カテゴリー: お知らせ・ブログ・思うこと

    田無北口鍼灸院の連絡事項やお休みのお知らせニュースのまとめ制度について思うこと・・・などまとめていきます。問い合わせがある場合は院に直接連絡くださいますようお願いいたします。

がん(癌)患者さんへの鍼灸治療について

がんと一口に言っても様々です。ステージやできる場所によっても症状に大きな違いがあります。また基本的に鍼灸治療は「がんそのものへのアプローチ」ではなく症状の緩和になります。もちろん鍼灸治療を行うと腫瘍が小さくなるという研究はあるのですが試験管レベルであったり、あくまでも限定的です。ですから例えば抗がん剤をすべて中止し、鍼治療にすべてをかけるように極端な期待をすることはやめておいた方がいいでしょう。通常医療を利用した上で「補完的に」鍼灸治療を利用するとよいでしょう。場合によってはこちらから主治医に報告のお手紙を書く事も可能です。まずはご相談ください。

以下にがん患者さんが鍼灸治療によって期待できる効果を挙げていきます。

1. 疼痛緩和

鍼灸は疼痛管理に効果があるとされています。特に、癌に関連する痛みや治療の副作用としての痛み(例:手術後の痛み、化学療法による神経障害など)を軽減することが報告されています。

2. 副作用の軽減

鍼灸は、化学療法や放射線治療の副作用(例えば、吐き気、嘔吐、倦怠感、食欲不振、むくみなど)を軽減する助けになることが研究で示されています。これにより、患者の治療の忍容性が向上し、生活の質が改善される可能性があります。

3. 不安やストレスの緩和

癌の診断や治療に伴う心理的なストレスや不安を緩和する効果があると言われています。鍼灸治療は、リラックス効果があり、心身のバランスを整える助けになることがあります。

4. 疲労の軽減

鍼灸は、癌患者が経験する慢性的な疲労やエネルギーの低下を改善するのに役立つ場合があります。これにより、日常生活の活動性が向上する可能性があります。

5. 免疫機能のサポート

一部の研究では、鍼灸が免疫系に良い影響を与える可能性があることが示唆されています。特に、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性化を促すことで、免疫力のサポートが期待されています。

6. 自律神経機能の改善

例えば消化不良や便秘など、消化器系の不調や自律神経症状にも鍼灸が効果を示すことがあります。これにより食欲が増したり便秘が改善することがあります。

自律神経症状については以下に具体的な症状の例を挙げます。

(1)不眠症

癌患者は、診断や治療によるストレス、不安、疼痛などの影響で不眠症を経験することが多いです。鍼灸治療は、リラクゼーション効果を通じて副交感神経を活性化し、睡眠の質を改善するのに役立つことが研究で示されています。

(2)ホットフラッシュ(発作的な発汗)

化学療法やホルモン療法を受けている癌患者は、更年期に似たホットフラッシュ(発作的な顔面や体のほてりと発汗)を経験することがあります。鍼灸治療は、体温調節に関与する自律神経のバランスを整えることで、ホットフラッシュの頻度や強度を軽減する効果が期待されています。

(3)消化器系の症状(吐き気、便秘、下痢の症状改善)

自律神経の乱れは、吐き気、嘔吐、便秘、下痢、腹痛などの消化器系の症状を引き起こすことがあります。鍼灸治療は、胃腸の運動を調整し、消化液の分泌を正常化することで、これらの症状の緩和に効果を示す場合があります。

(4)疲労感

癌治療中や治療後の慢性的な疲労感(癌関連疲労)は、自律神経系のバランスの乱れと関連していることがあります。鍼灸は、エネルギーの流れを整え、疲労の軽減や活力の回復をサポートする効果が期待されています。

(5)不安やストレス

鍼灸は、不安やストレスを緩和する効果があるとされ、自律神経のバランスを整えることで、これらの心理的な症状を軽減する助けになります。不安やストレスの軽減は、癌治療中の患者にとって非常に重要です。

(6)頭痛やめまい

鍼灸治療は、血流を改善し、筋肉の緊張を緩和することで、頭痛やめまいを軽減することができます。これも自律神経のバランスが改善されることにより得られる効果の一つです。

(7)冷え性や末梢の血行障害

自律神経の不調は、手足の冷えや血行不良を引き起こすことがあります。鍼灸は血行を促進し、手足の冷えやしびれを改善する効果が期待されています。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の方への鍼灸治療

どのような病気か?どのようなことが鍼灸治療でできるのか?解説します。ALSをお持ちの方で痛みや自律神経症状、嚥下障害などでお困りの方は一度弊所までご相談ください。

病気の概要

主に中年以降に発症し、一次運動ニューロン(上位運動ニューロン)と二次運動ニューロン(下位運動ニューロン)が選択的にかつ進行性に変性・消失していく原因不明の疾患である。病勢の進展は比較的速く、人工呼吸器を用いなければ通常は2~5年で死亡することが多い。

症状

ALSは発症様式により、(1)上肢の筋萎縮と筋力低下が主体で、下肢は痙縮を示す上肢型(古典型)、(2)構音障害、嚥下障害といった球麻痺が主体となる球型(進行性球麻痺)、(3)下肢から発症し、下肢の腱反射低下・消失が早期からみられ、二次運動ニューロンの障害が前面に出る下肢型(偽多発神経炎型)の3型に分けられることがある。これ以外にも、呼吸筋麻痺が初期から前景となる例や体幹筋障害が主体となる例、認知症を伴う例もあり多様性がみられる。

公益財団法人 難病情報センターより)

段階的な症状

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の進行症状は、一般的に次のように医学的に分類されます。この分類は、ALSの進行に伴う筋力低下や機能障害を中心にした段階的な進行を示しています。ALSの進行は個人差があるため、すべての患者にこれらの段階が当てはまるわけではありません。

初期段階(Stage 1: Early Stage)

症状の特徴 :

初期の筋力低下が特定の筋群に限定される。最初は片側の手や足の筋力低下、筋肉の萎縮が見られることが多い。

機能的影響 :

日常生活での軽微な障害(例:物を持つのが難しい、階段を上るのに時間がかかるなど)。

臨床的所見 :

神経学的検査で筋力低下が観察されるが、一般的には重大な機能障害はまだない。反射異常(例:深部腱反射の亢進)が見られることがある。

中期段階(Stage 2: Middle Stage)

症状の特徴 :

症状が左右の両方に広がり、複数の筋群に及ぶようになる。上肢や下肢の筋力低下が進行し、筋肉の硬直や痙縮が現れることがある。

機能的影響 :

動作が徐々に困難になる。歩行の困難さが増し、手の巧緻性が低下する。自立した生活が難しくなる可能性がある。

臨床的所見 :

筋萎縮がより明確になり、筋力低下と共に筋緊張異常(痙性)や筋肉のけいれんが見られる。嚥下困難や言語障害(構音障害)が出始めることもある。

後期段階(Stage 3: Late Stage)

症状の特徴 :

全身の筋力低下と筋萎縮が顕著になり、呼吸筋も含む全身の筋肉が影響を受ける。食べ物を飲み込むのが非常に困難になり、誤嚥のリスクが高くなる。

機能的影響 :

日常生活の全ての動作に介助が必要となる。歩行や立ち上がることがほとんど不可能になる。多くの患者は車椅子を使用する。

臨床的所見 :

筋力低下が著しく、四肢の筋肉や軀幹筋、呼吸筋が広範囲にわたって萎縮し、痙縮や不随意運動が増加する。呼吸困難が現れる場合があり、呼吸補助が必要になることが多い。

4. 末期段階(Stage 4: End Stage)

症状の特徴 :

全身の筋肉が著しく萎縮し、運動能力が完全に失われる。呼吸筋の麻痺により、呼吸不全が生じる。

機能的影響 :

ほぼ全ての身体機能が失われ、自立した生活は不可能となる。人工呼吸器の使用が必要になる場合が多い。

臨床的所見 :

筋力の完全な喪失、呼吸機能の著しい低下が見られる。栄養摂取や水分補給のために経管栄養が必要となることが多い。

医学的分類のポイント

ALSの進行は段階的ですが、個々の患者で進行速度や症状の出現は異なります。また、ALSは下位運動ニューロン(筋肉への信号を伝える神経細胞)と上位運動ニューロン(脳から脊髄への信号を伝える神経細胞)の両方に影響を与えるため、症状は運動機能の喪失だけでなく、反射異常や痙縮などの上位運動ニューロンの症状も含まれます。

鍼灸治療のメリットは?

ALSそのものの進行を抑える等のエビデンスは不明ですが症状緩和に効果があります。鍼灸は薬を使わない治療法であることが魅力です。以下に具体例を挙げますが他にも様々なメリットを提供できますのでお困りの方は個別にご相談ください。

1.痛みの軽減

ALSの進行に伴い、筋肉の硬直や痙縮、または筋肉のけいれんによって痛みが生じることがあります。鍼灸治療は、これらの痛みを軽減するのに役立つ可能性があります。特に、神経伝達物質の調整を通じて痛みを和らげる効果が期待できます。

2,筋肉の痙攣と硬直の緩和

ALS患者は筋肉の痙攣や硬直に苦しむことがよくあります。鍼灸は筋肉の緊張を緩和し、柔軟性を改善することができるため、患者の快適さを向上させる可能性があります。

3,リラックス効果とストレス軽減

ALSのような進行性疾患の診断は心理的ストレスを引き起こします。鍼灸治療はリラクゼーションを促進し、不安感やストレスの軽減に寄与する可能性があります。患者がリラックスすると、全体的な生活の質が向上することがあります。

4,睡眠の改善

痛みや筋肉の不快感、ストレス、不安が睡眠の質に影響を与えることがあります。鍼灸はこれらの症状を緩和することで、患者の睡眠の質を改善することが期待されます。

5,疲労感の管理

鍼灸治療はエネルギーレベルを調整し、慢性的な疲労感を軽減するのに役立つことがあります。これは、ALS患者が日常生活をよりよく管理できるようにするために有益です。

6,唾液分泌(嚥下)の調整

ALS患者は時折、過剰な唾液分泌や口渇を経験します。鍼灸は唾液の分泌を調整するのに役立つ場合があります。*ALS患者が対象ではありませんが東北大学が鍼灸治療と嚥下の関係を研究しています。

高齢者・障碍者の方への鍼灸施術(出張も対応)

高齢者や障害を持つ方は以下のような悩みを持つことがあります。鍼灸によるケアに興味がある方はまずはお電話にてご相談ください。

・痛みが強いが車いすのため出歩けない・・・

・持病で寝たきりになった・・・

・痛みが強いけどこれ以上薬を服用したくない・・・→  鍼灸施術は薬以外の症状緩和方法としても効果が期待できます。

高齢者・障碍者の方の特徴、注意点

高齢者の疾患には以下のような特徴があります。(ケースバイケースです。お悩みにあわせて個別に対応できます。)

・ 一人で多くの疾患を有する→  いろいろな病気を持っていたり様々な薬を服用していたりします。

・ 症候が非定型的→  特徴的な症状が出るとは限りません。

・ 潜在的に臓器の機能低下がある→  便秘や自律神経症状も多いです。

・ 慢性疾患が多い

・ 薬物に対する反応が一般成人と異なる場合がある。

・ 生活機能障害をもたらす疾患が多い→  運動機能低下や、高齢者の場合は知的機能低下が生活機能の低下を招くことがあります。

・・・あくまでもケースバイケースで一例ですがざっと挙げただけでも上記のような特徴があるため注意して経過を観察し施術を行う必要があります。

お悩みの方は出張による施術も受け付けております。また医師の同意を得られれば健康保険の適用になる事もあります。生活保護や障碍者の方、透析中の方、糖尿など持病をお持ちの方、様々な方に対応できます。お悩みがある方は一度ご相談ください。

出張施術を行った方の例

・ 80代女性

圧迫骨折後の神経痛
歩けないために介護施設での施術

・ 30代女性

脊椎損傷のため寝たきり
医師の確認を取り自宅で施術

・ 80代男性

腰痛
持病の糖尿病あり
車いす生活のため自宅で施術

鍼灸施術は痛みをとるだけではなく自律神経の不調も改善し生活の質を上げることができます。高齢者の方へはフレイルやサルコペニアの予防指導も併せて行うことができます。ご相談ください。(ご自宅での転倒にも充分お気をつけください。転倒から骨折し、筋力低下を起こし、寝たきりになるケースもあります。場合によっては西東京市内の骨密度測定を行っているクリニックもご案内することがあります。)

ご来院される方へ

弊所ビルはエレベーターもあります。入り口は車いすも入れるよう対応しています。しかし、このエレベーターはなぜか閉まるのが早いため車いすの方は不便だと思います。ご連絡くだされば下まですぐにお迎えにあがります。また賃貸マンションのためトイレはバリアフリー対応していません。申し訳ありません。近隣のトイレを事前にご案内します。

 

訪問・出張による施術(はり灸・各種調整)について。

最近、ご自宅等に出張してほしいというご要望が多いのでこちらで詳細をまとめておきます。

<1>どんな状況で出張してほしい?

1、ぎっくり腰などで動けないため自宅に出張してほしい

ぎっくり腰等により動くのが困難起き上がるのも辛いという状況のため出張してほしいというご要望です。応急処置を行ってなるべく早く日常生活に復帰できるようにいたします。鍼灸や各種調整・アイシングなどを行い症状を改善させていきます。

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施術料金・出張料金について

急性的な症状の時は施術料金は45分程度6600円~が一つの目安となっております。

2、慢性的な神経痛・痛みがひどい、歩行困難などで定期的に施術希望。

慢性的な痛みや歩行困難などにより定期的に施術をしてほしい、というご要望も数多くいただきます。ご高齢者の方や脊髄損傷等により寝たきりになってしまった方など様々な方からご相談いただきます。痛みや神経痛は鍼灸施術や運動療法などにより症状が軽減されることがあります。

施術料金・出張料金について

料金は上記に同じく、45分程度の施術で6600円+出張料金が基本ですが定期的に施術を希望される場合で、医師の同意を得られれば健康保険等使える場合がございます。まずはご相談ください。また介護施設に通所中の方も一度ご相談ください。介護施設のリハビリと併用してもよいか?など確認が必要になります。
<2>出張に持っていく道具

出張にはタオルや施術道具を持参します。・・・用意していただくものは基本的にございませんが場合によっては氷(アイス)やタオルなどを用意していただくこともございます。

<3>出張に来てもらうべきか、迷ったら・・・

一度お電話にてご相談ください。症状などを伺い、施術方針や回復までの見通しなど詳しく説明させていただきます。また弊所の対応だけでなくすぐに病院に行ったほうが良い場合も
お伝えできます。

★メールフォームやLINEからの問い合わせも受け付けております。詳しくはこちらから…

うつ病と鍼灸治療

田無北口鍼灸院で施術や治療相談を行っていますと自律神経失調症をはじめうつ(鬱)、うつ傾向でお悩みの方が数多く来所されます。症状や治療方法、鍼灸治療は効果あるか?やうつ病の治療で使われる薬などについても書いていきます。また弊所ではうつ病やうつ状態の方や自律神経失調症でお悩みの方からの相談に数多く応じておりますが診断をすることもできませんし断薬を勧めたり、病院での治療方針を否定することは基本的にしておりません。まずは通常医療(病院の薬など)を選択した上で鍼灸治療と病院の併用をオススメしますが病院の治療が合わない場合などはお話をよく伺い、アドバイスさせていただきます。(断薬を勧めることはありません。)まずはご相談ください。

(1)うつ病とは?

うつ病になる原因は生物学的仮説、心理学的仮説などありますがはっきりは分かっていません。何らかの大きなストレスが誘因となることが多いようです。持続的なストレスが原因といわれています。症状は心や体に出ます。以下症状の例です。

抑うつ気分
不安・あせり
遠くへ行きたい・消えてしまいたい
興味や喜びの喪失
意欲低下
自責の念
会話の内容がわからない

睡眠障害
食欲減退
疲労・倦怠感
動悸
息苦しさ・口の渇き
身体の重さ
身体の痛み

(2)うつ病とうつ状態(症状)の違い

うつ病の場合は診断基準があり(DSM-5、ICD-10など)その基準に当てはまるものがうつ病と呼ばれます。うつ病が原因でうつ状態(症状)があらわれます。

うつ状態は

・ 気分が落ち込んでいて

・ 意欲や関心が喪失していて

・ 疲れが取れず

・ 考え方が後ろ向きになってる

といった状態(症状)を差しうつ病が原因でこの症状が現れているとは限りません。自己判断でなく必ず医師の診断を仰いでください。

(3)うつ病の治療

以下に大別されます。

1、休養

2、薬物療法

抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、その他

3、精神療法

認知行動療法など

4、その他

漢方薬による治療、運動療法、音楽療法、鍼灸治療など

(4)うつに対する鍼灸治療の可能性

上記(3)4,その他の治療法として鍼灸治療が用いられることがあります。

まずうつ病に対して鍼灸は効くのか?という点ですが海外のものも含め有効性が示された論文が多数存在します。最近ですと頭のてっぺんにある百会というツボに電気鍼治療を行い症状が改善した論文が上がっていました。厚生労働省の「統合医療情報発信サイト」にもうつ病に対する鍼治療の有効性の評価が掲載されていました。また明治国際医療大学の伊藤和憲先生がまとめた報告書によると93%の論文でハミルトンうつ病評価(HAM-D)尺度の改善が認められている、とのことでした。

うつの程度による効果の差異はHAM-D中等度以上に効果があり重症でも効果があるとされています。軽症に関しては調査が少ないために効果は明確でありません。また薬物単独で治療を行うよりも鍼治療を併用する方が良いとされています。論文でよく使われていてる経穴(ツボ)は以下です。

百会、四神聡、頭臨泣、印堂、内関、神門、

三陰交、足三里、太衝など。

脳の血流を促進するような効果があるのでしょう。まずはご相談ください。

★また精神疾患などによりマル障の医療証をお持ちの方は自己負担ゼロ円で鍼灸施術を受けらる可能性があります。事前にご相談ください。

メニエール病、メニエール症候群の違いについて

鍼灸院でよく見るめまい症状でメニエール病という病気があります。これは少し事情が複雑で一般の方にはわかりにくい部分もあるので解説していきます。

メニエール病とは?

まずはメニエール病とメニエール症候群の違いについて書きます。カンタンに言えば

メニエール病とは診断基準がある病気で、メニエール症候群とはメニエール病のようなめまい症状が出ているけど診断基準に当てはまらない状態

になります。メニエール病の診断基準は香川県のHPに記載されていました。これは日本めまい平衡医学会作成の診断基準(2017 年)に基づいたものです。患者さん自身がこの判別をするのは難しいので必ず専門の医師(耳鼻科)を頼りましょう。

A.症状

1.めまい発作を反復する。めまいは誘因なく発症し、持続時間は 10 分程度から数時間程度。

2.めまい発作に伴って難聴、耳鳴、耳閉感などの聴覚症状が変動する。

3.第Ⅷ脳神経以外の神経症状がない。

B.検査所見

1.純音聴力検査において感音難聴を認め、初期にはめまい発作に関連して聴力レベルの変動を認める。

2.平衡機能検査においてめまい発作に関連して水平性または水平回旋混合性眼振や体平衡障害などの内耳前庭障害の所見を認める。

3.神経学的検査においてめまいに関連する第Ⅷ脳神経以外の障害を認めない。

4.メニエール病と類似した難聴を伴うめまいを呈する内耳・後迷路性疾患、小脳、脳幹を中心とした中枢性疾患など、原因既知の疾患を除外できる。

5.聴覚症状のある耳に造影 MRI で内リンパ水腫を認める。

診断

メニエール病確定診断例(Certain Meniere’s disease)
A.症状の3項目を満たし、B.検査所見の5項目を満たしたもの。

メニエール病確実例(Definite Meniere’s disease)
A.症状の3項目を満たし、B.検査所見の1~4の項目を満たしたもの。

メニエール病疑い例(Probable Meniere’s disease)
A.症状の3項目を満たしたもの。

診断にあたっての注意事項

メニエール病の初回発作時には,めまいを伴う突発性難聴と鑑別できない場合が多く,診断基準に示す発作の反復を確認後にメニエール病確実例と診断する。(以上が引用になります。)

メニエール病か?メニエール症候群か?

前述のとおり「症状はメニエール病ににているものの診断基準に当てはまらないこと」は臨床上多くあります。その場合、医師は「メニエール症候群」という場合があるのですが、患者さんはそのことをよくわかっていないケースもあります。メニエール病とメニエール症候群は違う病気で、当然治療方法も違うケースが出てきます。メニエール病の場合は外科手術でよくなる場合もあります。治療方針については専門の医師とよく相談すると良いでしょう。

鍼灸院には「病院でメニエール病と言われた」という方も沢山来所されるのですが、実はメニエール症候群でストレスの問題でめまいが出ていた、患者さんが誤解をしている。というケースも考えられます。(蛇足ですが、うつ病とうつ状態も似たような言葉で意味が異なります。)緊張やストレスが原因でメニエール病のようなめまいが出ている場合は鍼や漢方でよくなることが非常に多いです。逆を言えばそのような場合には、薬物療法ではなかなか改善しない事も多いのではないでしょうか?

めまいのこと、メニエール病のことで困ったらまずは一度ご相談ください。田無北口鍼灸院ではゆっくりお話を聞かせていただき最適な方法を提案させていただきます。

身体化現象と心身症について。

結論から申し上げますと心身症は現代医学的なアプローチでは改善が困難とされていますが、田無北口鍼灸院の鍼灸施術で改善した事例が多数ございます。心身症とされる具体的な症状・病名には

痛み・しびれ、胸腹部のもたれ、吐き気、全身の倦怠感、パニック障害、鬱状態、幻聴・幻覚、過敏性腸症候群、下痢、便秘、機能性ディスペプシア、自律神経失調症、身体表現性障害、めまい、耳鳴りなど

が挙げられます。

身体化現象と心身症

身体化現象とは,精神現象が身体症状として現れることです。 身体化を特徴とする障害は,症状が無意識かつ不随意的に発生するものから,症状が意識的かつ意図的に現れるものまでの一連のものとして認められます。(身体化の概要 – 08. 精神障害 – MSD Manuals

鍼灸院で施術を行っていると「心の不調が身体に出ている」という状況をよく見ます。これを心身症といいNCNP(国立・精神神経医療研究センター)病院のHPでは以下のように説明されています。

心身症とは、各科が対応する身体疾患の内、発症や経過に心理社会的ストレスの影響で機能的(器質的)な障害を伴った疾患群です。日常生活で仕事や対人関係などの心理社会的ストレスに無頓着や無自覚な場合に発症・悪化することが多く一般的治療では改善困難です。NCNP病院 心身症

国立の医療研究機関でもあるNCNP病院のHPでも「一般的治療では改善困難」と断言しているのです。これは本当にすごいことだと思います。現代医学的なアプローチではなかなかよくならないので困っている人も多くいると予想され、その症状は以下のように説明されています。

初診時の主訴では、痛み(頭、腹部、肩、手足など)、胸腹部のもたれ、吐き気、全身倦怠感などが目立ちますが、心身症は心理社会的ストレスの影響した身体疾患群なので、過敏性腸症候群では下痢や便秘、機能ディスペプシアで腹部膨満感といったように、基本的には前述した疾患のそれぞれの症状に準じます。(NCNP病院 心身症

身体化現象が起こる理由

クラインマンやマーガレットロックといった医療人類学者の調査で「身体化現象は東アジアの文化圏で起こりやすい。」ことが指摘されています。中国や日本では精神的な不調を身体の不調として訴えやすいという特徴があるのですが、これはある原因が大きな理由かも知れません。あくまでも仮説にすぎませんがルースベネディクトが菊と刀で指摘した「恥の文化」が関係するのではないでしょうか。心の不調で周囲に迷惑をかけることや、心の不調があること自体が弱い・恥ずかしいといった感性が背景としてあり、また体の不調と違って心の不調は本人にしかわからないため周囲に理解を求める際に心の不調を身体の不調として訴えるのではないでしょうか。

これも私自身の考えや印象論にすぎませんが、精神疾患に対する偏見は日本社会にまだまだ強く存在すると感じます。これだけ病名が認知された現在でも偏見に苦しめられ、自分自身も偏見で苦しんでいる方が少なくありません。誰にも理解してもらえず辛い・苦しいという方はぜひ私に相談してください。全力でサポートをします。守秘義務は守ります。

鍼灸アプローチがなぜ有効か?

鍼灸治療は身体の表面にある「ツボ」を通し、体の様々な場所にアプローチできる技法です。そのため心の不調が身体に出た状態である心身症・身体化現象にもピッタリだと思います。身体の表面から身体を良くしていく事は合理的であるとも言えます。例えば機能性ディスペプシアのような胃の不調には、昔から背部へのお灸胃の六つ灸)が有効とされています。鍼灸治療にはこのような方法が無数にあり、また東洋医学的な発想で身体の状態を整えることも可能です。

ただし鍼灸治療でないと治せない・良くならないという意味ではありません。そこは誤解なきようお願い致します。ご自身で体操やセルフケアをしたり、カウンセリング(認知行動療法、ロゴセラピー等)に頼ってもいいと思います。薬物療法も無駄だというわけではありません。また「不安感だと思ったら循環器の不調による動悸や不整脈の問題だった」、という医学的な見逃しもあってはならないのです。弊所でも必要があれば病院を紹介し医師と連携しながら鍼灸施術を行います。それからストレスや生活習慣の問題を抱えている場合には、同時にご自身の生き方や考え方そのものを見直すことも重要です。

具体例

弊所へ相談に訪れ改善した方の具体例についてプライバシーを保護しながら書いていきます。(病名が書いてあるものは医師による診断名がついていた方です。)

・50代男性 原因不明の全身の痛み

・30代男性 機能性ディスペプシア

・10代女性 起立性調整疑い

・20代男性 パニック障害

・40代女性 耳鳴り・めまい 等

合う・あわないの問題はありますがほとんどの方は鍼灸治療を行うことで体調がよくなります。体調が良くなれば、ご自身の環境や状況・人生観を見直す余裕が生まれます。「病院の治療やお薬だけではあまりよくならない」と感じている方はまずは遠慮なく田無北口鍼灸院までご相談ください。

電動キックボードに接触しケガをしたらすぐやるべき事。

最近街中で電動キックボードを見かけるようになりました。便利な反面、接触事故などが起こることも予想されますのでそれに伴う注意点を書きます。

もしもキックボードに接触して負傷した場合、まず初めにやるべき事ですが以下の2点になります。

すぐに警察を呼ぶ。

事故証明をとっていれば仮にケガをしてしまった場合でも自賠責保険に請求することが出来ます。ナンバープレート付きの電動キックボードは自賠責保険の加入が義務付けられています。繰り返しになりますが接触事故の被害者になった場合、まずはとにかくすぐに警察を呼びましょう。大したことないから平気だろう、と自己判断するのは辞めましょう。

その上で、もしも治療をする場合は

病院で診断書をとり警察に提出する。

以上がやらなくてはいけない重要なポイントです。ここまでやっていれば自賠責保険を使えるようになります。身体は後から痛くなることもありますがコレさえしっかりやっておけば自賠責保険を使うことが出来ます。

また、おそらく電動キックボードの所有者は原付バイクと同じく任意保険未加入のケース(自賠責保険にしか加入していないケース)が多いと思われます。そのため、ご自身で「被害者請求」をしなくてはならない可能性があります。これは慣れていないと結構大変で自分で治療費を立て替えたり、印鑑証明や必要書類を揃える必要が出てきます。

しかし、田無北口鍼灸院では立て替えなし・自己負担なし(支払い指図)でも対応可能です。また書類作成サポートも無料で行います。(これは制度を熟知しているためにできる他所にはないサービスです。ただし事故証明が取れているか?などの確認は最初にさせてもらいます。)

お困りの方はまずは一度、お早めにご相談いただければと思います。交通事故・労災事故後の治療相談には長年の実績がございます。お気軽にご相談ください。

特別ご優待キャンペーンのお知らせ

初回の方、また弊所へ6か月以上来所がない方へ限定のご優待キャンペーンを実施しています。2024年5月31日まで実施します。お電話の際「ホームページで優待キャンペーンを見た」とお伝えください。お申し出がない場合サービスが適用されませんのでご注意ください。本キャンペーンは予告なく終了することがございます。予約時以外のお申し出は無効となる場合がありますのでご了承ください。

メンテナンスコース7150円(初回料金・税込み)→6150円(税込み)

トータルケアコース13200円(初回料金・税込み)→10000円(税込み)

*またおひとり様一回、頭皮薬物灸オプション(1回550円)をサービスします。ハッカ成分が入ったすっきりする薬剤を頭に塗布します。アルコール成分も入っているため苦手な方はお申し出ください。

IT系の疲労→自律神経の不調や痛み、マラソンなどスポーツのやりすぎによるオーバーユース、女性の美容目的、コロナ後遺症など様々な目的で鍼灸治療を選択する方が多いです。お気軽にご相談ください。