月: 2021年2月

    妊娠悪阻(つわり)に伴う唾液過多症状に関して。

    田無北口鍼灸院ではつわりで悩まれている方から相談をいただくことが多いです。「唾液過多」についての相談もいただくことがありますので少しまとめていきます。「唾液過多」とは唾が多く出てしまい困る状態のことを指します。現代医学的には、真性と仮性に分けて、真性では、反射性(生理的なもの、炎症性のものなど)、中枢性(脳炎、脳血管障害、神経毒物の蓄積、パーキンソン病等)、心因性原因。仮性では、口腔内の炎症や嚥下障害がある場合、妊娠悪阻に伴うものなどの原因を考えます。「妊娠悪阻に伴うもの」とはここで取り上げるつわりの一種、のことを指します。

    妊婦さんの唾液過多症状はなかなか改善する方法がとくになく唾を吐くためのペットボトルを持参しなくてはならないほど困る方もいらっしゃいます。東洋医学的には唾液の分泌異常は(妊娠に伴う)脾胃機能の失調、と考えることもできます。脈の状態や身体の状態などを診たうえで漢方薬で対処する方もいらっしゃいます。黄連解毒湯や、大柴胡湯、黄連湯などが処方されることが多いようです。鍼灸での改善も期待できます。鍼灸治療を行うと妊娠悪阻(つわり)に伴う唾液過多が改善するという明確なエビデンスや研究はありませんが症例報告改善報告は存在します。

    ですので、もしも妊婦さんが唾液過多症状で困ったらまずは医師(たいていは担当の産婦人科医)に相談し病的なものかどうか?確認が必要になります。病的なものでない、妊娠悪阻(つわり)に伴うもの、ストレス性といったものが鍼灸治療の対象になります。冷えや血行の改善、脾胃(消化器)、および自律神経の失調改善、緊張・ストレス緩和目的に施術を行います。鍼や灸をするとその場ですぐ改善するわけではないので田無北口鍼灸院で施術を行う場合はまずは5回ほど施術を行い、期限や目標を設定したうえで改善を目指していきます。

    鍼灸ではありませんがカイロプラクティック療法で妊娠悪阻(つわり症状)を改善させたという興味深いデータもあります施術を受けた115人のうち91人が改善。唾液の分泌過多症状も改善したようです。カイロプラクティックにより何らかの自律神経調整作用、緊張緩和作用などがあったため改善したのではないでしょうか。鍼灸でも似たようなアプローチをすることは可能です。以下詳細になります。興味があれば英語の論文もご覧ください。

    「妊娠症状に対する手動治療の有効性:妊娠症状の治療における手動治療の有用性」

    目的

    第1および第2トリメスター中の妊娠症状を軽減または排除する上での手動治療の有用性を判断すること。

    メソッド
    頸椎と胸椎の手動治療は、正常な妊娠中に妊娠症状を発症した115人の妊婦のグループで行われました。頸椎の​​回転牽引が適用された。治療が失敗した患者は、最低3日間の休止の後、2回目の治療を受けました。治療が最初は成功したが後に再発した患者も、全手順を繰り返した。この研究で分析された妊娠症状は、胸焼け、吐き気、嘔吐、めまい、頭痛、不眠症、首の痛み、嗅覚過敏、唾液分泌過多でした。

    結果
    手動治療は、91人(79.1%)の患者で妊娠症状の治療に成功し、22人(19.1%)で部分的に成功し、最初の治療後の2人の患者(1.7%)で失敗しました。2回目の治療後、合計56人の患者のうち、治療は40人(71.4%)で完全に成功し、14人(25%)で部分的に成功し、2人(3.6%)の患者で失敗しました。成功率が最も高かったのは、頭痛(97.3%)、嘔吐(95.9%)、めまい(94.5%)、悪心(92.9%)、首の痛み(92.9%)、不眠症(91.9%)、胸焼け(88.8%)、嗅覚過敏(78.5%)および唾液分泌過多(78%)。

    結論
    妊娠中の手技療法は、薬物を使用せず、病因があり、通常は非常に効果的な治療法です。これは、低コストで、迅速で、安全で、忍容性の高い妊娠症状の治療法であり、すぐに効果が得られることが多いため、妊娠症状の最適な治療法になります。

    「よくお話伺います」。目標を共有し明るい未来を作ります。~病院と鍼灸院の違いになどついて。

    この仕事をしていると常々思うことがあります。

    症状を改善させること、ももちろん大事ですがその方にとっての明るい未来を一緒に作り、提供することまでできたら最高だな、ということです。詳しくは以下・・・

    (1)病院と弊所の違い

    病院では医師がレントゲンなどの機器を使って診察します。病気や症状に対し薬を出してくれたりします。これは大切なことです。

    一方、弊所のような鍼灸治療院ではその方の生活習慣や癖などもお聞きし一人一人の症状に合わせた施術を行います。お話をよく伺ったうえで健康管理を行うお手伝いをするというとわかりやすいかもしれません。

    (2)鍼灸院での施術目的について

    また不快な症状や痛みをとるための施術も行いますが一番の目的は体質改善や考え方を変えることです。

    一例をあげますと以下です。

     

    ・ 深く寝れない

    → ぐっすり寝れるようになる。

    回復力が上がる。

     

    ・ 痛みやしびれがある

    → 血行をよくする。

    しびれ症状が改善される。

     

    などです。症状に対して直接きかせるというよりは結果的に症状が良くなる。ことも多いのです。もちろんゴールはそれぞれの方のライフスタイルにより異なります。初回のカウンセリングでよくお話を伺って相談しながら決めていきます。

     

    (3)不快な症状を取るよりもその方にとっての明るい未来を作るお手伝いをする。

    痛みを取り去ったり、症状を緩和させるのはもちろん大事なのですがそれよりも大切なことはその方の明るい未来を作るお手伝いをすることです。弊所を訪れる方は様々なことで悩んでいます。一例をあげますと・・・

    小さい子供の送り迎えを毎日しているママさん。自分が体調を悪いことを感じているが後回しになってしまっている。でも自分が倒れたら家のことも回らなくなってしまうかも。ついついことものことが気になり厳しく当たってしまう・・・

    弊所で施術を行いリラックスしてもらうことで緊張が取れ、回復。生活の質が上がりました。深く寝れるようになり体調がよくなったことで結果的にお子さんの送り迎えの心配もすることが少なくなった。

     

    これから就職を控える学生さん。頭痛の癖があり就職してからもこの頭痛に悩まされるかと思うと不安・・・

    弊所から病院紹介。検査の結果筋緊張が原因だということがわかる。弊所で鍼灸の施術を受け楽になったことで仕事に集中する環境が整った。

     

    パニック障害気味で会社を休んでいる方。仕事に復帰できるか不安・・・

    病院で治療を続けながら弊所で施術を行い症状が安定。会社に復帰し、今ではバリバリと仕事をこなすように。

     

    ・・・あくまでも一例ですが症状が改善したことにより明るい未来が手に入りました。私は鍼灸施術の仕事を通してこのような喜びを提供したいと常々考えています。症状を改善させることも

    当然大事ですがどうやって明るい未来を一緒に作っていくか?一緒に考えられたら本当によいです。