カテゴリー: 高齢者のための疼痛調整

    車いす・寝たきりの為通院できない、慢性的な痛みに悩まされてる・・・そんなご高齢のへの施術を行います。ご質問はお気軽にどうぞ。

高齢者・障碍者の方への鍼灸施術について。(出張でも対応します。)

高齢者や障害を持つ方は以下のような悩みを持つことがあります。鍼灸によるケアに興味がある方はまずはお電話にてご相談ください。

・痛みが強いが車いすのため出歩けない・・・

・持病で寝たきりになった・・・

・痛みが強いけどこれ以上薬を服用したくない・・・→  鍼灸施術は薬以外の症状緩和方法としても効果が期待できます。

高齢者・障碍者の方の特徴、注意点

高齢者の疾患には以下のような特徴があります。(ケースバイケースです。お悩みにあわせて個別に対応できます。)

・ 一人で多くの疾患を有する→  いろいろな病気を持っていたり様々な薬を服用していたりします。

・ 症候が非定型的→  特徴的な症状が出るとは限りません。

・ 潜在的に臓器の機能低下がある→  便秘や自律神経症状も多いです。

・ 慢性疾患が多い

・ 薬物に対する反応が一般成人と異なる場合がある。

・ 生活機能障害をもたらす疾患が多い→  運動機能低下や、高齢者の場合は知的機能低下が生活機能の低下を招くことがあります。

・・・あくまでもケースバイケースで一例ですがざっと挙げただけでも上記のような特徴があるため注意して経過を観察し施術を行う必要があります。

お悩みの方は出張による施術も受け付けております。また医師の同意を得られれば健康保険の適用になる事もあります。生活保護や障碍者の方、透析中の方、糖尿など持病をお持ちの方、様々な方に対応できます。お悩みがある方は一度ご相談ください。

出張施術を行った方の例

・ 80代女性

圧迫骨折後の神経痛
歩けないために介護施設での施術

・ 30代女性

脊椎損傷のため寝たきり
医師の確認を取り自宅で施術

・ 80代男性

腰痛
持病の糖尿病あり
車いす生活のため自宅で施術

鍼灸施術は痛みをとるだけではなく自律神経の不調も改善し生活の質を上げることができます。高齢者の方へはフレイルやサルコペニアの予防指導も併せて行うことができます。ご相談ください。(ご自宅での転倒にも充分お気をつけください。転倒から骨折し、筋力低下を起こし、寝たきりになるケースもあります。場合によっては西東京市内の骨密度測定を行っているクリニックもご案内することがあります。)

ご来院される方へ

弊所ビルはエレベーターもあります。入り口は車いすも入れるよう対応しています。しかし、エレベーターはなぜか閉まるのが早いため車いすの方は不便だと思います。ご連絡くだされば下まですぐにお迎えにあがります。また賃貸マンションのためトイレはバリアフリー対応していません。申し訳ありません。近隣のトイレを事前にご案内します。

 

外反母趾と鍼灸治療について


↑YouTube動画も用意しています。気になる方は是非ご覧ください。

■ 重要。外反母趾の変形は基本的には保存療法では治らないが・・・

大事なことなので初めにお伝えします。鍼灸をはじめとする物理療法、保存療法で外反母趾そのものの変形が改善するわけではありません。言い換えれば鍼灸院や整体院・整骨院などで外反母趾の変形が治ることはありません。しかし症状をなだらかにしたり、痛みを和らげ出なくすることは可能です。まずはそこをご理解されるよいでしょう。ご自身の状態が気になる方はまずは病院を受診するとよいでしょう。専門的に見てくれる病院もあります。しかし病院に行ったけどあまり解決しない、手術が必要な段階ではない、装具を作るほどではない、セルフケアでどうにかしたい・・・という方もたくさんいらっしゃいます。そのような方が鍼灸などの施術対象になります。

また高い矯正器具などを買えば効果があるとも限りません。装具の購入や治療の進め方のコツについても詳しくお伝えします。これからどのように生活したらよいか?どのように治療を勧めればよいか?を含めてアドバイスさせていただきます。お気軽にご相談ください。

■ 外反母趾とは??

外反母趾(がいはんぼし、英: Hallux Valgus)は、足の指の一つである親指(第一趾)が他の指に向かって曲がり、足の付け根(第一趾の付け根の関節)が外側に膨らんでしまう状態を指します。具体的には、親指が足の内側に向かって倒れ、他の指と重なり、足の外側に骨が突出してしまうことが特徴です。

■ 外反母趾があるとどんな問題が起こるか?

外反母趾は以下のような症状を引き起こすことがあります。

1 足の痛み:足の親指の付け根や関節に痛みが生じることがあります。特に靴を履いて歩く際に痛みを感じることが多いです。

2 炎症と腫れ: 親指の付け根周辺に炎症や腫れが生じることがあります。

3 靴の選択の難しさ: 外反母趾の進行に伴い、通常の靴が合わなくなり、特につま先が狭いハイヒールの靴は痛みを増加させることがあります。

4 歩行の不自由:進行した外反母趾は足の形を変え、歩行に支障をきたすことがあります。

■ なぜ外反母趾が起こるか?とその対策。

外反母趾の原因は多くの要因に関連しており、ケガのように一つに絞ることは困難です。遺伝的要因、適切でない靴(ハイヒールなど)の長期間使用、足の形態の異常(アーチがないなど)、関節の炎症、加齢による筋力の低下などが影響します。手術対象でない場合には保存療法や物理療法が効果的で症状を管理できます。

■ 外反母趾の治療法は?

重症の外反母趾には手術が必要な場合があります。手術の種類には、親指の関節を修復する手術や骨を修正する手術などがあり術後は充分なリハビリテーションが必要です。

ですがほとんどの場合で、保存療法が選択されます。外反母趾の治療には個人の症状や状態に合わせたアプローチが必要なため早期に専門家のアドバイスを受け、適切な治療方法を選択しましょう。自己判断や自己治療せずまずは専門家の指導を受けることが大切です。治療法を以下にまとめます。

1 保存療法:以下のような方法が考えられます。

適切な靴選び→幅広でつま先が広い靴を選びましょう。ハイヒールや細いつま先の靴を避けることが大切です。

専用の足底矯正インソール→使用することで、足のアーチをサポートし、痛みを緩和できます。

ナイトスプリント→夜間に親指を正しい位置に保つための装具を使用することで、症状を改善できます。

ソルボの商品を一例としてあげます。装具についてもご相談ください。場合によっては専門家をご紹介します。

2 物理療法:物理療法(低周波、鍼灸、マッサージ、関節運動療法等)や足のストレッチを行うことで、関節の可動域を改善し、筋力を増強します。セラピストの指導を受けることが役立ちます。

3 薬物療法:炎症や痛みを軽減するために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)等を処方されることがあります。痛みを緩和する注射もこれに含まれます。

4 手術:上記のような治療をしても改善されない場合に手術が検討されます。(以下詳細)

■ 手術が必要な場合はどんな時?

手術は最終的な選択肢であるためリスクとベネフィットをよく考慮しながら医師とよく話あい手術を選択するかどうか決めることになります。ほとんどの場合で保存療法(手術をしない事)が選択されますが以下のような状況では手術が検討されます。

1 強い痛み・機能障害がある:外反母趾による激しい足の痛みが継続的で、痛みが日常生活に支障をきたしている場合。歩行や運動が制限され、生活の質が低下している場合。

2 進行性の変形を伴う:外反母趾が進行し、親指の付け根や関節の変形が進行している場合。足の形が大きく変わり、外反母趾がますます顕著になっている場合。

3 関節の損傷がある:外反母趾によって足の関節に損傷が生じ、それが関節症や炎症を引き起こしている場合。関節の動きが制限されている場合。

4 保存療法の効果が限定的である:保存療法(靴の選択、物理療法、オルソティクス、薬物療法など)が効果が限定的で、症状が改善しない場合。痛みや変形が進行しているにもかかわらず、保存療法が効果的でない場合。

■ まとめ

外反母趾による痛みはまずは整形外科などを受診し、専門の医師から診断を受けるとよいでしょう。装具が保険適用(療養費)の対象になる場合があります。しかし、ほとんどが手術を選択する状態ではなく、予防をしたり、痛みのコントロールをする必要が出てきますのでその場合に鍼灸治療が大いに役に立ちます。

また病院であまり解決しなかった状態の方からの相談も多いです。まずはお話ください。

「予測が立たない時代の治りづらい疾患」に鍼灸院が提供できること。

慢性腰痛や、鬱状態、自律神経失調症、コロナ後遺症など原因が複雑で、予測が立ちづらく、治りづらい疾患が増え続けています。鍼灸院ではタッチセラピーで安心感を与え、またその人の個別性にフォーカスし問題を整理したり、問題解決のためのお手伝いが出来ます。そのためどこへ行っても良くならない人を良くする事が出来ます。

不確実性や複雑性を表す言葉、VUCA(ブーカ)とは?

90年代に軍事用語として生まれビジネス領域で広がって、2016年のダポス会議で使われひろくひられるようになった言葉です。以下の4つのキーワードの頭文字をつなげた言葉です。

Volatility(変動制):テクノロジーがかつてないスピードで進化していて急速な変化が社会に生じている状況。便利な一方情報共有におけるリスクのバランスなどが十分にわかっていない。

Uncertainty(不確実性):数か月後や数年後にどうなっているかわからない状況。組織の統廃合が進み、盤石な組織が今後も続くかどうかが分からない。

Complexity(複雑性):問題に対処しようとしても様座な要因がありすぐに解決できない。あるいはこれまでの方法では解決できない。因果関係でシンプルに解決できない問題が多い。

Ambiguity(曖昧性):物事の因果関係がはっきりせず前例がない中で先に進んでいかなければならない状況。これまでは前例があったり正解がはっきりしていたが多様な価値観の中で柔軟に取り組むことが求められている。(参考1)

元々は医療に特化した用語ではないのですが「医療におけるVUCA」も語られるようになってきました。

増え続ける治りづらい疾患、保健医療のパラダイムシフト

不確実性や複雑性、曖昧性が高い疾患は予測が立ちづらいため「治りづらい」といった特徴があります。鍼灸院でよく見かける疾患ですと鬱状態、コロナ後遺症、慢性疼痛(腰痛などの痛み)、老人退行性疾患、慢性疾患などが挙げられます。これらの疾患は体質やストレスも関係するために原因を一つに特定することが困難で「これをやれば必ず良くなる」とはなかなか言えないことが多いです。こうした疾患は現在でも多く、時代背景などからこれから考えても増えることはあっても減ることはないはずです。

厚生労働省は保健医療2035という提言書でこれからの社会と経済の変化に対応するために医療分野でも以下のような変化が必要であることを訴えています。(以下・写真参照)特に「患者の価値中心」や「キュア(治すこと)中心からケア(身体を労わること)中心」という考え方は重要です。今までの保険医療の考え方やバイオメディカルモデル(原因を特定して対処する医療のこと)では対応できないことが増えるからです。

鍼灸院だから出来ること

現在でも疾病構造の変化により治りづらい疾患は増え続けているため「病院にいったけど痛みが良くならなかった」、「病院では問題解決できなかった」という相談が鍼灸院にも数多く寄せられます。しかしこれは病院の先生や医療スタッフが悪いというよりも、今までのような保険医療制度や薬物療法だけでは解決できなかったというパターンが非常に多いのです。鍼灸院ではそのような方の不満や不安を解消し、通常医療の補完をすることが出来ます。

また現在においても「まずは病院へ」というのがオーソドックスな医療のかかり方でしょうがインターネットで病気や症状を検索する事で余計に迷ってしまいどうしたら良いか?誰に相談すれば良いか?わからない方は少なくないはずです。その方の個別性にフォーカスし、鍼灸治療をしながら鍼灸師とお話し、時間をかけてじっくり問題整理をすることも可能です。

医学的な診断がつかないのに不調が取れない場合(自律神経失調症や不定愁訴のような状態など)や、痛みや精神疾患など薬物療法ではあまり改善しない場合にも鍼灸治療がお役に立てることは多いのです。医学的な検査をした方がいいと判断される場合は病院に行くようアドバイスしたりもできます。

鍼灸治療はタッチセラピーであり、触れることで安心感を与えたりできます。また薬でないため相互作用を及ぼさない、薬が増えないなどのメリットがあるため補完医療としても優れています。ほとんどの場合で病院の治療やセルフケアなどとも併用出来ますので、何かあればお気軽にご相談ください。

参考

1:これからの倫理と看護(日本看護協会出版)

痛みの原因とその種類・分類

本日は痛みの種類について解説していきます。「痛み」はその原因から3つの種類に大別されます。原因によって対処方法も違ってきますので参考にしてみてください。

(1)侵害受容性疼痛 しんがいじゅようせいとうつう

原因と結果が目に見えている痛み。怪我をした際やモノが体に刺さった時など組織が損傷された際に起こる痛みのこと。このような痛みがおこった際は「冷やす」ことがです。

例 捻挫などのケガ 皮膚をカッターで切ってしまった など

(2)神経因性疼痛 しんけいいんせいとうつう

神経や筋肉などがその他の組織で圧迫されたり絞扼(しめつけられること)されたり神経線維そのものや脳や脊髄に何らかの問題が起こって出現する痛み。ケガなどをしていないのに起こる。血行が改善されると痛みが緩和されるために「温める」と楽になることが多い。

例 頸椎ヘルニアの痛み 坐骨神経痛 帯状疱疹後の神経痛 など

(3)心因性疼痛 しんいんせいとうつう

不安やストレスなどで起こる痛み。単体で起こることもあるが先にあげた二つの種類の痛みと混在して悪化することもある。

例 うつ病に伴う痛み など

温めるか?冷やすか?安静にするか?動かすか?など・・・。それぞれの痛みで、方針が変わってきます。こちらにも症状別の施術方法を掲載してあります。)詳しくはご相談ください。鍼灸はどの痛みに対しても有効であることが多いですが、鍼灸を行うと「ぱっと」痛みが消えてしまうことはあまり多くないです。即効性でいえばブロック注射やロキソニンなどの薬剤の方が有効な場合もあります。痛みは慢性化すると生活に支障をきたすため、その後の生活や痛みとの付き合い方が重要なことも多いです。弊所はいきなり鍼をすることはせず、まずは症状や生活の状況などしっかりとお話を伺い、方針を説明したうえで施術を行います。

また痛みは社会的、心理的(仕事やストレス)などの影響を受けることが多いです。鍼灸は痛みに対して効果がある、という論文も多いのですがその改善についてはケースバイケースです。最大の特徴としては「薬以外の選択肢になれる」という点ではないかと考えています。ご年配の方はすでにたくさんの薬を飲んでいたり、また妊娠中、産後はできる限り薬を飲みたくないので鍼灸という選択肢を検討される方も多いです。まずは一度ご相談ください。

帯状疱疹(ヘルペスウィルス)神経痛と鍼灸

<1>帯状疱疹の原因は?

帯状疱疹は「ウィルス感染」によっておこります。疲れや寝不足などによって免疫が低下していると感染するので「日和見感染」などと呼ばれます。発症の原因となるのはヘルペスウィルスと呼ばれるウィルスでたくさん種類があり人間に感染するものだけでも8種類存在し、そのうち帯状疱疹を発症させるウイルスが「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」と呼ばれます。ヘルペスを発症させるウイルスは2種類に分けられ、主に上半身に感染するのが

(1)単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)

下半身に感染するのが

(2)単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)

と呼ばれます。

帯状疱疹はその名の通り体の右半身か左半身のどちらかに、「着物の帯のように」水ぶくれが密集して現れます。右半身か左半身のどちらかに症状が現れるのは、ウイルスが進出する末梢神経が身体の左右別々に広がっている事に由来します。皮疹出現の2から7日前にのちに皮疹が出現する部位に痛みや知覚異常、かゆみが出現することが多いです。

<2>早期治療・薬物療法が基本

もしも帯状疱疹が疑われた場合すぐ皮膚科等病院に行き薬物療法による治療を受けることが原則です。顔面部で帯状疱疹がおこると顔面神経麻痺の原因にもなります。

とにかく悪化させないためにもまずは病院へ行き早期治療開始をするのが良いでしょう。抗ウィルス薬のアシクロビル、バラシクロビルや痛み止めのロキソニン等神経回復のためのビタミンB12のメチコバール等が処方されることが多いです。

<3>神経痛に対して「鍼灸は有効か?」

簡単に改善するものではないこともありますが、結論から言えば有効です。帯状疱疹は一定期間の潜伏期を経て神経痛として体に出現することがあります。肋骨に起こると「肋間神経痛」などと呼ばれます。これらの痛みに関しては病院では痛み止めのカロナール等が処方されます。(漢方などが処方される場合もあります。)あまり効果を感じない場合は併用して鍼灸が有効です。様々な論文も存在します。帯状疱疹が出現したらまずは病院への受診が原則ですがその後の後遺症や痛みの補助的な治療として鍼灸がとても役に立ちます。弊所では漢方治療の併用などもご紹介できます。まずはご相談ください。

一例

「帯状疱疹痛に対する鍼治療の効果」

また国外の論文ですとNCBI(国立生物工学情報センター)にも掲載されていました。全部は紹介しきれないので簡単な日本語訳を一部、紹介させていただきます。少し長いですが興味がある方はお読みください。

Acupuncture in acute herpes zoster pain therapy (ACUZoster)– design and protocol of a randomised controlled trial

日本語訳

急性帯状疱疹疼痛治療における鍼治療(ACUZoster)

– ランダム化比較試験のデザインとプロトコール

*アブストラクトの翻訳を以下に載せます。神経痛に鍼灸が安全で有効かもしれないということが書かれています。詳しく知りたい方は上記論文を読んでみてください。

<バックグラウンド>

ヘルペス帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって引き起こされる特有の症候群である。

それは、デルマトーム分布に続く痛みを伴う、水疱の多い皮膚の萌出を特徴とする。年齢、ストレス、または免疫抑制のためにVZVに対する細胞性免疫が低下するにつれて、ウイルスは再活性化して感覚神経に沿って皮膚に移動し、発疹の発疹の後に特徴的な前駆痛を引き起こす。帯状ヘルペスの診断は、発疹の特徴的な外観に臨床的に基づいています。臨床的に不明確な場合にのみ、PCRによるVZV-DNAの病変検出を用いて診断を確認することができる。帯状疱疹はあらゆる年齢で起こりうるが、最も一般的に高齢者に影響を及ぼす。生涯に約3人に1人が 帯状ヘルペスを発症すると推定されています。ヘルペス帯状塊の発生率および帯状ヘルペス関連合併症の発生率は年齢とともに増加する。ヘルペス帯状疱疹の症状には、掻痒、感覚異常、および関連する皮膚病の分布に伴う痛みが含まれる。最も悲惨な症状は一般的に痛みであり、中枢神経系または眼の関与の他に最も恐れられる合併症はヘルペス後治癒後の 痛みの持続性であるヘルペス後神経痛(PHN)である。PHNは、発疹が解消してから3ヶ月以上持続する疼痛であると定義されている。70歳以上の患者では、急性帯状ヘルペス後にPHNが ほぼ半分になる。ヘルペス帯状疱疹に関連する急性疼痛およびPHNの慢性疼痛の両方は、健康関連QOLに複数の悪影響をもたらす。

ヘルペス帯状疱疹の患者では、さまざまなタイプの痛みや他の感覚症状がみられ、これらはその存在、位置、持続時間、強度、および質に関して大きく異なる。これらの疼痛状態は、身体的、感情的、社会的機能に大きな障害をもたらし、結果的に医療費が増加する。ヘルペス帯状疱疹およびPHNに関連する疼痛の予防および治療のための有効な戦略の開発は、未だ公衆衛生の必要性が満たされていない。帯状ヘルペスの早期発見と治療は急性症状を軽減し、またPHNの発生を減少させる可能性がある。証拠ベースは、三環系抗うつ薬、特定のオピオイド、およびPHNを予防または治療するためのガバペンチノイドの経口使用を支持する。このメタアナリシスの著者は、軽微な有害事象のかなりの頻度を抽出することができた。最も頻繁に報告される有害事象はめまいと鎮静であり、患者の生活の質とコンプライアンスが低下する。さらに、現行の介入は、 帯状ヘルペス痛およびPHNのすべての症例を完全に予防または適切に治療するわけではない。鍼灸は代替として考えられるかもしれない。神経因性疼痛状態の治療において鍼治療が有利であるという証拠がいくつかある。さらに、鍼治療は副作用の少ない安全な治療であることが知られている。

<研究の目的>

提示された試験の第一の目的は、標準化された鎮痛薬に加えて、帯状ヘルペスに関連する痛みの治療において、4週間半標準化された鍼治療が抗けいれん薬 ガバペンチンおよび偽レーザー鍼治療に比べて劣っているかどうかを調べることである。生活の質への影響、鎮痛性の要求、感覚の知覚の変化、疼痛発作の頻度の変化、疼痛発作の頻度の変化、ヘルペス後神経痛の発生率、副作用および費用対効果。

「フレイル」に関して。

フレイルとは・・・

比較的新しい言葉で

日本老年医学会が2014年に提唱した。

 

健康な状態と要介護状態

(生活サポートが必要な状態)

の中間の状態のこと。

 

多くの高齢者は健常の状態から

筋力が衰える

サルコペニアという状態を経て

さらに生活機能全般が衰える

「フレイル」となり

要介護状態に至る。

 

高齢期に生理的予備機能が低下することで

ストレスに対する脆弱性が亢進して

・ 生活機能障害

・ 要介護状態

・ 死亡

などの状態に陥りやすい。

 

つまりフレイルとは

「加齢に伴う様々な機能変化や予備機能低下により

健康障害に対する脆弱性が増加した状態」

のことである。

 

フレイルは身体の状態のことだけでなく

精神的・社会的な要素も含む。

 

・・・

この辺りも考慮する必要が大いにあります。

ご高齢の方は

自律神経症状や痛み症状をはじめ

様々な症状が体に現れやすいのですが

 

・ 持病

・ 血圧などの状態

・ 飲んでいる薬の情報

 

などは

しっかり把握する必要があるでしょう。

 

そうして施術に当たらないと

危険な場合があります。

 

まずはしっかりお話伺いますので

「なんか調子が悪い」

というご高齢者の方やご家族の方は

遠慮なくご相談ください。

ご年配者の「ぎっくり腰」は要注意。痛みが強い場合、実は危険な可能性(圧迫骨折など)も・・・。田無北口鍼灸院からのアドバイス。

お年寄りの急な腰痛には

注意が必要な場合があります。

「圧迫骨折」

と言って骨折の可能性もあるためです。

詳しくは以下・・・

 

ご年配の方が

急に腰の強い痛みを訴えた時

注意が必要です。

 

認知症を患っていたりすると

記憶になかったりするのですが

転んでしまった際に

圧迫骨折と言って

骨折している可能性もあるためです。

 

ご本人はぎっくり腰かと

思っているのこともあるのですが

折れてしまっているのです。

このような場合には

まずは病院に行ったほうが良いでしょう。

 

なぜお年寄りに多いかといいますと

骨粗しょう症

と言って骨がもろくなっている事が

原因として挙げられます

 

骨がもろくなっていると

転んだ時に

外力に耐え切れず

折れてしまうのです。

 

圧迫骨折

お年寄りだけとは限りません。

薬物療法などで

骨が弱くなっている方も

おこる可能性があります。

 

・・・

このように

「ぎっくり腰だと思ったら実は・・・」

というケースは

意外に多くありえます。

 

弊所では

病院に行く適切なタイミングも

お伝えできますし紹介もしています。

 

どうしていいかわからないなど

迷った場合にはまずはご相談ください。

 

脳梗塞・脳卒中などによる麻痺とその施術に関して。

このページをご覧になっている方は

麻痺・片麻痺でお困りになっている方が中心でしょうから

脳出血や脳血管障害などに関しては

すでに知っている知識だとは思いますが

まとめて説明していきます。

 

 

脳出血などにより麻痺がおこってしまうと

様々なお困りごとが現れると思います。

それらの麻痺に関する治療は

病院の方で医師・理学療法士などと一緒に

リハビリ・筋力トレーニングなど訓練を行い

回復を目指していると思いますが

 

弊所の施術は

病院でやっているリハビリよりも画期的かつ

早く回復するということではなく

目的としては日常生活動作(ADL)向上の

お手伝いをしたり

麻痺によって生じた痛みの緩和などが中心となります。

*補完代替的治療を目指します。

 

ですので弊所は基本的に

「今、病院でやっているリハビリが正しいか?」

などのご質問にはお答えできませんし

施術は病院で行っているリハビリと

併用して行うのが望ましいといえます。

 

施術目的や計画などは

初回のカウンセリングでお話をよく聞かせてもらったうえで

ご説明させていただきます。

 

<脳血管障害とはなにか??>

脳血管障害とは脳神経を養っている血管の障害により起こります。

血管の狭窄、血管の破裂、血管の中で固まった血液が詰まる梗塞

・・・・

原因は様々ですがこれらにより

脳神経への血液供給が絶たれると

脳血管障害が起こります。

 

「脳梗塞」、「くも膜下出血」

などというものがその代表例です。

 

そして脳出血により損傷された部位により

様々な部位に障害が出ます。

一例をあげますと・・・

 

脳出血(左側被殻と放射冠)

→ 障害名 右片麻痺

 

というような感じです。

 

<脳梗塞の分類に関して>

脳梗塞は脳血管内において

血液が凝固(何らかの原因で固まること)し

詰まります(梗塞するのです)。

ここでは脳梗塞の4つの分類をしていきます。

 

(1)アテローム血栓性脳梗塞

粥状動脈硬化が基盤で起こる脳梗塞です。

血小板血栓が主体の梗塞で発祥の前段階として

TIA(一過性脳虚血発作)を多く発病するといわれます。

 

(2)心原性脳梗塞

心房細動や陳旧性心筋梗塞、

便膜疾患などの心疾患を背景に

形成されるフィブリン血栓が主体の梗塞です。

抗凝固両方が行われ

ワーファリンなどが投与されることが

多いです。

いわゆる血液をサラサラにする薬です。

 

(3)ラクナ梗塞

近年日本人に増加しているタイプです。

ラクナ梗塞は脳内の穿通動脈が

高血圧性細小動脈病変(リポヒアリノーシスなど)により閉塞して生じます。

ラクナという言葉はラテン語で『小さな空洞化』を意味します。

このラクナ梗塞の原因として最も重要なのは、

高血圧症であり、糖尿病も関与します。

 

(4)その他

その他の原因が関与し起こる脳梗塞です。

 

 

<脳梗塞の背景>

季節やその方が抱えている疾患にも関係します。

 

たとえば・・・

夏場は動脈硬化を基盤とした脳梗塞で

アテローム血栓性脳梗塞とラクナ脳梗塞が

多いといわれ

冬場はインフルエンザや感冒による

ラクナ脳梗塞が増えるといわれます。

 

また糖尿病や通風などの代謝性疾患や

高血圧症などの持病を抱えていると

脳梗塞が発症しやすくなります。

 

これらの持病や季節などの背景も

考慮し施術計画を立てていきます。

 

<中枢神経麻痺と末梢神経麻痺について>

麻痺の大きな分類として

・ 末梢神経麻痺

・ 中枢神経麻痺

があります。

 

中枢神経とは脳と脊髄のことで、

中枢神経から枝分かれした神経を末梢神経といいます。

 

脳梗塞や脳出血により脳神経への血液供給が絶たれ

担当する神経分野に影響が出た時にそれぞれ

機能障害の名前がつきますが

運動神経に障害が出た場合を「片麻痺」と呼びます。

 

中枢神経麻痺における運動機能障害の特徴は

痙性(けいせい)麻痺と呼ばれる

末梢神経麻痺にはない独特な筋緊張を示すことです。

この痙性麻痺は手や足に特に顕著にみられます。

 

関節を曲げる筋肉に起こり

屈筋痙性麻痺と呼ばれます。

 

上肢で起こると

手首や肘が屈曲したまま伸ばせなくなりますし

下肢で起こると

足首が内側に曲がる内反尖足が起こったり

歩行では外側へ回しながら動く

「ぶんまわし歩行」をするようになります。

 

<脳梗塞による片麻痺への鍼灸施術>

運動機能を改善させたり、関節拘縮予防のために

痙性麻痺屈筋群への施術を行い

緊張の緩和を図ります。

 

ほかには体幹のバランスを考え

痛みやマヒが出ていない部分に対し

温めたりするなどのアプローチもできます。

麻痺そのものもそうですが

例えば麻痺によって生じた痛みの緩和など

にも効果が期待できます。

 

前述したように

高血圧や糖尿・通風など内科的疾患を

お持ちの方も多いために

それらの症状も考慮し施術することで

症状の改善やQOL(生活の質)向上のお役に立てます。

 

お困りの方は一度ご相談ください。