YouTube動画:鍼灸治療の強み・弱みについてお話します。

YouTube動画:鍼灸治療の強み・弱みについてお話します。

YOUTUBE原稿など含めこちらに掲載しておきます。動画は↑よりご覧ください。

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<原稿>
皆様こんにちは。田無北口鍼灸院の白石です。動画をご視聴いただきありがとうございます。本日は「鍼灸治療の強みと弱み」についてお話させてもらいます。
■なぜ強みと弱みについて語るのか?
鍼灸治療のことはほとんどの人が知っていると思いますが、いまだに治療を受けたことがない方もたくさん居らっしゃると思います。そのような人にとっては具体的に
「何がすごいの?」、「どんな人に役に立つの?」、「どういったケースで有効なの?」
ということが、あまりよく知られていないのではないでしょうか。また強み(良い話)ばかりを一方的に発信するのはフェアではないので弱みについても少しお話させていただきます。
■日本の病院は西洋医学中心、お薬中心の医療になる理由
日本だけではなく先進国はどこでもそうなのですが、お薬中心の西洋医学の医療になります。これは製薬会社の陰謀とかではなく理由があるのです。お薬による治療が有効性と安全性が明らかでもっともよくなる確率が高いからです。また同じお薬であれば処方するドクターによって大きく効果が変わることは考えられません。
一方で鍼灸治療などは東洋医学と呼ばれ個別性を大事にします。やる人によって内容も効果も変わってしまうのです。
そのような合理性の観点から日本を含む先進国の多くの国では西洋医学が通常医療であり、お薬中心の医療となっていますが、西洋医学が優れていて東洋医学が下という意味ではありません。西洋医学のお薬でも、苦手な分野、治りにくい・効果が出ずらい分野があるのです。
例えば体質による病気、ストレスによる病気、加齢による病気などです。
例えば筋肉の緊張が強く頭痛や自律神経の不調が起こっている場合、これは痛みを抑える薬だけではなかなかよくならないでしょう。
仕事のストレスによってうつ状態になってしまった場合もそうです。根本的なストレスを解決しない事にはなかなかよくならないかもしれません。
お年寄りの膝の痛みなど、加齢による問題もお薬だけでよくすることは難しく筋力トレーニングやリハビリなどの方法も必要となる場合は多いのではないでしょうか?また老化現象による痛みなどは完治というより悪化を遅らせる事やケアが治療の目的になるかも知れません。
これらは、東洋医学の方が得意な場合も多くあるのです。あくまでも特性の違いだと考えてください。
■(それでは)鍼灸の強みについて
三つに分けお話します。
1.薬以外の選択肢になれる
例えばお年寄りなどは持病をたくさん抱えていて「薬を増やしたくない」という希望があるケースがあります。血圧の薬を飲んで、血栓を溶かす薬を飲んで、糖尿病の薬を飲んで、、、みたいな状況です。鍼灸治療であれば薬以外の選択肢となれるためこれ以上薬を増やす必要がありません。
2.緊張をとることが出来るため痛みや不定愁訴に効果的
緊張をとる薬、はあまりなくこの分野に関しては鍼治療やマッサージなどが強いです。
また痛みや不定愁訴に関しても同様です。薬でコントロールできる痛みもあればコントロールしづらい痛みもあるのです。不定愁訴に関しては精神的なもの、感じ方や捉え方も大きく関係するため薬だけで解決するのが難しいことも多いでしょう。そのような場合に鍼治療が一つの選択肢となります。
鍼治療は癒しにも治療にもなる事が出来ます。
癒しとは・・・・
治療とは・・・・
現代医学的な診断カテゴリーに当てはまらない不調も鍼灸治療ならば対応することが可能です。
3.長い間、世界中で行われているためエビデンスが豊富
安全性と効果は歴史が証明しているといっても過言ではありませんが最近では世界各国から研究論文の報告も上がってきています。
★コクランレビューでも肯定的なものもあり。慢性腰痛、緊張型頭痛、頸部障害など。
鍼灸の弱みについて
1.薬と違って施術者の力量で差が出る
→新人とベテランで差が出てしまう。薬も処方によってはそのようなことがあり得るのである意味では仕方なし。刺激(介入)を一定にできないためにエビデンスが低く見積もられがち。
2,怖い場合のノセボ反応
→悪い反応が出やすくなってしまう
3,自費中心
→保険診療は一部だけで、かつ医師の同意がいる。
■まとめ
選択の順序の順序を知ることが大切です。
まずは病院へ。費用の観点から考えてもそれが合理的です。お薬がだめだという意味ではないし、何でもかんでも鍼治療がいいということでもないでしょう。まずは病院へ行き西洋医学的な治療を受けることも大切です。厚生労働省も「統合医療のあり方に関する検討会」で現代医学を中心に、東洋医学などは補完的な利用を推奨しています。(参考)鍼灸治療は補完的に上手に使うことが良いでしょう。
参考文献
池田光穂 癒しの文化人類学
統合医療のあり方に関する検討会 これまでの議論の整理