妊娠を希望される方への鍼灸施術に関して。
不妊治療を「鍼灸」で行うのはどういったことなのでしょうか?秘密のツボがあり、そこに鍼をしたりお灸をすると一発で問題が解決する・・・ということではありません。結局は体質改善を行って「妊娠しやすい体」を作っていくことです。鍼灸院にいらっしゃるほとんどの方はすでに病院にも通っています。病院で検査を受けていたりすでにAIHなど始めている方もいらっしゃいます。
医学的な検査を受けることはとても重要です。病気の問題がないか?精子や卵子に問題がないか?器質的な問題がないか?まずは調べるのが良いでしょう。調べた結果特に異常なし、だけども子供が授かれない状況が続いている場合などは機能性不妊と呼ばれることもあります。そのような場合に鍼灸治療はお力になれることがあります。機能が落ちている状態は病気などではないのでなかなかお薬などでは対処できないのではないでしょうか?*漢方薬などはまた別です。
原因はわからなくても誘引はあります。冷えやすい、凝りやすい、緊張が強い、太っている痩せている、むくみが多い・・・などです。鍼灸ではそれらを整える施術を行います。病院での治療に加えてプラスアルファで鍼灸施術を行う補助的な役割になります。鍼灸は体調を改善していくことがあなたのお役に立つと思います。
では具体的に何をするのでしょうか?また施術を行うと効果的なのはどのような人か?エビデンスは?・・・など細かく見てまいりたいと思います。
<こんなことでお困りでないですか?>
☑ 生理痛・生理前の不調が昔からある
☑ 首肩こりなどで昔から悩んでいる
☑ 体がだるい スッキリしない
☑ 便秘がち
☑ 疲れやすい
☑ 浮腫みがある
☑ 冷え性だ
☑ 痛み止めを長く服用している
・・・これらは身体のストレスの一つのサインです。鍼灸の施術ではこれらを解消し
・ 血行の改善
・ コリの改善
・ 自律神経の調整
・ 浮腫みの改善
などを目的とした施術を行い妊娠しやすい体づくりのお手伝いをしていきます。
<不妊症とは?原因は?>
アメリカ生殖医学会(ASRM)では1年間、国際産科婦人科連合(FIGO)では2年間、妊娠を希望するも子供に恵まれない場合を不妊症としています。なかなか子供が授かれない方や、一人目は自然に授かったが二人目が・・・という方、など様々なケースでお悩みの方がいらっしゃいます。原因としては女性因子として排卵因子が10~15%、卵管因子が30~40%、頸管因子が10%、原因不明が10%~25%、男性因子が30~40%と報告があります。(武谷雄二・新女性医学体形より)不妊原因には複数因子が存在することも多く、原因の割合評価は困難です。しかしながら全く原因がないわけではなく現在の診断技術では見つけるのが困難、と理解するのがよいかもしれません。
<不妊症の鍼灸エビデンス>
わが国では古くから鍼灸治療が不妊治療に対して行われているものの、臨床研究などは行われていない。諸外国ではRCT(ランダム化比較試験)は多数行われています。胚移植前後の鍼治療RCT、排卵時の鍼治療RCT、数回にわたる継続的鍼治療のRCTなど様々なランダム化比較試験が存在します。
<不妊に対する鍼灸メカニズム>
以下のような効果があることから不妊症改善の影響があるのではないかと考えられています。
・ 神経内分泌系調整
・ 子宮や卵巣の血流動態
・ ストレスや不安軽減
どのような頻度で。通院すればよいか?まずは一度ご相談ください。
*参考 鍼灸臨床最新科学 メカニズムとエビデンス(医師薬出版株式会社)