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    「声がかすれます。鍼灸で治りますか?」というご質問に関して。嗄声(させい)と鍼灸治療・東洋医学

    田無北口鍼灸院で治療及び相談活動をしておりますと

    声に関するご相談をいただくことがございます。

     

    弊所はミュージシャンや

    声の仕事をされている方も多く来所されるためか

    声のことで悩んでいる方も多いようです。

     

    現代医学的な考え方や

    東洋医学的な考え方など

    まとめていきたいと思います。

    * 参考

    日本器官食道科学界

     

    <1>現代医学的な考え方

    (1)声が出る仕組み

    発声は以下の動作から成り立っています。

    ・ 息を送る

    ・ 声帯の振動

    ・ 共鳴

    ・ 言葉の発生

    声帯はピアノやバイオリンの絃に相当します。

    声帯の閉開は咽頭軟骨や咽頭筋によって

    行われます。

    咽頭内の筋肉運動は迷走神経が支配してます。

     

    声がかすれるということは

    これら一連の動作のうちのどこかで

    異常が発生しているということです。

     

    (2)声がかすれる原因を考える

    ・ 風邪、ウィルス感染

    ・ 甲状腺の病気・異常

    ・ ポリープ、咽頭がん

    ・ たばこ・お酒

    ・ 老化

    など。

     

    原因は耳鼻咽頭化などに行けば

    検査などもしてくれます。

     

    緊急性があるかどうかも含め

    まずは原因をハッキリさせることが

    とても大切です。

     

    <2>東洋医学的な考え方

    中医学ではのどは腎の潤いを受けている

    と考え腎・肺が深く関係していると考えます。

     

    腎は体内の水分をコントロールする

    この機能が低下すると肺の潤いも不足

    喉の乾燥

     

    ほかにも様々な考え方があり

    黄帝内経などの古典にも記載があります。

    ・ 素問 宣明五気偏:第二十三

    五乱といって邪気が乱す部位で起こる症状が

    変わってくることが述べられています。

    「邪気が陰気を動揺させるとものが言えなくなる。」

     

    ・ 霊枢 憂恚無言篇:第六十九

    発音・発声の機能について

    説明されています。

    「咽は食堂の入り口、喉は器官の入り口であります。

    咽喉蓋は声の戸、唇は声の扇、、、」

    「急に声がでなくなった人は・・・

    陽気のめぐりがわるくなって外気を防ぎきれず

    咽頭蓋に寒気が宿ります。」

     

    *簡略化した日本語訳を掲載しました。

     

    いずれにせよ東洋医学的な

    観点で見るのならば

    虚実・寒熱・表裏・陰陽の

    見極め(状態をしっかり把握すること)が

    大切です。

     

    お困りの方は一度ご相談ください。

    鍼治療の根拠はどこにあるのか??鍼灸師はどのような発想で施術を行うか??

    鍼治療を行っていくうえで

    鍼灸師は何を根拠しているか?

    かんたんに書いていきます。

     

    ・・・

    患者が痛いと訴えている場所へ

    テキトーに鍼を刺しているわけではなく

    これをやったら効くだろうな。

    という根拠や考えからツボを選択し

    施術を行っています。

    大別すると2つの根拠からなります。

     

    (1)解剖学的・生理学的な根拠、

    現代医学の知識に基づく根拠

    例えば腰が痛い場合腰だけでなく

    動きに関係する筋肉(梨状筋など)

    の起始停止部や圧痛点を

    鍼で狙って行くことも

    このやり方の一つでしょう。

     

    また痛みを抑えるメカニズムなども

    「鍼灸理論」として存在します。

     

    ゲートコントロール説など

    いまでは古くなり

    否定されているものも一部ありますが

    これらの理論から施術を行うのも

    一つのやり方になります。

     

    (2)東洋医学的な根拠

    東洋医学は歴史があり

    沢山の書物や研究が存在します。

     

    そのため理論も体系化されていて

    多くの場合

    「この本にこう書いてある」

    というような根拠が存在します。

     

    一例をあげますと

    黄帝内経という古典には

    基礎理論や技術論がかかれていて

    傷寒論という本には

    風邪の治し方や症状・薬などについて

    詳しくかかれています。

     

    あくまで私の考えになりますが

    鍼灸師たるもの

    これらの2つの根拠を

    しっかり踏まえた施術を行いたい

    と考えます。

     

    現代医学的な知識がないと

    患者に症状を説明できません。

    患者は現代医学の知識しかないので

    症状名で訴えてきます。

    例えば「緊張型頭痛」という訴えから

    どのような症状が体に現れているのか

    把握する必要があります。

     

    また、ないと医師との連携が

    うまくいかないことも多いです。

     

    処方されている薬から

    医師がどのような判断をしているのか?

    推測することも重要となってきます。

    むやみやたらと現代医学・医師のやり方を

    否定しても患者にとって全くいいこともありません。

    その点も説明する必要があります。

     

    そして

    東洋医学的な発想もできないと

    「施術そのもの」が

    うまくいかないことも多いです。

    東洋医学や漢方医学は

    「漢方薬」を処方する

    医師や薬剤師も勉強する分野ですので

    それらの連携でも必要な知識になってきます。

     

    *蛇足ですが

    東洋医学的なお話は

    ちょっとでも理解できると

    非常に面白く納得できるものが多いです。

    またここでもわかりやすく紹介していきたいと

    考えています。

     

    ・・・

    鍼灸は海外・国内ともに

    沢山の実験が行われていて

    「この症状に対しこういった実験をし

    これだけ効果があった。」

    というデータもたくさん存在します。

     

    厚生労働省なども

    これらの情報を一部公開しています。

     

    これらも施術を行ううえで

    一つの根拠となりえるでしょうね。

    ご参考までに。