カテゴリー: お知らせ・ブログ・思うこと

    田無北口鍼灸院の連絡事項やお休みのお知らせニュースのまとめ制度について思うこと・・・などまとめていきます。問い合わせがある場合は院に直接連絡くださいますようお願いいたします。

高齢者・障碍者の方への鍼灸施術について。(出張でも対応します。)

高齢者や障害を持つ方は以下のような悩みを持つことがあります。鍼灸によるケアに興味がある方はまずはお電話にてご相談ください。

・痛みが強いが車いすのため出歩けない・・・

・持病で寝たきりになった・・・

・痛みが強いけどこれ以上薬を服用したくない・・・→  鍼灸施術は薬以外の症状緩和方法としても効果が期待できます。

高齢者・障碍者の方の特徴、注意点

高齢者の疾患には以下のような特徴があります。(ケースバイケースです。お悩みにあわせて個別に対応できます。)

・ 一人で多くの疾患を有する→  いろいろな病気を持っていたり様々な薬を服用していたりします。

・ 症候が非定型的→  特徴的な症状が出るとは限りません。

・ 潜在的に臓器の機能低下がある→  便秘や自律神経症状も多いです。

・ 慢性疾患が多い

・ 薬物に対する反応が一般成人と異なる場合がある。

・ 生活機能障害をもたらす疾患が多い→  運動機能低下や、高齢者の場合は知的機能低下が生活機能の低下を招くことがあります。

・・・あくまでもケースバイケースで一例ですがざっと挙げただけでも上記のような特徴があるため注意して経過を観察し施術を行う必要があります。

お悩みの方は出張による施術も受け付けております。また医師の同意を得られれば健康保険の適用になる事もあります。生活保護や障碍者の方、透析中の方、糖尿など持病をお持ちの方、様々な方に対応できます。お悩みがある方は一度ご相談ください。

出張施術を行った方の例

・ 80代女性

圧迫骨折後の神経痛
歩けないために介護施設での施術

・ 30代女性

脊椎損傷のため寝たきり
医師の確認を取り自宅で施術

・ 80代男性

腰痛
持病の糖尿病あり
車いす生活のため自宅で施術

鍼灸施術は痛みをとるだけではなく自律神経の不調も改善し生活の質を上げることができます。高齢者の方へはフレイルやサルコペニアの予防指導も併せて行うことができます。ご相談ください。(ご自宅での転倒にも充分お気をつけください。転倒から骨折し、筋力低下を起こし、寝たきりになるケースもあります。場合によっては西東京市内の骨密度測定を行っているクリニックもご案内することがあります。)

ご来院される方へ

弊所ビルはエレベーターもあります。入り口は車いすも入れるよう対応しています。しかし、エレベーターはなぜか閉まるのが早いため車いすの方は不便だと思います。ご連絡くだされば下まですぐにお迎えにあがります。また賃貸マンションのためトイレはバリアフリー対応していません。申し訳ありません。近隣のトイレを事前にご案内します。

 

舌が痛い、舌痛症(ぜっつうしょう)とは何か?

「舌痛症」は、厳密な医学用語ではなく、一般的な表現です。医学的には、「舌の痛み」や「舌の症状」といった表現がより正確かもしれません。舌に関する痛みや異常な感覚は、さまざまな病気や状態によって引き起こされる可能性があり、その原因や症状によって診断が行われます。

舌が痛い場合はまずは速やかに医師に相談することをお勧めします。その際詳しく症状を説明することで、適切な治療を提案されやすくなります。いつ痛いか?どのように痛いか?できものなどはないか?出血はないか?など細かく伝えるとよいでしょう。口内炎、口内乾燥、舌の損傷(舌癌なども含む)、感染症、アレルギー反応などが舌に痛みを引き起こす原因となります。ストレス性の痛みや違和感であればさほど心配は必要ないのでまずは重い病気でないか含め原因の確認をするのが良いでしょう。

舌の痛みはなぜ引き起こされるか?

ケースバイケースであり、様々ですが以下にいくつかの主な原因を挙げてみましょう。

  1. 外傷や損傷: 舌に対する怪我や外傷が舌痛の原因となります。たとえば、誤って舌を噛んだり、熱い飲み物や食べ物によって火傷を起こすことがあります。
  2. 感染症: ウイルスや細菌による感染症も舌痛の原因となります。口内炎や口腔内の他の感染が舌の痛みを引き起こすことがあります。
  3. 口内炎: 口内炎は口腔内の粘膜にできる小さな潰瘍で、舌にできることがあります。これは通常、ストレスや口内の損傷によって引き起こされることがあります。
  4. アレルギー反応: 特定の食品や物質に対するアレルギー反応が舌の痛みを引き起こすことがあります。
  5. 口腔内の疾患: 口腔内の疾患や異常、例えば口内炎や口内乾燥症などが舌の不快感を引き起こすことがあります。
  6. ストレスや精神的な要因: ストレスや不安は身体のさまざまな部分に影響を与える可能性があり、口内や舌の痛みもその一例です。

舌痛症の症状は、痛みや灼熱感、腫れ、かゆみなどが含まれることがあります。症状が長期間続く場合や他の症状とともに現れる場合はとくに注意が必要です。

鍼灸が有効なケースは?

鍼灸が有効なケースがありますので以下に例をあげます。病院で異常なしの診断を受けたものの不調や不快感が取れない場合は緊張やストレスに由来することが多くそのような場合鍼灸をオススメ出来ます。

  1. 舌の筋肉の緊張やこわばり: 舌痛症が舌の筋肉の緊張やこわばりに関連している場合、鍼が筋肉の緊張を和らげ、血液やエネルギーの流れを促進することで痛みを緩和する可能性があります。
  2. ストレスや不安による症状: ストレスや不安が舌痛症の原因となっている場合、鍼がリラックス効果をもたらし、精神的な状態を安定させることで症状改善に寄与することがあります。
  3. 東洋医学的観点からのエネルギーバランス調整: 中医学の観点からは、舌痛症は全身のエネルギー(気や血)の不均衡に起因することがあります。鍼によって経絡(経絡は中医学においてエネルギーの流れる経路を指す)の調整が行われ、全体的なエネルギーバランスが改善されることがあります。

ただし、舌痛症に対する鍼治療の効果には個人差があります。エビデンスを出しにくい分野であり科学的な効果が確定されているわけではありません。また東洋医学的には舌の部位を内臓の不調と関連づけで考えることもあり(上記写真など)、そこから不調を改善させることもありますが現代医学的な根拠とはまた別の考え方になります。

分からないことがあれば遠慮なくご相談ください。

病院でできること、鍼灸院でできること。役割の違いについて。

たまに質問されるのでこちらにもまとめておきます。また弊所のスタンスとして現代医学をむやみに否定することはしません。病院を上手に利用し、鍼灸院も上手に利用し、最速で改善されますよう様々な提案をします。緊急性や病気が疑われる場合はこちらから病院に紹介状を書くこともあります。病院と田無北口鍼灸院は協力関係にあります。遠慮なくご相談ください。

病院(クリニック)でできること、特徴

・ 医学的検査:レントゲン・MRIなどの画像診断血液検査、聴力検査など→病気が原因ではないか?客観的な検査を行います。もちろん検査をしてもわからないこともあります。

・ 投薬・注射:薬物療法は医師の指示の元に行うことができます。痛み止めの注射などは痛みが強い場合に有効です。

・ 街の病院(クリニック)の役割の一つとして「正確な診断」を下すことというのがあります。緊急性がある疾患ではないか?判断することです。たくさんの方が訪れるため医師が一人の患者さんにさける時間はどうしても少なくなってしまいがちなこともあります。「検査はしてくれるが治療はしてくれない」という印象を持つ方がいるようですが、上記のような理由からそう感じてしまうのかもしれません。

・ 費用はほとんどの場合で保険診療でできますので安価で済むことが多いです。

鍼灸院でできること、特徴

・ 東洋医学的検査:全身を触ります。脈を見たりお腹の状態を見たり、舌の状態を見たりします。検査といっても数値で見たりする客観的な検査ではなく硬さや色を見るなどの主観的な検査です。

・ 鍼灸:即効性があることも多いですが徐々に効いてくるものもあります。

・ 一人一人に時間をかけられます。お話をゆっくり聞きます。そのため「なぜ調子が悪くなったのか?」という原因究明に時間をかけられたりします。ストレスや緊張から来る不調など病院の治療やお薬ではなかなか解決しない問題に対して強いです。

・ 自費で行うことが多く、お一人ずつゆっくりお話を伺うことが出来ます。

法的な観点からの考察

医師は血圧の状態やレントゲン画像の状態などの検査を経て病名を決定します。すなわち診断をすることができるのです。法律上、病名を決定する診断やその為の診察は医師しかできないことになっています。(医師法17条)

鍼灸院で鍼灸師がやっていることは法律的には施術に当たり「診断・診察はできない」という扱いになります。

つまり法的に考えると「病院(クリニック)では他覚的所見をもとに医師が治療をする。鍼灸院ではクライアントの自覚症状を改善するため鍼灸師が施術をする。」となります。(ただし、自覚症状の改善に注目してくれる医師も当然います。)他覚的所見と自覚症状の違いも重要なため、以下に説明しておきます。

他覚的所見(医学的他覚所見)とは?

病院(クリニック)での検査や医師による触診・視診などの診察、画像検査(レントゲン・MRIなど)や医学的検査(血液検査・神経伝導検査など)により、客観的に捉えることができる症状のこと。

自覚症状とは?

痛み・体温・疲労感などから自分で感じることのできる症状のこと。病気には風邪や痛みのように自覚症状のはっきり出るものもあるが、生活習慣病のように初期は自覚症状がないものもある。

人類学的な観点からの考察

人類学では癒しと治療を相対化することで説明されることがあります。治療とは近代医療により説明可能なものであり、癒しとは本人や家族の苦悩も含まれる主観的なものです。

重複する領域もありますが図式化すると以下のようになります。鍼灸院では「癒し」を担当することが多いですが、治療も医師と協力しながら行うことができます。

他にはキュアとケアという考え方も出来ます。

キュア(cure)は生物医学的な疾患を医学的な治療によって治すことを目的とするものでおもに医師が担当します。

ケア(care)は病いに悩む患者に対し、全人的なアプローチをするもので看護師やメディカルスタッフが担当します。鍼灸師の行う施術もキュアというよりはケアに該当するものが多いと言えます。

まとめ

図にすると上記のような特徴があります。身体に不調を感じた場合は、まず病院で診察を受けるのが良いでしょう。器質的な異常がないか?病気が原因ではないか?調べてみてください。痛みが強い場合など病院に行かず、原因を確認せずに鍼灸だけで何とかしようとすることはそもそも無理があります。

そして病院の投薬治療やリハビリではいまいちよくならないと感じている方、症状が軽くあまり不安でない方などは機能的な問題や自覚症状の問題である可能性が高いため鍼灸院を利用するのが良いでしょう。・・・わからない方は一度ご相談下さい。こちらから病院や医師をご紹介し協力しながら施術にあたることもできます。

以下、動画もご覧になってみてください。

医療機関等においてPayPay等で保険診療費用の窓口負担分を支払うことは可能?→条件付きで可能。

厚生労働省の通達が出ていたので上記タイトルについて詳細をお伝えします。

結論から言えばPayPayなどのQR決済で保健診療費の窓口負担分を支払することは可能であると令和5年9月29日に厚生労働省が明言しています。以下に詳細・解説をまとめます。

(1)キャッシュレス支払いに生じるポイントの付与は、「保険医療機関及び保険医療担当規則及び保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(平成 24 年9月 14 日保医発 0914 第1号厚生労働省保険局医療課長通知)に示すとおり、あくまで当面やむを得ないものとして認めるものであることに留意願います。

→ 病院等での保険診療の窓口負担の支払いはクレジットカード・PASMOなどの電子マネーでの支払いはすでに認められていました。QR決済は利用に応じてポイント付与などがあり、そこが保険診療における「誘因性」(*参考1)に当たらないか争点となっていました。しかしキャッシュレス決済が社会に広まっている以上やむを得ないものとしてPayPayなどのQRコード決済も認められた形になります。ただ今後禁止される可能性もありますし、以下のように使用に際し一定の条件はあるようです。

(2)なお、保険調剤に係る一部負担金の支払いにおいて、キャッシュレス支払い又は他の支払い方法に併せて独自のポイントカード等を使用してポイントを付与することについては、「保険調剤等に係る一部負担金の支払いにおけるポイント付与に係る指導について」(平成 29 年 1 月 25 日付け厚生労働省保険局医療課事務連絡)で示ししているとおりですが、医療機関における一部負担金においてもこれと同様の考え方が当てはまり、以下の①から③までのいずれかに該当する医療機関等については、口頭による指導を行い、その上で改善が認められない事例については、必要に応じ個別指導を行います。

① ポイントを用いて一部負担金を減額することを可能としているもの

② 一部負担金の1%を超えてポイントを付与しているもの

③ 一部負担金に対するポイントの付与について大々的に宣伝、広告を行っているもの(具体的には、当該保険医療機関等の建物外に設置した看板、テレビコマーシャル等)

→ 現金以外の決済方法はあくまでやむを得ないものであり「ポイントが付くからキャッシュレスで決済を」などと広告をするのは認められないと注意喚起されています。また例えば西東京市のキャッシュレスポイント還元キャンペーン時のように1%を超えるポイント付与がなされるときはその決済方法は避けたほうが無難でしょう。

まとめ

医療機関等においてクレジットカード、スイカ・パスモ・WAONなどの電子マネー、PayPay、d払い等のQR決済方法を用いて保険診療費用の窓口負担分を支払うことは可能です。しかし「あくまでもやむを得ない場合に限る」という条件のもと利用できるため注意が必要です。

*参考1 厚生労働省 保険診療理解のために

→ 誘因性とはプレゼントなどで利用を呼び込むことです。例えば「保険診療のリハビリ10回通院で化粧品をプレゼント」と医療機関が広告し患者を呼び込むことが誘因性に当たります。これは保険診療の本来の目的からずれてしまうため禁止されています。

 

オプション施術について

オプション施術はどちらも5~10分で行います。ご希望の方はお申し出ください。*オプション施術のみ、は行っていません。ご了承ください。

1,頭皮薬物灸

効果

・血行促進

・リラックス

・頭の筋肉弛緩ほか

PC作業で頭や目が疲れている方にお勧め。美容効果も期待できます。

 

2,耳温灸

効果

・自律神経の安定

・リラックス

・身体全体の温め

・痛みの緩和ほか

耳つぼへの温熱刺激により様々なメリットが期待できます。

田無北口鍼灸院のご利用方法

弊所のご利用方法を書面にて初回来所時に皆様にお配りしています。同じものをこちらでもPDFと一緒に公開します。来所を検討している方も参考にしてみてください。

⒈来所

どこか辛い症状が体に出た為に相談に来る方が多いです。また誰に相談していいかわからない方もいらっしゃいます。まずはご来所していただき良くお話を伺います。

2.相談・施術計画

ご相談に応じ、施術計画を立てます。まずは症状を楽にするための計画を立てます。必要に応じ病院等も紹介します。★最初に集中的に来所。徐々に回数を減らすような通院方法が理想です。

3.施術

施術計画に基づいた施術を行います。なるべく連続で来ていただきます。また予約制で施術を行います。「時間が空いたときに施術を受ける」というスタンスですとよくならないことも多いためスケジュール確保し治療に集中してもらいます。

4.メンテナンス

ある程度症状が落ち着いたら、今度は期間を開けてメンテナンス目的の施術を行います。月に2回~4回というパターンが多いです。★「症状を取ること」のみに集中し、メンテナンスを軽視することはオススメしません。セルフケアでもよいので定期的に自分身体見直ししましょう。

こんな方にピッタリ

病院他所ったがくならなかった。

自律神経の不調(めまい・動悸・耳鳴り・腹痛など)、四十肩や五十肩、腰痛や坐骨神経痛などのひどい痛みや稼働制限、しびれなどでお悩みの方へ適切なご提案。

・ 持病があるので調子を整えたい。常に良い状態でいたい。

自己免疫疾患、膠原病、難病など持病に考慮した施術を行います。飲んでいるお薬などの情報もお聞きし常にベストの状態を目指します。

健康きれいになりたい

産前産後の調整、美容目的の鍼灸なども行います。

→ 周りでお困りの方いたらご紹介ください。お話を聞かせてもらいます。

強い症状がある方へ

・ 痛みや症状が悪化している

・ 何度か鍼灸治療を受けても変化ない

・ 発熱や血圧の変化を伴う

・ 持病があるため不安 等

上記のような場合すぐ遠慮なくご相談ください。医師の介入が必要な場合、近隣のクリニックを紹介し、連携しながら施術します。ご安心ください。

PDFはこちら。

うつ・双極性障害・自律神経の不調・トラウマ(PTSD)・パニック障害等の治療選択肢に「鍼灸」を加える事をオススメします。

タイトルのような病気や症状で悩む方は多いです。投薬治療だけではあまり改善しなかったという声を聞くこともあります。しかし、最初にお伝えいておきたいのは精神疾患・トラウマや自律神経症状に対する治療は投薬治療が無駄・役に立たないということではなく「投薬治療だけでは限界があるため薬以外の選択肢も視野に入れるべきはないか?」ということです。通常の治療に加えて補助療法として鍼灸を選択してみるのもいいかもしれません。その理由等について以下詳しくお伝えします。また各病気はそれぞれ定義も発生機序も症状も違うものですがここでは「薬だけでは治りづらく、精神的ストレスを伴う事が多い」という共通の観点からまとめています。ご了承下さい。

投薬治療とその限界について

例えばうつ病ではセルトラリン、パロキセチン、フルボキサミンなど様々な薬が出されます。うつ病やうつ状態の時は、脳の神経細胞をつないでいる神経伝達物質の機能が低下し気分や意欲に関係するセロトニンやノルアドレナリンなどの機能が低下するため情報伝達に支障を来しているのではないか?と考えられ、SSRI(セロトニンを増やす薬)などの抗うつ薬がだされるのです。投薬治療は薬の効果を均一化できるため広く普及し、一定の効果を上げています。しかしながら「病院の薬だけではあまり改善が見られなかった。」という声をしばしば聞くこともまた事実です。

一例を挙げますと、本邦においては平成26年に衆議院で心療内科の薬が多剤処方傾向にありこれが適切かどうかの質問が出されました。(参考1)投薬治療中心の精神科医療が必ずしもうまくいっているわけではないという現状が浮かび上がってしまったのです。

またアメリカ医師会のレビューではすべてのうつ病・うつ状態に対して、必ずしも薬が効果的である訳でないことが示されました。これはうつ病の患者さんに、抗うつ薬を投与する群とプラセボを投与する群とにランダムに分けて比較した複数の臨床試験をまとめて解析した研究なのですが、重症のうつ病では抗うつ薬はプラセボよりも症状を改善させたものの、軽症のうつ病では明らかな差が観察できないことが明らかになったのです。(参考2)そもそもうつやトラウマによる自律神経症状などの治療を脳疾患モデルや薬物療法「だけ」で考えるべきではないのかもしれません。以下4つの根本的な事実を見逃している可能性がありますので参考書籍より抜粋して紹介します。(参考3 →は解説)

・私たちは互いを甚だしく害する可能性があるが、それを埋め合わせるに足るほどの、互いを癒す能力を持っている。

→人と人との関係性に目を向けることが大切なのではないか?

・言語は、自分の体験を伝えたり、知っていることを定義するのを助けたり、共通の意義を見つけたりすることで、私たちが自分自身を変える力を与えてくれる。

→言葉による回復や癒しを人間はそもそも持ち合わせているのではないか?

・私たちには、呼吸をしたり、動いたり、触れたりといった基本的な活動を通して、体と脳のいわゆる不随意機能の一部を含む、自分自身の生理的作用を調節する能力がある。

→人間のはそもそも自律神経の調整作用が備わっているのではないか?(自律神経の調整をしてくれる薬はそもそもない。)

・私たちは社会的状況を変え、大人も子供も安全に感じられ、成功できる環境を生み出すことが出来る。

→社会的な環境を整えることでよりよい人生を送ることが出来るのではないか?

なぜ薬だけではあまり改善しないことが多いのか?

繰り返しになりますが薬物療法が役に立たないという意味ではありません。しかし、薬だけであまり改善しないのには以下のような理由が考えられます。

・DMS-5などで以前は個人の苦悩として扱われたものも疾患とされ、ある時期から本来薬だけではあまり効果が出せない患者が増えてしまったため。(参考4)

・同じ病気でも発生までの順序も病態も違い個人差があるため。

・鬱や自律神経症状は原因がはっきり特定できるものは少なく、体質や社会的な因子(職場や家庭の人間関係のストレスなど)も大きくかかわるため。

・環境を整えないと再発することも多いため。など

薬以外の治療法

以下に自己コントロール感を高めたり自律神経を安定させたりする具体方法を挙げます。できることはいろいろと試す方が良いのですが少しずつ無理をせず行うことがコツです。そのためにもまずはセルフケアで行うような方法よりも専門セラピストとともに行うことが理想です。必ず医師等の専門家に相談することを忘れないようにしてください。自分で行うセルフケアは手軽である反面、安全管理や評価(効果があったのかなかったのか?の判断)ができないというデメリットもあります。

ヨガ:専門セラピストが指導してくれることもありますが、基本的にはセルフケアで行うことになります。呼吸を整え筋肉を緩める働きがあります。

鍼灸・マッサージ:鍼灸師やマッサージ師などの専門セラピストが行います。筋緊張改善や自律神経の安定作用が期待できます。

運動:専門セラピストが指導してくれることもありますが、基本的にはセルフケアで行うことになります。筋力の増強などの効果が見込まれます。

EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing):専門セラピストが行います。眼球運動による脱感作と再処理法)は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に対して、エビデンスのある心理療法です。

認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy):専門セラピストが行います。「現実の受け取り方」や「ものの見方」を認知といいますが、認知に働きかけて、こころのストレスを軽くしていく治療法を「認知療法・認知行動療法」といいます。

ニューロフィードバック:専門セラピストが行います。脳の神経活動を視覚と聴覚でフィードバックすることによって、望ましい脳の状態を作る心理療法です。

なぜ鍼灸が良いのか?

以下のような理由が挙げられます。薬物療法だけではあまり改善しないと感じている方はまずは緊張をとると良くなる事も多いです。補助療法として薬以外の選択肢をお考えの方は鍼灸を検討されることをオススメします。

・専門セラピストが介入を行い改善までのサポートをする。

・エビデンスも豊富で比較的安全。

・タッチセラピーであり体の緊張をとることができる。

・ホルモンバランス、自律神経の安定作用がある。

・実際にアメリカではPTSDの治療に鍼が使われる。(参考5)ほか

また精神疾患や自律神経症状だけではなく「痛みの問題」にも薬以外のアプローチが有効なことが多いです。分からないことがあれば何でもお気軽にご相談ください。

参考

1:精神科・心療内科・メンタルクリニックの質の維持と多剤処方についての診療報酬改定に関する質問主意書

2:Antidepressant Drug Effects and Depression Severity A Patient-Level Meta-analysis

3:身体はトラウマを記録する―脳・心・体のつながりと回復のための手法 第2章 心と脳の理解における大変革 適応化病気か?

4:うつの医療人類学

5:PTSDと鍼灸治療

 

「鍼灸施術代を経費にしたい。可能か?」というご質問に関して。(福利厚生費、取材費、接待交際費等。)

タイトルのようなことを聞かれることがありますのでこちらにどのような場合に、何の軽費に該当するかについてまとめておきます。参考になれば幸いです。(あくまで目安でありケースバイケースです。最終的には専門家である税理士等にご相談ください。)

1,取材費

鍼灸院やマッサージ関係の仕事をしている方や、新聞や雑誌やWEBなどのメディア関係の方が取材目的で弊所の施術を受けられた場合は経費になります。

2,福利厚生費

社員がいる法人の方が、全員が施術を受けられるという規定を設けたうえでならば福利厚生費として扱われることがあります。(個人事業主の方や一人法人の方は福利厚生費にすることはできません。)役員だけが鍼灸施術を受けられる場合は経費でなく「給与」として扱われます。また、福利厚生費にしようと考えている場合は弊所と業務提携をした上で請求書支払いにすることも可能ですのでご相談ください。出張による施術にも対応できます。詳細はこちら

3,接待交際費

取引先の関係者を接待するために鍼灸院に連れて行った場合は接待交際費にすることが可能です。

 

参考:マッサージ代は会社の経費に落とせるの?

 

台風や急に寒くなった時期に頭痛が悪化してしまうという方への対策方法、頭痛の分類(偏頭痛・緊張型頭痛等)

台風の時期や急に寒くなった時期になると「頭痛がひどい」、「頭痛の改善をしてほしい」、「頭痛や肩コリがつらい」というご相談案件が増えます。傾向としては女性の方が多いといわれますが男性も少なくはないという印象です。結論から言いますと鍼灸の施術を受けますと楽になりますが頭痛症状は緊急性を要するものもあるため注意が必要です。

(1)なぜ台風の時期に頭痛がひどくなるのか?

とくに気圧の変化の影響を受けやすいという方が圧倒的に多く台風などが発生する時期に頭痛や関節痛など神経痛がひどくなるようです。敏感な方や症状が重い方になりますと台風が近づいてきたことがわかるという方までいらっしゃいます。台風などの気圧だけでなく温度や湿度などが原因でも体調悪化が起こるといわれていますがこれらは俗に「気象病」と呼ばれます。なぜ天気が体調に影響を与えるのでしょうか?原因はまだよくわかっていませんが脳の混乱が自律神経の変化を引き起こすからという説を提唱・研究している医師もいます。簡単に言いますとこんなメカニズムです。

鼓膜の奥にある「内耳」は気圧の変化を感じるセンサーがある。→その情報が脳に伝えられ交感神経や副交感神経(自律神経)の調整が行われる。→乗り物酔いしやすいなど敏感な人は自律神経のバランスが良くないため気象病にも悪影響を受けやすい傾向がある。*参考*「低気圧で体調不良を起こしやすい人の特徴」

あくまでも仮説ですがたしかにそのような傾向はあると思います。

(2)気象病の対策は??鍼灸もよいです

天気をある程度予測してストレスをためないようにする、という方法があります。台風が近づきそうな時期は無理をしない。飲みに行かない。夜更かしをしない。という対策方法です。自律神経はストレスや睡眠不足などで悪影響を受けますので最小限に減らすにはそのような対策も有効かもしれません。また日頃から鍼灸などの施術を受け体調を整えておくと自律神経の安定作用があるため悪化しずらくなったり気象病の影響を受けずらくなるでしょう。

(3)頭痛の分類と注意点に関して

偏頭痛のような脈を打つズキズキが出ている場合痛い部分を揉むなどしてはかえって症状が悪化することも多いです。注意が必要です。偏頭痛というのは血流が促進されると頭痛が悪化します。緊張型頭痛と呼ばれる筋緊張が原因で起こる締め付けられるような頭痛の場合は温めたり筋肉をほぐすと頭痛が緩和されます。・・・ただ緊張型と偏頭痛はどちらか片方が出るものではなく混在していることも多いです。温めたいけど冷やしたいという矛盾した状態になることも多いのです。経験のある鍼灸師ならばしっかり対応できます。ツボなどをうまく使い腕や足から血流を促進させたりすればこれらの矛盾を解消しながら体調も改善させることができます。また頭痛症状は上記2つのパターンだけでなく脳の問題などから生じる場合もありますので注意が必要です。ひどい吐き気を伴ったり発熱を伴う場合などはまずは医師の診断を受ける方が良いでしょう。*病院へ行くべきタイミングなどもお気軽に田無北口鍼灸院にご相談ください。