自己判断」は禁物です。本日はそのことについてまとめていきます。

・・・

弊所で治療相談を行っていると不安やストレスを感じやすく自己判断傾向が強い方がまれにいらっしゃいます。そのような方は自分の感覚を一番先に信じますので「まだこれだけ痛みや症状が残っている」という思考や「すぐにこの不快感を取り除いてほしい」という思考に陥りやすいのです。

そのことでどんなデメリットがあるのか?と申しますとそれは症状のみに気を取られている状態ですので何をやっても治療が続かなかったり自己判断で治療をやめてしまうので治療をしても解決しないことが多いのです。そのため結局は余計な費用や時間がかかることも多くなります。アスリートやスポーツ選手など今すぐ動きたい、動かなくてはいけない、という理由があるためこのような思考に陥りやすいことも多いです。また性格的に不安感が強かったり几帳面・完璧主義といわれる方もこのような思考に陥ることが多いです。

しかしながら

「今すぐ楽に」

という自分の感覚を主にした判断は治療や医療とはまた違ったアプローチを求めていることにもなりかねません。おまじないやニセ医学に騙される危険性も出てきてしまいます。体調を良くしたかったら手順が大切となります。まずは自己判断ではなく病院で検査を受けて原因をハッキリさせることです。腰痛やしびれの問題でしたら整形外科などに行き場合によってはMRIなどの精密検査を受けることも必要になるかもしれません。検査の結果特に異常がないだけどもまだ症状が続いている、医師からは

「病気などではなくストレスの問題」

「筋緊張や神経絞扼(締め付け)の問題」

といわれている場合などは鍼灸治療がお役に立てる場合が多いです。もちろん当院でも徒手検査といって(SLRテストなど)精密検査を受けなくても動きの中からある程度、痺れの原因を推測することはできます。結局のところ現在の状態ををハッキリさせないことには鍼灸でアプローチする際にも治療方針を立てられません。それからストレスや筋緊張、神経絞扼の問題ならば1回で痛みが取れることはありませんしどこで治療をしても何度か、何か月か期間がかかることがほとんどでしょう。良くならない方というのは自己判断で損をしてしまっていることが非常に多いのです。そこに至るまでにはもしかしたら病院で誤診をされたのかもしれないしなにか傷つくようなことを言われたのかもしれない。しかしながら良くならないでこれ以上損をするのは私でなくあなたです。自己判断は得策でないのですしやめたほうが良いです。医療従事者の話は信じてほしいと思います。また前述したようになかなか良くならない方や長い間痛みや苦しい症状でお悩みの方は自己判断を中心とした「認知の歪み」があることも多いです。

どうせよくならない、

信じても無駄だ、

と思っていることもあるのです。そのような場合でも信頼関係が築けるよう最善はつくします。弊所ではまずはお話をよく伺いまた症状を把握し病院への通院歴や現在服用中のお薬など伺ったうえで改善までの計画を立てていきます。そして初回カウンセリング終了時に信頼関係が築けていない場合は施術をお断りすることもあります。納得してから治療を受けていただきます。ご不明な点や不安な点は遠慮なくお尋ねください。

中高年の方のしびれ症状ご相談

田無北口鍼灸院では「手や足にしびれが続いている。鍼灸をやれば治るか?」という相談も多いです。結論から言いますと絞扼障害・神経根圧迫などは鍼灸治療で改善することが多いです。ただ一口にしびれ(痺れ)といってもいろいろな原因で起こりますし緊急性がある場合もありえますので細かく解説してまいります。お困りの方の参考になれば幸いです。

(1)末梢神経が原因で起こるしびれか?中枢神経が原因で起こるしびれか?

わかりやすく説明するためにカンタンに分類します。ご了承ください

中枢神経が原因で起こるもの:脳・脳幹・脊髄の障害が原因のものです。

脳血管障害(脳梗塞,脳出血),脳腫瘍,多発性硬化症(脳,脊髄),脊髄腫瘍,脊髄空洞症,脊髄梗塞など脳や脊髄の障害される多くの疾患により.痺れがおこります。これらは緊急性があるものも多いので注意が必要です。

末梢神経が原因で起こるもの:手足や大観の神経が原因のものです。

少し詳しく見ていきましょう。まず神経線維の太さ・機能など。神経線維は以下のように分類されます。

Gasserの分類
直径(μm)
伝導速度(m/S)
主な機能
有髄
12 ~ 21
70 ~ 100
運動,筋固有知覚
6 ~ 12
40 ~ 70
触覚,運動覚
4 ~ 8
15 ~ 40
触覚,圧覚,筋紡錘円神経
1 ~ 6
5 ~ 15
触覚,温覚,冷覚,圧覚
B
1 ~ 3
3 ~ 14
有髄節前,自律神経
無髄
C
0.2 ~ 0.3
0.2 ~ 2
痛覚,温冷覚,節後自律
・・・

Aαが運動神経線維,Aβが触覚神経線維,AδとC線維が痛覚神経線維,B線維は自律神経系の節前線維,Aδはチクチクした痛み,C線維はジーンとした痛みに関わり、触覚神経線維であるAβは,痛覚神経線維であるAδとCの活動性を抑制する機能があるといわれています。さらに細かく末梢神経障害を分類します。

・ 単神経障害

手根管症候群(正中神経の障害)肘部管症候群(尺骨神経の障害)橈骨神経麻痺 など

・ 多発単神経障害

血管炎症のニューロパチーが代表的。糖尿病でも見られます。局所の末梢神経栄養血管の血流障害によるもの。

・ ポリニューロパチ

糖尿病性神経障害、自己免疫性の末梢神経障害など

・ ★ 神経根症

椎間板ヘルニアや頚椎症など。鍼灸院でも多く見られる疾患です。

 

(2)部位別に見た痺れをきたす疾患

実際に鍼灸院に問い合わせされる方は「手がしびれている」「足がしびれて痛みがある」などという表現をされる方が多いです。

・ 片手がしびれるのか?

・ 両足がしびれるのか?

・ 手足がしびれるのか?

でも推測される疾患は違います。どのような状態が考えられるか?まとめていきたいと思います。

 

<1>片側・手のしびれ(一側上肢)

・ 手根管症候群

・ 肘部管症候群

・ 胸郭出口症候群

・ 頚椎症

・ 脳梗塞

 

<2>下肢(足)の痺れ

・ 腰椎症 :

椎間板の膨隆、骨棘の形成など。

椎間板ヘルニアと同様に神経根圧迫によりおこる。

・ 絞扼性神経障害:

腓骨神経麻痺,外側大腿皮神経障害,

足根管症候群など

・ 腰部脊柱管狭窄症

・ 下肢閉塞性動脈硬化症

・ 脊髄動脈奇形 ほか

 

<3>四肢(手足)の痺れ

・ 自己免疫性ニューロパチー

・ 糖尿病性抹消神経障害

・ 血管炎症末梢神経障害

・ 傍腫瘍性ニューロパチー(がんなど)ほか

 

<4>鍼灸治療に関して

緊急性があるものを除き絞扼障害・神経根障害などは鍼灸院で対応可能です。なかなか改善されない痺れが上記のように筋緊張からくる圧迫の場合鍼灸治療がとても有効になります。必要な場合や緊急性がある場合は病院への受診も勧めます。なかなか改善しないしびれでお悩みの方は是非一度ご相談ください。

★ 参考 日本内科学会雑誌103号より

痛みの原因とその種類・分類

本日は痛みの種類について解説していきます。「痛み」はその原因から3つの種類に大別されます。原因によって対処方法も違ってきますので参考にしてみてください。

(1)侵害受容性疼痛 しんがいじゅようせいとうつう

原因と結果が目に見えている痛み。怪我をした際やモノが体に刺さった時など組織が損傷された際に起こる痛みのこと。このような痛みがおこった際は「冷やす」ことがです。

例 捻挫などのケガ 皮膚をカッターで切ってしまった など

(2)神経因性疼痛 しんけいいんせいとうつう

神経や筋肉などがその他の組織で圧迫されたり絞扼(しめつけられること)されたり神経線維そのものや脳や脊髄に何らかの問題が起こって出現する痛み。ケガなどをしていないのに起こる。血行が改善されると痛みが緩和されるために「温める」と楽になることが多い。

例 頸椎ヘルニアの痛み 坐骨神経痛 帯状疱疹後の神経痛 など

(3)心因性疼痛 しんいんせいとうつう

不安やストレスなどで起こる痛み。単体で起こることもあるが先にあげた二つの種類の痛みと混在して悪化することもある。

例 うつ病に伴う痛み など

温めるか?冷やすか?安静にするか?動かすか?など・・・。それぞれの痛みで、方針が変わってきます。こちらにも症状別の施術方法を掲載してあります。)詳しくはご相談ください。鍼灸はどの痛みに対しても有効であることが多いですが、鍼灸を行うと「ぱっと」痛みが消えてしまうことはあまり多くないです。即効性でいえばブロック注射やロキソニンなどの薬剤の方が有効な場合もあります。痛みは慢性化すると生活に支障をきたすため、その後の生活や痛みとの付き合い方が重要なことも多いです。弊所はいきなり鍼をすることはせず、まずは症状や生活の状況などしっかりとお話を伺い、方針を説明したうえで施術を行います。

また痛みは社会的、心理的(仕事やストレス)などの影響を受けることが多いです。鍼灸は痛みに対して効果がある、という論文も多いのですがその改善についてはケースバイケースです。最大の特徴としては「薬以外の選択肢になれる」という点ではないかと考えています。ご年配の方はすでにたくさんの薬を飲んでいたり、また妊娠中、産後はできる限り薬を飲みたくないので鍼灸という選択肢を検討される方も多いです。まずは一度ご相談ください。

寝違い(寝違え)、の応急処置や、似た症状(ムチウチ・頸椎ヘルニアなど)について

寝違い(寝違え)とは・・・

何らかの原因で首に炎症を発症する事によって痛みや動きの制限が加わる障害です。頸部の炎症系障害と神経系の障害の2つの原因が考えられ対処法も異なるので注意が必要です。寝違いの症状は基本的に首を中心に独特の症状を発症します。以下の症状のいずれかに該当する場合は、寝違いの可能性が考えられます。なお、痛みとともに「しびれ症状」などを併発している場合は
神経系の障害を別個に検討する必要があります。

【寝違い症状の特徴=チェック一覧】

● 寝起き時に首にこわばりがあり起きるのが辛い

● 急激に首を横にまわすと激痛が走る

● 首をまわす角度が大きくなるほど徐々に首の痛みが増す

● 無意識に横を向く際に、体ごと回してしまう

● 腕がだるい・腕にしびれがある(特に前腕部分)

● 上を向くのが辛い

 

◇ 気をつけよう泥酔時の姿勢

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寝違いを発症すると、その痛みは想像以上の痛みを生じるケースが多くあります。この痛みの主な原因は、頸部の炎症による痛みが主な原因です。発症パターンとして、急性的・突発的原因や
慢性的原因の2つの原因が考えられます。一般的に見られる寝違いは、急性的・突発的原因によるものが大半のケースを占めます。具体的には、深い眠り・泥酔時は要注意といえます。通常、人は眠っている場合、体のポジションを無意識に変えながら眠っております。これは、一部分へかかる負荷を軽減する為に、無意識にとる行動といわれます。しかし、例えば泥酔している時などは状況が異なります。泥酔状態で睡眠した場合、通常の睡眠とは異なり、昏睡状態に入るためです。昏睡状態での睡眠した場合、寝返りなどの自然な行動は減少します。そのため、同一姿勢のままで眠ってしまい、一部分に負担をかけ続け、炎症を発症してしまう恐れがあるのです。お酒を飲まないと眠れないとしても、昏睡を避けるため、適量にとどめることも寝違い症発症の予防につながります。

◇寝違いを発症するパターン

寝違えの原因は、その名の通り、「眠る際の姿勢」が大きく関与しています。特に、その原因は、睡眠時の「腕の位置」の影響が大きいと考えられます。首の頚椎という神経が集まる経路が
両腕に伸びており、この腕を圧迫することで首に痛みが出る可能性が考えられるのです。

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ですから、腕を体の下にしたまま眠るなどの状態が続き、神経が圧迫された場合、首に炎症がおきることになるわけです。寝違いの症状は、大半のケースが首への負担となって現れますが、腰や大腿部などへの症状となって現れることもあります。いずれの症状の原因も、同一部分への継続的な負担が主な原因となっています。また、ストレスによる肩こりから、血流の流れが低下し、首に痛みを生じる例もあります。ストレスと寝違えはまったく関係ないように思えますが、実はこのストレスによる要因も大きな原因として考えられています。

◇手・足にしびれを伴う場合

寝違い症状を感じる際に、手や足などに「しびれ症状」を伴う場合は、神経系の障害の可能性が考えられます。頚椎の損傷による神経系の障害には様々な障害があります。寝違いかな?と思い病院に行くと、実は神経系の障害であるケースもあります。

その代表としては頚椎椎間板ヘルニアが挙げられます。頚椎の神経は人体の様々な部分に関与しているため、頸部のダメージであっても、頸部のみならず身体各部に症状が現れるのが特徴です。

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特に、手・足などの末端器官のしびれなどが主な症状である場合、各部位よりも頚椎損傷を確認することが重要です。頚椎損傷の原因は、実は突発的な外力による負担だけが原因とは限らず、慢性的な姿勢などによる神経の圧迫などが原因である場合もあります。治療としては、日常生活の見直しから始める必要があるケースも多く、根本的な治療を達成しなければ、再発する可能性が高い障害です。首が直接的に痛む場合よりも、むしろ手足などのしびれがある場合などの方が、頚椎損傷の危険性が高い傾向にあるのも事実です。

◇寝違えの鑑別診断方法

寝違い症状を発症してしまった場合は、神経系の障害を併発していないかのチェックが何よりも重要です。ですから、疑いがある場合は必ず医師の診察を
受ける必要があります。医師はこのチェック方法として必ず手・足の状況を確認することから始めます。よくある診察方法としては

● 手のひらを前方に差し出す

● 眼の運動機能の確認

● 膝の反射の確認

● アキレス腱の反射の確認

―などです。寝違いによる炎症が原因であるのか?神経系の障害が原因であるのか?―を判断するためです。弊所では3回ほど施術しても改善が見られない場合など病院へ行くことを推奨しています。病院で異常なしの診断を受けてから弊所に来る方もいますが症状が改善されない場合は鍼灸院だけでなく病院も併用した方が良い場合も多いのです。

◇寝違いの治し方・治療法

医師の診察を受け、腱反射などのチェックが正常であった場合は、通常の寝違い症と判断されます。と言っても、寝違い症と言えども、痛みの範囲は様々。「かなりの激痛」を伴っているケースも多くありますので、安心は出来ません。

寝違い症の痛みは主に頚椎患部に発症している「炎症」が原因で強い痛みを発症します。頚椎は第1頚椎~第7頚椎までの7つの骨で構成されており、ひとつひとつが関節と同様の働きをする
ヒトの構造上の弱点となり得る部分です。寝違いの治療方法としては、

● ロキソニンなどの鎮痛剤の服用

● 冷シップなどによる
アイシング

―を中心にとにかく

「患部の炎症を抑える事」

を優先に治療を行っていきます。痛みの程度には個人差がありますが、治療の基本はアイシング療法を中心に行います。

なお、早期に痛みを緩和させたい場合はアイシングなどの応急処置後と平行してMSM(メチルスルフォニルメタン)を含有するサプリメントを摂取していくのもひとつの方法です。CBD(カンナビジオール)製品などもおススメです。海外ではMSMを含むサプリメント製品が早期から製品化され、スポーツアスリートの筋肉痛や捻挫など、炎症の緩和にも使用されてきた経緯があります。治療の基本はアイシングですが、CBDやMSMを含有する栄養補助食品の摂取と平行していくことで現場への早期復帰につながる可能性も高まります。

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*田無鍼灸院では鍼灸や各種各種調整で、患部(首)への負担を減らすような施術を行います。これによりかなり速いスピードで回復いたします。

◇治療後の回復期間の目安と治療に関する注意点

寝違い症の治療を開始後の回復期間の目安としては治療開始時から約10日前後です。寝違い症による炎症は5日~7日程度で収まります。そして5日~ほどすると、信じられないほど
痛みは消えていき、日常生活に復帰できるようになります。注意点としては炎症が発症している初期段階で患部のマッサージなどを行わないことです。

マッサージを行うと血行が促進され、炎症を拡大させる可能性があるためです。マッサージなどの処置は、炎症が収まった「回復期」に入ってから行うようにします。

* 周辺のマッサージを行うことで炎症や興奮作用を鎮静化させることができますが自己判断で患部をもむことは絶対に避けましょう。

◇温熱療法の実践

寝違い症の治療の基本は前述の通り、まずは炎症を起こしている患部を冷やすアイシング療法を行うことが基本です。しかし、数日で炎症は治まってきますので、炎症が軽減した段階からは
一転して温熱療法を行います。温熱療法とは血行の流れを促進し自然治癒力を活性化させる目的で行われる治療法です。寝違い症は多くの方が経験しているように一度の発症で終わるケースは
非常に稀なケースであり多くのケースでは再発を伴う首まわりの障害のひとつです。

そのため、長期的思考で定期的に鍼灸院に通うなどして肩周辺の筋肉組織をこまめにケアしていくのが大切です。

◇他の障害を併発している可能性

病院の診察を受け、診断を行った際に、反射や機能障害が確認された場合は、寝違い以外の障害の可能性を検討しなければなりません。急性的・突発的に症状が発症した場合は、

首への外力が
急激にかかったケースがないか?

を検討します。

まず、頚椎への障害とともに、首の筋肉・腱などへの損傷が考えられます。首の筋肉・腱などへの損傷を起こすケースとしては、

「転倒」

や、

「交通事故」

などが原因となるケースが多く、ムチウチ症などの症状も合わせて確認していきます。徐々に痛みが増してくるような慢性的な障害のケースでは頚椎ヘルニアなどの症状を考えます。特に腱反射などがにぶい、もしくは反応しない場合は、神経系障害が原因を疑います。寝違い症状と神経系障害の症状は酷似しているので、正しい見極め、判断が重要です。

◇頚椎椎間板ヘルニア

首の寝違い症と頚椎椎間板ヘルニアは類似症状がありますがその障害の内容はまったく異なります。頚椎ヘルニアは、頚椎の圧迫による首の痛みが原因で、症状の度合いによっては手術療法を行う必要もある障害です。頚椎ヘルニアの治療方法としては、

● 手術をしない保存的療法(頸部の牽引、薬物療法など)

● 手術による外科的治療方法

があります。頚椎ヘルニアの場合、寝違いなどと比べ回復までの期間が長く、1ヶ月以上の回復期間、場合によっては半年近くの治療期間が必要となります。また、長期入院を必要とするケースもあり、サラリーマンは仕事から一時的に離れなくてはいけなくなる可能性もあります。頚椎ヘルニアは慢性的な首への負担から発症するケースが多く、後遺症を残す事もある障害ですから注意が必要です。鍼灸治療で軽減させることができます。

◇寝違いとムチウチの違い

首の障害のひとつにムチウチ症があります。このムチウチと寝違いとの違いが混雑して受け取られている例が多く見受けられます。寝違いとムチウチの大きな違いは、寝違いが同一部位への継続的な負担による炎症の発生による障害である事に対し、ムチウチは外部的な強力な力の働きにより、可動範囲制限を無理に越えてしまった際に発症する障害であるという点です。人体にある各関節には、一定の可動範囲を超えないような関節構成がなされております。

また、関節構成に加えて、筋肉と骨格をつなぐ靭帯が可動範囲を制限しているのです。これらの可動範囲を超えて無理に負荷がかかった場合に靭帯が損傷・断裂するなどし、障害が発生します。ムチウチの場合は吐き気などを催す場合も多く、脳への障害が発症している可能性も考えられますので、医師の診断を受けることは重要です。

◇自分で行う寝違え応急処置

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朝起きて寝違い症状が突然発症してしまった場合のケースについてご説明します。寝違い症状を発症した場合は、医師等専門家の判断を受ける事が非常に重要です。前述した神経系の障害が
原因である可能性が考えられるためです。しかし、仕事などの関係で、どうしてもすぐに病院等にいけないケースなどでは、一時的な応急処置を自分で行わなければいけない場面が出てきますが、その場合、自分で行える処置は、患部のアイシング処置のみです。寝違いでは神経系障害でない限り、大半のケースで患部に炎症を発症しています。したがって、患部をとにかく冷やし、
炎症を抑制させることが大事になります。

また、このような初期段階では決して温めてはいけません。応急処置としてのアイシング処置では、冷湿布などはほとんど効果がありません。氷をビニール袋にいれて水を入れ首に直接あてる
アイシングを行います。3分おき程度に分けてアイシングを行い、凍傷の危険も回避します。これだけでも症状は一時的ですがだいぶ治まります。最終的にはやはり医師等専門家の判断を仰ぐ事を忘れてはいけません。神経系障害でないとわかるだけでも安心につながります。

椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、坐骨神経痛などのしびれや痛みでお悩みの方へ 

<椎間板ヘルニアとは・・・?>

椎間板ヘルニアは、頸部、胸部、腰部、いずれにも起こりますがもっとも多いのは腰部で特に第4、第5腰椎間と第5、第1仙椎間です。椎間板は、髄核とそれを包む繊維輪からなりますが椎体同士の間にあり、水分を多く含んだゼリー状の髄核とそれを取り囲む丈夫な線維輪とから構成され、いわばクッションの働きをしています。
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腰椎では上体からの重さに耐えうるべく椎間板の質量、大きさ、ともに頸椎や胸椎に比べて大きい特徴があります。椎間板は20歳を過ぎるころから、しだいに髄核の水分が失われるため不安定性が生じ線維輪にも亀裂が生じるようになります。髄核や線維輪の一部が脊柱管内や椎間孔へ膨隆・脱出し、馬尾や神経根を圧迫することが「椎間板ヘルニア」と呼ばれます。加齢に基づく椎間板の変性を背景にして様々な程度の外力が加わると発症します。重いものを持つ、身体をひねる、など繰り返しの動作から生じることが多いです。椎間板の脱出突出は、力学的に最も弱い後側方に多いです。
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突出によって後縦靭帯や繊維輪の外層が圧迫されると腰痛や頸部痛を生じ、神経根が圧迫されると坐骨神経痛や手足のしびれを生じることになります。

<脊柱管狭窄症とは・・・?>

腰椎内部の神経通路である脊柱管が狭くなり、神経組織が圧迫されて症状が出る病気です。特徴的な症状は「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」です。間欠性跛行とは、歩き始めは症状が強いわけではないのだが、しばらく歩くと脚が痛くなったり、しびれたり、こわばったりして歩くことができなくなる状態を指します。しゃがんだり座ったりすると症状はすぐになくなり、また歩いたり立ったりできるのが特徴です。これは立つことで構造上、脊柱管がいっそう狭くなり神経を圧迫するためで、体が前かがみになると脊柱管が少し広くなり、圧迫が解けるためでその動きで症状はなくなります。
病状が進むと、連続歩行距離や時間が短くなっていきます。重症の場合は50mも歩かないうちに症状が強くなり歩けなくなったり、少し立つだけでも症状が出たりします。徐々に下腿の筋肉が萎縮し、永続的な歩行障害が起きることもあるので注意が必要です。

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<症状が強い場合まずは、一度精密検査することをオススメします>

症状が強い場合は、(両足に痺れが出てしまっている。強いしびれや痛みがある。など)一度病院でMRI検査等を受け現在の状態がどうなっているのか?確認することをオススメします。場合によっては手術を勧められることもあると思いますが、良く医師に相談し検討することがいいと思います。

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<鍼灸等で改善する例も。手術しなくてもよいなら。>

手術しても100%良くなるわけではないですしほとんどの方が「手術しなくてもよいなら、なるべく手術したくない・・・」と考えているのではないでしょうか??(保存療法と言います)

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田無北口鍼灸院では、症状を緩和させオペを回避できた症例を沢山持っておりますがケースバイケースです。まずは一度お気軽にご相談ください。今通院している病院の治療方針も否定することはありません。ほとんどの場合で併用可能です。まずはお問い合わせください。

ストレスと腰痛について 

◎ストレスと腰の痛み

腰の痛みが精神的なものによって起きるということについて説明します。腰をいくら検査しても、原因が特定できない腰痛(非特異的腰痛)と言われているもので、最近患者が増えています。「腰が痛くて、整形外科に診察に行っても、原因は分からず、湿布と痛み止めをもらって帰ってきたが、翌朝、腰が痛かったり、だるかったりして、ベッドから抜け出せなかった」と訴える患者さんはいるものです。また、多くの人や重役さんたちの前で、スピーチやプレゼンテーションをしなければならない時、面接を受ける時など、緊張して身体がガチガチになり、それがこうじて慢性的な腰痛になってしまう人も珍しくありません。

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メカニズム的に言うと、緊張で筋肉の血流が悪くなり、筋肉疲労になります。その結果、背中や腰の痛みを引き起こすことになります。生理学的には、自律神経の乱れで交感神経が優位になると、身体は常に緊張状態になり、動悸まで聞こえてくるようになります。交感神経がコントロールしにくくなるからです。つまり精神的疲労や心の抑圧から心身の不調を招いてしまうことになり、仮面うつ病、心因性の腰痛と診断されるケースも出てくるのです。

対処療法としてはマッサージや入浴、鍼灸等で、血行を良くし、疲労を取り除くのが大事です。ただし、腰痛の原因を突き止められなかったら一度、心身症などの専門医による診察を受けられることもお勧めします。弊所から病院のご紹介もできます。

2013年2月、「たけしの本当は怖い家庭の医学」という番組で、「腰痛の隠れた本当の原因を解明!完全対処スペシャル」が放映され、非特異的腰痛とストレスとの関係がテーマになりました。この番組ではこれまでご紹介してきたストレスとの関係において、少し角度を変えた分析をしていました。腰など体の一部に何らかの異常が起きると、神経を通じ脳に伝わり、異常が起きたことを「痛み」として認識します。このメカニズムを支えているのが、脳のなかで情報をやりとりする神経伝達物質ですが、ストレスを感じ続けると、この伝達物質の分泌に異常が生じるようになり、身体と脳との間で情報が正確に伝わらなくなってしまいます。結果、脳が誤作動し、通常なら痛みを感じないような小さな腰の異変を、強い痛みとして感じてしまう、との説を紹介していました。患者さんの訴えをフェイクのように断じるのは少々疑問を感じますが、未だに腰痛の原因が十分解明されていない点などを考えると、生半可では太刀打ちできない、この症状治療の奥深さを感じずにはいられません。

 

低周波鍼通電療法(パルス療法)に関して。自律神経症状・急性腰痛症状などある方に施術を行います。

田無北口鍼灸院では鍼治療に電気(低周波)を流し施術を行うことがあります。どのような鍼治療方法でどのような効果があるのか?まとめていきたいと思います。

(1)鍼通電療法とは??周波数・時間

鍼通電療法とは上写真のように鍼を刺した状態で低周波通電を行い筋肉を収縮させていく治療法です。田無北口鍼灸院でも良く行います。周波数はおおむね以下のようになります。低頻度1~10Hz=単収縮  高頻度30~100Hz=強縮

通電時間は15分が妥当な時間だといわれています。

オピオイドを経由する痛覚閾値の上昇を期待する場合は(脳から痛みを和らげる物質を出そうとする場合)20分が妥当だといわれています。骨格筋内の循環促進を目的とするならば5分でも効果があるといわれています。

(2)低周波鍼通電療法の効果

・ 鎮痛効果

・ 末梢循環の促進効果

・ 自律神経反応を介した正常化

・ 筋緊張の改善

などの効果があります。

(3)低周波鍼通電療法はどんな場合に有効か??

鍼通電を用いなくても鍼の刺激により鎮痛効果など上記の効果が得られることがわかっていますが低周波を用いて通電するととくに「痛覚閾値の上昇」(鎮痛)効果が高いとされています。*医道の日本社「中高齢者の鍼灸療法」より

また「一定の刺激を与えられる」ことから刺激管理がしやすいというメリットもあります。*医道の日本社「鍼通電療法テクニック」より

田無北口鍼灸院では

・ 筋緊張の改善

・ 疼痛の改善

はもちろんですが

・ 自律神経の安定

を目的に鍼通電施術を行うことも多いです。症状で言いますと以下のようなものでしょうか。

・ ぎっくり腰(急性腰痛)

・ 寝違え

→ アイシングも併用します。

・ 緊張性頭痛

・ 腰痛症

・ 肩コリ

・ 坐骨神経痛・しびれ

・ 腰椎ヘルニア

・ 頚椎症

・ 頸椎ヘルニア

・ 自律神経失調症

・ パニック障害

・ コリ症状全般

・ 痛み症状全般

・ 痺れ症状全般

・ 自律神経症状全般

・・・などなど。

 

どんなことに効果があるのか?など詳しく知りたい方はご質問ください。また慢性的な腰痛に低周波療法(TENZ)のみをおこなってもあまり効果がなかったという研究論文もあります。鍼通電療法とは少し違いますし腰痛の種類も様々ですがあまり効果がないものもあることは事実ですので事前によくお話させていただきます。わからないことがある方はご質問ください。