カテゴリー: お知らせ・ブログ・思うこと

    田無北口鍼灸院の連絡事項やお休みのお知らせニュースのまとめ制度について思うこと・・・などまとめていきます。問い合わせがある場合は院に直接連絡くださいますようお願いいたします。

YouTube動画:生活保護医療券、交通事故自賠責保険、労災保険などを使えないよう妨害された??!相談先は?

YOUTUBE原稿など含めこちらに掲載しておきます。動画は↑よりご覧ください。

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#労災 #交通事故 #生活保護

<原稿>

皆様こんにちは。田無北口鍼灸院の白石です。動画をご視聴いただきありがとうございます。本日は「生活保護医療券、交通事故自賠責保険、労災保険などを使えないよう妨害された??!相談先は?」という内容でお話させてもらいます。これも少し煽り気味のタイトルですいません。これは結論から先に言っちゃいます。当たり前の話かもしれません。

妨害されたというよりは何かしらの行き違いがあった。

という可能性が高いです。ただ中にはコミュニケーション能力や知識レベルが低い担当者もいないわけではありません。しかし喧嘩をすることはあまり得策ではありませんので担当者ともうまくやることをお勧めしています。そして生活保護制度に労災保険制度にしろ、すべての要望に応えられるわけではないのです。ですのでルールに沿った形で、冷静に対応したほうがいいかもしれません。

 

■誰に妨害されてると感じる?

誰から妨害されたか?

交通事故の場合は相手保険会社、労災の場合は会社の担当者、生活保護医療券の場合は市区町村担当者。

 

■なぜ?妨害されているという被害者意識を持ちやすいか?

基本的には「知識の差」があります。担当者の方が知識があれば「上から目線だ」と感じてしまうこともある。

生活保護を受けている方

働きたくても働けない、体調が悪い、精神疾患持っているなど

 

労災や交通事故にあってしまった方

体調が悪い・痛い、被害者である。など。

 

■実例

生活保護の医療券で鍼灸治療を受ける事を希望していた方が市役所とうまく連絡が取れないことにイライラしていた。交通事故の被害者になってしまった方が相手保険会社に対して怒っていた。こういった話はよくよく聞いてみるときっかけがあったりします。

例えば・・・すぐ連絡する→連絡をくれなかった。担当者が不在だから折り返す→折り返してくれなかった。そのような些細なこと。

けどこういった些細なことが体調が悪い人やけがをしている人にとっては本当にダメージになってしまうことがある。

 

 

■外部の相談先もお伝えしておきます

労災に関すること

労働基準監督署

 

そんぽADR、外資保険の場合は一般社団法人保険オンブズマン、弁護士など

 

生活保護制度に関すること

生活福祉課以外だと「市議会議員」に相談するという方法もある。市議会議員が協力してくれれば審査が通りやすくなることはないが状況が整理されることがある。

治療に関することであれば田無北口鍼灸院に相談してもらっても構いません。

 

■実際の担当者とやりとりを公開します。

プライバシーに配慮し音声は加工し、プライバシーに配慮し個人情報などはすべてカットしています。

担当者があまり知識がない事例です。患者さんが困って私に相談してきたのですが私が問題点を指摘しています。

鍼灸院で施術を受けるには一度、整形外科に行かなくてはいけないという話が出ていますが必ずしもそうではないです。医師が必要と認めれば問題がなく申請が通ります。これは根拠もあります。しかし、私たちはそれを非難するのではなく冷静に、お話をお伝えしカバーするような役割を果たしたいと考えています。私たちが話を伺うことで怒りの緩衝材になれば冷静になれることもあるでしょう。

YouTube動画:コロナ後遺症の治療費が無料になる?鍼灸治療費も出る?!

YOUTUBE原稿など含めこちらに掲載しておきます。動画は↑よりご覧ください。

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#コロナ後遺症 #鍼灸治療 #COVI19

<原稿>

皆様こんにちは。田無北口鍼灸院の白石です。動画をご視聴いただきありがとうございます。本日は「コロナ後遺症の治療費が無料になる?鍼灸治療費も出る?!」についてお話させてもらいます。少し煽り気味のタイトルですいません。これは正確に言えば「労災として認められたら鍼灸治療含めた医療費が保険から全額降りる可能性がある」という意味です。

コロナ後遺症といわれる状態で困っている方はとても多く、田無北口鍼灸院にも相談にいらっしゃる方が数多くいます。長期にわたる疾患で仕事が出来なくなってしまう方もいらっしゃるため、治療費や休業補償などお金の話題は避けて通れません。休業補償や後遺症が残存した場合の補償については弁護士さんなどに相談することになるのでしょうが

コロナ後遺症に伴う鍼灸治療費は労災保険から出るか?について。

ですが、結論から申し上げますと「労災が認められれば出る可能性が高い」です。また労災が認めれれるには「業務との関連性があれば」というのが条件になります。詳しくお話していきます。

 

■ コロナ後遺症とは?

このチャンネルでも何度も触れてますし、すでにご存じの方も多いと思うので詳しくは厚生労働省のページをご覧ください。

代表的な罹患後症状は、疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、喀痰、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下などがあります。また、罹患後症状は、罹患してすぐの時期から持続する症状、回復した後に新たに出現する症状、症状が消失した後に再び生じる症状の全般をさしています。

 

■ コロナ後遺症に伴う問題点は?

3つに分けてお話します。 

1.原因が不明、複雑系、長引く傾向

2.診断基準がはっきりしない問題

診断書書いてくれない問題もある。

一例

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG096CH0Z00C21A3000000/

3.患者さん不安になる

高額なサプリメントなどでも藁にも縋る気持ちで手を出してしまう。

不確かなアヤシイ情報に振り回されてしまう。などの問題が起こります。まずは行政の情報から知るのが得策です。信じられない状態になるのも、わかりますがアヤシイ情報は見ないようにしましょう。

 

■これらの問題があると、どういう事が起こる?

「あの先生のところ行けば診断書書いてもらえた」、「あそこへ行けば治った」など。

混乱する。クリニックや鍼灸院など、一部に集中する。

 

補償問題。どうする?

労災保険を認めようとする動きがある。

2022年の5月12日厚労省の通達で明言 ただし簡単では無いはず。弁護士、社労士など手を挙げる?NHKでも報じられた

労災認定されると、、、

約1年間は治療費が労災保険支払いになる。症状が残った場合でも認められると補償対象にらなる。詳しくは触れませんが休業補償などもある。社労士や弁護士に。

夏休み中、帰省中にコロナに感染した、というように明らかに業務と関係ない場合には労災保険の適用になりませんが通勤災害なども労災保険の対象になります。労災保険に加入している方なら当てはまる可能性があります。

 

■労災保険を使って鍼灸治療を受けるには?

・ その鍼灸院が労災指定鍼灸院になっていれば窓口での支払い(立て替え)をしなくてよい。田無北口鍼灸院は労災指定鍼灸院ですが、事前に確認しておいた方が良いでしょう。

手順

1.会社に申請

2.医師の同意を得る

診断書をもらうための所定の用紙がある。診鍼様式第1号

*参考 香川県鍼灸師会

 

他にも「施術効果の評価表」を定期的に出す必要がある。

3.労災保険の判断

申請すれば必ず認められるというわけではなく最終的には労災保険を管轄する労働基準監督署の判断となります。

 

もしも、労災保険を使って治療してみたいという方はぜひ一度、早い段階で田無北口鍼灸院にご相談ください。

YouTube動画:鍼灸治療の強み・弱みについてお話します。

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<原稿>
皆様こんにちは。田無北口鍼灸院の白石です。動画をご視聴いただきありがとうございます。本日は「鍼灸治療の強みと弱み」についてお話させてもらいます。
■なぜ強みと弱みについて語るのか?
鍼灸治療のことはほとんどの人が知っていると思いますが、いまだに治療を受けたことがない方もたくさん居らっしゃると思います。そのような人にとっては具体的に
「何がすごいの?」、「どんな人に役に立つの?」、「どういったケースで有効なの?」
ということが、あまりよく知られていないのではないでしょうか。また強み(良い話)ばかりを一方的に発信するのはフェアではないので弱みについても少しお話させていただきます。
■日本の病院は西洋医学中心、お薬中心の医療になる理由
日本だけではなく先進国はどこでもそうなのですが、お薬中心の西洋医学の医療になります。これは製薬会社の陰謀とかではなく理由があるのです。お薬による治療が有効性と安全性が明らかでもっともよくなる確率が高いからです。また同じお薬であれば処方するドクターによって大きく効果が変わることは考えられません。
一方で鍼灸治療などは東洋医学と呼ばれ個別性を大事にします。やる人によって内容も効果も変わってしまうのです。
そのような合理性の観点から日本を含む先進国の多くの国では西洋医学が通常医療であり、お薬中心の医療となっていますが、西洋医学が優れていて東洋医学が下という意味ではありません。西洋医学のお薬でも、苦手な分野、治りにくい・効果が出ずらい分野があるのです。
例えば体質による病気、ストレスによる病気、加齢による病気などです。
例えば筋肉の緊張が強く頭痛や自律神経の不調が起こっている場合、これは痛みを抑える薬だけではなかなかよくならないでしょう。
仕事のストレスによってうつ状態になってしまった場合もそうです。根本的なストレスを解決しない事にはなかなかよくならないかもしれません。
お年寄りの膝の痛みなど、加齢による問題もお薬だけでよくすることは難しく筋力トレーニングやリハビリなどの方法も必要となる場合は多いのではないでしょうか?また老化現象による痛みなどは完治というより悪化を遅らせる事やケアが治療の目的になるかも知れません。
これらは、東洋医学の方が得意な場合も多くあるのです。あくまでも特性の違いだと考えてください。
■(それでは)鍼灸の強みについて
三つに分けお話します。
1.薬以外の選択肢になれる
例えばお年寄りなどは持病をたくさん抱えていて「薬を増やしたくない」という希望があるケースがあります。血圧の薬を飲んで、血栓を溶かす薬を飲んで、糖尿病の薬を飲んで、、、みたいな状況です。鍼灸治療であれば薬以外の選択肢となれるためこれ以上薬を増やす必要がありません。
2.緊張をとることが出来るため痛みや不定愁訴に効果的
緊張をとる薬、はあまりなくこの分野に関しては鍼治療やマッサージなどが強いです。
また痛みや不定愁訴に関しても同様です。薬でコントロールできる痛みもあればコントロールしづらい痛みもあるのです。不定愁訴に関しては精神的なもの、感じ方や捉え方も大きく関係するため薬だけで解決するのが難しいことも多いでしょう。そのような場合に鍼治療が一つの選択肢となります。
鍼治療は癒しにも治療にもなる事が出来ます。
癒しとは・・・・
治療とは・・・・
現代医学的な診断カテゴリーに当てはまらない不調も鍼灸治療ならば対応することが可能です。
3.長い間、世界中で行われているためエビデンスが豊富
安全性と効果は歴史が証明しているといっても過言ではありませんが最近では世界各国から研究論文の報告も上がってきています。
★コクランレビューでも肯定的なものもあり。慢性腰痛、緊張型頭痛、頸部障害など。
鍼灸の弱みについて
1.薬と違って施術者の力量で差が出る
→新人とベテランで差が出てしまう。薬も処方によってはそのようなことがあり得るのである意味では仕方なし。刺激(介入)を一定にできないためにエビデンスが低く見積もられがち。
2,怖い場合のノセボ反応
→悪い反応が出やすくなってしまう
3,自費中心
→保険診療は一部だけで、かつ医師の同意がいる。
■まとめ
選択の順序の順序を知ることが大切です。
まずは病院へ。費用の観点から考えてもそれが合理的です。お薬がだめだという意味ではないし、何でもかんでも鍼治療がいいということでもないでしょう。まずは病院へ行き西洋医学的な治療を受けることも大切です。厚生労働省も「統合医療のあり方に関する検討会」で現代医学を中心に、東洋医学などは補完的な利用を推奨しています。(参考)鍼灸治療は補完的に上手に使うことが良いでしょう。
参考文献
池田光穂 癒しの文化人類学
統合医療のあり方に関する検討会 これまでの議論の整理

YouTube動画:鍼灸院でお話をしっかり聞かせてもらうこと(傾聴)の重要性についてお話します。

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傾聴 カウンセリング 東洋医学 自律神経失調症 鬱 うつ状態 適応障害 メンタルヘルス 鍼灸
<原稿>
皆様こんにちは。田無北口鍼灸院の白石です。動画をご視聴いただきありがとうございます。本日は私が鍼灸院で実践している傾聴、すなわちお話をしっかり聞かせてもらうことの重要性についてお話させてもらいます。
■傾聴とは?
傾聴とは何でしょうか?厚生労働省の監修する、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」でも積極的傾聴という言葉が紹介されています。

「積極的傾聴(Active Listening)」とは、米国の心理学者でカウンセリングの大家であるカール・ロジャーズ(Carl Rogers)によって提唱されました。ロジャーズは、自らがカウンセリングを行った多くの事例(クライエント)を分析し、カウンセリングが有効であった事例に共通していた、聴く側の3要素として「共感的理解」、「無条件の肯定的関心」、「自己一致」をあげ、これらの人間尊重の態度に基づくカウンセリングを提唱しました。

ロジャーズの3原則

1.共感的理解 (empathy, empathic understanding)
相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。

2.無条件の肯定的関心 (unconditional positive regard)
相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。そのことによって、話し手は安心して話ができる。

3.自己一致 (congruence)
聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する。分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反する。

1.2は家族に対して話を聞くような態度で臨むのが分かりやすいかもしれません。3,に関しては分からないことをわからないままにせず、しっかり深堀インタビューするようなイメージでしょうか?自分が新聞記者になったような感じで、かつ相手を攻めない姿勢で臨むのが良いでしょう?
■なぜ鍼灸院で傾聴することが重要か?
3つに分けてご説明します
1,医療機関ではあまり話を聞いてもらえないことがあるから
病院やクリニックの医療機関は重大な病気が隠れていないか?などを重視した診察になることが多いです。また抱えている患者さんも多く忙しすぎるため、一人ひとりにそこまで時間を割てないことがあるのです。ですので病院やクリニックでは話を聞いてもらえないことも多くあるのです。
2,病気が隠れていることもあるから
話を聞くことで大きな病気が隠れていないか?わかることがあります。今まで見逃されていた病気などの存在に気が付くことがあるのです。生活や趣味なども含めて話を聞くことでヒントになることもあります。たとえば、今までできていた編み物の作業が出来なくなった、などです。
3,コミュニケーションが患者の健康アウトカムや満足度にも影響することが指摘されているから(参考)
単純に自分の話を聞いてもらったら誰でもうれしいですよね。メモを取りながら話を聞くことで、何度も同じ話をきかないよう注意していますが、メモをとることに夢中になって相手の目を見ない、などの状況に陥らないようには注意しています。
参考文献
DEBLA L.ROTER&JUDITHA.HALL「患者と医師のコミュニケーション」(篠原出版新社)
山口創 皮膚感覚と脳 (日本東洋医学系物理療法学会誌 第 42 巻 2 号)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsop/42/2/42_9/_pdf

「予測が立たない時代の治りづらい疾患」に鍼灸院が提供できること。

慢性腰痛や、鬱状態、自律神経失調症、コロナ後遺症など原因が複雑で、予測が立ちづらく、治りづらい疾患が増え続けています。鍼灸院ではタッチセラピーで安心感を与え、またその人の個別性にフォーカスし問題を整理したり、問題解決のためのお手伝いが出来ます。そのためどこへ行っても良くならない人を良くする事が出来ます。

不確実性や複雑性を表す言葉、VUCA(ブーカ)とは?

90年代に軍事用語として生まれビジネス領域で広がって、2016年のダポス会議で使われひろくひられるようになった言葉です。以下の4つのキーワードの頭文字をつなげた言葉です。

Volatility(変動制):テクノロジーがかつてないスピードで進化していて急速な変化が社会に生じている状況。便利な一方情報共有におけるリスクのバランスなどが十分にわかっていない。

Uncertainty(不確実性):数か月後や数年後にどうなっているかわからない状況。組織の統廃合が進み、盤石な組織が今後も続くかどうかが分からない。

Complexity(複雑性):問題に対処しようとしても様座な要因がありすぐに解決できない。あるいはこれまでの方法では解決できない。因果関係でシンプルに解決できない問題が多い。

Ambiguity(曖昧性):物事の因果関係がはっきりせず前例がない中で先に進んでいかなければならない状況。これまでは前例があったり正解がはっきりしていたが多様な価値観の中で柔軟に取り組むことが求められている。(参考1)

元々は医療に特化した用語ではないのですが「医療におけるVUCA」も語られるようになってきました。

増え続ける治りづらい疾患、保健医療のパラダイムシフト

不確実性や複雑性、曖昧性が高い疾患は予測が立ちづらいため「治りづらい」といった特徴があります。鍼灸院でよく見かける疾患ですと鬱状態、コロナ後遺症、慢性疼痛(腰痛などの痛み)、老人退行性疾患、慢性疾患などが挙げられます。これらの疾患は体質やストレスも関係するために原因を一つに特定することが困難で「これをやれば必ず良くなる」とはなかなか言えないことが多いです。こうした疾患は現在でも多く、時代背景などからこれから考えても増えることはあっても減ることはないはずです。

厚生労働省は保健医療2035という提言書でこれからの社会と経済の変化に対応するために医療分野でも以下のような変化が必要であることを訴えています。(以下・写真参照)特に「患者の価値中心」や「キュア(治すこと)中心からケア(身体を労わること)中心」という考え方は重要です。今までの保険医療の考え方やバイオメディカルモデル(原因を特定して対処する医療のこと)では対応できないことが増えるからです。

鍼灸院だから出来ること

現在でも疾病構造の変化により治りづらい疾患は増え続けているため「病院にいったけど痛みが良くならなかった」、「病院では問題解決できなかった」という相談が鍼灸院にも数多く寄せられます。しかしこれは病院の先生や医療スタッフが悪いというよりも、今までのような保険医療制度や薬物療法だけでは解決できなかったというパターンが非常に多いのです。鍼灸院ではそのような方の不満や不安を解消し、通常医療の補完をすることが出来ます。

また現在においても「まずは病院へ」というのがオーソドックスな医療のかかり方でしょうがインターネットで病気や症状を検索する事で余計に迷ってしまいどうしたら良いか?誰に相談すれば良いか?わからない方は少なくないはずです。その方の個別性にフォーカスし、鍼灸治療をしながら鍼灸師とお話し、時間をかけてじっくり問題整理をすることも可能です。

医学的な診断がつかないのに不調が取れない場合(自律神経失調症や不定愁訴のような状態など)や、痛みや精神疾患など薬物療法ではあまり改善しない場合にも鍼灸治療がお役に立てることは多いのです。医学的な検査をした方がいいと判断される場合は病院に行くようアドバイスしたりもできます。

鍼灸治療はタッチセラピーであり、触れることで安心感を与えたりできます。また薬でないため相互作用を及ぼさない、薬が増えないなどのメリットがあるため補完医療としても優れています。ほとんどの場合で病院の治療やセルフケアなどとも併用出来ますので、何かあればお気軽にご相談ください。

参考

1:これからの倫理と看護(日本看護協会出版)

YouTube動画原稿:私が参加している勉強会「DAPA」、と田無北口鍼灸院の地域医療連携についてお話します。

YOUTUBE動画撮影に使った原稿をこちらでも公開します。

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参加する勉強会と地域医療連携について
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鍼灸勉強会 東洋医学 医師 カンファレンス 地域医療連携 医療連携
<原稿>
皆様こんにちは。田無北口鍼灸院の白石です。動画をご視聴いただきありがとうございます。本日は私が参加している勉強会について、と弊所が行っている地域医療連携についてお伝えします。この動画は弊所に来所されることを検討されている方向けに撮影していますが、同業者の方も参考になるかもしれません。興味を持っていただけたら幸いです。まず勉強会のDAPAについてお話します。
■DAPAとは?
doctor(ドクター=医師),
acupuncturist(アキュパンクチュアリスト=鍼灸師),
pharmacist(ファーマシスト=薬剤師),
association(アソシエーション=協会)
の頭文字をとった略称になります。
いわゆる東洋医学や代替医療に興味がある医師・鍼灸師・薬剤師の勉強会・交流会で日本東方医学会という学術団体が母体となっています。なぜこのような活動をする勉強会があるかと言いますとそれぞれの職域で様々な役割があるのですが、なかなか本音で話をしたり、議論をしたり、相互理解をする機会がないのが現状です。そのためそれを補うような内容になっております。
■どんな活動をしているの?参加方法や詳細は?
この勉強会には私も5年ほど前から参加をしておりまして、これまでに様々な活動をしてきましたが、いまは毎月第2月曜日20時からオンラインで「DAPAカンファレンス」という医師と鍼灸師による症例検討会を開催しています。症例検討会・カンファレンスというのは、病院に勤務する方たちが良く行っています。多職種で症例について話し合う場です。理学療法士や医師、鍼灸師や薬剤師などがある患者さんの症例をもとに一堂に話し合うのです。
この会の進め方は鍼灸師が「こんな症例があった」、「地域の病院や介護施設、助産院とこういったやりとりをした」という例を挙げそれについてディスカッションするという内容になっています。
■具体的にどんな話をしたことがある?
例えば私は、勉強会でこんな事例を紹介したことがあります。もちろんプライバシーには最大限配慮しています。
・産後の腰痛→骨折の例
産後、腰痛で鍼灸院に来所された方がいらっしゃいました。整形外科に通院するも異常なしとの診断が出てから弊所に来所。しかし2回ほど施術を行いましたが痛みが強かったため整形外科へ再度通院し、医師の診察も継続して受けるようお伝えしたところ実は骨折をしていることが分かりました。このような対応でよかったか?例えば鍼灸の施術をする前に、もっと早い段階で整形外科を勧めたほうが良かったのではないか?など様々なことを話し合いました。
・機能性ディスペプシア→漢方内科を紹介したケース
胃の不調で近隣の総合病院に通ってらっしゃった方が、お薬ではあまり改善しないということで弊所に相談に来ました。この方は機能性ディスペプシアという診断名がついてました。胃の機能異常です。鍼治療も試したいということでした。鍼治療を開始したところ少しずつ改善が見られました。総合病院への通院も継続するよう勧めてはいたのですが患者さんの方から「漢方内科を紹介してほしい」と申し出があったためそちらを紹介しました。漢方内科の医師とお手紙で情報共有しながら施術を継続し半年ほど経過した時点で完全に症状が消失しました。会のディスカッションでは「紹介のタイミングは適切であったか?」などについて話し合ったり、医師から紹介状に記載すべき内容についての助言をもらうなどしました。
もしも興味があって参加したい医師や鍼灸師の方は東方医学会のHPに詳細が書いてあります。この動画の概要欄にリンクを貼ってあるんで興味がある方はご覧になってみてください。
■なぜこのようなカンファレンスに参加するようになったか?
それではなぜ私がこのような勉強会に参加するようになったのか?についてお伝えします。
鍼灸院という場所は独立した施術所で、自分の裁量で患者さんを診ることが出来ます。医師以外でこのようなことが出来る国家資格は「あんまマッサージ指圧師、はり師・きゅう師、柔道整復師」だけです。民間医療が国家資格で確立されているのはメリットもデメリットもあります。
メリットは、現代医学の診断カテゴリーに当てはまらないような方や、どこへ行ってもよくならなかった体調が悪い方を時間をかけてじっくり、見ることが出来る点です。先ほど例に挙げた「薬ではあまりよくならなかった胃の不調で悩む方」も鍼灸治療でなら良くなった、ということも実際にあるのです。
しかしながら一方でデメリットもあります。医師のいる医療機関、病院とは違いレントゲン検査や投薬ができないなどです。また東洋医学という独自の理論体系を扱っているため、他の医療者とコミュニケーションがとりづらく医療のシステムからはずれ孤立しやすいという点が挙げられます。
一般の患者さんは鍼灸院と病院でできる事の違いを細かくは理解していません。そのような情報をお伝えし、地域医療の入り口に立つ役割をするには多職種の考え方、医師の考え方を学ぶ必要があると考え、この勉強会DAPAで学んでいます。
■この勉強会に参加するようになってからやるようになったこと
1,カルテを正確につけるようになった
鍼灸師やマッサージ師の養成学校ではカルテを正確に書く方法は教わりません。しかしながらカルテを正確にかけなければ、データを正確に残せない為、ほかの医療者と情報共有出来ないのです。この勉強会でカルテの書き方や医師への紹介状の書き方を教わって正確な医療情報が残せるようになりました。
2,地域医療連携を積極的に行うようになった
この会に参加し学んだことで、弊所では以下のような説明を施術前に行うようになりました。必要があればいつでもクリニックや総合病院を紹介するというスタンスを最初に患者さんに明示し、安心して通院してもらうよう心がけています。
また同時に、「総合病院や大学病院へのかかり方」などは知らない方も多いため上手なかかり方も説明しています。総合病院や大学病院では専門的な治療や検査が受けられますが直接受診すると選定療養費がかかる可能性があることやかかりつけ医を持つメリットなども紹介しています。
またはがきサイズのメモ書きとしてこのようなメッセージを発信しています。鍼灸院だけではなく「必要に応じ病院への受信も促す」内容になっています。患者さんが医学的な不利益を被らないようにこのような試みを行っています。noteではどこへ行ってもよくならない方へ「上手な代替医療のかかり方」という読み物を公開し勉強したい方が読める内容になっています。
以上、弊所では患者さんの利益のため、また医療の安全を守るためにこのような勉強会に参加して日々、鍼灸院の提供するサービスの質向上に努めています。今日の動画を見て何かご質問あればお気軽にお声掛けください。最後までご視聴いただきありがとうございました。

「どの医療機関に行くべきか?は迷う。」という話。

ある病気かも?という疑いがありネット等で情報を調べることがあります。その結果、医療機関に頼ろう決意。その後、近辺の施設をリサーチするという行動をとる方は多いと思います。

のどの痛みは耳鼻科、歯の痛みは歯科など分かりやすいものは良いのですが、例えば「大人の発達障害が疑われる場合、どこに行くべきか?」、「自律神経失調症のような症状がある場合、どこへ行けばいいか?」、「自分はコロナ後遺症だと思う。どこに相談したらちゃんと診てもらえるか?」というケースですと、どの医療機関に、どのようにかかるべきか、費用がどのくらいかかるか、そもそも自分が望んでいる結果を得られるのか、等迷うことも多いのではないでしょうか。まずは弊所0424974586にお電話くだされば疑問などにお答えすることが出来ます。

以下に過去、鍼灸院に寄せられたお悩みも紹介します。参考にしてみてください。

(1)どこに行けばよいかわからなかったケース

起床時に腰を痛める。痛みが強く足を引きずって、やっとの思いで鍼灸院へ来院された方がいました。あまりにも痛みが強いため、施術をするのに一苦労。アイシングや鍼治療で痛みが落ち着くこともありますが「歩くのもやっと」というような強い痛みが急激にでてしまった場合にはまずは病院で診察を受けるのが良いでしょう。注射による治療などは即効性もありますしまずは原因の特定(診断)が先になります。

(2)どのように通院すればわからなかったケース

何回くらい通えばよいか?どのくらいのペースで通えばよいか?おおよその目安はこちらに記載してありますがケースバイケースですし、わからなかったために問い合わせをされた方もいました。一回の治療・施術で良くなる場合もありますが慢性疾患のような症状の場合、一回の治療では良くならないことも多いです。弊所だけのお話ではなくそもそも医療機関のHPを見ても分からないことも多いのではないでしょうか?とくに保険診療でやっている医療機関のHPは料金のことも詳しく書いていないことが多いです。これは法律の関係もあり仕方がない面もあるのですが患者さんにとっては非常にわかりづらいケースだといえるでしょう。

(3)本当にここで悩みが解決するのかわからなかったケース

長引くコロナ後遺症により体調が悪化してしまい病院を受診するもちゃんと診てもらえず、鍼灸を頼った方がいました。そもそも自分の悩みが鍼灸治療で解決するのか?不安なために初回の施術時に悩みや不安を吐露されていました。自分の悩みが解決される場所なのかどうかは行って話をしてみなければわからないことも多いですし、信頼関係が必要な場合も多いでしょうが、弊所ではまずはお電話でお悩みをお聞きして、そのうえで初回に悩みや疑問点を詳しく伺っています。また、そのような方はとくに「似たようなことで悩んでいる他の患者さんはどのような形でよくなっていったのか?」聞きたがる方も多いためプライバシーに配慮しながら似た事例もご紹介させていただくことが多いです。

鍼灸院に継続して定期的に来所される人は「鍼灸院に来ると体調が良くなる人」であり、「施術を受けると症状が良くなるだけでなく気持ちの面も身体の面もすっきりする。」というお声をいただきます。鍼灸院が合う方は「本当にここに来てよかった、悩みが解決された」という方が多いのですが、逆を言えば合わない方は最初にご説明し、施術を無理に勧めたりすることはありません。

何かあればまずはお気軽にご相談ください。体調面でお悩みを持つ方は「こうなりたい」という希望を持っている方が多いため弊所でそのお悩みにお答えできる場合は、なるべく具体的にお答えします。

オイルバーム、骨盤ベルト、お灸などの販売について。

<1>オイル販売

弊所では鍼灸施術後の肌の赤みをとる目的や痛みや緊張の緩和、保湿目的でオイルトリートメント施術も行っています。足や背中だけではなく顔に行うこともあります。使用しているオイルは
いろいろありますが主に以下です。販売もしていますので。欲しい方はお声がけください。

(1)エミューオイル

オーストラリア産です。すっとする成分(ユーカリ・クローブ・ペパーミント他)が入っています。

販売価格:

大90グラム 6050円

小35グラム 3050円

 

弊所でオイルをご購入いただいた方にはセルフケア方法が書かれた「セルフマッサージガイド」を差し上げています。気に入った方はご自宅でもどうぞ!

<2>お灸・骨盤ベルト販売

以下の商品も市販のものより格安にて販売しています。

お灸 1シート550円(約2週間分)

腰痛予防・骨盤ベルト 2200円

カッピング(吸玉・吸角)灸療法、オイルトリートメントについて。

田無北口鍼灸院では鍼灸施術の補助療法として、以下のような施術を流れの中で取り入れて行います。(それのみ、の施術は承っておりません)

カッピング灸療法:痕が残るのが嫌な方には無理にオススメはしませんが鍼灸施術にプラスして行うと、効果が高いために症状改善目的でも美容目的でも施術を行うことが多いです。

オイルトリートメント(薬物灸) :美容だけでなく保湿にも効果があります。麻の実、馬油、エミューオイルなど・・・コンディションや状況に合わせて選べます。フェイシャルや肩甲骨や足などオイルメニューが可能です。鍼灸施術後の、皮膚の赤みを抑える目的でもオイル塗布施術を行っています。

 

 

 

・・・

吸玉の効果は以下のようなものがあげられます。

(1)血行をよくする

吸引圧によって血管を拡張、血液循環を改善する。糖尿病による知覚障害や高脂血症による動脈硬化にも有効。

(2)血液をきれいにする

吸引圧により細胞の代謝をスムーズにする。持ち去られた代謝産物は肺や腎臓で処理された以外へと排出される。

(3)皮膚の若さを保つ

皮膚血管が拡張し血液循環量が増加・皮膚温も上昇。その結果新陳代謝が盛んになる。

(4)関節の動きを滑らかにする

関節周りの血流改善。滑膜からの分泌を促す。

(5)神経の調整

自律神経の安定作用がある。

(6)内臓諸器官を活発にする

自律神経を介して内臓反射。活発に。

*緑書房「吸玉療法入門」参考

 

またスライド法といってカップにオイルをつけ皮膚を滑らせていくやり方があります。リンパを流す目的などで施術を行いますが弊所の施術では行いません。

コロナ後遺症(ポストコロナ症候群)を訴えやすい人の特徴や慢性疲労症候群(CFS)との類似点

2023年3/27日現在コロナ後遺症を訴える方が増え、たくさんの相談をいただいてます。「実際にコロナウィルスに感染し、病院で診断され症状も重かった」方や「実際にはコロナウィルスに感染していないものの症状が類似しているため自分はコロナ後遺症ではないかと考えている」方などパターンは様々です。どこからどこまでがコロナ後遺症に該当するのか?はっきりしないことも多いのでまずは詳しい医師からも診察してもらうよう勧めますが、鍼灸治療に期待し相談に来る方はすでに自分でいろいろな治療法を試していて病院へ行って医師の診察を受けていることも多いです。(EAT・上咽頭擦過療法を行ってくれる耳鼻科や漢方に詳しい内科など。)最近ではコロナ後遺症のことを「ポストコロナ症候群(Post-COVID Syndrome)」といういい方がなされることも多いようです。どのような症状なのか?どのような方がなりやすいのか?まとめていきます。

コロナ後遺症(ポストコロナ症候群)の症状に関して

原因や機序など詳しくはまだわからないことが多いのですが厚生労働省は症状として「疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、痰、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下」などを挙げています。*上画像参照(厚生労働省HPより

どのような方が多いのか?

上記のように症状は様々ですが不定愁訴、自律神経失調症などと呼ばれるような症状に似た訴えをする人が多いです。また私自身の個人的な感想ですがそのような症状で過去にも悩んだ経験がある方が多いのではないか、という印象があります。「自律神経系の不調で苦しんだことがある。」、「子供のころ過敏性腸症候群のような症状に悩まされていた。」といった声をいただくことが多いのです。精神的なストレスに敏感で自律神経症状を感じやすい方がコロナ後遺症を訴える傾向にあり、又長引く傾向にあることを指摘している医師もいますしかし、それらに関してはまだエビデンスと呼べるほどのデータはそろっていません。

新型コロナ感染の後遺症リスクが高い人の特徴はBMJという医学誌に掲載されました。それによると新型コロナウイルス感染症の急性期後(回復期・慢性期)の後遺症発症リスクを調べた結果「50歳以上で」「既往症があり」「新型コロナで入院した」に該当する患者が最も後遺症を発症するリスクが高くなったのです。一方で、年齢や既往歴の有無に関係なくメンタルヘルスを発症する患者が増加することも示唆されました。どちらが先で、どちらが結果なのかはまだよくわからないのですがメンタルヘルス(心身症)が影響していることはあるようです。

慢性疲労症候群との類似性

また慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome: CFS)という病気とコロナ後遺症(ポストコロナ症候群)の類似性が多いという現場の声も多いです。米マウント・サイナイ医科大学教授のDonna Mancini氏らが実施した研究では対象者のほぼ半数(46%)がCFSの基準を満たしていたことが明らかになりました。またこの研究論文では対象者の88%に呼吸機能不全が生じていることが判明しました。呼吸訓練を行えば回復も期待できる可能性もあります。

慢性疲労症候群の診断基準については厚生労働省のホームページより引用し以下紹介しますが、この疾患は「除外診断」といってほかの病気が否定された場合に初めて診断することが出来るのです。診断までに時間もかかるので安易に自己判断はしないようにし、専門の医師の指示を仰ぐのが良いでしょう。以下はあくまでも参考程度にとどめてください。

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慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome: CFS)は原因不明の慢性的な疲労の病因・病態の解明を目的に1988年にCDCにより提唱された比較的新しい疾患概念であり、これまで確定診断に結びつくような検査異常(バイオマーカー)は同定されていない。したがって、その診断には臨床症状を中心とした診断法が用いられており、日本でのCFS診断には厚生労働省(旧厚生省)の研究班がHolmes診断基準1)を基に1991年に作成した厚生省CFS診断基準2)(表1)が用いられている。

この基準によると、CFSと診断されるには、大クライテリアに記載されている、①生活が著しく損なわれるような強い疲労を主症状とし、少なくとも6ヶ月以上の期間持続ないし再発を繰り返すことと、②慢性疲労の原因と考えられるような疾病を除外すること、の2項目を満たすことが必須であり、小クライテリアとして症状クライテリアの8項目を満たすか、症状クライテリア6項目と身体所見クライテリア2項目を満たす必要がある(表1)。

また、大クライテリアで意味する“強い疲労”の程度をより明確にするために、表2に示すperformance status(PS)が定められており、CFSと診断されるためにはPS 3“全身倦怠感の為、月に数日は社会生活や労働ができず、自宅にて休息が必要である”以上の疲労程度であることが求められている。

表1:厚生省CFS診断基準試案(平成7年3月、一部改変)

A.大クライテリア(大基準)
1生活が著しく損なわれるような強い疲労を主症状とし、少なくとも6ヶ月以上の期間持続ないし再発を繰り返す(50%以上の期間認められること)。
2病歴、身体所見.検査所見で表2に挙げられている疾患を除外する。

B.小クライテリア(小基準)
ア)症状クライテリア(症状基準)
(以下の症状が6カ月以上にわたり持続または繰り返し生ずること)

1微熱(腋窩温37.2~38.3℃)ないし悪寒

2咽頭痛

3頚部あるいは腋窩リンパ節の腫張

4原因不明の筋力低下

5筋肉痛ないし不快感

6軽い労作後に24時間以上続く全身倦怠感

7頭痛

8腫脹や発赤を伴わない移動性関節痛

9精神神経症状(いずれか1つ以上)羞明、一過性暗点、物忘れ、易刺激性、錯乱、思考力低下、集中力低下、抑うつ

10睡眠障害(過眠、不眠)

11症時、主たる症状が数時間から数日の間に発現

イ)身体所見クライテリア(身体所見基準)(2回以上、医師が確認)
1微熱

2. 非浸出性咽頭炎

3リンパ節の腫大(頚部、腋窩リンパ節)


◎大基準2項目に加えて、小基準の「症状基準8項目」以上か、「症状基準6項目+身体基準2項目」以上を満たすと「CFS」と診断する。
◎大基準2項目に該当するが、小基準で診断基準を満たさない例は「CFS(疑診)」とする。
◎上記基準で診断されたCFS(疑診は除く)のうち、感染症が確診された後、それに続発して症状が発現した例は「感染後CFS」と呼ぶ。

表2  PS(performance status)による疲労・倦怠の程度

(旧厚生省 慢性疲労症候群診断基準(試案)より抜粋)3)


0:倦怠感がなく平常の生活ができ、制限を受けることなく行動できる。

1:通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、 倦怠感を感ずるときがしばしばある。

2:通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、 全身倦怠の為、しばしば休息が必要である。

3:全身倦怠の為、月に数日は社会生活や労働ができず、 自宅にて休息が必要である。

4:全身倦怠の為、週に数日は社会生活や労働ができず、 自宅にて休息が必要である。

5:通常の社会生活や労働は困難である。軽作業は可能であるが、 週のうち数日は自宅にて休息が必要である。

6:調子のよい日は軽作業は可能であるが、 週のうち50%以上は自宅にて休息している。

7:身の回りのことはでき、介助も不要ではあるが、 通常の社会生活や軽作業は不可能である。

8:身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、 日中の50%以上は就床している。

9:身の回りのことはできず、常に介助がいり、 終日就床を必要としている。

(以上、引用)

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鍼灸治療を行うメリット

慢性疲労症候群に対する鍼治療の有効性の研究はたくさんあります。症状改善に役立つことが示唆されています。症状改善という意味では鍼治療がお手伝いできることも多いと思います。また呼吸リハ、ヨガなどと組み合わせて行うことでの症状改善も期待できます。ケースバイケースではありますがまずはご相談いただければ詳しくお話いたします。

鍼灸安全対策ガイドライン

医療には医療過誤の防止や安全管理の目的などを学ぶ「医療安全」という学問があります。厚生労働省も以下のようなメッセージを出しています。

医療安全の確保は医療政策における最も重要な課題の一つです。患者の安全を最優先に考え、その実現を目指す態度や考え方としての「安全文化」を醸成し、これを医療現場に定着させていくことが求められています。医療安全を確保するためには、行政、医療機関、医療関係団体、教育機関や企業、さらに、医療に関係する全ての方が各々の役割に応じて医療安全対策に向けて積極的に取り組むことが必要です。

鍼灸にも全日本鍼灸学会が中心となり編集された「鍼灸安全対策ガイドライン」というものが存在します。大切なことが書いてあるので抜粋し紹介していきます。大きく4項目に分かれて書かれています。とても大事なことですので弊所ではこれらに準拠し施術を行っています。何かご不明な点があればご質問ください。

1,安全対策の一般要求事項と注意事項

鍼灸師・あんまマッサージ指圧師は「あはき法」という関係法規があります。これらの法律を遵守し行政の指導には速やかに従うこと、リスクマネジメント、カルテ記載と保護の重要性、禁忌施術や部位、出張施術時の注意事項などについて書かれています。

2,感染防止対策

このご時世、特に気をつけなくてはならない感染症対策について書かれています。手指の衛生、防護服、廃棄物処理、施術所の衛生管理、鍼を刺すときの衛生注意事項などについて書かれています。

3,有害事象防止対策

感染症・臓器や神経の損傷・皮膚疾患など有害事象や副反応(副作用)の対策について書かれています。また鍼が折れてしまう事故の対策などについても書かれています。

4,関連療法の安全対策

鍼灸治療において良く行われる療法(鍼通電、灸頭鍼、刺絡など)の注意点について書かれています。

だるい、気分が落ち込む、痛みが取れない、耳鳴りやめまいがする、骨盤周辺の違和感がある、ほか・・・不定愁訴とは何か?

こんな症状を訴える方が増えています・・・

☑ なんとなくだるい

☑ いらいらする

☑ 頭が重い

☑ 疲労感が取れない

☑ 朝起きられない

☑ 気分が落ち込む

☑ 痛みが取れない

☑ 骨盤周辺の違和感や排尿時痛がある

☑ 憂鬱な気分が続いている・・・・

これらは「不定愁訴」(ふていしゅうそ)と呼ばれ何となく体調が悪いという自覚症状を訴える方からの相談が多いです。不定愁訴とは医学的に説明できない・原因を特定できない状態のことでMedically Unexplained Symptoms(MUS)と呼ばれます。1)

訴え(主訴)は強いが主観的で多岐にわたり、客観的所見に乏しいのが特徴です。また正式な病名ではないものの自律神経失調症と病院等で言われることも多いです。原因が特定されずらく、症状が安定しないため治療も難しいとされています。

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ストレスや生活習慣病が大きな原因??

以下の項目に1つでも当てはまることがある方は注意が必要です。上記のような症状が出やすい状態であるといえます。

☑ 仕事が忙しい。

☑ いつも時間に追われている。

☑ 子育てをしていて疲れがたまっている。

☑ なかなか休めない。休日もメールの返信に追われている。

☑ 人間関係の悩みがある。

☑ いっつもコンビニやファーストフードで食事を済ませてしまう。

☑ 一日中パソコンのモニターを見ている。ほか

病院に行って検査をしても何も異常はなく「ストレスが原因ですね。」と言われて特に解決方法もなくどうしていいかわからず途方に暮れてしまった・・・そんなお話も、よく聞きます。確かにストレスが原因の一つですし、生活習慣が原因だということはなんとなくわかるのでしょうがどうやってそれを改善すればいいのかわからず途方に暮れてしまうことも多くあるようです。ストレスなく楽しく仕事や生活をし、十分な運動ができ、しっかり休めて、ちゃんと栄養のバランスを考えた食事が取れればおそらくこのような症状を訴える患者さんは激減することになると思います。・・・しかしそれらのことを実行するのは、とても困難な方が多いのではないでしょうか??みなさん時間に追われ、また多くのストレスを抱えながら生活しています。本当に大変だと思います。

生活習慣を変えるきっかけを鍼灸で!!

鍼灸を行うことでこれらの不調を解決するお手伝いができます。自律神経安定作用、リラックス作用、疲労回復作用などがあり休んでも取れなかった疲れを急速に回復させることなども可能です。生活習慣を見直すきっかけにも最適でしょうからぜひとも試してみることをオススメいたします。

参考1)不定愁訴のABC(日経BPマーケティングP1より)