月: 2022年6月

    施術時の着替え・お水など

    施術の時のお着替えはお持ちしたほうがいいですか?と聞かれることがあるので書いておきます。弊所にてジャージや鍼灸用の服の用意がございますのでご利用ください。もちろんご自身で持参していただいても結構です。トワテック社の鍼灸着を使っています。背中が開いて鍼をしやすい仕様になってます。たまに「下着はとったほうがいいですか?」とご質問されることがあります。女性のブラジャーなどはとらなくて結構です。ただ下着で背中全体が覆われてしまう場合は脱いでいただくほうがよいかと思います。パンツは履いたままでお願いいたします。

    またウオーターサーバーの用意がございます。お水などを飲みたい方は施術中でも申し出てください。リラックスして施術を受けていただくことを心がけています。室内温度なども含め何かお気づきの点があればお気軽にお申し出ください。

    うつ病のセルフチェックと薬

    うつ病かどうかを判断するには専門家(医師など)の判断を仰ぐのが一番良いのですがまずはセルフチェックしたいという方のために簡易的なテストをご紹介します。うつ病のテストはハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)などが有名で検索するとオンライン上でテストできるサイトなどもでてきます。この検査では質問に対して答えが3から5個用意されておりうつ傾向の有無に加えて重症度の評価もできます。「ベック抑うつ尺度」も紹介しておきます。こちらも「ベック抑うつ尺度」検索するとオンライン上で得点が計算され評価がわかるものなどありますので興味がある方はご自身で調べてチェックしてみてください。セルフチェックはあくまでも目安ですので心配な方はまずは専門家にご相談ください。

    続いてうつ病で使用される薬に関しても紹介していきます。薬は再発を抑えるために症状がなくなったあともしばらく飲み続けることが多いです。自己判断で中止したりせず医師の指示に従い服用しましょう。鍼灸院では処方された薬について聞くことはありますが減薬の指示などはしません。不安な点などがあれば必ず医師に相談しましょう。

     

    (1)抗うつ薬

    薬物療法の中心となります。脳の中のセロトニンやノルアドレナリンの働きを高める目的で使用されます。いくつかのタイプがあり症状や状態により使い分けられます。

    分類名

    SSRI

    一般名

    セルトラリン、パロキセチン、フルボキサミン

    主な商品名

    ジェイゾロフト、パキシル、

    デプロメール、ルボックス

    特徴

    セロトニンの働きを強める。選択的セロトニン再取り込み阻害薬

     

    分類名

    SNRI

    一般名

    ミルナシプラン、デュロキセチン

    主な商品名

    トレドミン、サインバルタ

    特徴

    セロトニン・ノルアドレナリンの再取り込み阻害SSRIよりソフトな印象。サインバルタは慢性疼痛の患者さんなどにも使われます。

     

    分類名

    三環系

    一般名

    イミプラミン、アモキサピン、

    ドレスレピン、クロミブラミン

    主な商品名

    トフラニール、アモキサン

    プロチアデン、アナフラニール

    特徴

    最初に開発されたうつ病の薬。かつての主流薬。SSRIやSNRIが効かないとき使うことがある。

     

    分類名

    四環系

    一般名

    マプロチリン

    主な商品名

    ルジオミール

    特徴

    副作用・効果ともにあまり大きくないとされる。

     

    分類名

    NaSSA

    一般名

    ミルタザピン

    主な商品名

    リフレックス

    特徴

    新しい薬でノルアドレナリン作動性特異的セロトニン作動性抗うつ薬。

     

    分類名

    その他

    一般名

    スルピリド

    主な商品名

    スルピリド、ドグマチール

    特徴

    ドーパミンに作用。軽症の際使われる場合がある。

     

    分類名

    その他

    一般名

    トラゾドン

    主な商品名

    レスリン

    特徴

    セロトニン遮断・再取り込み阻害薬。鎮静作用があるがやや弱い。

     

    (2)気分安定薬

    リチウム

    (商品名:リーマス)

    躁やうつの波をなくす。有効性が多いが副作用も多い。

     

    バルプロ酸

    (商品名:デパケン・バレリン)

    抗けいれん薬。躁を抑える。

    うつに対してはリチウムより効きが弱い。

     

    カルバマゼピン

    (商品名:テグレトール・テレスミン)

    元は抗けいれん薬「。躁を抑える。

    鎮静作用。

     

    (3)その他

    抗不安薬:不安や緊張が強い場合に抗うつ薬と併用することがある。依存性があるため長期感は使用しない。デパスやソラナックスなど。

     

    抗精神病薬:自殺の恐れや強い不安焦燥感・幻覚がある場合の対処療法として使用する。最近では気分安定薬として使われることもある。

     

    睡眠薬:眠れない場合に使用される。

     

    (4)主な副作用について

    上記のような薬には副作用もあります。例を挙げておきます。

    抗うつ薬

    1、SSRI

    胃腸障害、中枢神経興奮作用(イライラなど)性欲低下、頭痛、食欲不振、セロトニン症候群、アクティベーション症候群など

    2、SNRI

    薬それぞれで出方が異なる。共通するものとしてめまい、不安、排尿障害など。前立腺肥大の人が使うと尿が出にくくなる。SSRIと同じような副作用もある。

    3、三環系

    便秘、口渇、立ちくらみ、動機など。体重増加、性機能障害、尿の出が悪くなる。目のかすみなど。

    4、四環系

    上記、三環系と同じだが少し軽いとされる。眠気。

    5、NaSSA

    眠気。口渇。倦怠感、便秘、めまい。パーキンソン病薬のセレギリントは併用できない。

    6、その他

    スルピリドは肥満や生理不順が出やすい。

     

    気分安定剤

    リチウム:

    中毒症状を起こすことがある。過剰に飲むと意識障害やけいれんのリスク。血中濃度を確認するために血液検査を行う必要がある。

    バルプロ酸:

    貧血、白血球の減少、肝臓障害血液検査が必要。

    カルバマゼピン:

    発疹、ふらつき、アレルギーなど。

     

    抗不安薬

    ねむけ・ふらつき・依存

     

    抗精神薬

    肥満、糖尿のリスク、自律神経症状体の動きがスムーズでなくなる

    ★また精神疾患などによりマル障の医療証をお持ちの方は自己負担ゼロ円で鍼灸施術を受けらる可能性があります。ご相談ください。

    弾発股(だんぱつこ)と鍼灸治療

    股関節がコキコキ音が鳴ったり、痛む、引っ掛かりがある状態を弾発股と言います。弊所で施術や治療相談を行っていますと股関節の痛みが取れない、腰が痛い、股関節から音がするという相談をいただくことがあります。結論から言いますと股関節の痛みは様々な疾患も予想されます。自己判断せずまずは専門機関に行き診察を受けることをおススメします。その後、病院の治療で痛みが改善しない場合、鍼灸治療を並行しながら行うことをお勧めします。以下、弾発股と呼ばれる状態について詳しく解説していきます。

    (1)股関節の痛みはどんなものが考えられる?

    一口に股関節に痛みがある、といっても様々な原因が考えられます。一例ですが・・・

    ・ 臼蓋形成不全

    ・ 関節ねずみ

    ・ 変形性股関節症

    ・ 大腿骨頭壊疽

    ・ 腰椎椎間板ヘルニア

    ・ 子宮の病気(女性の場合)

    ・ 弾発股・・・など

    自己判断せずにまずは専門家に相談するのが良いでしょう。弊所でも相談に応じられます。

    いつから痛いのか?

    どのように痛いのか?

    どうすると痛いのか?

    など細かくお話を聞かせてもらったうえでどうすればよいのかお話させていただきます。レントゲンなどの画像診断がないとわからない場合もあるので必要な場合はすぐに病院に行くようオススメします。

    (2)弾発股とは??

    股関節を動かすと「コキコキ」「パキパキ」「クリクリ」などと音が鳴り引っかかりや痛みを感じる疾患です。原因としては股関節の動きによって大転子と腸脛靭帯が音とともにずれて生じます。

    股関節の内側で起こる内側型

    股関節の外側で起こる外側型

    とに分かれます。

    症状は股関節の痛みや引っかかりによる違和感を訴える方が多いです。

    (3)弾発股の治療法

    基本的に手術をすることはほとんどないので保存療法といって負担を減らす治療が中心となります。整形外科などでは痛みがあれば痛みを抑える薬物療法や消炎剤塗布などが選択されます。鍼灸の場合は股関節周辺の筋肉や靭帯を緩めて負担を減らすことができますのでしっかりと効果を感じていただけるかと思います。鍼であれば股関節の奥深くにアプローチできます。お困りの方はまずはご相談下さい。

    自律神経失調症の方へのカウンセリングシート

    田無北口鍼灸院では自律神経失調症やパニック障害うつ傾向で悩んでいる方に通常のカウンセリングシートとは別にカウンセリングシートをお渡しして質問を行っています。以下は質問内容の一部抜粋紹介です。実際に来所してもらったらもっと細かく質問していきます。自律神経症状が気になる方は以下のチェック項目に当てはまるかどうかやってみてください。耳鼻科領域(めまい・耳鳴り)でチェックがたくさんつく方はまずは耳鼻科に行き相談するのが良いでしょう。心療内科領域・内科領域も同じです。それぞれまずは病院で相談するのが良いかと思います。*鍼灸院では「病院に行ったが異常なし。だけどもいまいちスッキリしない」という方や「病院の治療にプラスして鍼灸治療をしたい」という方が対象になります。お問い合わせはこちら・・・またどの段階で病院に相談に行くべきか?迷う場合は遠慮なくご相談ください。

    <セルフチェック、質問内容>

    以下の質問に 

    はい か いいえ でお答えください。

    <耳鼻科領域>

    1  のみ込みにくいと感じたことがある。

    はい いいえ

    2  のどに違和感、又は何かつまっている感じがする。

    はい いいえ

    3  胃部の不快感、又は膨満感がある。

    はい いいえ

    4耳鳴りがする

    はい いいえ

    5めまいがする

    はい いいえ

    <内科領域>

    6  胃痛、又はみぞおちの痛みがある。

    はい いいえ

    7  嘔気(吐き気)がある。

    はい いいえ

    8  食欲不振がある。体重が減少している。

    はい いいえ

    9  下痢・軟便に悩まされている。

    はい いいえ

    10  便秘が何日も続く。

    はい いいえ

    11  便秘と下痢を繰り返す。

    はい いいえ

    12 便が出にくい、又は全部でない(残便感)

    はい いいえ

    <心療内科領域>

    13気分が落ち込む。気が滅入る。

    はい いいえ

    14 意欲・気力がない。

    はい いいえ

    15 不安(理由のない)

    はい いいえ

    16 体調不良で苦しい。

    はい いいえ

    17 イライラ・焦燥感がある。

    はい いいえ

    18 判断力、決断力低下。

    はい いいえ

    19 集中力低下。

    はい いいえ

    20 根気がない、仕事が続けられない。

    はい いいえ

    21理由のない悲しみ、いつも悲しく涙が出る。

    はい いいえ

    22 すべての事が虚しく感じられる。

    はい いいえ

    23しっかり眠れない

    はい いいえ

     

     

    <病院に行ってるかどうか?>

    病院へ行ったか?どのような検査を受けたか?

    どのような薬が処方されたか?

    どのような診断が出たか?

    なども細かく聞いていきます。

    また精密検査の情報も必ず聞きます。

    >>

    MRIやCTなどの

    精密検査は受けましたか?いつごろ受けましたか?
    MRI

    うけた ・ 受けていない

    CT

    うけた ・ 受けていない

     

    ・・・このほかにももう少し細かく質問させていただきます。詳細はスタッフまでお尋ねください。

     

    <実際に使用しているカウンセリングシート>

    参考までにご紹介します。

    慢性上咽頭炎、ヒステリー球症候群、梅核気(ばいかくき)、 咽中炙臠(いんちゅうしゃれん)

    結論から申し上げますと、慢性上咽頭炎に対しての鍼灸治療は「効果がある」ことが推測されますし、実際に当院でも症状が緩和した方が何人もいらっしゃいます。しかしながら慢性上咽頭炎と鍼灸治療の治療効果を検討した研究論文などはありませんしそういった意味ではエビデンスは弱いです。まずは専門の医師に相談し、併用する形で鍼灸治療を試したりまた、まずは医師の治療EAT(Bスポット治療)などを行い症状が残った部分を鍼灸治療や漢方治療に期待する補完代替的な付き合い方が現実的であると思います。またこの疾患自体、いまだ診断や治療が標準化されていない状況でいろんな解釈ができる病気であり、医師の見方によっては違う病名でいわれることもあるかもしれません。そのことを念頭に置きながら、どのように鍼灸治療を進めたらよいか?含めて解説していきます。

    1,慢性上咽頭炎の症状

    のどの違和感、痰がからむ、めまい、嘔気、胃の不快感、便通異常、全身倦怠感、うつ状態など

    2,似た病気

    自律神経失調症、ヒステリー球症候群、梅核気(ばいかくき)、 咽中炙臠(いんちゅうしゃれん)、慢性疲労症候群、など

    *梅核気、 咽中炙臠は漢方の概念でありそれらは漢方治療の得意分野でもあります。

    3,鍼灸治療を行う上での流れ

    「慢性上咽頭炎かな?」と思ったらまずは、専門のドクターを頼るのが良いのではないでしょうか? 研究団体、日本病巣疾患研究会はBスポット治療を推奨しており全国でこれらの治療が受けられる医療機関の情報も公開しています。またそれ以外にも漢方の得意分野であるために耳鼻科以外では漢方内科のドクターを頼るのも良いでしょう。「鍼灸治療だけ」でも症状が改善する可能性は大いにありますがまずは医療機関を頼ったり併用する形での治療をお勧めします。

    4,なぜ鍼灸が効くのか?

    慢性上咽頭炎の鍼灸治療を検討した研究論文などは見当たりませんが、弊所にいらっしゃった方の過去の症例からは鍼灸治療でよい結果が出ることは多いです。鍼灸は緊張緩和、ストレス緩和、自律神経調整作用、消炎鎮痛効果、血流改善効果などが期待できるためです。結局はストレスが原因の疾患である、と考えます。お困りの方は一度ご相談ください。弊所から病院を紹介することも可能です。

     

    ★参考

    日本病巣疾患研究会「慢性上咽頭炎

    足のしびれ・股関節の痛み改善例

    症状と改善例についてまとめていきます。・・・全員が同じように改善するわけではないと思いますが参考になれば幸いです。*プライバシーに配慮するため個人情報等、多少脚色してあります。弊所は痺れや痛み症状で悩む方も多く来所されます。整形外科に行ってもなかなか改善しないと訴える方もいます。(*医師とコミュニケーション不足であることが原因で治りづらくなっている場合もあります。弊所ではコミュニケーションのサポートもします。)痺れや痛み症状が強くても鍼灸を行うと改善することも多いです。

     

    お名前 

    中山弘道さま(仮名)

     

    58歳(施術当時)

    主な訴え 

    ・ 右股関節の痛み

    ・ 整形外科で腰椎椎間板ヘルニアの診断

    ・ 歩くと痛みが出るため

    やすみながら出ないと歩けない。

    → 杖をついて来所。

    (ご本人談)

     

    施術開始時期

    平成28年06月09日

    改善時期

    平成28年08月13日

    (週に1.2度程度。全10回の施術。)

    経過・状況など

    整形外科に行っていたが改善しなかった。痛みが強く辛かったのでペインクリニックにも行った。(ご本人談)

    医師とのコミュニケーション不足。整形外科での治療やメリットなども説明し整形外科への通院も続けるよう説明。納得してもらうが弊所で鍼灸の施術を受けたいとのこと。医師にお手紙にて状況報告し施術開始。

     

    (1)思い当たる原因

    自分でも身体のバランスが悪いことは感じている。仕事で出張など移動も多い。運動不足。(ご本人談)

     

    (2)弊所での施術・見解

    肥満傾向、運動不足。股関節の動きも悪く腰への負担も強い。まずは鍼灸の施術効果などについて説明する。鍼灸をするとヘルニアの部分がへこみ症状が緩和されるわけではない。

    ・ 筋肉の緊張をとる

    ・ 血流の促進

    ・ バランスの改善

    などの効果がありその結果、症状が改善される。緊張を取る方向で施術すると症状が緩和された例も多いと伝え腰の負担を減らしながら血流などを改善させる施術方針提案。受け入れてもらう。症状が強いため最初は週1・2度ほど通院してもらい様子を見てもらう。

     

    (3)経過・施術など

    第一回 平成28年06月09日

    腰周辺はあまり触らない。骨盤ベルトで股関節動きサポート。足全体の緊張を取る目的で

    ・ 鍼灸

    ・ 吸玉療法

    など行った。腰への負担軽減させる。また東洋医学的なバランスも考え手・足にもお灸を行った。冷やさないよう指導。痛みがあるうちは禁酒指導。

    第二回 平成28年06月13日

    第三回 平成28年06月18日

    あまり変化なし。引き続き緊張緩和とバランスを取る施術。

    第四回 平成28年06月23日

    第五回 平成28年06月30日

    改善傾向。まだ症状はあるものの歩くのも少し楽になってきた。

    第五回 平成28年07月05日

    第六回 平成28年07月12日

    第七回 平成28年07月20日

    第八回 平成28年07月29日

    改善傾向。やはり緊張を取っていきながら温める施術がイイみたい。冷房で足腰を冷やさないよう指導。睡眠の質も上がった。

    第九回 平成28年08月04日

    第十回 平成28年08月13日

    改善傾向のため施術中止。今後は体調メンテナンス目的の施術を勧める。自宅で股関節運動やストレッチも勧めた。

     

    (4)総括

    股関節が硬いことや運動不足など様々な要因が重なり症状が悪化していた。痛みやしびれが強いと生活に支障をきたしてしまいます。今後は悪くさせないように体調管理をしっかりと行いお身体をお大事にしてください。*ヘルニアそのものが治ったわけでないため体調管理がとても大事になってきます。

     

    今すぐ良くしたいなら手順が大切

    体調をよくするには「手順」が大切になります。そして「自己判断」は禁物です。本日はそのことについてまとめていきます。

    ・・・

    弊所で治療相談を行っていると不安やストレスを感じやすく自己判断傾向が強い方がまれにいらっしゃいます。そのような方は自分の感覚を一番先に信じますので「まだこれだけ痛みや症状が残っている」という思考や「すぐにこの不快感を取り除いてほしい」という思考に陥りやすいのです。

    そのことでどんなデメリットがあるのか?と申しますとそれは症状のみに気を取られている状態ですので何をやっても治療が続かなかったり自己判断で治療をやめてしまうので治療をしても解決しないことが多いのです。そのため結局は余計な費用や時間がかかることも多くなります。アスリートやスポーツ選手など今すぐ動きたい、動かなくてはいけない、という理由があるためこのような思考に陥りやすいことも多いです。また性格的に不安感が強かったり几帳面・完璧主義といわれる方もこのような思考に陥ることが多いです。

    しかしながら

    「今すぐ楽に」

    という自分の感覚を主にした判断は治療や医療とはまた違ったアプローチを求めていることにもなりかねません。おまじないやニセ医学に騙される危険性も出てきてしまいます。体調を良くしたかったら手順が大切となります。まずは自己判断ではなく病院で検査を受けて原因をハッキリさせることです。腰痛やしびれの問題でしたら整形外科などに行き場合によってはMRIなどの精密検査を受けることも必要になるかもしれません。検査の結果特に異常がないだけどもまだ症状が続いている、医師からは

    「病気などではなくストレスの問題」

    「筋緊張や神経絞扼(締め付け)の問題」

    といわれている場合などは鍼灸治療がお役に立てる場合が多いです。もちろん当院でも徒手検査といって(SLRテストなど)精密検査を受けなくても動きの中からある程度、痺れの原因を推測することはできます。結局のところ現在の状態ををハッキリさせないことには鍼灸でアプローチする際にも治療方針を立てられません。それからストレスや筋緊張、神経絞扼の問題ならば1回で痛みが取れることはありませんしどこで治療をしても何度か、何か月か期間がかかることがほとんどでしょう。良くならない方というのは自己判断で損をしてしまっていることが非常に多いのです。そこに至るまでにはもしかしたら病院で誤診をされたのかもしれないしなにか傷つくようなことを言われたのかもしれない。しかしながら良くならないでこれ以上損をするのは私でなくあなたです。自己判断は得策でないのですしやめたほうが良いです。医療従事者の話は信じてほしいと思います。また前述したようになかなか良くならない方や長い間痛みや苦しい症状でお悩みの方は自己判断を中心とした「認知の歪み」があることも多いです。

    どうせよくならない、

    信じても無駄だ、

    と思っていることもあるのです。そのような場合でも信頼関係が築けるよう最善はつくします。弊所ではまずはお話をよく伺いまた症状を把握し病院への通院歴や現在服用中のお薬など伺ったうえで改善までの計画を立てていきます。そして初回カウンセリング終了時に信頼関係が築けていない場合は施術をお断りすることもあります。納得してから治療を受けていただきます。ご不明な点や不安な点は遠慮なくお尋ねください。

    中高年の方のしびれ症状ご相談

    田無北口鍼灸院では「手や足にしびれが続いている。鍼灸をやれば治るか?」という相談も多いです。結論から言いますと絞扼障害・神経根圧迫などは鍼灸治療で改善することが多いです。ただ一口にしびれ(痺れ)といってもいろいろな原因で起こりますし緊急性がある場合もありえますので細かく解説してまいります。お困りの方の参考になれば幸いです。

    (1)末梢神経が原因で起こるしびれか?中枢神経が原因で起こるしびれか?

    わかりやすく説明するためにカンタンに分類します。ご了承ください

    中枢神経が原因で起こるもの:脳・脳幹・脊髄の障害が原因のものです。

    脳血管障害(脳梗塞,脳出血),脳腫瘍,多発性硬化症(脳,脊髄),脊髄腫瘍,脊髄空洞症,脊髄梗塞など脳や脊髄の障害される多くの疾患により.痺れがおこります。これらは緊急性があるものも多いので注意が必要です。

    末梢神経が原因で起こるもの:手足や大観の神経が原因のものです。

    少し詳しく見ていきましょう。まず神経線維の太さ・機能など。神経線維は以下のように分類されます。

    Gasserの分類
    直径(μm)
    伝導速度(m/S)
    主な機能
    有髄
    12 ~ 21
    70 ~ 100
    運動,筋固有知覚
    6 ~ 12
    40 ~ 70
    触覚,運動覚
    4 ~ 8
    15 ~ 40
    触覚,圧覚,筋紡錘円神経
    1 ~ 6
    5 ~ 15
    触覚,温覚,冷覚,圧覚
    B
    1 ~ 3
    3 ~ 14
    有髄節前,自律神経
    無髄
    C
    0.2 ~ 0.3
    0.2 ~ 2
    痛覚,温冷覚,節後自律
    ・・・

    Aαが運動神経線維,Aβが触覚神経線維,AδとC線維が痛覚神経線維,B線維は自律神経系の節前線維,Aδはチクチクした痛み,C線維はジーンとした痛みに関わり、触覚神経線維であるAβは,痛覚神経線維であるAδとCの活動性を抑制する機能があるといわれています。さらに細かく末梢神経障害を分類します。

    ・ 単神経障害

    手根管症候群(正中神経の障害)肘部管症候群(尺骨神経の障害)橈骨神経麻痺 など

    ・ 多発単神経障害

    血管炎症のニューロパチーが代表的。糖尿病でも見られます。局所の末梢神経栄養血管の血流障害によるもの。

    ・ ポリニューロパチ

    糖尿病性神経障害、自己免疫性の末梢神経障害など

    ・ ★ 神経根症

    椎間板ヘルニアや頚椎症など。鍼灸院でも多く見られる疾患です。

     

    (2)部位別に見た痺れをきたす疾患

    実際に鍼灸院に問い合わせされる方は「手がしびれている」「足がしびれて痛みがある」などという表現をされる方が多いです。

    ・ 片手がしびれるのか?

    ・ 両足がしびれるのか?

    ・ 手足がしびれるのか?

    でも推測される疾患は違います。どのような状態が考えられるか?まとめていきたいと思います。

     

    <1>片側・手のしびれ(一側上肢)

    ・ 手根管症候群

    ・ 肘部管症候群

    ・ 胸郭出口症候群

    ・ 頚椎症

    ・ 脳梗塞

     

    <2>下肢(足)の痺れ

    ・ 腰椎症 :

    椎間板の膨隆、骨棘の形成など。

    椎間板ヘルニアと同様に神経根圧迫によりおこる。

    ・ 絞扼性神経障害:

    腓骨神経麻痺,外側大腿皮神経障害,

    足根管症候群など

    ・ 腰部脊柱管狭窄症

    ・ 下肢閉塞性動脈硬化症

    ・ 脊髄動脈奇形 ほか

     

    <3>四肢(手足)の痺れ

    ・ 自己免疫性ニューロパチー

    ・ 糖尿病性抹消神経障害

    ・ 血管炎症末梢神経障害

    ・ 傍腫瘍性ニューロパチー(がんなど)ほか

     

    <4>鍼灸治療に関して

    緊急性があるものを除き絞扼障害・神経根障害などは鍼灸院で対応可能です。なかなか改善されない痺れが上記のように筋緊張からくる圧迫の場合鍼灸治療がとても有効になります。必要な場合や緊急性がある場合は病院への受診も勧めます。なかなか改善しないしびれでお悩みの方は是非一度ご相談ください。

    ★ 参考 日本内科学会雑誌103号より