今すぐ良くしたいなら手順が大切

今すぐ良くしたいなら手順が大切

体調をよくするには「手順」が大切になります。そして「自己判断」は禁物です。本日はそのことについてまとめていきます。

・・・

弊所で治療相談を行っていると不安やストレスを感じやすく自己判断傾向が強い方がまれにいらっしゃいます。そのような方は自分の感覚を一番先に信じますので「まだこれだけ痛みや症状が残っている」という思考や「すぐにこの不快感を取り除いてほしい」という思考に陥りやすいのです。

そのことでどんなデメリットがあるのか?と申しますとそれは症状のみに気を取られている状態ですので何をやっても治療が続かなかったり自己判断で治療をやめてしまうので治療をしても解決しないことが多いのです。そのため結局は余計な費用や時間がかかることも多くなります。アスリートやスポーツ選手など今すぐ動きたい、動かなくてはいけない、という理由があるためこのような思考に陥りやすいことも多いです。また性格的に不安感が強かったり几帳面・完璧主義といわれる方もこのような思考に陥ることが多いです。

しかしながら

「今すぐ楽に」

という自分の感覚を主にした判断は治療や医療とはまた違ったアプローチを求めていることにもなりかねません。おまじないやニセ医学に騙される危険性も出てきてしまいます。体調を良くしたかったら手順が大切となります。まずは自己判断ではなく病院で検査を受けて原因をハッキリさせることです。腰痛やしびれの問題でしたら整形外科などに行き場合によってはMRIなどの精密検査を受けることも必要になるかもしれません。検査の結果特に異常がないだけどもまだ症状が続いている、医師からは

「病気などではなくストレスの問題」

「筋緊張や神経絞扼(締め付け)の問題」

といわれている場合などは鍼灸治療がお役に立てる場合が多いです。もちろん当院でも徒手検査といって(SLRテストなど)精密検査を受けなくても動きの中からある程度、痺れの原因を推測することはできます。結局のところ現在の状態ををハッキリさせないことには鍼灸でアプローチする際にも治療方針を立てられません。それからストレスや筋緊張、神経絞扼の問題ならば1回で痛みが取れることはありませんしどこで治療をしても何度か、何か月か期間がかかることがほとんどでしょう。良くならない方というのは自己判断で損をしてしまっていることが非常に多いのです。そこに至るまでにはもしかしたら病院で誤診をされたのかもしれないしなにか傷つくようなことを言われたのかもしれない。しかしながら良くならないでこれ以上損をするのは私でなくあなたです。自己判断は得策でないのですしやめたほうが良いです。医療従事者の話は信じてほしいと思います。また前述したようになかなか良くならない方や長い間痛みや苦しい症状でお悩みの方は自己判断を中心とした「認知の歪み」があることも多いです。

どうせよくならない、

信じても無駄だ、

と思っていることもあるのです。そのような場合でも信頼関係が築けるよう最善はつくします。弊所ではまずはお話をよく伺いまた症状を把握し病院への通院歴や現在服用中のお薬など伺ったうえで改善までの計画を立てていきます。そして初回カウンセリング終了時に信頼関係が築けていない場合は施術をお断りすることもあります。納得してから治療を受けていただきます。ご不明な点や不安な点は遠慮なくお尋ねください。

中高年の方のしびれ症状ご相談

田無北口鍼灸院では「手や足にしびれが続いている。鍼灸をやれば治るか?」という相談も多いです。結論から言いますと絞扼障害・神経根圧迫などは鍼灸治療で改善することが多いです。ただ一口にしびれ(痺れ)といってもいろいろな原因で起こりますし緊急性がある場合もありえますので細かく解説してまいります。お困りの方の参考になれば幸いです。

(1)末梢神経が原因で起こるしびれか?中枢神経が原因で起こるしびれか?

わかりやすく説明するためにカンタンに分類します。ご了承ください

中枢神経が原因で起こるもの:脳・脳幹・脊髄の障害が原因のものです。

脳血管障害(脳梗塞,脳出血),脳腫瘍,多発性硬化症(脳,脊髄),脊髄腫瘍,脊髄空洞症,脊髄梗塞など脳や脊髄の障害される多くの疾患により.痺れがおこります。これらは緊急性があるものも多いので注意が必要です。

末梢神経が原因で起こるもの:手足や大観の神経が原因のものです。

少し詳しく見ていきましょう。まず神経線維の太さ・機能など。神経線維は以下のように分類されます。

Gasserの分類
直径(μm)
伝導速度(m/S)
主な機能
有髄
12 ~ 21
70 ~ 100
運動,筋固有知覚
6 ~ 12
40 ~ 70
触覚,運動覚
4 ~ 8
15 ~ 40
触覚,圧覚,筋紡錘円神経
1 ~ 6
5 ~ 15
触覚,温覚,冷覚,圧覚
B
1 ~ 3
3 ~ 14
有髄節前,自律神経
無髄
C
0.2 ~ 0.3
0.2 ~ 2
痛覚,温冷覚,節後自律
・・・

Aαが運動神経線維,Aβが触覚神経線維,AδとC線維が痛覚神経線維,B線維は自律神経系の節前線維,Aδはチクチクした痛み,C線維はジーンとした痛みに関わり、触覚神経線維であるAβは,痛覚神経線維であるAδとCの活動性を抑制する機能があるといわれています。さらに細かく末梢神経障害を分類します。

・ 単神経障害

手根管症候群(正中神経の障害)肘部管症候群(尺骨神経の障害)橈骨神経麻痺 など

・ 多発単神経障害

血管炎症のニューロパチーが代表的。糖尿病でも見られます。局所の末梢神経栄養血管の血流障害によるもの。

・ ポリニューロパチ

糖尿病性神経障害、自己免疫性の末梢神経障害など

・ ★ 神経根症

椎間板ヘルニアや頚椎症など。鍼灸院でも多く見られる疾患です。

 

(2)部位別に見た痺れをきたす疾患

実際に鍼灸院に問い合わせされる方は「手がしびれている」「足がしびれて痛みがある」などという表現をされる方が多いです。

・ 片手がしびれるのか?

・ 両足がしびれるのか?

・ 手足がしびれるのか?

でも推測される疾患は違います。どのような状態が考えられるか?まとめていきたいと思います。

 

<1>片側・手のしびれ(一側上肢)

・ 手根管症候群

・ 肘部管症候群

・ 胸郭出口症候群

・ 頚椎症

・ 脳梗塞

 

<2>下肢(足)の痺れ

・ 腰椎症 :

椎間板の膨隆、骨棘の形成など。

椎間板ヘルニアと同様に神経根圧迫によりおこる。

・ 絞扼性神経障害:

腓骨神経麻痺,外側大腿皮神経障害,

足根管症候群など

・ 腰部脊柱管狭窄症

・ 下肢閉塞性動脈硬化症

・ 脊髄動脈奇形 ほか

 

<3>四肢(手足)の痺れ

・ 自己免疫性ニューロパチー

・ 糖尿病性抹消神経障害

・ 血管炎症末梢神経障害

・ 傍腫瘍性ニューロパチー(がんなど)ほか

 

<4>鍼灸治療に関して

緊急性があるものを除き絞扼障害・神経根障害などは鍼灸院で対応可能です。なかなか改善されない痺れが上記のように筋緊張からくる圧迫の場合鍼灸治療がとても有効になります。必要な場合や緊急性がある場合は病院への受診も勧めます。なかなか改善しないしびれでお悩みの方は是非一度ご相談ください。

★ 参考 日本内科学会雑誌103号より

痛みの原因とその種類・分類

本日は痛みの種類について解説していきます。「痛み」はその原因から3つの種類に大別されます。原因によって対処方法も違ってきますので参考にしてみてください。

(1)侵害受容性疼痛 しんがいじゅようせいとうつう

原因と結果が目に見えている痛み。怪我をした際やモノが体に刺さった時など組織が損傷された際に起こる痛みのこと。このような痛みがおこった際は「冷やす」ことがです。

例 捻挫などのケガ 皮膚をカッターで切ってしまった など

(2)神経因性疼痛 しんけいいんせいとうつう

神経や筋肉などがその他の組織で圧迫されたり絞扼(しめつけられること)されたり神経線維そのものや脳や脊髄に何らかの問題が起こって出現する痛み。ケガなどをしていないのに起こる。血行が改善されると痛みが緩和されるために「温める」と楽になることが多い。

例 頸椎ヘルニアの痛み 坐骨神経痛 帯状疱疹後の神経痛 など

(3)心因性疼痛 しんいんせいとうつう

不安やストレスなどで起こる痛み。単体で起こることもあるが先にあげた二つの種類の痛みと混在して悪化することもある。

例 うつ病に伴う痛み など

温めるか?冷やすか?安静にするか?動かすか?など・・・。それぞれの痛みで、方針が変わってきます。こちらにも症状別の施術方法を掲載してあります。)詳しくはご相談ください。鍼灸はどの痛みに対しても有効であることが多いですが、鍼灸を行うと「ぱっと」痛みが消えてしまうことはあまり多くないです。即効性でいえばブロック注射やロキソニンなどの薬剤の方が有効な場合もあります。痛みは慢性化すると生活に支障をきたすため、その後の生活や痛みとの付き合い方が重要なことも多いです。弊所はいきなり鍼をすることはせず、まずは症状や生活の状況などしっかりとお話を伺い、方針を説明したうえで施術を行います。

また痛みは社会的、心理的(仕事やストレス)などの影響を受けることが多いです。鍼灸は痛みに対して効果がある、という論文も多いのですがその改善についてはケースバイケースです。最大の特徴としては「薬以外の選択肢になれる」という点ではないかと考えています。ご年配の方はすでにたくさんの薬を飲んでいたり、また妊娠中、産後はできる限り薬を飲みたくないので鍼灸という選択肢を検討される方も多いです。まずは一度ご相談ください。

鍼灸の良さやその根拠

自画自賛になってしまうのであまり「鍼灸の良さ」についてはあまり語ってこなかったのですが鍼灸にはいい部分が多いのでこちらでもまとめていきます。鍼灸の良さを実感して頂くには施術を受けていただくのが一番早いと思いますが以下、ご参考にしてみてください。

1,鍼灸の良さについて

(1)痛みに効果的、薬以外の選択肢

鍼灸は「痛み」に効果的です。痛みと言っても様々で注意を要するものもありますが頭痛や腰痛、線維筋痛症などの痛み疾患は現代医学のガイドラインでも比較的高い評価をされています。痛みに悩んでいる方は病院から処方された薬や市販されている薬を第一選択としていることが多いのですが「薬以外の選択肢」として痛みに対してアプローチができるのも魅力です。例えば高齢者の方や持病がある方などが痛みで悩んだ場合には、すでにたくさんの薬を飲んでいるため「もうこれ以上薬を飲みたくない」という思いから薬以外の選択肢である鍼灸を選択する方も多いです。そのようなご相談を受けた際はかたよった考えにならないように必ずしも薬が悪いわけではないことをよく説明した上でなるべくその方の選択を尊重できるよう鍼灸治療でサポートさせていただいています。*注意 痛みへの効果も鍼治療を行うことですぐ感じられる即効性があるものとないものが存在します。

(2)痛み以外の不定愁訴にもアプローチできる

痛みだけではなく寝れない、胃の調子が悪い、といった自律神経症状やうつっぽい、なんとなく調子が悪いといったいわゆる不定愁訴にも鍼灸は対応することが出来ます。むしろ得意な分野と言っても過言ではありません。例えば胃の不調に対する施術方法で背中にお灸を行う「胃の六灸」などは昔から言い伝えがありますが現代医学的な解釈ではこれは体性内臓反射を利用しているのではないかと?いう考え方も出来るのです。経験則に過ぎなかった胃の不調に対し鍼灸が有効と言う話も現在ではたくさんの症例報告が上がって来ています。

令和2年11月に漢方薬メーカーのツムラが20代~40代の男女1800人にインターネットでアンケート調査をしたところ「女性は男性よりも健康不安が大きく、ストレスもより強く感じる傾向にある。」、「女性の4人に3人はなんとなく不調を感じているが、7割は薬にも病院にも頼らず放置、病院に行くのを躊躇しがち」といったことがわかる結果になりました。この調査が行われた令和2年はコロナ禍の真っ最中のためストレスを感じていた方が多いということもあるでしょうがそれを差し引いても、若い人でも不調や健康不安を感じている人が多いのは間違いないのではないかと思います。ストレスや体質、緊張に起因する病院で解決できなかった問題は鍼灸が昔から得意とするところです。

(3)歴史が証明、研究も豊富、安全への取り組み

鍼灸は長年世界各国で行われてきた伝統医学でそのこと自体が効果を証明していますが近年では研究も盛んにおこなわれています。2022年4月13日現在、アメリカ国立衛生研究所のアメリカ国立医学図書館が運営する情報検索システムpubmedで鍼を意味する「acupuncture」を検索すると38002件もの論文がヒットしました。伝統的な知見や経験から有効というだけでなく、現在進行形で科学的な解明も進められています。鍼灸の研究は中国やアメリカドイツなどで盛んです。その中には安全や事故に関する研究も含まれます。日本最大の鍼灸学術団体、全日本鍼灸学会もエビデンスに基づいた「鍼灸安全対策ガイドライン」を公開し鍼灸師はこれに準拠するよう呼び掛けています。

(4)言葉が通じなくても施術できる(非言語コミュニケーション)

鍼灸やマッサージはタッチセラピーであるため言葉を使わないでも施術を通しコミュニケーションをとることできます。言葉が通じない外国の方、認知症のお年寄り、赤ちゃん、さらには哺乳類ならば動物でも鍼治療を行うことが出来ます。実際に獣医師で馬や犬などへの犬などへの鍼治療を行っている方も存在します。どんな人に対しても、また人でなく動物に対しても施術を行うことが出来るのです。(鍼灸師が犬に対して施術を行うことは法律上できません。獣医師ならばできます。)

 

2,病院等との違い(病院・整骨院・整体院)

病院と鍼灸院の違いについて簡単に説明しておきます。病院は20床以上ベッドがある施設でそれ以下は診療所・クリニックと呼ばれます。どちらも「医師」が診察に当たります。病院と診療所・クリニックは違うものですがここではその分類が主たる目的ではないのですべて「病院」という呼び名で統一します。医師は6年生の大学医学部を卒業し医師国家試験に合格した人がなれ医学的な検査などができます。一方で鍼灸院は「鍼灸師」が施術にあたります。鍼灸師は正確には鍼師と灸師という資格に分かれています。3年制の鍼灸専門学校や4年制大学を卒業し国家試験に合格した人がなれます。鍼と灸の施術を行うことができます。レントゲンを撮ったり、血液検査をしたりしながら病気を確定させる行為「診断」は医師にしかできません。鍼灸師は制度上、鍼灸施術を行ったり体を触りながら東洋医学的な身体の状態把握までしかできないのです。日本の病院は基本的に保険診療で検査や診察や治療が行われます。1日にたくさんの人が来所します。医師は何人もの人診なくてはいけない事が多いです。その為に重症化するなどの緊急性がないか?命にかかわるような大きな病気は隠れていないか?が重要視されることも多いです。逆に鍼灸院ではじっくりお話を伺うことが出来ます。ストレス・体質に起因する慢性疾患などへの対応は鍼灸院が得意とするところです。まずはクリニックを受診したけど、あまり改善を感じない場合や漠然とした体調不良で悩んでいてどうしてよいのかわからないときなどは鍼灸院を頼るとよいかもしれません。

整骨院との違いも書きます。整骨院(接骨院)は柔道整復師という国家資格を持った人が施術を行います。もともとはケガをした時の応急処置をする場所でした。昔(昭和の時代)は街に整形外科が少なく接骨院はとても重宝されていましたが現在はそのようなこともなく、資格を持った人の数だけが増えてしまったために過当競争に陥り近年では自費で怪しい治療を行う整骨院も存在します。注意が必要です。そして何より柔道整復自体が研究論文(研究自体)の数がものすごく少ないのです。それも大きな問題でしょう。医療として発展する可能性が低いです。

最後にリラクゼーションサロン・整体院との違いについても説明します。街を歩いているとよく「もみほぐし」、「整体」、「リラクゼーション」などといった看板を見たことがないでしょうか?とってもわかりづらいのですがこの業態は鍼灸院とも違います。マッサージですらありません。マッサージというのは国家資格でマッサージを名乗っていいのはあんまマッサージ指圧師だけで、看板に効果効能なども書くことが出来ません。「リラクゼーション」は、無資格マッサージの業態とみることもできます。そもそも保健所管轄でないので資格や届け出も必要がありません。医療のカテゴリーでは無いのです。誰でも簡単に開業できるうえに広告制限も必要ないので効果などを大げさにうたっているところも散見されます。もちろん真面目にやっているところもありますが例えば何年か前に根拠のない「小顔矯正」をうたっていたサロンが措置命令という行政処分を受けたことがあります。あくまでも「娯楽」にとどめた方が良いでしょうし利用するには注意が必要です。

 

3,上手に鍼灸を使おう

上記のように鍼灸は痛みに対して、病院ではあまり解決できないような不定愁訴に対して、また薬を使わずアプローチできますが一方で病院にはしっかりかかっておいた方が良いケースもあることはまた事実なのです。精密検査を受けなければわからない病気も少なからず存在します。そして、年配の人は何かあれば病院に行くことが多いが、働いている年代は忙しく時間もないので、不調を感じても病院へはあまり行かずに鍼灸等の施術所で済ませていることが多い。というデータも存在します。普段からあまり病院に行かず、かかりつけ医がいない状態だと制度上、精密検査をスムーズに受けられない場合や満足いく医療サービスが受けられない場合もあるのです。必要に応じて病院での検査も受けながら上手に鍼灸院を利用すると良いでしょう。田無北口鍼灸術では上手な病院のかかり方も来所された皆様にお伝えしていますのでお気軽にご相談ください。

三叉神経痛、片頭痛、群発性頭痛の鍼治療

「三叉神経痛」の症例をご紹介しておきます。鍼治療で改善したようなのでこちらで経過などを書いていきます。*かならず改善するということではなく一例です。

経過

30代女性。もともと顎関節症気味で首や肩に強いコリがある。年末年始の疲労からか?頭痛や歯の痛みを感じるようになった。水やお湯を飲むと刺激で痛みが増強。弊所で状態を見せていただきお話を聞く。

おそらく三叉神経痛では?

と思ったが脳疾患などでは困るので念の為脳神経外科等の病院にも行くよう指導。・・・精密検査の結果特に異常はなく担当の医師からも「三叉神経痛ではないか?」との診断が下された。一般的には薬物療法や場合によっては手術療法などもあるようですが鍼治療でも頭痛症状に改善効果があります。研究論文も存在します。

施術内容

顔面・頸部・肩・頭部・額関節周辺の緊張が非常に強い。その周辺の緊張を和らげ血流を促進する目的で鍼や灸の施術を行った。頻度は週3回ペース。毎回症状は緩和。8回目くらいで日常生活の不自由や痛みを感じなくなった。

似たような病気

片頭痛(偏頭痛)も同じように血管に由来する頭痛である。治療法も似ている場合が多い。ほかには男性に多い「群発性頭痛」という疾患もある。(同じカテゴリーで考えられることもある)鍼治療で改善することも多い。しかしながら、前述のように脳の疾患などがあってはいけないいので状況を知っておくことも大事で病院で診察を受けることも重要です。また「血管拡張すると痛みが増す」・・・ような痛みが出た場合応急処置として冷やすことも有効です。仰向けになって眼の周辺を冷やすと痛みが落ち着く方が多いです。(応急処置法)この痛みのコントロールを知るだけでも「薬だけ」に頼らなくてもよくなり精神的にずいぶん楽になる方は多いです。

必要に応じ病院もご紹介できます。何かあればご相談ください。

頭痛に関して分類(緊張型頭痛・片頭痛など)と鍼灸

<1>頭痛の分類

頭痛とは頭部の一部あるいは全体の痛み総称。国際頭痛学会の頭痛分類は以下のように頭痛を分類している。

(1)一時性頭痛

・ 片頭痛

・ 緊張型頭痛

・ 群発痛およびその他の三叉神経痛、自律神経性疼痛

・ その他一時性頭痛

(2)二次性頭痛

・ 頭頚部外傷による頭痛

・ 頭頸部血管障害による頭痛

・ 非血管性頭蓋内疾患による頭痛

・ 物質またはその離脱による頭痛

・ 感染症による頭痛

・ ホメオスタシスの障害による頭痛

・ 頭蓋骨・首・眼・耳・副鼻腔・歯・口など顔面・頭蓋の構成組織障害による頭痛、顔面痛

・ 精神疾患による頭痛

(3)頭部神経痛、中枢性一時性顔面痛
及びその他の頭痛

・ 頭部神経痛および中枢性顔面痛

・ その他の頭痛 頭部神経痛など

鍼灸院の現場では片頭痛および緊張型頭痛の相談や施術が多いです。それらを中心にまとめていきます。

<2>頭痛に対する鍼灸治療のエビデンス

(1)一時性頭痛に関して

欧米では「非薬物療法」として広く認知されランダム化比較試験による報告も多い。

一例

・ 通常治療(薬物療法)

→ 3か月の頭痛日数が
8.1日から7.5日に減少

・ 通常治療に加え、鍼治療を加えた群
→ 3か月の頭痛日数が
8.4日から4.7日に大きく減少。

*医歯薬出版株式会社
「鍼灸臨床最新科学より」

片頭痛の予防に関してはコクランレビューで比較的ポジティブな評価。

現代医学のガイドラインでも片頭痛の鍼灸治療は推奨度が高いです。

<3>まとめ

一時性の頭痛片頭痛や緊張型頭痛に関しては鍼灸治療がとても有効でエビデンスもあります。薬物療法以外の選択肢として妊婦さん、薬を飲みたくない方へも有効です。一時性頭痛でなくまた緊急性が疑われる場合などは医療機関への受診を勧めるなどフォローさせていただきます。お気軽にご相談ください。

動画も参考までにご覧ください。

片頭痛・偏頭痛(へんずつう)の応急処置方法

梅雨時や季節の変わり目、気温さが激しい時期など「片頭痛がひどくなる」というご相談をいただくことが多いです。片頭痛かどうかは診断基準があります。

前兆のない片頭痛の診断基準
国際頭痛分類第2版、2004年

日本頭痛学会より

A. B~D を満たす頭痛発作が
5 回以上ある

B. 頭痛の持続時間は4~72 時間
(未治療もしくは治療が無効の場合)

C. 頭痛は以下の特徴の少なくとも
二項目を満たす
1.片側性
2.拍動性
3.中等度~重度の頭痛
4.日常的な動作
(歩行や階段昇降など)
により頭痛が増悪する、あるいは
頭痛のために日常的な動作を避ける

D. 頭痛発作中に少なくとも
以下の一項目を満たす
1.悪心または嘔吐
(あるいはその両方)
2.光過敏および音過敏

E. その他の疾患によらない

・・・弊所に相談に来る方は病院ですでに診断を受けてから来所される方が多いです。

・ 病院に行ったがあまり頭痛が改善しない

・ 病院の薬があまり効かない

・ 薬をあまり飲みたくない

など。理由は様々ですがある程度自分の症状についてどのような状態かわかってらっしゃる方も多いのです。鍼灸は一時性頭痛と呼ばれる頭痛(緊張型頭痛や偏頭痛など)に対して効果が高いです。エビデンスも豊富です。現代医学のガイドラインでも推奨されています。頭痛で悩む方は緊張型頭痛にしても片頭痛にしても緊張をしている方が多いです。鍼灸の施術では筋緊張を和らげていきます。

片頭痛は血管が拡張することで起こる頭痛ですので施術後に痛みが一時的に悪化することもあります。そのような場合は写真のようにアイシングしたりもします。血管を収縮させると頭痛は治まります。自宅での片頭痛応急処理も、横になっておでこを冷たいタオルなど冷やすといいでしょう。温めるより冷やす方が楽になるはずです。やってみてください。ただし悪化した場合はすぐに中止し専門家に相談してください。あくまでも応急処置です。

2022年1月5日から1月31日までのPayPayキャンペーンに関して

2022年1/5からPayPayの25%ポイントキャンペーンが開始されます。条件等は詳細をご覧ください。なお今回、PayPayキャンペーン事務局に問い合わせましたところプリペイドではなく回数券販売の方が望ましいという見解でした。クライアント様のトラブルを避けるために以下のような回数券を販売します。*ポイント還元についてご不明な点がある方は直接PayPayまでお問い合わせください。

田無北口鍼灸院 新春特別施術回数券 

メンテナンスコース1回 5900円

(通常価格 税込み6600円)

*PayPayで購入されるとさらに1000円分のポイント還元

販売期間 2022年1月4日~1月31日

有効期限 2022年1月5日~12月末

購入した翌日からご使用になれます。

おひとり様8枚まで購入できます。

回数券を使う場合施術時間の延長等もできます。ご相談ください。

・ プリペイドポイントでの購入は出来ません。現金、PayPay、クレジットカードでの購入のみでお願いしています。

・ ご友人・ご家族に譲渡可能

・ 換金・返品等はできません。

・ 回数券は予約や施術を優先するためのものではございません。通常通りのご予約をお願い申し上げます。

帯状疱疹(ヘルペスウィルス)神経痛と鍼灸

<1>帯状疱疹の原因は?

帯状疱疹は「ウィルス感染」によっておこります。疲れや寝不足などによって免疫が低下していると感染するので「日和見感染」などと呼ばれます。発症の原因となるのはヘルペスウィルスと呼ばれるウィルスでたくさん種類があり人間に感染するものだけでも8種類存在し、そのうち帯状疱疹を発症させるウイルスが「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」と呼ばれます。ヘルペスを発症させるウイルスは2種類に分けられ、主に上半身に感染するのが

(1)単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)

下半身に感染するのが

(2)単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)

と呼ばれます。

帯状疱疹はその名の通り体の右半身か左半身のどちらかに、「着物の帯のように」水ぶくれが密集して現れます。右半身か左半身のどちらかに症状が現れるのは、ウイルスが進出する末梢神経が身体の左右別々に広がっている事に由来します。皮疹出現の2から7日前にのちに皮疹が出現する部位に痛みや知覚異常、かゆみが出現することが多いです。

<2>早期治療・薬物療法が基本

もしも帯状疱疹が疑われた場合すぐ皮膚科等病院に行き薬物療法による治療を受けることが原則です。顔面部で帯状疱疹がおこると顔面神経麻痺の原因にもなります。

とにかく悪化させないためにもまずは病院へ行き早期治療開始をするのが良いでしょう。抗ウィルス薬のアシクロビル、バラシクロビルや痛み止めのロキソニン等神経回復のためのビタミンB12のメチコバール等が処方されることが多いです。

<3>神経痛に対して「鍼灸は有効か?」

簡単に改善するものではないこともありますが、結論から言えば有効です。帯状疱疹は一定期間の潜伏期を経て神経痛として体に出現することがあります。肋骨に起こると「肋間神経痛」などと呼ばれます。これらの痛みに関しては病院では痛み止めのカロナール等が処方されます。(漢方などが処方される場合もあります。)あまり効果を感じない場合は併用して鍼灸が有効です。様々な論文も存在します。帯状疱疹が出現したらまずは病院への受診が原則ですがその後の後遺症や痛みの補助的な治療として鍼灸がとても役に立ちます。弊所では漢方治療の併用などもご紹介できます。まずはご相談ください。

一例

「帯状疱疹痛に対する鍼治療の効果」

また国外の論文ですとNCBI(国立生物工学情報センター)にも掲載されていました。全部は紹介しきれないので簡単な日本語訳を一部、紹介させていただきます。少し長いですが興味がある方はお読みください。

Acupuncture in acute herpes zoster pain therapy (ACUZoster)– design and protocol of a randomised controlled trial

日本語訳

急性帯状疱疹疼痛治療における鍼治療(ACUZoster)

– ランダム化比較試験のデザインとプロトコール

*アブストラクトの翻訳を以下に載せます。神経痛に鍼灸が安全で有効かもしれないということが書かれています。詳しく知りたい方は上記論文を読んでみてください。

<バックグラウンド>

ヘルペス帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって引き起こされる特有の症候群である。

それは、デルマトーム分布に続く痛みを伴う、水疱の多い皮膚の萌出を特徴とする。年齢、ストレス、または免疫抑制のためにVZVに対する細胞性免疫が低下するにつれて、ウイルスは再活性化して感覚神経に沿って皮膚に移動し、発疹の発疹の後に特徴的な前駆痛を引き起こす。帯状ヘルペスの診断は、発疹の特徴的な外観に臨床的に基づいています。臨床的に不明確な場合にのみ、PCRによるVZV-DNAの病変検出を用いて診断を確認することができる。帯状疱疹はあらゆる年齢で起こりうるが、最も一般的に高齢者に影響を及ぼす。生涯に約3人に1人が 帯状ヘルペスを発症すると推定されています。ヘルペス帯状塊の発生率および帯状ヘルペス関連合併症の発生率は年齢とともに増加する。ヘルペス帯状疱疹の症状には、掻痒、感覚異常、および関連する皮膚病の分布に伴う痛みが含まれる。最も悲惨な症状は一般的に痛みであり、中枢神経系または眼の関与の他に最も恐れられる合併症はヘルペス後治癒後の 痛みの持続性であるヘルペス後神経痛(PHN)である。PHNは、発疹が解消してから3ヶ月以上持続する疼痛であると定義されている。70歳以上の患者では、急性帯状ヘルペス後にPHNが ほぼ半分になる。ヘルペス帯状疱疹に関連する急性疼痛およびPHNの慢性疼痛の両方は、健康関連QOLに複数の悪影響をもたらす。

ヘルペス帯状疱疹の患者では、さまざまなタイプの痛みや他の感覚症状がみられ、これらはその存在、位置、持続時間、強度、および質に関して大きく異なる。これらの疼痛状態は、身体的、感情的、社会的機能に大きな障害をもたらし、結果的に医療費が増加する。ヘルペス帯状疱疹およびPHNに関連する疼痛の予防および治療のための有効な戦略の開発は、未だ公衆衛生の必要性が満たされていない。帯状ヘルペスの早期発見と治療は急性症状を軽減し、またPHNの発生を減少させる可能性がある。証拠ベースは、三環系抗うつ薬、特定のオピオイド、およびPHNを予防または治療するためのガバペンチノイドの経口使用を支持する。このメタアナリシスの著者は、軽微な有害事象のかなりの頻度を抽出することができた。最も頻繁に報告される有害事象はめまいと鎮静であり、患者の生活の質とコンプライアンスが低下する。さらに、現行の介入は、 帯状ヘルペス痛およびPHNのすべての症例を完全に予防または適切に治療するわけではない。鍼灸は代替として考えられるかもしれない。神経因性疼痛状態の治療において鍼治療が有利であるという証拠がいくつかある。さらに、鍼治療は副作用の少ない安全な治療であることが知られている。

<研究の目的>

提示された試験の第一の目的は、標準化された鎮痛薬に加えて、帯状ヘルペスに関連する痛みの治療において、4週間半標準化された鍼治療が抗けいれん薬 ガバペンチンおよび偽レーザー鍼治療に比べて劣っているかどうかを調べることである。生活の質への影響、鎮痛性の要求、感覚の知覚の変化、疼痛発作の頻度の変化、疼痛発作の頻度の変化、ヘルペス後神経痛の発生率、副作用および費用対効果。

全人的苦痛(トータルペイン)とWellness(ウェルネス)

全人的苦痛(ぜんじんてきくつう)とは、トータルペインともいわれ末期がんなど予後不良の患者が体験している複雑な苦痛のことです。 近代ホスピス運動の創始者と呼ばれる英国の医師シシリー・ソンダースが、末期がん患者との関わりを通して提唱した概念で、慢性疼痛などなかなか治らない痛みでも当てはまることが多いです。痛みといっても様々ですが慢性化したり長期化すると様々な苦痛が生じ、それがたがいに影響を与えるため複雑になり対処が難しくなります。

また、痛みだけでなく自律神経系の不調による不快症状や精神疾患などもなかなか治らず慢性化することがあります。鍼治療は当然、それらに対しても効果がありますし対処もできますが、「考え方や方法」についても書いていきます。

(1)Wellness,Well beingの状態を目指す。

人はどんな状態にあっても「より良い状態」を目指す事はできます。Wellnessとは健康を身体の側面だけでなくより広義に総合的に捉えた概念のことで、米国のハルバート・ダン医師が提唱した「輝くように生き生きしている状態(1961)」のことです。他にもこれまで多くの研究者らがウェルネスの探究と追定義を重ねてきました。世界中の研究者がウェルネスの概念をまとめあげるとき、人種、民族、性別、性的指向、宗教、言語をはじめ、様々な見地からの解釈があります。「ウェルネスの概念は確定したものではなく、これからも変化していくものである」ということも注目すべきことの一つでしょう。Wellness(ウェルネス)は健康に対して前向きでありより輝く人生を志向している状態です。対してHealth(ヘルス)は疾病中心であり受け身であるという見方ができます。健康や病気に対しての考え方の違いですが、結果は大きく異なってくるでしょう。「自分でもできる事をしよう。自分らしくあるように生きよう。」と前向きな考え方をした方が「どうせよくならない」とあきらめて何もしないより、体調も良くなっていくのではないでしょうか?

ちなみにwellness(ウェルネス)とwell being(ウェルビーイング)は似たような意味合いですが「過程と結果」のような使い分けで語られることが多いです。また日本発の言葉では昔から使われる「養生」があります。江戸時代に出版された貝原益軒の養生訓は当時のベストセラーでした。養生、も似たような意味合いがあるものの摂生の意味も含まれる言葉になっています。東西を問わず、いつの時代も健康でありたい、より快適でありたいという願望や健康への高い関心は不変と言えるでしょう。

疾病中心のHealth(ヘルス)の考え方では慢性疼痛や精神疾患、がんなど治りづらい病気の場合どうしても行き詰ってしまうことがあります。どんな状態であってもWellness,Well beingのように「より良い状態・より前向きな状態」を目指すことが一つの目標になるかもしれません。鍼灸治療を通しても、そのような状態になるお手伝いができます。

(2)多職種連携により解決を目指す。

難治性で慢性化した患者さんの問題を医療機関だけで解決する事は不可能なことがあります。場合によってはソーシャルワーカー、行政、法律の力などが必要なこともあるでしょう。痛みの観点から考えても病院などの通常医療機関に加えて鍼灸治療をした方が良い場合もありますし、精神的な痛みに対してはカウンセラーの力が必要な場合もあるでしょう。積極的に多職種と連携していくことが患者さんのためであり一つの解決策になることがあります。しかし現実的にはなかなか医療連携はじめうまくいかない、またはそのような事例が少ない、まだまだ実現されていない、ということも考えられます。

田無北口鍼灸院では開業当初から医療機関をはじめ様々な連携を実施していますのでお気軽にご相談ください。

 

参考:よくわかる痛み・鎮痛の基本としくみ(秀和システム)、ウェルネスツーリズム・サードプレイスへの旅 荒川雅志著(フレグランスジャーナル社)

適応障害・うつ病との違い、鍼灸

1,適応障害とは?

ある特定の状況や出来事(転勤、入学、人間関係など)が、その人にとっての主観的な苦悩やストレスとなり、気分や行動面、身体面に症状が現れます。ネガティブな出来事だけではなくポジティブな出来事もストレスとなりうるのです。例えば「仕事の昇進」などはおめでたいことですが人にとってはストレスになり得ます。その結果、憂うつな気分や不安感が強くなり、神経が過敏になったりします。そのために自律神経失調症のような症状が出ることも少なくありません。WHOのICD-10分類では、「ストレスが原因で引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」と定義されます。ストレスの原因は、個人レベルから災害などまで様々で、個人のストレスに対する感じ方や耐性も大きな影響を及ぼします。ストレスとなる状況や出来事がはっきりしているためその原因から離れると、症状は次第に改善します。ストレスの原因から離れられない状況では、症状が慢性化することもあり注意が必要です。

適応障害とは簡単に言えば「ストレスが原因で体調や精神面が良くない状態」とイメージするとよいかもしれません。

 

2,適応障害とうつ病の違い

適応障害は短期的であり、「ストレスにさらされてから比較的すぐに発症しやすい・ストレスから離れるとすぐに良くなる傾向」、「うつ状態の間でも楽しいことがあれば楽しめる」、「セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンなどの神経伝達物質は正常のため薬が効きづらい」、などの特徴があります。以下にわかりやすくまとめました。また「うつ状態」というのはこれらの症状の総称です。

3,適応障害の症状

精神面では、抑うつ気分、不安、怒り、焦りや緊張などの症状が出やすいです。行動面では、暴飲暴食、無断欠席、無謀運転や暴言など攻撃的な行動がでることもあります。不安が強く緊張が高まると、身体にもいわゆる自律神経失調症のような症状も出ます。めまい・耳鳴り・胃腸の不調・首肩のコリ・腰痛・頭痛・吐き気・微熱・疲れが取れない・不安感が続く・動悸がする・・・などです。

4,どんな検査をしてどんな治療をする?

診断基準があるため適応障害か?うつ病か?の判断は自分ではせずにまずは診療内科の医師など専門家を頼りましょう。ICD-10の診断基準では「通常生活の変化やストレス性の出来事が生じて上記のような症状が1カ月以内にあり、ストレスが終結してから6カ月以上症状が持続することはない」とされます。ストレスが慢性的に存在する場合は症状も慢性化するため注意が必要です。診断では、ほかの病気が除外される必要があり、統合失調症、うつ病などの気分障害や不安障害などの診断基準を満たす場合はこちらの診断が優先されます。有病率は、ヨーロッパでの報告で人口の1%といわれていますが適応障害と診断されても、5年後には40%以上の人がうつ病などの診断名に変更されています。その後の重篤な病気の前段階の可能性もあるため注意が必要です。

治療はまずはストレスから距離を置くことが最優先となります。薬物療法は補助的に、対処療法的に行われます。認知行動療法なども有効ですが時間もかかるため少しハードルが高いかもしれません。休息は大事ですが気分転換と称して極端に楽しいことをしようとしたりまたお酒に手を伸ばすことは避けた方が無難でしょう。医師とよく相談をしながら治療方針を決めていくのが良いでしょう。

5,適応障害と鍼灸治療

前述のとおりまずは病院での診察を受けましょう。職場を休むことになる場合は医師の診断書が必要な場合も出てきます。*弊所では心療内科もご紹介できますが、心療内科に行くのがなんとなく抵抗がある場合は漢方内科などもご紹介しています。ほとんどの場合で鍼灸施術と併用可能です。鍼灸治療は「緊張緩和」などを目的に補助的に行います。(上記写真のように頭や眼の周りに鍼を刺すこともございます。)その結果、ストレスに対して強くなったり休息に向かうことで回復が早まることも多いです。お困りの方はまずはご相談ください。詳しくはこちら 初回料金:7150円 2回目以降:6600円 *継続通院する方はプリペイド優待もございます。