カテゴリー: 肩こり・腰痛・慢性的な不調

「ストレートネックが原因ですか?」というご質問に対して。と、その対策。

ここ最近、弊所のクライアントさんから「整形外科でストレートネックだと指摘された。首や肩が痛い、自律神経の不調などはそれが原因ですか?」と質問されることが多いです。結論から言いますと答えは「よくわからない。ただストレートネックは不調の原因になりうる。」とお答えすることが多いです。ストレートネックについてまとめていきます。

ストレートネックとは何か?

まずは定義を探すことが重要です。日本整形外科学会のページを検索してもストレートネックという言葉は見つかりませんでした。アメリカ医師会の権威ある雑誌JAMA(ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション)の論文を参照します。(参考1)そこでは以下のように表現されていました。

生理的な頸部の前彎曲線の喪失による、異常な脊椎アライメントに関連する一般的な変性疾患。

→病名というよりは概念・状態を表す言葉だと思うといいかもしれません。湾曲がまっすぐだとストレートネックだと呼ばれ、逆に湾曲がきつすぎるとスワンネックと呼ばれます。どちらもあまり用状態ではないとされています。

なぜ整形外科医の先生は「ストレートネック」という言葉をよく使うのか?

整形外科学会のHPにはストレートネックという言葉は定義されていないのですが、整形外科医の先生はよくストレートネックだという説明をする印象があります。(統計ではなくあくまでも私の印象論です。)なぜそう説明するか?以下考察してみたいと思います。

・医師は「骨盤矯正」や「免疫力」という言葉は医学用語でないため使うのを嫌がる。しかしストレートネックは医学的な根拠がある。(そのためJAMAなどにも取り上げられる。)

・レントゲン所見から説明しやすい。「頸椎がまっすぐだから痛みが出ている。」→ 説明としてわかりやすいため患者の理解や納得も得られやすい。それだけが原因でないことは医師も分かっているがわかりやすく説明している。

上記のような理由からではないでしょうか?実際にJAMAの論文(参考1)でも2006年から2018年に男女ともにストレートネックとスワンネックの割合が増加している。ストレートネックに関しては12年で10%程度割合が増加している。その原因はパソコンやスマホのやり過ぎなど生活習慣の変化が疑われる。などが指摘されています。つまり、ストレートネックだから、という理由は説明しやすいのです。しかし一つの疑問が浮かびます。

ストレートネックだから痛み・不調が出るとは限らない

ストレートネックやスワンネックだったとしても不調が出るとは限りません。ヘルニアや脊柱管狭窄症も同じです。筋肉が柔らかい状態で可動域が正常であるならば不調は出ないケースも多く、それらが原因で症状が出るかどうかは、よくわからないのです。実際、厚生労働省も85%の腰痛は原因不明だと明言しています。(参考2)私自身も腰部MRIを撮影したところヘルニアの可能性を医師から指摘されたことがあります。それらがあれば将来的な腰痛や不調につながる可能性がありますが、すぐに痛みなどの症状が出ることはないです。普通に生活できています。ヘルニアがあっても腰痛が出ない人はいます。同じようにストレートネックやスワンネックでも首の不調が出ない人はたくさんいます。しかし皆さんお医者さんにストレートネックだと指摘されるとずいぶんと気にしてしまう方もいるようです。症状が出ていなければそこまで心配しなくても大丈夫なのですが。

ストレートネックを改善するために何をすべきか?

まずは必ず医師や専門家に相談し、個別のアドバイスを受けるようにしましょう。そのうえで以下の方法が役立つかもしれません。

1:適切な姿勢の維持: 頭が前に出たり、肩が丸まったりしないように、正しい姿勢を保つことが重要です。デスクワークをする際には、モニターの高さや椅子の高さを調整し、背中をしっかりと支えるクッションを使うことが役立ちます。

2:ストレッチとエクササイズ  首と肩の筋肉を強化し、柔軟性を改善するために、医師や理学療法士が勧めるストレッチとエクササイズを行いましょう。特に、首、肩、背中の筋肉を鍛えることが大切です。首そのものをどうにかするよりも首に負担をかけない方法例えば、ぶら下がり健康法や水泳などをお勧めします。

3:リラクセーション法: ストレスがストレートネックの原因になることがあるため、リラクセーション法を実践することが重要です。瞑想、深呼吸、ヨガ、プログレッシブ・マッスル・リラクセーション、鍼治療などが役立つでしょう。

4:体重管理 過体重は首の負担を増加させる要因となります。健康的な体重を維持し、適切な運動を行うことがストレートネックの予防と治療に役立ちます。

5:ポストラルトレーニング: 専門家が指導するポストラルトレーニングプログラムを受けることで、正しい姿勢を維持しやすくなります。(参考3)

6:痛み管理 ストレートネックが痛みを伴う場合、医師の指導の下で適切な痛み管理方法を採用することが大切です。場合によっては薬物療法もありうるでしょう。痛みが軽減されると、運動やストレッチが行いやすくなります。

7:医師の診断とアドバイス ストレートネックの症状が慢性的で重度の場合、医師の診察と治療を受けることが不可欠です。医師は適切な治療法や必要な検査を指示し、症状を管理します。

 

田無北口鍼灸院でも緊張の改善や痛みの管理、運動指導などを通してストレートネックの改善をお手伝いできます。仕事や生活習慣などを細かくお聞きし適切なアドバイスも行います。お困りの方は一度ご相談ください。

 

参考1:Temporal Trends in Cervical Spine Curvature of South Korean Adults Assessed by Deep Learning System Segmentation, 2006-2018

参考2:厚生労働省 腰痛対策

What Can the History and Physical Examination Tell Us About Low Back Pain?

参考3:ポストラルトレーニングは、姿勢を改善するために行われるトレーニングや運動のことを指します。

膝裏の痛み:ベーカー嚢腫(のうしゅ)、ベーカー嚢胞(のうほう)について 

膝の裏に痛みが出ることは様々な原因で起こりますが「ベーカー嚢腫」または「ベーカー嚢胞」と呼ばれる病気があります。膝窩嚢胞(しつかのうほう)と呼ばれることもあり英語ではBaker’s cystと言います。

膝関節の後ろの組織が腫れて炎症を起こすことが原因で起こります。腫れや炎症は以下の原因となる可能性があります。

症状

場合によっては、ベーカー嚢胞は痛みを引き起こさず、気づかないことがあります。症状がある場合は、次のような症状が考えられます。

・ 膝の後ろ、時には脚の腫れ

・ 膝の痛み

・ 膝が硬くて完全に曲げられない

活動した後や長時間立っていた場合、症状が悪化することがあります。

原因

滑液 (sih-NO-vee-ul) と呼ばれる潤滑液は、脚のスムーズな振りを助け、膝の可動部分間の摩擦を軽減します。しかし、場合によっては、基礎疾患が原因で膝から関節液が過剰に生成されることがあります。これが起こると、膝の後ろに体液がたまり、ベーカー嚢腫を引き起こす可能性があります。これは次のことが原因で発生する可能性があります。

・ 膝関節の炎症。さまざまな種類の関節炎で発生する可能性があります。

・ 軟骨損傷などの膝の怪我

ただし、ベーカー嚢胞が膝の後ろに液体で満たされた腫れ以外の症状を引き起こさない場合もあります。

疑わしい場合や原因が良くわからない場合には専門医を受診しましょう。

ベーカー嚢腫と鍼灸治療

この疾患に鍼治療が効果的かどうか?の高いエビデンスは存在しません。しかし海外では補完代替的な治療として中国伝統医学の鍼治療を選択する人がいるようです。まずは通常医療のステロイド投薬治療などを受けることがオーソドックスや形でしょうがそれにプラスしての鍼治療は症状緩和に役立つ可能性が多いにあります。

まずはご相談ください。

 

参考

NHS ベーカー嚢胞

 

霊障(れいしょう)・電磁波攻撃などでお悩みの方への鍼灸施術に関して

■ 弊所のスタンスや施術方針について

まず最初に弊所のスタンスについてお伝えします。霊障や電磁波攻撃で悩む方は実際にいます。そのため霊がいるか・いないか?電磁波攻撃があるか・ないか?などの議論はするつもりはありません。肯定も否定もしません。弊所でできる事はそのようなことで悩む方のお気持ちを真摯に受け止め、しっかりとお話を伺いまた鍼灸施術によって体調をよくすることです。てんかんや統合失調症をはじめとする病気が疑われる場合など必要があれば医療機関への受診も勧めます。除霊を希望される方は宗教家などの頼り方についてもお伝えします。その結果、体調が改善し、心身ともにリラックスし症状が気にならなくなる方も多いです。何か特別な治療をする、除霊をする、開運グッズを販売する等の行為を田無北口鍼灸院内で行うことはありません。普通の鍼灸施術を提供しています。

■ 霊障とは何か?

webフリー百科事典weblioには「俗に、霊が憑く・霊気に中ることによって心身に不調を来すこと、を指す意味で用いられる表現。回復のために除霊・浄霊などが試みられることが多い。医学的・科学的な根拠には欠ける。」との記載がありました。岩波書店の広辞苑(第七版)には霊障(れいしょう)という言葉は掲載されていませんでしたが、似たような言葉の憑依(ひょうい)は記載されていました。「霊などがのりうつること。憑っつくこと。」とあります。

■ 世界中で訴えられる現象

霊のせいで体調が悪くなる、という訴えや実際に霊を見たという報告・物語は世界中で存在します。またそれと同時に民俗的・伝統的な治療方法も世界中にあります。霊魂や電磁波攻撃の存在を否定しても、信じている本人にとっては事実であるため効果はありません。人類学・医学的には呪われたと思い込むとショックで実際に亡くなってしまう「ブードゥーの呪い現象」が昔から知られています。中南米のシャーマン伝統治療では神と自然が一体となった儀式を行うことや時には幻覚剤を用いてこれらの症状を改善させますが現代医学的なとらえ方をすればそれも心理療法やプラセボ効果も含んだ薬物療法の一つであるという見方もできます。ケースバイケースではありますが、とくに心理・社会的な疾患には効果が高いと思います。

■ 霊障により出現する心身症状や訴えの一例

・ いつも身体が重く気分が鬱々としている

・ 家にいると窓や壁から音や気配がする

・ 診療内科で診断がつかない。薬を飲んでも改善しない。

・ 自分の考えとは違う言動をすることがある

・ 立て続けに事故やけが、不調が起こる

・ 家族や病院の医師からもあまり信じてもらえず悲しい等

■ 実際に来所された方の実例

個人情報に配慮し脚色し紹介いたします。

お名前 

川田花子さま(仮名)

年齢

42歳(施術当時)

主な訴え 

自律神経失調症、肩こり症状が強く、やたらとのどが渇く。あまり眠れていない。夜中に目が覚めてしまう。夜中に天井から音がする。電磁波攻撃をされている。耳鳴りが起こる。薬ではあまりよくないと感じているためできたら薬も減らしていきたい希望がある。(ご本人談)

施術開始時期

平成29年6月10日

改善時期

平成29年8月10日(週に1.2度程度。全7回の施術。)

経過・状況など

現在体調不良のため休職中。平成28年12月にマンションに入居したころから部屋に不快感を感じていた。心療内科にも通院中。統合失調症の可能性は否定されたが、パニック障害といわれた。(ご本人談)

(1)思い当たる原因

隣人からの電磁波攻撃(ご本人談)

(2)弊所での施術・見解

じっくりお話を伺ったうえで筋肉の緊張など確認。右首から肩にかけての緊張が強いためリラックスさせる施術を行うと説明。右の部屋から特に強い電磁波を感じる。弊所では自律神経症状(不眠・うつ傾向)やパニック障害などの症状も改善実績が多数ある。また霊障や電磁波攻撃など様々な訴えをする方も多く来所される。しっかりお話を伺い安心してもらう。まずは5回ほど施術を行い様子を見ていく。統合失調症の可能性は否定されているとのことだが何かあれば病院にも頼るよう指導。漢方内科などの選択肢もあることを説明した。

(3)経過・施術など

第一回 平成28年11月24日

頚周辺の緊張を取る目的で鍼灸、吸玉療法など行った。吸玉療法は睡眠障害にも効果がある。また東洋医学的なバランスも考え足にもお灸を行った。病院にも通院するよう指導。自己判断で薬はやめないこと。

第二回 平成28年9月10日

昨日は肩が張ってしまったが前回やった後その後ぐっすり寝れた。効果は感じている。

第三回 平成28年9月17日

寝れるようになってきているがのどの渇き症状は多少気になる。

第四回 平成28年9月24日

前回少し怠さが出たとのことで今日は弱めに施術。頚周辺の緊張を取る。音が気にならなくなってきた模様。引越しをすることを決めた。

第五回 平成28年10月7日

改善傾向。とくに寝れるようになったことが大きい。

(4)総括

特に首から背中にかけての緊張が強かったようですがお話を聞くことと鍼灸施術によってだいぶ改善しました。実際にその環境から離れることが得策と判断し、引っ越しを決めてからさらに体調が良くなったようです。何かお困りごとがあればいつでもご相談ください。

肩が上がらない、背中をかくのがつらい、いわゆる四十肩・五十肩症状に関して。田無北口鍼灸院の施術・50代男性の改善例。

症状と改善例についてまとめていきます。・・・全員が同じように改善するわけではないと思いますが参考になれば幸いです。*プライバシーに配慮するため個人情報等、多少脚色してあります。肩を挙げづらい、背中をかく動作がつらい、いわゆる五十肩のような症状が改善した例です。詳しくは以下・・・

お名前 

濱田浜尾さま(仮名)

年齢

59歳(施術当時)

主な訴え 

首の疼痛・肩こり・左肩の痛み、肩甲骨周辺の痛み。腕を横に挙げると痛い、腕を前に挙げる動作が上手にできない、背中をかく動作ができない(ご本人談)

施術開始時期

平成28年10月24日

改善時期

平成28年12月21日

(週に1度程度。全6回の施術。)

経過・状況など

普段はデスクワーク。元々肩こりなど感じていたが9月末頃から動きが悪くなり痛みも出てきた。最初は整形外科に行き治療を受けていたがいまいち改善しない為相談しに来た。孫と遊びたいので早くよくしたい。(ご本人談)

(1)思い当たる原因

キッカケは孫と遊んだ直後から肩が痛くなった。デスクワークを長年しているので疲れていたのかもしれない。(ご本人談)

(2)弊所での施術・見解

まずは状態把握。上腕二頭筋腱といわれる肩と腕をつなぐ腱が硬くなっている。痛みもあり。そこを改善するために鍼やお灸、関節運動などを行う。また整形外科にて治療を受けたが良くならなかったとのことでしたのでどのような治療をしていたのかヒアリング。電気治療と湿布とのこと。病院によってはブロック注射などもある、とお伝えし整形外科との併用も勧めた。が、本人希望によりまずは弊所だけで施術を行い様子をみていく。

(3)経過・施術など

第一回 平成28年10月24日

元々肩甲骨周辺の緊張が強い。肩こり症状もあり。鍼灸、吸玉などで緊張を和らげる。

第二回 平成28年10月31日

前回に引き続き緊張を取るための施術。関節運動も行った。

第三回 平成28年11月7日

改善傾向。リラックスできている。

第四回 平成28年11月23日

改善傾向も一週間開けたらまだ少し辛さを感じた。

第五回 平成28年11月30日

大分良くなっている。可動域制限もなくなってきた。自宅でも動かすよう指導。

第六回 平成28年12月14日

改善傾向。今日で施術をいったん終了。今後は月に1回のメンテナンス施術に切り替える。

(4)総括

肩の過緊張を改善できたことで良くなった。多少痛み・だるさが出るが50型症状の場合弊所ではよく関節を動かして改善を狙う。良くなったのでお孫さんと沢山遊んでください。お大事にどうぞ。

後ろに手が回らない、手首も痛む、いわゆる四十肩・五十肩症状に関して。田無北口鍼灸院の施術・40代女性の改善例。

症状と改善例についてまとめていきます。・・・全員が同じように改善するわけではないと思いますが参考になれば幸いです。*プライバシーに配慮するため個人情報等、多少脚色してあります。後ろに手が回らない、背中をかく動作がつらい、いわゆる四十肩のような症状が改善した例です。

お名前 

春山千秋さま(仮名)

年齢

40代

主な訴え 

首の疼痛・肩こり・右肩の痛み。両肩甲骨周辺の痛み。右手首まで放散痛有。腕を横に挙げると痛い背中をかく動作が上手にできない(ご本人談)

施術開始時期

平成29年07月30日

改善時期

平成29年08月末日改善傾向。

経過・状況など

現在休職中。元々整形外科に通院していたがあまり改善しないため相談に来所。電気治療だけでは改善の実感がなかった。(ご本人談)→病院の治療方針を否定しないで併用するよう説明。

(1)弊所での施術・見解

まずは状態把握。烏口突起周辺が硬い。肩甲骨にも固さあり。そこを改善するために鍼やお灸、関節運動などを行う。また整形外科にて治療を受けたが良くならなかった、とのことでしたのでどのような治療をしていたのかよくお話を聞く、治療内容ヒアリング。*整形外科でもいろいろな治療法もあるのだが整形外科=対応が悪いというイメージを持っている方もいる。そのためどのようなタイミングで行くべきか??どんな治療法があるか??丁寧に説明していきベストな治療法を選択してもらう。整形外科の治療方針などを否定することはしない。

(2)経過・施術など

第一回 平成29年7月30日

元々肩甲骨周辺の緊張が強い。肩こり症状もあり。鍼、温灸などで緊張を和らげる。

第二回 平成29年8月1日

前回に引き続き緊張を取るための施術。関節運動も行った。

第三回 平成29年8月3日

改善傾向。まだ症状は残るが少しずつリラックスできてきた。

第四回 平成29年8月15日

第五回 平成29年8月30日

まだ痛みは残るも改善傾向、少しづつ通院ペースを減らしてもよいと説明。

(3)方針など

放散痛は肩甲骨周辺の方差からくると説明。温灸や皮内鍼なども使い対応していく。電気治療だけでは改善が難しい。関節運動や鍼灸などを多用しながら筋緊張を緩和させていく。症状は改善してきているので継続してもらった。

(4)ご本人の感想

Q1,施術前つらいと感じていたことを教えてください

50肩で右腕が後ろ手にできず手首も痛くなり指先まで痺れてひどいときは箸を持つのも辛かった。それに伴い全身の辛さもあった。

Q2、施術後どうなりましたか?

少しづつ痛みが軽くなってる気がする。継続して元通り動かせるようになりたい。

左肩から腕の痛み、夜間痛(寝る時の痛み)いわゆる四十肩・五十肩症状に関して。田無北口鍼灸院の施術・50代男性の改善例。

症状と改善例についてまとめていきます。・・・全員が同じように改善するわけではないと思いますが参考になれば幸いです。プライバシーに配慮するため個人情報等、多少脚色してあります。肩を挙げづらい、左肩から腕にかけての痛みが強い、夜寝る時に痛む(夜間痛)いわゆる50肩のような症状が改善した例です。詳しくは以下・・・

 

お名前 

山本徹さま(仮名)

年齢

50歳(施術当時)

主な訴え 

首の疼痛・肩こり・左肩の痛み。肩甲骨周辺の痛み・左腕の痛み。夜寝る時に痛くて不快・寝れない(ご本人談)

施術開始時期

平成29年07月12日

改善時期

平成29年08月09日(週に1度程度。全5回の施術。)

経過・状況など

普段はデスクワーク。座っている時間が長い。細かいマウス作業も多い。元々肩こりなど感じていたが動きが悪くなり痛みも出てきた。整形外科に行くべきか?迷ったがまずは弊所に相談しに来た。(ご本人談)

 

(1)思い当たる原因

特になし。デスクワークを長年しているのでそれが原因かもしれない。(ご本人談)

(2)弊所での施術・見解

まずは状態把握。筋肉や腱が硬くなっている。痛みもあり。そこを改善するために鍼やお灸、関節運動などを行う。また整形外科にて行う治療方法と鍼灸院でできることの違いなども説明。併用して治療を行うことがベストであり、まだ病院での診察を受けていないようならば今の状態を把握するうえでも併用し治療を進めたほうが良いと話した。ご本人が希望すれば整形外科への施術報告書なども作成し、医師に鍼灸の施術方針をお伝えしながら進めていくことも可能。ベストな方法を選択してもらう。

(3)経過・施術など

第一回 平成29年7月12日

元々猫背気味。肩こり症状もあり。

・ 鍼灸

・ 吸玉

などで緊張を和らげる。

 

第二回 平成29年7月19日

前回に引き続き緊張を取るための施術。関節運動も行った。

 

第三回 平成29年07月26日

改善傾向。リラックスできている。夜間痛が気にならなくなってきた模様。

 

第四回 平成29年8月2日

改善傾向。ただまだ緊張はあるため引き続き施術を受けたい。

 

第五回 平成29年8月9日

大分良くなっている。可動域制限もなくなってきた。自宅でも動かすよう指導。加療継続していくが2週間に一度、と少し間を開けながら様子を見ていく。さらに改善したら月に1回のメンテナンス施術に切り替える。

 

(4)総括

多少痛み・だるさが出るが50肩症状の場合よく関節を動かして改善を狙うことが多いです。鍼を使いながら動かしていくと少しづつ痛みを緩和できます。同時に整形外科や病院で診察を受けることの重要性もお伝え出来た。

 

(5)ご本人のコメント

40肩で左肩から腕まで痛みが出ていた。施術を受けて少しづつ痛みが和らいだ。それ以外に腰や頚もケアしてもらい同時に身体が軽くなった気がする。

股関節の痛み・腰痛症、田無北口鍼灸院の施術・40代男性の改善例。

症状と改善例についてまとめていきます。・・・全員が同じように改善するわけではないと思いますが参考になれば幸いです。プライバシーに配慮するため個人情報等、多少脚色してあります。座り仕事が長く元々腰や足にハリ感を感じていたがお子さんを抱えた時に左股関節に痛みが出てしまいました。

お名前 

高村幸太郎さま(仮名)

年齢

43歳(施術当時)

主な訴え 

左股関節の痛み、腰痛症、動くと股関節周辺に痛みが出る。(ご本人談)

施術開始時期

平成29年06月04日

改善時期

平成29年06月25日(週に1.2度程度。全5回の施術。)

 

経過・状況など

普段はデスクワーク。元々腰痛など感じていたが4月末頃から忙しくなり睡眠不足も続いていた。6/1に子供を抱えた時に痛みが出てそれから辛いのを我慢し過ごしていた。病院に行くべきか?どうしたらいいかわからないので相談しに来た。これから忙しくなるので早くよくしたい。過去に似たような症状で整形外科に通ったがあまりよくならなかった。薬ではよくならないと感じている。(ご本人談)

 

(1)思い当たる原因

デスクワークを長年しているため腰痛は感じていた。忙しかったのもあり疲れていたのかもしれない。(ご本人談)

(2)弊所での施術・見解

まずは状態把握。背中から腰が硬くなっている。股関節周辺も硬い。そこを改善するために鍼やお灸、関節運動などを行う。また痺れを伴う痛みが強い、症状が改善しない、などあればすぐに整形外科への通院もお勧めすると説明。(病院と併用することを勧める。メリットも説明。)よく症状や状況をヒアリング。まずは弊所で施術を行い様子をみていく。

(3)経過・施術など

第一回 平成29年06月04日

元々腰周辺から骨盤の緊張が強い。

肩こり症状もあり。

・ 鍼灸

・ 吸玉

などで緊張を和らげる。患部は熱があるのでアイシング。

 

第二回 平成29年06月6日

前回に引き続き緊張を取るための施術。関節運動も行った。アイシングはなし。

 

第三回 平成29年06月10日

改善傾向。リラックスできている。痛みの質が変わってきた。朝が一番辛いが楽になってきてる。

 

第四回 平成29年06月17日

改善傾向。

 

第五回 平成29年06月25日

大分良くなっている。可動域制限もなくなってきた。今後はセルフケア自宅でも股関節動かすよう指導。

 

(4)総括

股関節周辺の筋肉の緊張が強かった。股関節の状態が改善したので結果的に腰痛の状態もよくなった。座りっぱなしだと様々な場所に負担がかかること説明。今後はメンテナンスとセルフケアに努めてもらう。ご本人に書いてもらった施術感想も書き起こして載せておきます。

 

Q1、施術前つらいと感じていたことを教えてください。

腰痛・股関節痛

 

Q2,施術後どうなりましたか?

1度目の施術後から痛みが軽くなりその後の治りも早く良かったと思います。

 

Q3,施術を受けるまでに不安なことはありましたか?

初めての鍼灸施術でどんな施術をするのか?痛みがあるのかと少し不安でしたが先生の優しく丁寧な説明ですぐにその不安はなくなりました。

 

Q4,改善してほしいところがあれば、お願いいたします。

とくになし。

 

・・・しびれや痛みは改善までに時間を要することもあります。精密検査が必要なこともあります。症状に合わせて最適な対応をします。お気軽にご質問ください。

腰椎・頸椎椎間板ヘルニアに対しての施術~はり、各種調整

(1)椎間板ヘルニアとは?

椎間板、とは椎体(背中の骨)と椎体との間に存在し脊椎にかかる衝撃を和らげるクッションの役割をしています。椎間板は中央に位置するゼリー状の組織と繊維製の硬い外層で構成されています。外層に亀裂が生じ中心部にあるゼリー状の組織が飛び出すと突出部位周辺の神経根を圧迫することがあります。

 

(2)症状

首で起これば頸椎椎間板ヘルニアと呼ばれ手や肩などにも痺れや痛みを生じることがあります。腰で起これば腰椎椎間板ヘルニアと呼ばれ腰周辺や下肢に痛みやしびれを生じることがあります。

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(3)田無北口鍼灸院ではどのような施術を行うか?

ヘルニアそのものは手術をしなければ治りません。ただ病院でも手術を勧められるケースとは

・ 両下肢に常時のしびれや痛みがあり日常生活を送るのも困難

・ 排尿排便障害がある

・ ヘルニアにより筋力が低下してしまっている

など症状が重い場合が多いようです。手術にはリスクも伴うことから、まずは保存療法で様子を見る、という選択をする方も少なくありません。(手術はせず温めたり筋肉をほぐすことで痛みを減らすこと)弊所ではこの保存療法を選択される方へ以下のような施術を行っています。

 

鍼灸(はりきゅう)

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鍼灸(はりきゅう)により緊張している筋肉がゆるみ患部への負担が減ります。また痛みそのものにも効果があるといわれています。

 

ストレッチ

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患部への負担を減らすためのストレッチや各種調整を行っていきます。無理やり引っ張ったり伸ばしたりする無理な施術は行いません。

 

吸玉療法

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吸玉(すいだま)療法は毛細血管の拡張を促すため痛みやしびれ感の改善に効果があるといわれています。

 

(4)自己判断でなく不安があれば、まずは病院を受診しましょう。

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MRIの画像診断などによりヘルニアかどうか診断できるのは医師だけです。自己判断でやみくもにマッサージしたり、はり治療を行ってもあまりいい結果が出ないことも多いです。もしも不安があれば一度病院(整形外科)でヘルニアかどうかの診断をしてもらいましょう。弊所でも一定期間施術を行い症状が改善しない場合や不安がある方には病院への受診をオススメしております。紹介状なども書きますのでお気軽にご相談ください。

弾発股(だんぱつこ)と鍼灸治療

股関節がコキコキ音が鳴ったり、痛む、引っ掛かりがある状態を弾発股と言います。弊所で施術や治療相談を行っていますと股関節の痛みが取れない、腰が痛い、股関節から音がするという相談をいただくことがあります。結論から言いますと股関節の痛みは様々な疾患も予想されます。自己判断せずまずは専門機関に行き診察を受けることをおススメします。その後、病院の治療で痛みが改善しない場合、鍼灸治療を並行しながら行うことをお勧めします。以下、弾発股と呼ばれる状態について詳しく解説していきます。

(1)股関節の痛みはどんなものが考えられる?

一口に股関節に痛みがある、といっても様々な原因が考えられます。一例ですが・・・

・ 臼蓋形成不全

・ 関節ねずみ

・ 変形性股関節症

・ 大腿骨頭壊疽

・ 腰椎椎間板ヘルニア

・ 子宮の病気(女性の場合)

・ 弾発股・・・など

自己判断せずにまずは専門家に相談するのが良いでしょう。弊所でも相談に応じられます。

いつから痛いのか?

どのように痛いのか?

どうすると痛いのか?

など細かくお話を聞かせてもらったうえでどうすればよいのかお話させていただきます。レントゲンなどの画像診断がないとわからない場合もあるので必要な場合はすぐに病院に行くようオススメします。

(2)弾発股とは??

股関節を動かすと「コキコキ」「パキパキ」「クリクリ」などと音が鳴り引っかかりや痛みを感じる疾患です。原因としては股関節の動きによって大転子と腸脛靭帯が音とともにずれて生じます。

股関節の内側で起こる内側型

股関節の外側で起こる外側型

とに分かれます。

症状は股関節の痛みや引っかかりによる違和感を訴える方が多いです。

(3)弾発股の治療法

基本的に手術をすることはほとんどないので保存療法といって負担を減らす治療が中心となります。整形外科などでは痛みがあれば痛みを抑える薬物療法や消炎剤塗布などが選択されます。鍼灸の場合は股関節周辺の筋肉や靭帯を緩めて負担を減らすことができますのでしっかりと効果を感じていただけるかと思います。鍼であれば股関節の奥深くにアプローチできます。お困りの方はまずはご相談下さい。

しつこい痛み(慢性疼痛)について

腰痛や頭痛などをはじめ、「身体の部位がとにかく痛い。病院に行っても治らない。薬では改善しない。」という方がいらっしゃいます。すべてではありませんがこれらのしつこい痛み(慢性疼痛)に鍼灸等が有効な理由を書いていきます。薬で改善しずらい痛みも存在します。ストレス性の痛みが典型的です。それらは確かに鍼灸で改善することもあります。しかしながらまずは原因の特定や経過観察も大事なので基本的には病院と鍼灸治療の併用を勧めることが多いです。(詳しくは初回カウンセリングで状況を良くお聞きしますがなにかご心配な点などあればお気軽にお尋ねください。)

痛みの分類について以下にまとめていきます。

(1)慢性疼痛が起こる理由・分類・薬剤

1、侵害受容器性疼痛

炎症成分・発痛物質の増加で起こります。組織の損傷を感知して起こる痛みです。切り傷・骨折・肉離れなど・・・ほとんどの痛みはこれに当たります。変形性質関節症、がん、偏頭痛、緊張型頭痛などもこれに当たります。痛み止めの薬が有効とされています。痛み止め(NSAIDsのセルコックスやロキソンニンなど)や外用薬(バップ)などが処方されます。

2、神経障害性疼痛

神経線維が傷害されると起こります。例えば神経根の圧迫=手根管症候群 神経の損傷=糖尿病など また幻肢痛といって切断した手が痛むことなどもありますし帯状疱疹後の神経痛もこれに当たります。神経系が痛みに敏感な構造になってしまうため痛みの原因がなくなった後も痛みが続くことがあります。

神経ブロック注射や内服薬ではリリカやトラムセットなどが処方されることが多いです。

3、中枢機能障害性疼痛

脳の疼痛記憶やストレス、鬱により痛みが増します。サインバルタやりーぜなどの抗うつ剤が処方されることもあります。

(2)慢性疼痛とは??トリガーポイントとは?

数か月から数年にわたり持続や再発を繰り返す痛みのことです。通常以下のいずれかに当てはまる痛みは慢性疼痛とみなされます。

・ 痛みの元の原因になったケガや病気がなくなった後も3か月以上の痛みが続く

・ 数か月から数年にわたり再発したり消えたりする

・ 慢性疾患(がん・関節炎・糖尿病・線維筋痛症など)が原因で起こるものや治らないけがに伴うもの

慢性疼痛があると痛みに対する神経系の感度が非常に高くなってしまうことがあります。少しの刺激でも敏感になってしまうのです。(以下イメージ図・恐怖ー回避モデル)またある場所から別の領域へ痛みが放散することもあり、この場所をトリガーポイントということもあります。鍼灸治療ではこのトリガーポイントを狙って治療することもあります。

(3)病院の薬に関して

病院では薬物療法が主体となります。痛み止め系のお薬ですが痛みが軽減する場合もありますがなかなか改善しない場合もあるのです。また胃の不調を起こすなどの副作用もあります。そのような場合、病院の薬や痛みとうまく付き合いながら鍼灸治療などの方法も視野に入れてもいいかもしれません。鍼灸は薬を使わないで良い方法の一つであり、薬を使わないで良いことはすでにたくさん薬を飲んでいるお年寄りや病気の人にとって大きなメリットになります。

(4)鍼灸治療に関して、その他

鍼灸治療は痛み全般に効果があります。筋肉を緩め血行をよくする作用があるためです。また鍼灸を行うと脳内からモルヒネ用物質という鎮痛作用がある物質が出ます。(鍼灸と痛み抑制の研究は様々なものが存在しますが参考までに明治鍼灸大学の研究のリンクを貼ります。)

トリガーポイントを治療することで痛みやしびれが驚くほど緩和されることもありますがケースバイケースです。特に痛みは心理的・社会的影響(ストレスや体質)の影響も大きいために改善は個人差があります。まずは一度ご相談ください。

鍼灸の良さやその根拠

自画自賛になってしまうのであまり「鍼灸の良さ」についてはあまり語ってこなかったのですが鍼灸にはいい部分が多いのでこちらでもまとめていきます。鍼灸の良さを実感して頂くには施術を受けていただくのが一番早いと思いますが以下、ご参考にしてみてください。

1,鍼灸の良さについて

(1)痛みに効果的、薬以外の選択肢

鍼灸は「痛み」に効果的です。痛みと言っても様々で注意を要するものもありますが頭痛や腰痛、線維筋痛症などの痛み疾患は現代医学のガイドラインでも比較的高い評価をされています。痛みに悩んでいる方は病院から処方された薬や市販されている薬を第一選択としていることが多いのですが「薬以外の選択肢」として痛みに対してアプローチができるのも魅力です。例えば高齢者の方や持病がある方などが痛みで悩んだ場合には、すでにたくさんの薬を飲んでいるため「もうこれ以上薬を飲みたくない」という思いから薬以外の選択肢である鍼灸を選択する方も多いです。そのようなご相談を受けた際はかたよった考えにならないように必ずしも薬が悪いわけではないことをよく説明した上でなるべくその方の選択を尊重できるよう鍼灸治療でサポートさせていただいています。*注意 痛みへの効果も鍼治療を行うことですぐ感じられる即効性があるものとないものが存在します。

(2)痛み以外の不定愁訴にもアプローチできる

痛みだけではなく寝れない、胃の調子が悪い、といった自律神経症状やうつっぽい、なんとなく調子が悪いといったいわゆる不定愁訴にも鍼灸は対応することが出来ます。むしろ得意な分野と言っても過言ではありません。例えば胃の不調に対する施術方法で背中にお灸を行う「胃の六灸」などは昔から言い伝えがありますが現代医学的な解釈ではこれは体性内臓反射を利用しているのではないかと?いう考え方も出来るのです。経験則に過ぎなかった胃の不調に対し鍼灸が有効と言う話も現在ではたくさんの症例報告が上がって来ています。

令和2年11月に漢方薬メーカーのツムラが20代~40代の男女1800人にインターネットでアンケート調査をしたところ「女性は男性よりも健康不安が大きく、ストレスもより強く感じる傾向にある。」、「女性の4人に3人はなんとなく不調を感じているが、7割は薬にも病院にも頼らず放置、病院に行くのを躊躇しがち」といったことがわかる結果になりました。この調査が行われた令和2年はコロナ禍の真っ最中のためストレスを感じていた方が多いということもあるでしょうがそれを差し引いても、若い人でも不調や健康不安を感じている人が多いのは間違いないのではないかと思います。ストレスや体質、緊張に起因する病院で解決できなかった問題は鍼灸が昔から得意とするところです。

(3)歴史が証明、研究も豊富、安全への取り組み

鍼灸は長年世界各国で行われてきた伝統医学でそのこと自体が効果を証明していますが近年では研究も盛んにおこなわれています。2022年4月13日現在、アメリカ国立衛生研究所のアメリカ国立医学図書館が運営する情報検索システムpubmedで鍼を意味する「acupuncture」を検索すると38002件もの論文がヒットしました。伝統的な知見や経験から有効というだけでなく、現在進行形で科学的な解明も進められています。鍼灸の研究は中国やアメリカドイツなどで盛んです。その中には安全や事故に関する研究も含まれます。日本最大の鍼灸学術団体、全日本鍼灸学会もエビデンスに基づいた「鍼灸安全対策ガイドライン」を公開し鍼灸師はこれに準拠するよう呼び掛けています。

(4)言葉が通じなくても施術できる(非言語コミュニケーション)

鍼灸やマッサージはタッチセラピーであるため言葉を使わないでも施術を通しコミュニケーションをとることできます。言葉が通じない外国の方、認知症のお年寄り、赤ちゃん、さらには哺乳類ならば動物でも鍼治療を行うことが出来ます。実際に獣医師で馬や犬などへの犬などへの鍼治療を行っている方も存在します。どんな人に対しても、また人でなく動物に対しても施術を行うことが出来るのです。(鍼灸師が犬に対して施術を行うことは法律上できません。獣医師ならばできます。)

 

2,病院等との違い(病院・整骨院・整体院)

病院と鍼灸院の違いについて簡単に説明しておきます。病院は20床以上ベッドがある施設でそれ以下は診療所・クリニックと呼ばれます。どちらも「医師」が診察に当たります。病院と診療所・クリニックは違うものですがここではその分類が主たる目的ではないのですべて「病院」という呼び名で統一します。医師は6年生の大学医学部を卒業し医師国家試験に合格した人がなれ医学的な検査などができます。一方で鍼灸院は「鍼灸師」が施術にあたります。鍼灸師は正確には鍼師と灸師という資格に分かれています。3年制の鍼灸専門学校や4年制大学を卒業し国家試験に合格した人がなれます。鍼と灸の施術を行うことができます。レントゲンを撮ったり、血液検査をしたりしながら病気を確定させる行為「診断」は医師にしかできません。鍼灸師は制度上、鍼灸施術を行ったり体を触りながら東洋医学的な身体の状態把握までしかできないのです。日本の病院は基本的に保険診療で検査や診察や治療が行われます。1日にたくさんの人が来所します。医師は何人もの人診なくてはいけない事が多いです。その為に重症化するなどの緊急性がないか?命にかかわるような大きな病気は隠れていないか?が重要視されることも多いです。逆に鍼灸院ではじっくりお話を伺うことが出来ます。ストレス・体質に起因する慢性疾患などへの対応は鍼灸院が得意とするところです。まずはクリニックを受診したけど、あまり改善を感じない場合や漠然とした体調不良で悩んでいてどうしてよいのかわからないときなどは鍼灸院を頼るとよいかもしれません。

整骨院との違いも書きます。整骨院(接骨院)は柔道整復師という国家資格を持った人が施術を行います。もともとはケガをした時の応急処置をする場所でした。昔(昭和の時代)は街に整形外科が少なく接骨院はとても重宝されていましたが現在はそのようなこともなく、資格を持った人の数だけが増えてしまったために過当競争に陥り近年では自費で怪しい治療を行う整骨院も存在します。注意が必要です。そして何より柔道整復自体が研究論文(研究自体)の数がものすごく少ないのです。それも大きな問題でしょう。医療として発展する可能性が低いです。

最後にリラクゼーションサロン・整体院との違いについても説明します。街を歩いているとよく「もみほぐし」、「整体」、「リラクゼーション」などといった看板を見たことがないでしょうか?とってもわかりづらいのですがこの業態は鍼灸院とも違います。マッサージですらありません。マッサージというのは国家資格でマッサージを名乗っていいのはあんまマッサージ指圧師だけで、看板に効果効能なども書くことが出来ません。「リラクゼーション」は、無資格マッサージの業態とみることもできます。そもそも保健所管轄でないので資格や届け出も必要がありません。医療のカテゴリーでは無いのです。誰でも簡単に開業できるうえに広告制限も必要ないので効果などを大げさにうたっているところも散見されます。もちろん真面目にやっているところもありますが例えば何年か前に根拠のない「小顔矯正」をうたっていたサロンが措置命令という行政処分を受けたことがあります。あくまでも「娯楽」にとどめた方が良いでしょうし利用するには注意が必要です。

 

3,上手に鍼灸を使おう

上記のように鍼灸は痛みに対して、病院ではあまり解決できないような不定愁訴に対して、また薬を使わずアプローチできますが一方で病院にはしっかりかかっておいた方が良いケースもあることはまた事実なのです。精密検査を受けなければわからない病気も少なからず存在します。そして、年配の人は何かあれば病院に行くことが多いが、働いている年代は忙しく時間もないので、不調を感じても病院へはあまり行かずに鍼灸等の施術所で済ませていることが多い。というデータも存在します。普段からあまり病院に行かず、かかりつけ医がいない状態だと制度上、精密検査をスムーズに受けられない場合や満足いく医療サービスが受けられない場合もあるのです。必要に応じて病院での検査も受けながら上手に鍼灸院を利用すると良いでしょう。田無北口鍼灸術では上手な病院のかかり方も来所された皆様にお伝えしていますのでお気軽にご相談ください。

全人的苦痛(トータルペイン)とWellness(ウェルネス)

全人的苦痛(ぜんじんてきくつう)とは、トータルペインともいわれ末期がんなど予後不良の患者が体験している複雑な苦痛のことです。 近代ホスピス運動の創始者と呼ばれる英国の医師シシリー・ソンダースが、末期がん患者との関わりを通して提唱した概念で、慢性疼痛などなかなか治らない痛みでも当てはまることが多いです。痛みといっても様々ですが慢性化したり長期化すると様々な苦痛が生じ、それがたがいに影響を与えるため複雑になり対処が難しくなります。

 

また、痛みだけでなく自律神経系の不調による不快症状や精神疾患などもなかなか治らず慢性化することがあります。鍼治療は当然、それらに対しても効果がありますし対処もできますが、「考え方や方法」についても書いていきます。

(1)Wellness,Well beingの状態を目指す。

人はどんな状態にあっても「より良い状態」を目指す事はできます。Wellnessとは健康を身体の側面だけでなくより広義に総合的に捉えた概念のことで、米国のハルバート・ダン医師が提唱した「輝くように生き生きしている状態(1961)」のことです。他にもこれまで多くの研究者らがウェルネスの探究と追定義を重ねてきました。世界中の研究者がウェルネスの概念をまとめあげるとき、人種、民族、性別、性的指向、宗教、言語をはじめ、様々な見地からの解釈があります。「ウェルネスの概念は確定したものではなく、これからも変化していくものである」ということも注目すべきことの一つでしょう。Wellness(ウェルネス)は健康に対して前向きでありより輝く人生を志向している状態です。対してHealth(ヘルス)は疾病中心であり受け身であるという見方ができます。健康や病気に対しての考え方の違いですが、結果は大きく異なってくるでしょう。「自分でもできる事をしよう。自分らしくあるように生きよう。」と前向きな考え方をした方が「どうせよくならない」とあきらめて何もしないより、体調も良くなっていくのではないでしょうか?

ちなみにwellness(ウェルネス)とwell being(ウェルビーイング)は似たような意味合いですが「過程と結果」のような使い分けで語られることが多いです。また日本発の言葉では昔から使われる「養生」があります。江戸時代に出版された貝原益軒の養生訓は当時のベストセラーでした。養生、も似たような意味合いがあるものの摂生の意味も含まれる言葉になっています。東西を問わず、いつの時代も健康でありたい、より快適でありたいという願望や健康への高い関心は不変と言えるでしょう。

疾病中心のHealth(ヘルス)の考え方では慢性疼痛や精神疾患、がんなど治りづらい病気の場合どうしても行き詰ってしまうことがあります。どんな状態であってもWellness,Well beingのように「より良い状態・より前向きな状態」を目指すことが一つの目標になるかもしれません。鍼灸治療を通しても、そのような状態になるお手伝いができます。

(2)多職種連携により解決を目指す。

難治性で慢性化した患者さんの問題を医療機関だけで解決する事は不可能なことがあります。場合によってはソーシャルワーカー、行政、法律の力などが必要なこともあるでしょう。痛みの観点から考えても病院などの通常医療機関に加えて鍼灸治療をした方が良い場合もありますし、精神的な痛みに対してはカウンセラーの力が必要な場合もあるでしょう。積極的に多職種と連携していくことが患者さんのためであり一つの解決策になることがあります。しかし現実的にはなかなか医療連携はじめうまくいかない、またはそのような事例が少ない、まだまだ実現されていない、ということも考えられます。

田無北口鍼灸院では開業当初から医療機関をはじめ様々な連携を実施していますのでお気軽にご相談ください。

 

参考:よくわかる痛み・鎮痛の基本としくみ(秀和システム)、ウェルネスツーリズム・サードプレイスへの旅 荒川雅志著(フレグランスジャーナル社)