月: 2024年3月

    結帯動作(腕が後ろに回せない、背中をかけない)と腱板疎部(けんばんそぶ)の問題について。

    まずは病院を受診しよう

    四十肩・五十肩のご相談は割と多いです。四十肩は正式名称を肩関節周囲炎と言い肩に痛みが出て上がらなくなったりしますが「四十肩かな」と思ったらまずは整形外科で診断してもらうとよいでしょう。

    その上で、あまり改善しないと感じている場合は鍼灸治療が選択肢となります。なぜ自己判断ではなく早期の医師の診断が重要なのか、これには理由があります。例えば似たような疾患で腱板損傷などがあります。同じように肩が上がらなくなるのですが、これは四十肩・五十肩とは痛みが発生する原因が異なります。場合によっては手術が必要になる場合もあります。自己判断だけだとこのようなリスクも抱えてしまうことになるのです。弊所から病院受診のタイミングをお伝えしたり実際に紹介状を書いたりもできます。まずはお気軽にご相談ください。病院での治療と併用しながら鍼灸治療を行うとよい結果になることも多いです。

    四十肩で腕が後ろに回らない

    同じ病名でも症状は様々です。例えば「腕を水平に上げることができない。」、「肩を上げようとしても腕が上がらない」ということがあります。これは上腕二頭筋腱長頭という腕と肩をつないでいる腱を痛めているケースや、インナーマッスルである腱板の筋肉に炎症が起こっているケースが多いです。

    「腕を前や横にあげる動作はある程度回復し、できるようになったが後ろに回すこと(結帯動作)ができない。」というのもよくみられる症状です。これは烏口突起の横くらいにある腱板疎部(けんばんそぶ)が原因かもしれません。ここは烏口上腕靱帯や上関節上腕靱帯などから構成される空間でほかの部位と異なり腱板が存在しません。 これらの部位を傷めてしまったり機能が低下してしまうと、動作時に肩関節の安定性を保てなくなり疼痛の原因になることがあります。また、この部分が悪い方は肘周辺の筋肉も硬くなっています。鍼治療でそれらの部位を同時に緩めると腕を後ろに回す動き(結帯動作)ができるようになりますので、なかなか改善しない肩の痛み等で悩んでいる方は一度弊所までご相談ください。

     

     

     

    高齢者・障碍者の方への鍼灸施術について。(出張でも対応します。)

    高齢者や障害を持つ方は以下のような悩みを持つことがあります。鍼灸によるケアに興味がある方はまずはお電話にてご相談ください。

    ・痛みが強いが車いすのため出歩けない・・・

    ・持病で寝たきりになった・・・

    ・痛みが強いけどこれ以上薬を服用したくない・・・→  鍼灸施術は薬以外の症状緩和方法としても効果が期待できます。

    高齢者・障碍者の方の特徴、注意点

    高齢者の疾患には以下のような特徴があります。(ケースバイケースです。お悩みにあわせて個別に対応できます。)

    ・ 一人で多くの疾患を有する→  いろいろな病気を持っていたり様々な薬を服用していたりします。

    ・ 症候が非定型的→  特徴的な症状が出るとは限りません。

    ・ 潜在的に臓器の機能低下がある→  便秘や自律神経症状も多いです。

    ・ 慢性疾患が多い

    ・ 薬物に対する反応が一般成人と異なる場合がある。

    ・ 生活機能障害をもたらす疾患が多い→  運動機能低下や、高齢者の場合は知的機能低下が生活機能の低下を招くことがあります。

    ・・・あくまでもケースバイケースで一例ですがざっと挙げただけでも上記のような特徴があるため注意して経過を観察し施術を行う必要があります。

    お悩みの方は出張による施術も受け付けております。また医師の同意を得られれば健康保険の適用になる事もあります。生活保護や障碍者の方、透析中の方、糖尿など持病をお持ちの方、様々な方に対応できます。お悩みがある方は一度ご相談ください。

    出張施術を行った方の例

    ・ 80代女性

    圧迫骨折後の神経痛
    歩けないために介護施設での施術

    ・ 30代女性

    脊椎損傷のため寝たきり
    医師の確認を取り自宅で施術

    ・ 80代男性

    腰痛
    持病の糖尿病あり
    車いす生活のため自宅で施術

    鍼灸施術は痛みをとるだけではなく自律神経の不調も改善し生活の質を上げることができます。高齢者の方へはフレイルやサルコペニアの予防指導も併せて行うことができます。ご相談ください。(ご自宅での転倒にも充分お気をつけください。転倒から骨折し、筋力低下を起こし、寝たきりになるケースもあります。場合によっては西東京市内の骨密度測定を行っているクリニックもご案内することがあります。)

    ご来院される方へ

    弊所ビルはエレベーターもあります。入り口は車いすも入れるよう対応しています。しかし、このエレベーターはなぜか閉まるのが早いため車いすの方は不便だと思います。ご連絡くだされば下まですぐにお迎えにあがります。また賃貸マンションのためトイレはバリアフリー対応していません。申し訳ありません。近隣のトイレを事前にご案内します。

     

    舌が痛い、舌痛症(ぜっつうしょう)とは何か?

    「舌痛症」は、厳密な医学用語ではなく、一般的な表現です。医学的には、「舌の痛み」や「舌の症状」といった表現がより正確かもしれません。舌に関する痛みや異常な感覚は、さまざまな病気や状態によって引き起こされる可能性があり、その原因や症状によって診断が行われます。

    舌が痛い場合はまずは速やかに医師に相談することをお勧めします。その際詳しく症状を説明することで、適切な治療を提案されやすくなります。いつ痛いか?どのように痛いか?できものなどはないか?出血はないか?など細かく伝えるとよいでしょう。口内炎、口内乾燥、舌の損傷(舌癌なども含む)、感染症、アレルギー反応などが舌に痛みを引き起こす原因となります。ストレス性の痛みや違和感であればさほど心配は必要ないのでまずは重い病気でないか含め原因の確認をするのが良いでしょう。

    舌の痛みはなぜ引き起こされるか?

    ケースバイケースであり、様々ですが以下にいくつかの主な原因を挙げてみましょう。

    1. 外傷や損傷: 舌に対する怪我や外傷が舌痛の原因となります。たとえば、誤って舌を噛んだり、熱い飲み物や食べ物によって火傷を起こすことがあります。
    2. 感染症: ウイルスや細菌による感染症も舌痛の原因となります。口内炎や口腔内の他の感染が舌の痛みを引き起こすことがあります。
    3. 口内炎: 口内炎は口腔内の粘膜にできる小さな潰瘍で、舌にできることがあります。これは通常、ストレスや口内の損傷によって引き起こされることがあります。
    4. アレルギー反応: 特定の食品や物質に対するアレルギー反応が舌の痛みを引き起こすことがあります。
    5. 口腔内の疾患: 口腔内の疾患や異常、例えば口内炎や口内乾燥症などが舌の不快感を引き起こすことがあります。
    6. ストレスや精神的な要因: ストレスや不安は身体のさまざまな部分に影響を与える可能性があり、口内や舌の痛みもその一例です。

    舌痛症の症状は、痛みや灼熱感、腫れ、かゆみなどが含まれることがあります。症状が長期間続く場合や他の症状とともに現れる場合はとくに注意が必要です。

    鍼灸が有効なケースは?

    鍼灸が有効なケースがありますので以下に例をあげます。病院で異常なしの診断を受けたものの不調や不快感が取れない場合は緊張やストレスに由来することが多くそのような場合鍼灸をオススメ出来ます。

    1. 舌の筋肉の緊張やこわばり: 舌痛症が舌の筋肉の緊張やこわばりに関連している場合、鍼が筋肉の緊張を和らげ、血液やエネルギーの流れを促進することで痛みを緩和する可能性があります。
    2. ストレスや不安による症状: ストレスや不安が舌痛症の原因となっている場合、鍼がリラックス効果をもたらし、精神的な状態を安定させることで症状改善に寄与することがあります。
    3. 東洋医学的観点からのエネルギーバランス調整: 中医学の観点からは、舌痛症は全身のエネルギー(気や血)の不均衡に起因することがあります。鍼によって経絡(経絡は中医学においてエネルギーの流れる経路を指す)の調整が行われ、全体的なエネルギーバランスが改善されることがあります。

    ただし、舌痛症に対する鍼治療の効果には個人差があります。エビデンスを出しにくい分野であり科学的な効果が確定されているわけではありません。また東洋医学的には舌の部位を内臓の不調と関連づけで考えることもあり(上記写真など)、そこから不調を改善させることもありますが現代医学的な根拠とはまた別の考え方になります。

    分からないことがあれば遠慮なくご相談ください。

    病院でできること、鍼灸院でできること。役割の違いについて。

    たまに質問されるのでこちらにもまとめておきます。また弊所のスタンスとして現代医学をむやみに否定することはしません。病院を上手に利用し、鍼灸院も上手に利用し、最速で改善されますよう様々な提案をします。緊急性や病気が疑われる場合はこちらから病院に紹介状を書くこともあります。病院と田無北口鍼灸院は協力関係にあります。遠慮なくご相談ください。

    病院(クリニック)でできること、特徴

    ・ 医学的検査:レントゲン・MRIなどの画像診断血液検査、聴力検査など→病気が原因ではないか?客観的な検査を行います。もちろん検査をしてもわからないこともあります。

    ・ 投薬・注射:薬物療法は医師の指示の元に行うことができます。痛み止めの注射などは痛みが強い場合に有効です。

    ・ 街の病院(クリニック)の役割の一つとして「正確な診断」を下すことというのがあります。緊急性がある疾患ではないか?判断することです。たくさんの方が訪れるため医師が一人の患者さんにさける時間はどうしても少なくなってしまいがちなこともあります。「検査はしてくれるが治療はしてくれない」という印象を持つ方がいるようですが、上記のような理由からそう感じてしまうのかもしれません。

    ・ 費用はほとんどの場合で保険診療でできますので安価で済むことが多いです。

    鍼灸院でできること、特徴

    ・ 東洋医学的検査:全身を触ります。脈やお腹や舌等の状態を見ます。検査といっても数値で見る検査ではなく硬さや色を見る主観的な検査です。施術後、ツボの柔らかさや脈の速さなどがどう変化したか?の評価も行います。

    ・ 鍼灸:即効性があることも多いですが徐々に効いてくるものもあります。

    ・ 一人一人に時間をかけられます。お話をゆっくり聞きます。そのため「なぜ調子が悪くなったのか?」という原因究明に時間をかけられたりします。ストレスや緊張から来る不調など病院の治療やお薬ではなかなか解決しない問題に対して強いです。

    ・ 自費で行うことが多く、お一人ずつゆっくりお話を伺うことが出来ます。

    法的な観点からの考察

    医師は血圧の状態やレントゲン画像の状態などの検査を経て病名を決定します。すなわち診断をすることができるのです。法律上、病名を決定する診断やその為の診察は医師しかできないことになっています。(医師法17条)

    鍼灸院で鍼灸師がやっていることは法律的には施術に当たり「診断・診察はできない」という扱いになります。

    つまり法的に考えると「病院(クリニック)では他覚的所見をもとに医師が治療をする。鍼灸院ではクライアントの自覚症状を改善するため鍼灸師が施術をする。」となります。(ただし、自覚症状の改善に注目してくれる医師も当然います。また鍼灸師の施術目的は自覚症状改善だけでもありません。分かりやすく説明するためにこのような書き方をしています。)他覚的所見と自覚症状の違いも重要なため、以下に説明しておきます。

    他覚的所見(医学的他覚所見)とは?

    病院(クリニック)での検査や医師による触診・視診などの診察、画像検査(レントゲン・MRIなど)や医学的検査(血液検査・神経伝導検査など)により、客観的に捉えることができる症状のこと。

    自覚症状とは?

    痛み・体温・疲労感などから自分で感じることのできる症状のこと。病気には風邪や痛みのように自覚症状のはっきり出るものもあるが、生活習慣病のように初期は自覚症状がないものもある。

    人類学的な観点からの考察

    人類学では癒しと治療を相対化することで説明されることがあります。治療とは近代医療により説明可能なものであり、癒しとは本人や家族の苦悩も含まれる主観的なものです。

    重複する領域もありますが図式化すると以下のようになります。鍼灸院では「癒し」を担当することが多いですが、治療も医師と協力しながら行うことができます。

    他にはキュアとケアという考え方も出来ます。

    キュア(cure)は生物医学的な疾患を医学的な治療によって治すことを目的とするものでおもに医師が担当します。

    ケア(care)は病いに悩む患者に対し、全人的なアプローチをするもので看護師やメディカルスタッフが担当します。鍼灸師の行う施術もキュアというよりはケアに該当するものが多いと言えます。

    まとめ

    図にすると上記のような特徴があります。身体に不調を感じた場合は、まず病院で診察を受けるのが良いでしょう。器質的な異常がないか?病気が原因ではないか?調べてみてください。痛みが強い場合など病院に行かず、原因を確認せずに鍼灸だけで何とかしようとすることはそもそも無理があります。

    そして病院の投薬治療やリハビリではいまいちよくならないと感じている方、症状が軽くあまり不安でない方などは機能的な問題や自覚症状の問題である可能性が高いため鍼灸院を利用するのが良いでしょう。・・・わからない方は一度ご相談下さい。こちらから病院や医師をご紹介し協力しながら施術にあたることもできます。

    以下、動画もご覧になってみてください。

    ご年配者の「ぎっくり腰」は要注意。痛みが強い場合、実は危険な可能性(圧迫骨折など)も・・・。田無北口鍼灸院からのアドバイス。

    お年寄りの急な腰痛には注意が必要な場合があります。「圧迫骨折」と言って骨折の可能性もあるためです。

    認知症を患っていたりすると記憶になかったりするのですが転んでしまった際に骨折している可能性もあります。ご本人はぎっくり腰かと思っているのこともあるのですが折れてしまっているのです。このような場合にはまずは病院に行ったほうが良いでしょう。

    なぜお年寄りに多いかといいますと骨粗しょう症と言って骨がもろくなっている事が原因として挙げられます。骨がもろくなっていると転んだ時に外力に耐え切れず折れてしまうのです。圧迫骨折はお年寄りだけとは限りません。薬物や産後、骨が弱くなっている方もいます。

    このように「ぎっくり腰だと思ったら実は・・・」というケースは意外に多くありえます。弊所では病院に行く適切なタイミングもお伝えできますし紹介もしています。どうしていいかわからないなど迷った場合にはまずはご相談ください。