月: 2022年11月

    「お灸(温灸)」を中心とした疼痛調整について 

    先日、90代の女性の方から施術相談を受けました。過去に帯状疱疹をやってから発生するようになった肋骨の神経痛症状が強かったためお灸(温灸)での施術を提案し、実際に施術を受けてもらったところ痛みの自覚が大きく改善したようです。(VAS10→施術後VAS5)古傷が痛むことはよくありますがそのような場合冷やすよりも良く温めたり、よく関節を動かしたほうが痛みは軽減する模様です。

    使ったお灸の種類は?

    上記写真のような台座級といわれるものです。やけどをしないタイプのものです。

    なぜお灸で痛みが軽減されたのか?

    ・ お灸をしたことで幹部周辺に滞っていた発痛物質が洗い流された

    ・ 患部周辺の筋肉が緩み動作に伴う負担が軽減された

    等の理由が考えられます。

    痛みの軽減によるメリットは?

    ADL(日常生活動作)向上、疼痛緩和などが期待できます。ご本人も痛みがひどくて日常生活動作、例えばトイレに行くために立ち上がる際の痛みにとても不自由を感じているようでした。

     

    痛みが強く外出できない方は出張での施術も承っております。また病院の診察を受けている方や介護保険を使ってリハビリ等を受けられている方などは私の方から医師の方やケアマネージャーさんにお手紙を書き施術内容等の報告をさせていただくこともできます。お困りの方は一度ご相談ください。

    鍼灸院からご提案「上手な医療のかかり方」

    かかりつけ医を持とう!

    「地域の医療機関を上手に利用するためのパンフレット」を作成し来所された方へ配布しています。制度上、地域のクリニックから紹介されて専門病院を受診する方がスムーズに精密検査が受けられる等かかりつけ医を持つメリットは大きいです。鍼灸院だけでなく地域の医療機関も上手にご利用ください。

    適切に医療機関も受診しよう

    田無北口鍼灸院では

    ・ 3回ほど施術しても症状が全く改善しない方
    ・ しばらく病院を受診していない方
    ・ 医師の診察も希望する方

    などに対し必要に応じて病院への受診もおススメしています。

    「腰痛だと思ったら実は骨折していた・・・」
    「腰痛だと思ったら婦人科疾患だった・・・」

    そのようなケースは少なからず存在します。鍼灸治療は、痛みだけでなく不快症状や自律神経症状の改善など薬では解決できない問題にも対処できます。しかし、重大な病気の見逃しを防ぐことも重要です。何かあればお気軽にご相談ください。

    ご存じですか?かかりつけ医制度や重要性

    かかりつけ医とは「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師。」のことです。(参考1)地域の医師すなわち街のクリニックのお医者さんは、診察を通してお薬を出してくれたり、検査をしてくれます。また何か大きな病気が疑われた場合など大学病院や総合病院をすぐに紹介してくれ精密検査を勧めてくれます。一方で、働いている30、40代の方は忙しいためにかかりつけ医を持たずに鍼灸院等の施術所で済ませてているというデータもあります。(参考2)鍼灸院を利用する方も病院の上手なかかり方を知り、かかりつけ医を持つと良いでしょう。

    参考1:日本医師会HP 2:「国民生活基礎調査」匿名データによる疼痛有訴者の伝統医療受療行動分析 : 職業および所得との関連を中心に

    大きい病院にかかる際の流れ ~上手なかかり方のご提案~

    自身で直接大学病院や総合病院を利用すると、イメージ通りにいかないこともあります。参考にしてみてください。

    ▲ 大学病院等を直接受信すると選定療養費がかかる
    ▲ 自分の希望通りにいかないこともある
    → 例えばこんな事例
    ▲ 急に調子が悪くなって休日受診したが、すぐに返されて問題解決しなかった
    ▲ 原因不明の痛みで救急車を呼んだが、救急搬送された病院では問題解決しなかった。なかなか受診先も決まらなかった。

    *パンフレットの中身の写真も載せておきます

    霊障(れいしょう)・電磁波攻撃などでお悩みの方への鍼灸施術に関して

    ■ 弊所のスタンスや施術方針について

    まず最初に弊所のスタンスについてお伝えします。霊障や電磁波攻撃で悩む方は実際にいます。そのため霊がいるか・いないか?電磁波攻撃があるか・ないか?などの議論はするつもりはありません。肯定も否定もしません。弊所でできる事はそのようなことで悩む方のお気持ちを真摯に受け止め、しっかりとお話を伺いまた鍼灸施術によって体調をよくすることです。てんかんや統合失調症をはじめとする病気が疑われる場合など必要があれば医療機関への受診も勧めます。除霊を希望される方は宗教家などの頼り方についてもお伝えします。その結果、体調が改善し、心身ともにリラックスし症状が気にならなくなる方も多いです。何か特別な治療をする、除霊をする、開運グッズを販売する等の行為を田無北口鍼灸院内で行うことはありません。普通の鍼灸施術を提供しています。

    ■ 霊障とは何か?

    webフリー百科事典weblioには「俗に、霊が憑く・霊気に中ることによって心身に不調を来すこと、を指す意味で用いられる表現。回復のために除霊・浄霊などが試みられることが多い。医学的・科学的な根拠には欠ける。」との記載がありました。岩波書店の広辞苑(第七版)には霊障(れいしょう)という言葉は掲載されていませんでしたが、似たような言葉の憑依(ひょうい)は記載されていました。「霊などがのりうつること。憑っつくこと。」とあります。

    ■ 世界中で訴えられる現象

    霊のせいで体調が悪くなる、という訴えや実際に霊を見たという報告・物語は世界中で存在します。またそれと同時に民俗的・伝統的な治療方法も世界中にあります。霊魂や電磁波攻撃の存在を否定しても、信じている本人にとっては事実であるため効果はありません。人類学・医学的には呪われたと思い込むとショックで実際に亡くなってしまう「ブードゥーの呪い現象」が昔から知られています。中南米のシャーマン伝統治療では神と自然が一体となった儀式を行うことや時には幻覚剤を用いてこれらの症状を改善させますが現代医学的なとらえ方をすればそれも心理療法やプラセボ効果も含んだ薬物療法の一つであるという見方もできます。ケースバイケースではありますが、とくに心理・社会的な疾患には効果が高いと思います。

    ■ 霊障により出現する心身症状や訴えの一例

    ・ いつも身体が重く気分が鬱々としている

    ・ 家にいると窓や壁から音や気配がする

    ・ 診療内科で診断がつかない。薬を飲んでも改善しない。

    ・ 自分の考えとは違う言動をすることがある

    ・ 立て続けに事故やけが、不調が起こる

    ・ 家族や病院の医師からもあまり信じてもらえず悲しい等

    ■ 実際に来所された方の実例

    個人情報に配慮し脚色し紹介いたします。

    お名前 

    川田花子さま(仮名)

    年齢

    42歳(施術当時)

    主な訴え 

    自律神経失調症、肩こり症状が強く、やたらとのどが渇く。あまり眠れていない。夜中に目が覚めてしまう。夜中に天井から音がする。電磁波攻撃をされている。耳鳴りが起こる。薬ではあまりよくないと感じているためできたら薬も減らしていきたい希望がある。(ご本人談)

    施術開始時期

    平成29年6月10日

    改善時期

    平成29年8月10日(週に1.2度程度。全7回の施術。)

    経過・状況など

    現在体調不良のため休職中。平成28年12月にマンションに入居したころから部屋に不快感を感じていた。心療内科にも通院中。統合失調症の可能性は否定されたが、パニック障害といわれた。(ご本人談)

    (1)思い当たる原因

    隣人からの電磁波攻撃(ご本人談)

    (2)弊所での施術・見解

    じっくりお話を伺ったうえで筋肉の緊張など確認。右首から肩にかけての緊張が強いためリラックスさせる施術を行うと説明。右の部屋から特に強い電磁波を感じる。弊所では自律神経症状(不眠・うつ傾向)やパニック障害などの症状も改善実績が多数ある。また霊障や電磁波攻撃など様々な訴えをする方も多く来所される。しっかりお話を伺い安心してもらう。まずは5回ほど施術を行い様子を見ていく。統合失調症の可能性は否定されているとのことだが何かあれば病院にも頼るよう指導。漢方内科などの選択肢もあることを説明した。

    (3)経過・施術など

    第一回 平成28年11月24日

    頚周辺の緊張を取る目的で鍼灸、吸玉療法など行った。吸玉療法は睡眠障害にも効果がある。また東洋医学的なバランスも考え足にもお灸を行った。病院にも通院するよう指導。自己判断で薬はやめないこと。

    第二回 平成28年9月10日

    昨日は肩が張ってしまったが前回やった後その後ぐっすり寝れた。効果は感じている。

    第三回 平成28年9月17日

    寝れるようになってきているがのどの渇き症状は多少気になる。

    第四回 平成28年9月24日

    前回少し怠さが出たとのことで今日は弱めに施術。頚周辺の緊張を取る。音が気にならなくなってきた模様。引越しをすることを決めた。

    第五回 平成28年10月7日

    改善傾向。とくに寝れるようになったことが大きい。

    (4)総括

    特に首から背中にかけての緊張が強かったようですがお話を聞くことと鍼灸施術によってだいぶ改善しました。実際にその環境から離れることが得策と判断し、引っ越しを決めてからさらに体調が良くなったようです。何かお困りごとがあればいつでもご相談ください。

    耳温灸(耳鍼)、頭部鍼(頭皮鍼)

    耳温灸・耳鍼について

    耳の内部を温めるとどんな作用があるのでしょうか?

    耳の周辺には顔面神経、三叉神経、迷走神経など、多くの神経が分布していて耳の穴には迷走神経の末端がきています。 迷走神経は体性神経(運動神経と感覚神経)と副交感神経が合わさったものになります。 つまり、耳の穴への温灸や鍼は、迷走神経=副交感神経への刺激となるのです。最近ではここに注目し、耳の内部を温め入眠サポートをするような商品も販売されています。

    耳鍼の研究はたくさんの報告があります。田無北口鍼灸院ではこれらの効果に着目し、頭部周辺の鍼や目の周りの刺激なども含め緊張を緩和していきます。

    頭部鍼(頭皮鍼)について

    頭部への鍼は中国で研究が盛んで頭皮鍼という名前で知られています。特に脳卒中、多発性硬化症、脊髄損傷、外傷性脳損傷による麻痺のリハビリによく使用されます。

    頭のてっぺんにある有名なツボ「百会」に鍼をすることで視力が改善した研究報告もあります。限定的であるものの目の疲れなどに対しては効果があるものと思われます。

    <研究内容と結果>

    日頃から疲れ目を感じ,屈折異常以外に特別な疾患を持たない成人ボランティア30名60眼(平均年齢 23.8±3.8 歳)に

     

    1: 百会毫鍼群 10 名 20 眼。ステンレス製鍼灸針 (直径 0.16mm、セイリン社製) を百会穴(GV-20)に10mmの深さまで横刺で刺入した後、10分間置鍼。

     

    2: 百会鍉鍼群 10 名 20 眼。真鍮製のばね式鍉鍼 (KN-412、カナケン製) を百会穴(GV-20)に心地よい程度の強さで10分間の圧刺激を行った。

     

    3: 対照群 10 名 20 眼。百会穴に鍼管のみを軽く当て、鍼管上部を数回タッピングした後、直ちに鍼管を取り除き、10分間の安静仰臥位を保った。

     

    結果・結論

    裸眼視力より、前後比較では百会鍉鍼群で有意に向上し(P<0.01)、群間比較では百会鍉鍼群で対照群と比較して有意に向上した(P<0.05)。矯正視力より、前後比較では百会毫鍼群と百会鍉鍼群で有意に向上し(P<0.01)、群間比較では百会毫鍼群と百会鍉鍼群が、対照群と比較して有意に向上した(P<0.05)。VAS より、前後比較では百会毫鍼群と百会鍉鍼群で有意に改善し(P<0.05)、群間比較では有意差が認められなかった。毫鍼刺激と鍉鍼刺激により視力は向上したが、眼疲労に対する効果は限定的であった。

     

    毫鍼刺激と鍉鍼刺激の視力や眼疲労への影響の評価 | 鍼灸 | 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省 

    耳温灸・頭部鍼で効果が期待できる症状

    不眠症(特に入眠サポート)、パソコンの使い過ぎによる目のカスミ・疲れ、自律神経の不調(胃の不調、めまい、耳なり・耳の不調、気分の落ち込みなど)、緊張による頭痛、痛み・しびれ、脳卒中に伴う麻痺等 ほか

    痛みを伴わない心地よい刺激です。まずはご相談ください。