身体化現象と心身症について。
結論から申し上げますと心身症は現代医学的なアプローチでは改善が困難とされていますが、田無北口鍼灸院の鍼灸施術で改善した事例が多数ございます。心身症とされる具体的な症状・病名には
痛み・しびれ、胸腹部のもたれ、吐き気、全身の倦怠感、パニック障害、鬱状態、幻聴・幻覚、過敏性腸症候群、下痢、便秘、機能性ディスペプシア、自律神経失調症、身体表現性障害、めまい、耳鳴りなど
が挙げられます。
身体化現象と心身症
身体化現象とは,精神現象が身体症状として現れることです。 身体化を特徴とする障害は,症状が無意識かつ不随意的に発生するものから,症状が意識的かつ意図的に現れるものまでの一連のものとして認められます。(身体化の概要 – 08. 精神障害 – MSD Manuals)
鍼灸院で施術を行っていると「心の不調が身体に出ている」という状況をよく見ます。これを心身症といいNCNP(国立・精神神経医療研究センター)病院のHPでは以下のように説明されています。
心身症とは、各科が対応する身体疾患の内、発症や経過に心理社会的ストレスの影響で機能的(器質的)な障害を伴った疾患群です。日常生活で仕事や対人関係などの心理社会的ストレスに無頓着や無自覚な場合に発症・悪化することが多く一般的治療では改善困難です。(NCNP病院 心身症)
国立の医療研究機関でもあるNCNP病院のHPでも「一般的治療では改善困難」と断言しているのです。これは本当にすごいことだと思います。現代医学的なアプローチではなかなかよくならないので困っている人も多くいると予想され、その症状は以下のように説明されています。
初診時の主訴では、痛み(頭、腹部、肩、手足など)、胸腹部のもたれ、吐き気、全身倦怠感などが目立ちますが、心身症は心理社会的ストレスの影響した身体疾患群なので、過敏性腸症候群では下痢や便秘、機能ディスペプシアで腹部膨満感といったように、基本的には前述した疾患のそれぞれの症状に準じます。(NCNP病院 心身症)
身体化現象が起こる理由
クラインマンやマーガレットロックといった医療人類学者の調査で「身体化現象は東アジアの文化圏で起こりやすい。」ことが指摘されています。中国や日本では精神的な不調を身体の不調として訴えやすいという特徴があるのですが、これはある原因が大きな理由かも知れません。あくまでも仮説にすぎませんがルースベネディクトが菊と刀で指摘した「恥の文化」が関係するのではないでしょうか。心の不調で周囲に迷惑をかけることや、心の不調があること自体が弱い・恥ずかしいといった感性が背景としてあり、また体の不調と違って心の不調は本人にしかわからないため周囲に理解を求める際に心の不調を身体の不調として訴えるのではないでしょうか。
これも私自身の考えや印象論にすぎませんが、精神疾患に対する偏見は日本社会にまだまだ強く存在すると感じます。これだけ病名が認知された現在でも偏見に苦しめられ、自分自身も偏見で苦しんでいる方が少なくありません。誰にも理解してもらえず辛い・苦しいという方はぜひ私に相談してください。全力でサポートをします。守秘義務は守ります。
鍼灸アプローチがなぜ有効か?
鍼灸治療は身体の表面にある「ツボ」を通し、体の様々な場所にアプローチできる技法です。そのため心の不調が身体に出た状態である心身症・身体化現象にもピッタリだと思います。身体の表面から身体を良くしていく事は合理的であるとも言えます。例えば機能性ディスペプシアのような胃の不調には、昔から背部へのお灸(胃の六つ灸)が有効とされています。鍼灸治療にはこのような方法が無数にあり、また東洋医学的な発想で身体の状態を整えることも可能です。
ただし鍼灸治療でないと治せない・良くならないという意味ではありません。そこは誤解なきようお願い致します。ご自身で体操やセルフケアをしたり、カウンセリング(認知行動療法、ロゴセラピー等)に頼ってもいいと思います。薬物療法も無駄だというわけではありません。また「不安感だと思ったら循環器の不調による動悸や不整脈の問題だった」、という医学的な見逃しもあってはならないのです。弊所でも必要があれば病院を紹介し医師と連携しながら鍼灸施術を行います。それからストレスや生活習慣の問題を抱えている場合には、同時にご自身の生き方や考え方そのものを見直すことも重要です。
具体例
弊所へ相談に訪れ改善した方の具体例についてプライバシーを保護しながら書いていきます。(病名が書いてあるものは医師による診断名がついていた方です。)
・50代男性 原因不明の全身の痛み
・30代男性 機能性ディスペプシア
・10代女性 起立性調整疑い
・20代男性 パニック障害
・40代女性 耳鳴り・めまい 等
合う・あわないの問題はありますがほとんどの方は鍼灸治療を行うことで体調がよくなります。体調が良くなれば、ご自身の環境や状況・人生観を見直す余裕が生まれます。「病院の治療やお薬だけではあまりよくならない」と感じている方はまずは遠慮なく田無北口鍼灸院までご相談ください。