カテゴリー: お知らせ・ブログ・思うこと

    田無北口鍼灸院の連絡事項やお休みのお知らせニュースのまとめ制度について思うこと・・・などまとめていきます。問い合わせがある場合は院に直接連絡くださいますようお願いいたします。

起立性調整障害(OD)・フクロウ型体質(フクロウ型症候群)と鍼灸治療について

起立性調整障害(OD)とは?

起立性調整障害とはをODと略されますが英語での正式名称はOrthostatic Dysregulationと言います。好発年齢は小学生から中学生で、男児より女児の発症が多い傾向にあります。わかりやすく一言でいえば「思春期の自律神経の不調で朝起きられなくなってしまう病気」という感じでしょうか。

一般社団法人 日本小児心身医学会のホームページには以下のような概要が書かれています。

・ たちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛などの症状を伴い、思春期に好発する自律神経機能不全の一つです。

・ 過去には思春期の一時的な生理的変化であり身体的、社会的に予後は良いとされていましたが、近年の研究によって重症ODでは自律神経による循環調節(とくに上半身、脳への血流低下)が障害され日常生活が著しく損なわれ、長期に及ぶ不登校状態やひきこもりを起こし、学校生活やその後の社会復帰に大きな支障となることが明らかになりました。

・ 発症の早期から重症度に応じた適切な治療と家庭生活や学校生活における環境調整を行い、適正な対応を行うことが不可欠です。(以上、引用)

フクロウ型体質とは?

漢方医学では夜に活発になり朝起きられない体質のことを「フクロウ型体質」と呼びます。起立性調整障害に似ている部分が多いのです。このような体質の方には漢方薬の苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう) が有効な場合がある、と久留米大学医療センター・先進漢方治療センター教授の惠紙英昭先生が第67回日本東洋医学会学術集会で発表しました。あくまでケースバイケースですが補完的な治療として漢方が有効かもしれません。

起立性調整障害(OD)の注意点は?鍼灸治療は有効?

(1)まずは自己判断でなく病気かどうかの専門家判断を。

不登校の症状と似ているため精神的な問題なのか?身体の不調なのか?判断がつきづらいです。病気かどうか?判断するには診断基準があります。血液検査や心電図検査などを行いほかの病気の可能性がないか?確認されたうえで医師が診断を行います。岡山県教育委員会は対応マニュアルをまとめていますがまずは専門家や医師に相談するとよいと思います。参考までにチェックリストを紹介します。11項目のうち3つ以上が当てはまれば新起立試験というテストが実施されます。

・ 立ち眩み、あるいはめまいを起こしやすい。

・ 立ってると気持ち悪くなる、ひどくなると倒れる。

・ 入浴時あるいは嫌なことを見聞きすると気持ちが悪くなる。

・ 少し動くと動機あるいは息切れがする。

・ 朝なかなか起きられず午前中に調子が悪い。

・ 顔色が青白い。

・ 食欲不振。

・ 臍疝痛を時々訴える。(臍のまわりが時々痛い)

・ 倦怠あるいは疲れやすい。

・ 頭痛がある。

・ 乗り物に酔いやすい。

(2)注意点=代替医療に頼りすぎないこと。が、鍼灸治療は有効ではないか?

起立性調整障害と診断されると医師による生活指導や投薬治療が行われます。しかし特効薬がある訳ではなく、これといった決め手になるような治療法もないためになかなかよくならず困ってしまい代替医療に頼る方も多いのです。そのような背景からインターネット上で過剰に代替医療の効果を喧伝する様子も散見されます。しかしながら起立性調整障害の代替医療に対してはほとんどエビデンスがありません。前述の一般社団法人 日本小児心身医学会のホームページにも整骨や整体、サプリメントなどには明確なエビデンスがないと注意喚起を行っています。

鍼灸治療に関しても改善したという報告はありますがエビデンスと呼べるほどの根拠はありません。ですので期待しすぎることなく、また病院に行くのをやめて「代替医療や鍼灸にすべてをかける」といったスタンスで治療に臨むことはあまりお勧めしません。しかしながら私の実感としては鍼灸施術をやることで体調不良が改善したという声も多くやればよくなるという実感があります。

田無北口鍼灸院では漢方に精通している医師を紹介し連携しながら治療に当たり改善した実績もございます。その際は医師が漢方薬+標準治療の薬を処方し、また小児専門の医療機関を紹介し、田無北口鍼灸院では定期的に鍼灸施術で自律神経のバランスを整えるという形をとりました。最善の方法を提案しますのでお困りの方はぜひ一度ご相談ください。

(3)施術代(中学生の場合)

初回:7150円 2回目以降:4950円

 

解説YouTube動画

介護福祉系の本・映画をみました。(映画:道草、本:異端の福祉)

↑ 感想を動画にしました。

田無北口鍼灸院の白石です。私は昔から読書が趣味で気になったことは調べる癖があります。最近は医療介護系に関心があって続けて本を読み、映画を見たためにこちらで紹介いたします。

本:異端の福祉 「重度訪問介護」をビジネスにした男 | 高浜 敏之

障害や重い病気(ALSなど)がある方が自宅で自立して生活するためには介護者が必要です。しかしまだまだ働き手も少なくまた制度自体が知られていないのが現状だそうです。

著者の高浜氏はもともと社会運動にもかかわっていたそうです。私もこの本で「日本における障碍者の権利・人権運動の歴史」を初めて知りました。(参考:障碍者施策の歴史と概要)医療の分野でも「患者の自己決定権」などの話はありますがなかなか理解されていないのが実情です。(日本の医療は先生にお任せ、の性質が強い)とは言え人権を無視するわけにもいきませんし厚労省は、医療や介護を施設から自宅・地域でという方針を打ち出しています。これから先の日本では国も予算を出し、人員を配置しなければいかない必ず必要とされていく分野なのでしょう。

映画:ドキュメンタリー「道草」

障害を持つ人々が地域でどのように生活しているのかをドキュメンタリータッチで描いた映画で大変勉強になりました。外に出かけられずイライラしてしまい暴れてしまうなどの問題行動を起こしてしまった障碍者の方が出てきました。認知症の方もそうなのですがこのような方には鍼治療やマッサージの介入が効果的だと思います。鍼灸やマッサージの治療は「お薬で落ち着かせる」というアプローチとはまた異なり直接触れながらコミュニケーションできます。痛みの解消だけではなく、神経の興奮や気持ちの不調(何となく元気が出ない、いらいらするなど)にもアプローチできるのです。私たちが役に立てる場面はたくさんありそうだなと思いながら映画を見ていました。地域の方々にも信頼されるような鍼灸を提供したいです。

、、、別件ですが、弊所田無北口鍼灸院についてですが、入口は車椅子が入れるように工夫してありますがトイレのバリアフリー化は実現出来ていません。医療に関わる人間として申し訳なく感じております。賃貸マンションの為改装できない事情がございます。ご理解くださいますと幸いです。アスタにバリアフリーのトイレがございます。事前にお伝えします。

よろしくお願い申し上げます。

YouTube動画:四十肩・五十肩の体操。セルフケアのコツ(アイロン体操ほか)

YOUTUBE原稿など含めこちらに掲載しておきます。動画は↑よりご覧ください。

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#四十肩 #五十肩  #セルフケア

<原稿>

皆様こんにちは。田無北口鍼灸院の白石です。動画をご視聴いただきありがとうございます。本日は四十肩・五十肩の体操。セルフケアのコツについてお話させてもらいます。

まず注意点なのですが四十肩・五十肩というのは俗称です。正式名称は「肩関節周囲炎」と言います。ほかにも「凍結肩」や「癒着性関節包炎」という場合もあるのですが、これらは原因も症状も様々です。また似たような症状が出る病気もたくさんあります。例えば肩周辺の骨の周りに石灰が沈着し炎症が起きている場合や腱板損傷と言って肩の内部組織が傷ついているケースもあります。参考1

そのような場合は夜間痛と言って夜寝ているときに目が覚めてしまうことも起こり、睡眠が邪魔されてしまう可能性もあります。生活の質が下がってしまうため痛みのコントロールで薬を飲むことなども重要です。

また腱板が損傷しているときは手術が必要になる場合もあります。「夜目が覚めてしまう」、「痛みが強くて自転車に乗れない」といった場合はまずは病院へ行って診断してもらったり、薬をもらって痛みを安定させることをお勧めします。

病院の治療と併用しながら鍼治療をやったりセルフケアをするのはたいていの場合できますが、基本的にセルフケアは痛みが強い場合はやるべきではないです。また「ある程度まで」しかできないことも多いため限界を理解することが大事です。何かあればご自身がみてもらってる病院のお医者さんなど専門家に相談することも忘れないでください。

■四十肩・五十肩の痛みはどこに出るか?

痛みは烏口突起周辺の出ることが多いです。これは私が臨床をしていてもよく見る箇所なのですが理学療法のガイドラインにも記載がありました。参考2

他にも肩の横(上腕二頭筋腱)や後ろの肩甲骨周辺に痛みが出たりします。

痛みがあると肩を動かせなくなったりします。

■実際のやり方

では実践に入りたいと思います。今日は「アイロン体操」(振り子体操)を紹介します。アイロンを持ってやってもいいですがペットボトルでもダンベルでもなんでもいいです。1キロ程度の重りのものを持ってやるといいでしょう。これは痛みがある程度おさまった時期に行ないます。痛みが強い時期や炎症がある場合は行わないようにしましょう。

1 太股の付け根ほどの高さのテーブル等に、痛まない程度の角度で少し前かがみになります。

2 痛くない方の手を、テーブルについて支えます。

3 痛む側の手で、重り(1kgくらい)を持ち、肩の力を抜いてたらします。★腕全体を脱力するよう意識してください。

4 前後、左右、円運動を、それぞれ10往復を1セットとし、最初は無理をせず1日1回。 なれてきたら、徐々に回数を増やしまた、傾斜(前かがみ)も深くします。

■なぜこの体操が良いのか?

固くなった軟部組織(関節包や肩関節腱板)をストレッチするのが良いのです。肩甲骨と上腕骨の関節運動を円滑にします。

■ほかにできるセルフケア

NHKに動画が紹介されているのでそちらをご覧ください。参考3

 

参考1:日本整形外科学会:五十肩(肩関節周囲炎)

参考2:肩関節周囲炎 理学療法診療ガイドライン

参考3:NHK 五十肩を治す体操・ストレッチ 症状をやわらげるセルフケア

 

 

骨坐骨神経痛、腰椎椎間板ヘルニア、腰痛症などの慢性症状も「治療に集中する環境を作ること」が大切。

弊所で施術を行っていますと

・ どんどん良くなる方

・ あまりよくならず長引いてしまう方

とがいらっしゃいます。もちろん症状や状況にもよりますが本日は「同じような症状で」と仮定しなぜ治りやすい方となかなか治らない方がいるのか?原因をまとめていきたいと思います。

原因1、治療に集中する環境が作れていない

あくまでも例なので坐骨神経痛や腰痛など何でもいいのですが早くよくなる方というのは遊びやご自身の予定は控え治療に集中します。治したいというモチベ―ションも高いためにしっかりと通院してくださり積極的なためにどんどん良くなっていきます。逆にモチベーションが低い方はこれまでと同じ生活をしようとし遊びや仕事が優先となってしまい結果的にあまり通院もできずよくならないことも多いのです。

原因その2、こちらの生活指導を守れていない

上記の内容と重なる部分もありますが治療を行う上で大切なことはご本人の「意思」も大きいです。体調を良くしたい方はしっかりとこちらのいうことも守ってくださいます。

・ 禁酒

・ 運動、スポーツの制限

・ 入浴  など・・・

生活習慣を変えることは大変かもしれませんがこれまでと同じように生活しリハビリは病院や治療院任せ、という態度ではやはり良くなるものもよくなっていきません。

原因その3、何かほかの原因がある。

一例をあげますと

・ ご本人はただの肩こりだと思っていたら内臓疾患だった。

・ 精密検査を勧めたら椎間板ヘルニアが見つかった。

・・・というようなケースです。このような場合は何度か施術を行い経過観察をすることである程度判断がつきます。*変化がない場合、又は悪化している場合もしくはご本人の不安がある場合なは病院での検査・診察もオススメします。紹介状も書きます。お気軽にご相談ください。

病院でも治療院でも治療者側と患者さん側が協力し、ケガや病気を浴していく姿勢が大切です。今よりも体調を良くしたい方は目的・熱意をもって施術を受けることをオススメします。そうしなければ時間もお金ももったいないです。一緒に頑張って体調をよくしていきましょう。

田無北口鍼灸院はどんな治療院か?どんな活動をしているのか?というお話。

(1)コンセプトや今の世の中の課題

田無北口鍼灸院のコンセプトは「病院で解決できない問題を解決する」ということです。どういうことか??少し細かく説明していきます。日本の医療は本当に素晴らしいと思います。国民皆保険制度により安価で様々な治療が受けられます。しかしながらすべての疾患が薬や病院の保険診療で解決されるわけではありません。一例をあげると筋緊張から生じた痛みやしびれを伴うものや自律神経失調症と言われる状態生活習慣から生じるものや機能障害など・・・。

西洋医学やお薬による治療ではなかなか改善しないことも多いのです。これは病院の治療がダメだという意味ではありません。鍼灸院・病院はそれぞれ得意不得意があります。体調不良で悩んでいる方はそれらの特性も知る機会がないでしょうしどうしたらいいのかわからない状態であることが多くその不安が体調悪化を引き起こしている場合もあります。。

弊所はしっかりカウンセリングを行いどうすれば良くなるのか?道筋をしっかりお伝えしています。また緊急性が疑われる場合や弊所ではなく病院に行ったほうが良い場合などはすぐに病院を紹介します。弊所で施術をしないほうがいいと思われる場合は施術を行わないこともあります。

(2)田無北口鍼灸院のミッション(使命)

今現在インターネットを開けばたくさんの医療情報が出てきますし街を歩けば様々な病院や鍼灸院、接骨院、リラクゼーションサロンなど本当に数えきれないくらい沢山の施設があります。多すぎる情報や施設はかえって患者さんを悩ませてしまい問題解決が遠のくことも少なくありません。

例えば腰が痛いとき

・ 病院に行くべき?

・ マッサージ?

・ 鍼灸院?

・ 接骨院?

など様々な選択肢があります。対策方法もネットを調べれば沢山出てきます。

・ ストレッチ

・ 温める

・ 冷やす

・ 安静にする

多すぎる情報のなかで何を手掛かりにすればいいのでしょうか?精査するだけでも大変なのに腰痛は改善されるでしょうか?そして、これだけ施設や情報が増えたにもかかわらず腰痛で悩む方は減っているのでしょうか?様々な疑問が浮かび上がります。一口に腰痛といっても状況が異なれば対策方法も違うため自己判断では解決が難しい場合があります。弊所ではしっかりとカウンセリングを行いその方の状況に応じた情報を提供し最速で問題解決することをミッションとしております。

西洋医学や薬物療法では対処しきれないこともたくさんあります。弊所ではその穴を埋めたり補うことをモットーにしています。このような考え方を補完代替医療といいます。補いあう関係を理想とします。また鍼灸という手で実際に触りながら不調の方を癒していくタッチセラピーを遠して人と人の心が触れ合う温かい社会の実現にも寄与したいと考えています。現代社会はどうしても効率化重視でありまた人のつながりも希薄なものになってしまっているように感じます。鍼灸を通し患者さんに対し本音で語りかけ温かい関係を作っていきたいとも考えます。

(3)私がこのような活動をしている理由

もともと私は交通事故の被害に遭ってしまった方に制度の仕組みや病院の通い方などを教える活動をしていました。そこで制度や仕組みを理解し使いこなすのが難しい。という問題を感じていました。交通事故の被害者の方も様々な問題を抱えますが慢性疾患でお悩みの方や体調不良でお悩みの方も実はどうしていいかわからず悩んでいる方が少なくありません。

一例をあげますと自律神経失調症の方などは「病院に行って検査をしたけど異常なし、けど辛い症状が続いている」という状態で悩んでいることもあります。これらは病気ではなくストレスや機能低下の問題なので薬では解決しません。

 

まずはそれらのことをお伝えするだけでも悩んでいる方は解決の糸口が見えるために明るくなることも多いのです。繰り返しになりますが日本の医療は素晴らしいです。けれども必ず制度の中では救えない人、困ってしまう方は出てしまうのです。その漏れてしまった人を助けること社会の隙間を埋めることが自分の役割だと思っています。お気軽にご相談ください。

 

YouTube動画:健康になりたければ筋トレはするな!

YOUTUBE原稿など含めこちらに掲載しておきます。動画は↑よりご覧ください。

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#筋トレ #健康法 #セルフケア

<原稿>

皆様こんにちは。田無北口鍼灸院の白石です。動画をご視聴いただきありがとうございます。本日は「健康になりたければ、筋トレはするな!」についてお話させてもらいます。少し煽り気味のタイトルですいません。これも結論から先に言っちゃいます。当たり前の話かもしれません。

「健康になりたければ、筋トレはやりすぎるな!」という意味です。

基本的に筋トレは身体によいですし死亡・疾病リスクが減少したという論文もあります。しかしその論文の中にも「やりすぎるとよくない」というデータも出てきます。また筋力トレーニングといっても色々あるのですがここでやるな、というのは「大きな負荷をかけすぎる筋力トレーニング」、の意味です。筋トレをする人の特性・特徴についてもお話していきます。

 

■筋トレで死亡・疾病リスクが減少という論文から解説

筋トレそのものは身体によいという研究データがあります。

「筋トレ活動は主要な非感染性疾患の低い発症リスクおよび死亡率と関連する:コホート研究のシステマティックレビューおよびメタ解析」

東北大学や早稲田大学の先生による解析研究。British Journal of Sports Medicineという権威がある学術雑誌に掲載されたそうです。

内容は以下です。

18歳以上の成人を対象に筋トレと疾病および死亡との関連を長期的に検討した研究についてシステマティックレビューを実施しました(計1252件)分析対象となった疾患は、心血管疾患(計9件)、がん(計7件)、糖尿病(計5件)、部位別のがん(=肺がん、膵臓がん、結腸がん、膀胱がん、腎臓がん、それぞれ計2件)、さらに、死因を問わない死亡(=総死亡、計8件)でした。

結果は以下です。

30~60分の実施で最もリスクが低くなった一方で(約10~20%のリスク減少)、週130〜140分を超えてくると筋トレの好影響は消失し、むしろリスクが高くなることが判明しました。糖尿病については、実施時間が長ければ長いほどリスクが低い結果となりました。

やりすぎると逆効果だけど基本的には病気の予防になりますよ、という結果が出た。

 

■しかし・・・鍼灸師の私が筋トレは勧めないその3つの理由

・過緊張の人に向かないから

時間をかけてゆっくりできる運動を勧めてます。ゆっくりインナーマッスルを動かすトレーニングもありますがあまりやりたがらない人が多い・・・。地味な動き。

・筋トレはやりすぎるか、さぼりがちになりがち

やった感が出るのは思いっきり負荷をかける事、なのでどうしてもやりすぎてしまう傾向になる。もしくは苦痛を伴うのついついさぼりがちになってしまう。

・効率的に運動しようとしないでほしいから

筋トレはどうしても「効率よく負荷をかける」という発想になりがち。かっこいい体型になるために筋トレをするなら良いけど、力を抜くことが目的の場合はそれは違う。

 

■ 楽しく続けられるもの、長続きするものを

田無北口鍼灸院でもセルフケアに運動をした方がいいか?よく聞かれるのですが正直筋トレは勧めづらいです。理由は先ほどお話したような感じです。ヨガや水泳などを勧めています。時間をかけてゆっくりゆっくりと緊張をとる習慣を作るのが大切。*水泳はケータイ触らなくなります。

もちろん筋トレだって楽しくやる方法もありますし、すべてを否定しているわけではありません。ただやりすぎて痛めてしまうこと、セルフケアとしては難しいことも事実で勧めづらいということです。

YouTube動画:生活保護医療券、交通事故自賠責保険、労災保険などを使えないよう妨害された??!相談先は?

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#労災 #交通事故 #生活保護

<原稿>

皆様こんにちは。田無北口鍼灸院の白石です。動画をご視聴いただきありがとうございます。本日は「生活保護医療券、交通事故自賠責保険、労災保険などを使えないよう妨害された??!相談先は?」という内容でお話させてもらいます。これも少し煽り気味のタイトルですいません。これは結論から先に言っちゃいます。当たり前の話かもしれません。

妨害されたというよりは何かしらの行き違いがあった。

という可能性が高いです。ただ中にはコミュニケーション能力や知識レベルが低い担当者もいないわけではありません。しかし喧嘩をすることはあまり得策ではありませんので担当者ともうまくやることをお勧めしています。そして生活保護制度に労災保険制度にしろ、すべての要望に応えられるわけではないのです。ですのでルールに沿った形で、冷静に対応したほうがいいかもしれません。

 

■誰に妨害されてると感じる?

誰から妨害されたか?

交通事故の場合は相手保険会社、労災の場合は会社の担当者、生活保護医療券の場合は市区町村担当者。

 

■なぜ?妨害されているという被害者意識を持ちやすいか?

基本的には「知識の差」があります。担当者の方が知識があれば「上から目線だ」と感じてしまうこともある。

生活保護を受けている方

働きたくても働けない、体調が悪い、精神疾患持っているなど

 

労災や交通事故にあってしまった方

体調が悪い・痛い、被害者である。など。

 

■実例

生活保護の医療券で鍼灸治療を受ける事を希望していた方が市役所とうまく連絡が取れないことにイライラしていた。交通事故の被害者になってしまった方が相手保険会社に対して怒っていた。こういった話はよくよく聞いてみるときっかけがあったりします。

例えば・・・すぐ連絡する→連絡をくれなかった。担当者が不在だから折り返す→折り返してくれなかった。そのような些細なこと。

けどこういった些細なことが体調が悪い人やけがをしている人にとっては本当にダメージになってしまうことがある。

 

 

■外部の相談先もお伝えしておきます

労災に関すること

労働基準監督署

 

そんぽADR、外資保険の場合は一般社団法人保険オンブズマン、弁護士など

 

生活保護制度に関すること

生活福祉課以外だと「市議会議員」に相談するという方法もある。市議会議員が協力してくれれば審査が通りやすくなることはないが状況が整理されることがある。

治療に関することであれば田無北口鍼灸院に相談してもらっても構いません。

 

■実際の担当者とやりとりを公開します。

プライバシーに配慮し音声は加工し、プライバシーに配慮し個人情報などはすべてカットしています。

担当者があまり知識がない事例です。患者さんが困って私に相談してきたのですが私が問題点を指摘しています。

鍼灸院で施術を受けるには一度、整形外科に行かなくてはいけないという話が出ていますが必ずしもそうではないです。医師が必要と認めれば問題がなく申請が通ります。これは根拠もあります。しかし、私たちはそれを非難するのではなく冷静に、お話をお伝えしカバーするような役割を果たしたいと考えています。私たちが話を伺うことで怒りの緩衝材になれば冷静になれることもあるでしょう。

YouTube動画:コロナ後遺症の治療費が無料になる?鍼灸治療費も出る?!

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#コロナ後遺症 #鍼灸治療 #COVI19

<原稿>

皆様こんにちは。田無北口鍼灸院の白石です。動画をご視聴いただきありがとうございます。本日は「コロナ後遺症の治療費が無料になる?鍼灸治療費も出る?!」についてお話させてもらいます。少し煽り気味のタイトルですいません。これは正確に言えば「労災として認められたら鍼灸治療含めた医療費が保険から全額降りる可能性がある」という意味です。

コロナ後遺症といわれる状態で困っている方はとても多く、田無北口鍼灸院にも相談にいらっしゃる方が数多くいます。長期にわたる疾患で仕事が出来なくなってしまう方もいらっしゃるため、治療費や休業補償などお金の話題は避けて通れません。休業補償や後遺症が残存した場合の補償については弁護士さんなどに相談することになるのでしょうが

コロナ後遺症に伴う鍼灸治療費は労災保険から出るか?について。

ですが、結論から申し上げますと「労災が認められれば出る可能性が高い」です。また労災が認めれれるには「業務との関連性があれば」というのが条件になります。詳しくお話していきます。

 

■ コロナ後遺症とは?

このチャンネルでも何度も触れてますし、すでにご存じの方も多いと思うので詳しくは厚生労働省のページをご覧ください。

代表的な罹患後症状は、疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、喀痰、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下などがあります。また、罹患後症状は、罹患してすぐの時期から持続する症状、回復した後に新たに出現する症状、症状が消失した後に再び生じる症状の全般をさしています。

 

■ コロナ後遺症に伴う問題点は?

3つに分けてお話します。 

1.原因が不明、複雑系、長引く傾向

2.診断基準がはっきりしない問題

診断書書いてくれない問題もある。

一例

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG096CH0Z00C21A3000000/

3.患者さん不安になる

高額なサプリメントなどでも藁にも縋る気持ちで手を出してしまう。

不確かなアヤシイ情報に振り回されてしまう。などの問題が起こります。まずは行政の情報から知るのが得策です。信じられない状態になるのも、わかりますがアヤシイ情報は見ないようにしましょう。

 

■これらの問題があると、どういう事が起こる?

「あの先生のところ行けば診断書書いてもらえた」、「あそこへ行けば治った」など。

混乱する。クリニックや鍼灸院など、一部に集中する。

 

補償問題。どうする?

労災保険を認めようとする動きがある。

2022年の5月12日厚労省の通達で明言 ただし簡単では無いはず。弁護士、社労士など手を挙げる?NHKでも報じられた

労災認定されると、、、

約1年間は治療費が労災保険支払いになる。症状が残った場合でも認められると補償対象にらなる。詳しくは触れませんが休業補償などもある。社労士や弁護士に。

夏休み中、帰省中にコロナに感染した、というように明らかに業務と関係ない場合には労災保険の適用になりませんが通勤災害なども労災保険の対象になります。労災保険に加入している方なら当てはまる可能性があります。

 

■労災保険を使って鍼灸治療を受けるには?

・ その鍼灸院が労災指定鍼灸院になっていれば窓口での支払い(立て替え)をしなくてよい。田無北口鍼灸院は労災指定鍼灸院ですが、事前に確認しておいた方が良いでしょう。

手順

1.会社に申請

2.医師の同意を得る

診断書をもらうための所定の用紙がある。診鍼様式第1号

*参考 香川県鍼灸師会

 

他にも「施術効果の評価表」を定期的に出す必要がある。

3.労災保険の判断

申請すれば必ず認められるというわけではなく最終的には労災保険を管轄する労働基準監督署の判断となります。

 

もしも、労災保険を使って治療してみたいという方はぜひ一度、早い段階で田無北口鍼灸院にご相談ください。

YouTube動画:鍼灸治療の強み・弱みについてお話します。

YOUTUBE原稿など含めこちらに掲載しておきます。動画は↑よりご覧ください。

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<原稿>
皆様こんにちは。田無北口鍼灸院の白石です。動画をご視聴いただきありがとうございます。本日は「鍼灸治療の強みと弱み」についてお話させてもらいます。
■なぜ強みと弱みについて語るのか?
鍼灸治療のことはほとんどの人が知っていると思いますが、いまだに治療を受けたことがない方もたくさん居らっしゃると思います。そのような人にとっては具体的に
「何がすごいの?」、「どんな人に役に立つの?」、「どういったケースで有効なの?」
ということが、あまりよく知られていないのではないでしょうか。また強み(良い話)ばかりを一方的に発信するのはフェアではないので弱みについても少しお話させていただきます。
■日本の病院は西洋医学中心、お薬中心の医療になる理由
日本だけではなく先進国はどこでもそうなのですが、お薬中心の西洋医学の医療になります。これは製薬会社の陰謀とかではなく理由があるのです。お薬による治療が有効性と安全性が明らかでもっともよくなる確率が高いからです。また同じお薬であれば処方するドクターによって大きく効果が変わることは考えられません。
一方で鍼灸治療などは東洋医学と呼ばれ個別性を大事にします。やる人によって内容も効果も変わってしまうのです。
そのような合理性の観点から日本を含む先進国の多くの国では西洋医学が通常医療であり、お薬中心の医療となっていますが、西洋医学が優れていて東洋医学が下という意味ではありません。西洋医学のお薬でも、苦手な分野、治りにくい・効果が出ずらい分野があるのです。
例えば体質による病気、ストレスによる病気、加齢による病気などです。
例えば筋肉の緊張が強く頭痛や自律神経の不調が起こっている場合、これは痛みを抑える薬だけではなかなかよくならないでしょう。
仕事のストレスによってうつ状態になってしまった場合もそうです。根本的なストレスを解決しない事にはなかなかよくならないかもしれません。
お年寄りの膝の痛みなど、加齢による問題もお薬だけでよくすることは難しく筋力トレーニングやリハビリなどの方法も必要となる場合は多いのではないでしょうか?また老化現象による痛みなどは完治というより悪化を遅らせる事やケアが治療の目的になるかも知れません。
これらは、東洋医学の方が得意な場合も多くあるのです。あくまでも特性の違いだと考えてください。
■(それでは)鍼灸の強みについて
三つに分けお話します。
1.薬以外の選択肢になれる
例えばお年寄りなどは持病をたくさん抱えていて「薬を増やしたくない」という希望があるケースがあります。血圧の薬を飲んで、血栓を溶かす薬を飲んで、糖尿病の薬を飲んで、、、みたいな状況です。鍼灸治療であれば薬以外の選択肢となれるためこれ以上薬を増やす必要がありません。
2.緊張をとることが出来るため痛みや不定愁訴に効果的
緊張をとる薬、はあまりなくこの分野に関しては鍼治療やマッサージなどが強いです。
また痛みや不定愁訴に関しても同様です。薬でコントロールできる痛みもあればコントロールしづらい痛みもあるのです。不定愁訴に関しては精神的なもの、感じ方や捉え方も大きく関係するため薬だけで解決するのが難しいことも多いでしょう。そのような場合に鍼治療が一つの選択肢となります。
鍼治療は癒しにも治療にもなる事が出来ます。
癒しとは・・・・
治療とは・・・・
現代医学的な診断カテゴリーに当てはまらない不調も鍼灸治療ならば対応することが可能です。
3.長い間、世界中で行われているためエビデンスが豊富
安全性と効果は歴史が証明しているといっても過言ではありませんが最近では世界各国から研究論文の報告も上がってきています。
★コクランレビューでも肯定的なものもあり。慢性腰痛、緊張型頭痛、頸部障害など。
鍼灸の弱みについて
1.薬と違って施術者の力量で差が出る
→新人とベテランで差が出てしまう。薬も処方によってはそのようなことがあり得るのである意味では仕方なし。刺激(介入)を一定にできないためにエビデンスが低く見積もられがち。
2,怖い場合のノセボ反応
→悪い反応が出やすくなってしまう
3,自費中心
→保険診療は一部だけで、かつ医師の同意がいる。
■まとめ
選択の順序の順序を知ることが大切です。
まずは病院へ。費用の観点から考えてもそれが合理的です。お薬がだめだという意味ではないし、何でもかんでも鍼治療がいいということでもないでしょう。まずは病院へ行き西洋医学的な治療を受けることも大切です。厚生労働省も「統合医療のあり方に関する検討会」で現代医学を中心に、東洋医学などは補完的な利用を推奨しています。(参考)鍼灸治療は補完的に上手に使うことが良いでしょう。
参考文献
池田光穂 癒しの文化人類学
統合医療のあり方に関する検討会 これまでの議論の整理

YouTube動画:鍼灸院でお話をしっかり聞かせてもらうこと(傾聴)の重要性についてお話します。

YOUTUBE原稿など含めこちらに掲載しておきます。動画は↑よりご覧ください。

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傾聴 カウンセリング 東洋医学 自律神経失調症 鬱 うつ状態 適応障害 メンタルヘルス 鍼灸
<原稿>
皆様こんにちは。田無北口鍼灸院の白石です。動画をご視聴いただきありがとうございます。本日は私が鍼灸院で実践している傾聴、すなわちお話をしっかり聞かせてもらうことの重要性についてお話させてもらいます。
■傾聴とは?
傾聴とは何でしょうか?厚生労働省の監修する、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」でも積極的傾聴という言葉が紹介されています。

「積極的傾聴(Active Listening)」とは、米国の心理学者でカウンセリングの大家であるカール・ロジャーズ(Carl Rogers)によって提唱されました。ロジャーズは、自らがカウンセリングを行った多くの事例(クライエント)を分析し、カウンセリングが有効であった事例に共通していた、聴く側の3要素として「共感的理解」、「無条件の肯定的関心」、「自己一致」をあげ、これらの人間尊重の態度に基づくカウンセリングを提唱しました。

ロジャーズの3原則

1.共感的理解 (empathy, empathic understanding)
相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。

2.無条件の肯定的関心 (unconditional positive regard)
相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。そのことによって、話し手は安心して話ができる。

3.自己一致 (congruence)
聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する。分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反する。

1.2は家族に対して話を聞くような態度で臨むのが分かりやすいかもしれません。3,に関しては分からないことをわからないままにせず、しっかり深堀インタビューするようなイメージでしょうか?自分が新聞記者になったような感じで、かつ相手を攻めない姿勢で臨むのが良いでしょう?
■なぜ鍼灸院で傾聴することが重要か?
3つに分けてご説明します
1,医療機関ではあまり話を聞いてもらえないことがあるから
病院やクリニックの医療機関は重大な病気が隠れていないか?などを重視した診察になることが多いです。また抱えている患者さんも多く忙しすぎるため、一人ひとりにそこまで時間を割てないことがあるのです。ですので病院やクリニックでは話を聞いてもらえないことも多くあるのです。
2,病気が隠れていることもあるから
話を聞くことで大きな病気が隠れていないか?わかることがあります。今まで見逃されていた病気などの存在に気が付くことがあるのです。生活や趣味なども含めて話を聞くことでヒントになることもあります。たとえば、今までできていた編み物の作業が出来なくなった、などです。
3,コミュニケーションが患者の健康アウトカムや満足度にも影響することが指摘されているから(参考)
単純に自分の話を聞いてもらったら誰でもうれしいですよね。メモを取りながら話を聞くことで、何度も同じ話をきかないよう注意していますが、メモをとることに夢中になって相手の目を見ない、などの状況に陥らないようには注意しています。
参考文献
DEBLA L.ROTER&JUDITHA.HALL「患者と医師のコミュニケーション」(篠原出版新社)
山口創 皮膚感覚と脳 (日本東洋医学系物理療法学会誌 第 42 巻 2 号)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsop/42/2/42_9/_pdf

「予測が立たない時代の治りづらい疾患」に鍼灸院が提供できること。

慢性腰痛や、鬱状態、自律神経失調症、コロナ後遺症など原因が複雑で、予測が立ちづらく、治りづらい疾患が増え続けています。鍼灸院ではタッチセラピーで安心感を与え、またその人の個別性にフォーカスし問題を整理したり、問題解決のためのお手伝いが出来ます。そのためどこへ行っても良くならない人を良くする事が出来ます。

不確実性や複雑性を表す言葉、VUCA(ブーカ)とは?

90年代に軍事用語として生まれビジネス領域で広がって、2016年のダポス会議で使われひろくひられるようになった言葉です。以下の4つのキーワードの頭文字をつなげた言葉です。

Volatility(変動制):テクノロジーがかつてないスピードで進化していて急速な変化が社会に生じている状況。便利な一方情報共有におけるリスクのバランスなどが十分にわかっていない。

Uncertainty(不確実性):数か月後や数年後にどうなっているかわからない状況。組織の統廃合が進み、盤石な組織が今後も続くかどうかが分からない。

Complexity(複雑性):問題に対処しようとしても様座な要因がありすぐに解決できない。あるいはこれまでの方法では解決できない。因果関係でシンプルに解決できない問題が多い。

Ambiguity(曖昧性):物事の因果関係がはっきりせず前例がない中で先に進んでいかなければならない状況。これまでは前例があったり正解がはっきりしていたが多様な価値観の中で柔軟に取り組むことが求められている。(参考1)

元々は医療に特化した用語ではないのですが「医療におけるVUCA」も語られるようになってきました。

増え続ける治りづらい疾患、保健医療のパラダイムシフト

不確実性や複雑性、曖昧性が高い疾患は予測が立ちづらいため「治りづらい」といった特徴があります。鍼灸院でよく見かける疾患ですと鬱状態、コロナ後遺症、慢性疼痛(腰痛などの痛み)、老人退行性疾患、慢性疾患などが挙げられます。これらの疾患は体質やストレスも関係するために原因を一つに特定することが困難で「これをやれば必ず良くなる」とはなかなか言えないことが多いです。こうした疾患は現在でも多く、時代背景などからこれから考えても増えることはあっても減ることはないはずです。

厚生労働省は保健医療2035という提言書でこれからの社会と経済の変化に対応するために医療分野でも以下のような変化が必要であることを訴えています。(以下・写真参照)特に「患者の価値中心」や「キュア(治すこと)中心からケア(身体を労わること)中心」という考え方は重要です。今までの保険医療の考え方やバイオメディカルモデル(原因を特定して対処する医療のこと)では対応できないことが増えるからです。

鍼灸院だから出来ること

現在でも疾病構造の変化により治りづらい疾患は増え続けているため「病院にいったけど痛みが良くならなかった」、「病院では問題解決できなかった」という相談が鍼灸院にも数多く寄せられます。しかしこれは病院の先生や医療スタッフが悪いというよりも、今までのような保険医療制度や薬物療法だけでは解決できなかったというパターンが非常に多いのです。鍼灸院ではそのような方の不満や不安を解消し、通常医療の補完をすることが出来ます。

また現在においても「まずは病院へ」というのがオーソドックスな医療のかかり方でしょうがインターネットで病気や症状を検索する事で余計に迷ってしまいどうしたら良いか?誰に相談すれば良いか?わからない方は少なくないはずです。その方の個別性にフォーカスし、鍼灸治療をしながら鍼灸師とお話し、時間をかけてじっくり問題整理をすることも可能です。

医学的な診断がつかないのに不調が取れない場合(自律神経失調症や不定愁訴のような状態など)や、痛みや精神疾患など薬物療法ではあまり改善しない場合にも鍼灸治療がお役に立てることは多いのです。医学的な検査をした方がいいと判断される場合は病院に行くようアドバイスしたりもできます。

鍼灸治療はタッチセラピーであり、触れることで安心感を与えたりできます。また薬でないため相互作用を及ぼさない、薬が増えないなどのメリットがあるため補完医療としても優れています。ほとんどの場合で病院の治療やセルフケアなどとも併用出来ますので、何かあればお気軽にご相談ください。

参考

1:これからの倫理と看護(日本看護協会出版)